前回に引き続き、ハマナカ、どてらい、えにしの3人で「オレライブラリ交換会」を開催。
今回も、それぞれの本棚から本を持ち寄る。
山本七平『空気の研究』、経営学をたどる『コンテクストマネジメント』、荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』、佐々大河『ふしぎの国のバード』、東直子『春原さんのリコーダー』、ピーター・ワッツ『ブラインドサイト』、そして沢木耕太郎『深夜特急』へ。
空気を読むとは、何を読むことなのか。
経営理論は、どう生まれてきたのか。
漫画は、農業や歴史や文化をどこまで描けるのか。
短歌は31音でどこまで景色を立ち上げるのか。
ハードSFは、人間の意識をどこまで疑えるのか。
読めば読むほど、読みたい本が増えていく。
オレライブラリ延長戦、今日もお聴き流しください。
【目次】
- 00:00:00 オレライブラリ延長戦、開幕
- 00:00:59 空気を読むとは、何を読むことなのか
- 00:10:05 「空気」という言葉の正体を探る
- 00:22:31 経営理論も、歴史から生まれてくる
- 00:39:39 『銀の匙』と、農業高校に詰まった現実
- 00:50:00 『ふしぎの国のバード』と、明治の日本を旅する目
- 01:00:00 東直子の短歌と、忘れたものは諦める勇気
- 01:06:03 『ブラインドサイト』と、人間の意識を疑うSF
- 01:20:06 本は、人生のどこかでまた戻ってくる
【要約】
- 00:00:00 オレライブラリ延長戦、開幕
前回は時間が足りなかった3人。収録後に紹介本を買ってしまった話から、今回も互いのインプットを増やす気満々で始まる。本を紹介するだけのはずが、言葉、経営、農業、歴史、短歌、SF、旅へと、本棚の枝はぐんぐん伸びていく。
- 00:00:59 空気を読むとは、何を読むことなのか
どてらいが紹介するのは山本七平『空気の研究』。「空気を読む」とは、話の先を読むことなのか、相手の裏側を察することなのか、その場の暗黙のルールを感じることなのか。嫌いな言葉なのに置き換えづらい、その不思議さを掘っていく。
- 00:10:05 「空気」という言葉の正体を探る
空気はエアーなのか、雰囲気なのか。目に見えないけれど場に満ち、人間の行動を左右するもの。ハマナカは語源や訳語としての成立にも目を向ける。夢、言語化、空気。言葉は時代と社会の中で、あとから意味の層を増やしていくのかもしれない。
- 00:22:31 経営理論も、歴史から生まれてくる
ハマナカが持ってきたのは、経営学のフレームワークを歴史や学派の流れから捉え直す本。ポジショニング学派、プロセス学派、多角化戦略、PPM、SWOT分析。便利な道具に見える理論も、企業活動を観察し、整理し、後から理論化した歴史の産物だった。
- 00:39:39 『銀の匙』と、農業高校に詰まった現実
えにしが紹介するのは荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』。北海道の農業高校を舞台に、食べること、育てること、命、お金、家業、進路が描かれる。明るく読みやすい漫画でありながら、食べ物がどこから来るのか、生活がどんな産業に支えられているのかを考えさせる。
- 00:50:00 『ふしぎの国のバード』と、明治の日本を旅する目
続いて佐々大河『ふしぎの国のバード』へ。明治初期の日本を旅したイザベラ・バードを通して、都市と村、外から見た日本、アイヌ文化やクマとの共生まで話は広がる。歴史漫画は、文化や地域を別の角度から見る強い入口になる。
- 01:00:00 東直子の短歌と、忘れたものは諦める勇気
どてらいが紹介するのは東直子『春原さんのリコーダー』。31音で情景や心情を立ち上げる短歌の力に惹かれる。目に映ったものを書き留め、あとで忘れていたものは諦める。覚えていたものだけが自分に刺さっていたものだから、それを言葉にする。短歌は日常から何を拾うかの技術でもある。
- 01:06:03 『ブラインドサイト』と、人間の意識を疑うSF
ハマナカが紹介するのはピーター・ワッツ『ブラインドサイト』。科学的知識を踏まえ、人間の意識や自我に切り込むハードSFである。吸血鬼、複数人格の言語学者、機械化した生物学者など異様なクルーが、異星人との接触を通して「知性と意識は本当にセットなのか」を問いかける。
- 01:20:06 本は、人生のどこかでまた戻ってくる
終盤、えにしは沢木耕太郎『深夜特急』について語る。かつて手放した本を、本屋を始めたことで再び買い戻したという。若い頃に読んだ本も、今の自分が読めば違う受け取り方になる。手に取れること、本棚で目が合うこと。リアルな本には、人生の別のタイミングで戻ってくる力がある。
【漠然なる気付き】
- オレライブラリは、語れば語るほど枝分かれし、読みたい本が増えていく。
- 「空気を読む」は嫌な言葉でありながら、置き換えづらい言葉でもある。
- 言葉は時代や社会に合わせて、意味の層を増やしていく。
- 経営理論も歴史から生まれる。フレームワークは観察と整理の跡なのだ。
- 漫画は、農業や歴史や文化を考える入口にもなる。
- 短歌は短いからこそ強い。覚えていたものだけを残す勇気が問われる。
- 『ブラインドサイト』は、知性と意識、自分とは何かを疑わせる。
- リアルな本には、人生の別のタイミングでまた戻ってくる力がある。
- 第42回は、読むべき本、文化、言葉、歴史、SF、旅をめぐるオレライブラリ延長戦だった。
【本日の漠然マイスター】
- ハマナカ
紙折り人。DJやプログラミングもする。折り紙デザインスタジオ Kamiori-Studioを運営。漠然スタイルは「神降ろし」。
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- どてらい
物書き。空手やたこ焼き職人もする。主に雑誌『散歩の達人』で執筆、トンチキ企画担当。漠然スタイルは「イタコ」。
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- えにし
シェア型書店「えにしの本屋」店主。観光業にも携わり、歴史や人流に造詣が深い。漠然スタイルは「読書」。
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