定数削減は「次善の策」、衆院選挙制度改革の本丸は何か?
榛葉幹事長は会見の冒頭で、前日に衆議院の選挙制度について大きな方向性をつけることができたと報告しました。今後は具体的な定数削減とその他の6項目について条文を作り、今国会での成立を期すとしています。
そのうえで榛葉幹事長は、令和8年9月30日に衆議院の選挙制度に関する協議会が森議長に提出した報告書を、記者に資料として配布しました。
榛葉幹事長の説明によると、この協議会は4年前の令和4年の公選法改正の際、衆議院の選挙制度を抜本的に見直すよう求める付帯決議 ── 法律の可決にあわせて国会が採択する、運用や今後の課題についての意見や要望。法的拘束力はありませんが、政府や国会の取り組みの方向を示しますが出されたことを受けて設置されたものです。
報告書の1つ目の項目は、調査会が理想の選挙制度に関する答申を設置後1年以内をめどにまとめ、協議会がその答申を最大限勘案して具体的な結論を得るよう努力する、という内容です。榛葉幹事長は、これこそが本丸だと強調しました。
つまりは、協議会を設置してから1年以内に抜本的なですね、選挙制度改革をやりなさいと。これが本丸なんです。
報告書の2つ目の項目では、抜本改革には相応の時間がかかるため、現行制度も不断に見直していくことが立法府の責務だとされています。榛葉幹事長は、前日に出てきた定数削減などは、この当面の「次善の策」にあたると整理しました。
榛葉幹事長の説明に沿うと、報告書が示す2つの取り組みは次のように位置づけられます。
理想の選挙制度に関する答申を踏まえ、協議会で具体的な結論を得る。実現には時間がかかる
時間がかかる抜本改革とは別に、現行制度を不断に見直す。前日に出た定数削減などがこれにあたる
45、31、19という数字や削減されることばかりが注目されてですね、各党がいいだ悪いだ、すべって転んで言ってますけども、
大切なのは抜本改革、そしてそれには時間がかかるので、しっかり次善の策をやりなさいということです。
榛葉幹事長は各党、とりわけ衆議院の議員に対し、前日の中身への賛否に関係なく、抜本的改革の成案を得るために全力を尽くしてほしいと呼びかけました。
榛葉幹事長は、衆議院では自民党が単独で3分の2以上を持っており、すぐに解散するような空気でもないため、じっくり議論する環境は整っているとの見方も示しています。
日銀のETF発表、2兆円の税外収入をどう使う?
冒頭発言の2点目として、榛葉幹事長は日銀が会見当日に発表したETF ── 上場投資信託。日銀は金融緩和策の一環として大量に買い入れてきましたをめぐる方針に触れました。発表では、ETFに関する期間が短縮されるとしています(具体的な年数は書き起こしで確認できません)。
榛葉幹事長によると、国民民主党の玉木代表はかねてから、この期間を短縮すれば住民税減税に必要な2兆円程度の財源が出ると主張していました。榛葉幹事長は、発表が「いみじくも同じようになりましたね」と述べています。
榛葉幹事長は、おおむね2兆円くらいの税外収入が入れば様々な政策が実現可能になるとし、消費税の問題も含め、政府案にとどまらず税金を国民に返していく方策を各党で議論できるかもしれないと話しました。
さらに榛葉幹事長は、日銀が金融政策を据え置き、物価安定目標の2%を達成したと認めた以上、そろそろ政府もデフレ脱却宣言 ── 日本経済がデフレ状態から抜け出したと政府が公式に表明すること。物価動向などを総合的に見て判断されますをしてもいいのではないかと述べました。
榛葉幹事長は、政府与党だけでなく財務当局や日銀、そして高市総理の努力に敬意を表したうえで、野党の立場でも暮らしが良くなるようにサポートしていきたいとして、冒頭発言を締めくくりました。
離党組の合流希望に「ドアは閉まっている」
質疑の最初は堀田喬記者でした。堀田記者は、次の解散総選挙は2年後の参議院選挙とのダブル選挙になると確信していると述べ、榛葉幹事長は「それわかりません」と応じました。
続いて堀田記者は、「中道なんとか」に移った議員たちが前日に今後を話し合う会議を開き、その中に国民民主党から次の選挙に出たいという人が何人かいたと、今井さんのブリーフィングで説明があったとして、受け止めを尋ねました。
玄関の扉が開いてどうぞって言ってる状態なら入ってきてもありますけど、ドア閉めて鍵かかってるのに無理やり入るぞつったらそれはまずいね。
榛葉幹事長は、国民民主党が6〜7年弱前に15人で退路を断って独自の道を選んだ一方、旧国民民主党にいた多くの議員は覚悟して立憲民主党に移ったのだと振り返りました。
(当時は)本当に馬鹿にされましたよ。政党支持率はほぼ視力検査と一緒だった。0.5とかね。四捨五入でゼロという時もあった。
「絶滅危惧政党」とまで言われながら踏ん張ってきたと語る榛葉幹事長は、そちらの道を選んだ人はそちらでしっかり考えてやってもらえばいいと、合流を受け入れない姿勢を示しました。
堀田記者が「ヤギの餌を持ってきても会わないのか」と重ねると、榛葉幹事長は「ヤギの餌はもらってもいいですけど、来るかどうかはまた別問題です」と笑いを交えて返しました。
覆面レスラー議員は国民民主党に来るのか?
次に指名されたのは安積明子記者です。榛葉幹事長が「今日はベテランからいきましょう」と指名し、「大ベテランです」とやり取りする場面もありました。
安積記者は来年の統一地方選に関連して、18日に行われた兵庫県川西市の市議選について質問しました。安積記者によると、国民民主党の川北さんは250票ほど票を増やして当選したものの、2人目の候補は立てられなかったといいます。
安積記者の説明では、トップ当選は覆面レスラーのビリーケンキッドさんで、福祉にも取り組み4000票以上を獲得しました。この人物は連合の推薦を受けているといいます。
安積記者は、兵庫県連の向山さんが「ぜひうちに来てもらいたい」と話していると紹介し、プロレスの元コミッショナーを務めた榛葉幹事長も一緒に声をかければいいのではと水を向けました。榛葉幹事長は「素晴らしい」と応じましたが、書き起こしはこのやり取りの途中で終わっています。
まとめ
今回の会見で榛葉幹事長は、注目を集める定数削減はあくまで次善の策であり、衆院選挙制度の抜本改革こそ本丸だと訴えました。経済面では日銀のETF方針を国民への還元財源として評価し、質疑では離党組の合流希望に距離を置く姿勢を明確にしています。
- 衆院選挙制度の協議会報告は、抜本改革を本丸、定数削減などを当面の次善の策と位置づけている
- 榛葉幹事長は、自民が衆院で3分の2以上を持つ今こそ抜本改革をじっくり議論すべきだと呼びかけた
- 日銀のETF方針で見込まれる約2兆円の税外収入を、減税など国民への還元に使う議論を求めた
- 他党に移った議員の合流希望には「ドアは閉まっている」とし、受け入れない姿勢を示した


