牛の白黒模様と「六白牛」の話
最初の質問は、牛の模様がなぜ白黒なのかを扱ったTikTok投稿へのコメントでした。
昔、牛を飼っていたというカーボーイさんからは、ホルスタインの模様にまつわる言い伝えが寄せられました。
足の先が四本、尻尾の先、それとお腹が白いのがホルスタインだよと言われていて。真っ黒な牛でも蹄の裏がちょっと白いから、まあギリ六白牛みたいな、そんなのがあってですね。
ただし川上さんは、ホルスタインの場合は模様が変わっても扱いは変わらないと説明します。
今はゲノム検査や唾液・毛根を使ったDNA検査で血統を調べられるため、斑紋が異常でもホルスタインとして登録されるのだそうです。
一方で黒毛和牛の登録では事情が違い、お腹の白い部分が大きいと登録できない場合があると話されています。
雄牛でね、種牛で素晴らしい牛でも、斑紋がおかしいと種牛になれなかったりみたいな、そんなこともあったりします。
ライブ配信では交雑牛の話にも触れ、前足が黒く後ろ足が白い、あるいはその逆といった個体があると紹介されました。
AIスライドで伸びる発信と、牛の見え方
続いて、noteの人気記事をAIでスライド化してTikTokやリールに投稿する取り組みへの反響が紹介されます。
この形式は再生数が伸びており、「見やすい」「勉強になる」といった感想が多く寄せられているそうです。
音声やnote、Xでも同じ内容を発信してきただけに、川上さんは複雑な思いものぞかせます。
音声配信でも配信して、noteの記事でも配信して、Xでも投稿して、それでもやっぱりこのスライドにするとやっぱり見てもらえる。複雑な思いです。
牛の視力を扱ったスライドへのコメントでは、草食動物としての牛の見え方が話題になりました。
牛は約360度の視野を持つ一方で、前方と後方が見えにくいという特徴があると解説されています。
ただし川上さんは、人間に近視や色覚の違いがあるように、牛の見え方も一頭ごとに異なると補足します。
音楽よりも環境。牛のストレスの根本
牛のストレスは音楽ではなく環境で決まる、という配信へのコメントも取り上げられました。
きっかけは、堆肥配達で年配の方の誘導どおりに下がったところ、トラックがハマってしまったというトラブルでした。
JAFを待って2時間半、予定が狂ったという実体験を交えつつ、川上さんはストレスの本質に話を戻します。
人間でもいろんなストレスがあります。音楽だけ聞けばそれが解決されるかというとそうでもない。一瞬の音楽で心が休まることもあるでしょ。でも根本的な解決にはなってない。
一時的に和らげることと、根本から整えることは別だという視点が語られました。
酪農ヘルパー制度への感謝
酪農ヘルパー制度をテーマにした配信には、制度のおかげで趣味も続けられるという感謝の声が届きました。
川上さんが今日休みを取れているのも、まさに酪農ヘルパーさんのおかげだと話します。
同時に、ヘルパーが安心して働ける環境の大切さにも触れ、現場で心をくじかれてほしくないという思いを口にしました。
老牛ホームをどう考えるか
配信アプリからは、役目を終えた牛を余生まで飼う「老牛ホーム」についての質問が寄せられました。
海外にはこうした動物が集まる仕組みがある一方、日本ではクラウドファンディングで資金を集めて運営する例が少数あると紹介されます。
川上さんが気にかけるのは、その持続性でした。
これって資金が尽きたら終わりじゃないですか。支援が尽きた時にその牛たちはどうなるかと言ったら、結局廃用になってしまう。それって牛にとってどうなんだろうなと思うんですよね。
通常の酪農では、経済動物としての役目を終えた牛は最後にお肉として役立てられます。
それに対し、資金が尽きたからやめるという人間の判断は牛にとってどうなのか、と一酪農家として問いかけます。
ただし、社会が認め経済として持続するなら良いことだとも述べ、いろんな考え方があってよいと結んでいます。
社会が認めて、経済が回って、ビジネスとして成り立って、持続性があるならば全然いいことだと思いますね。でも僕はやろうとは思いませんね。
クロテッドクリームと酪農家の家庭料理
乳製品の話題も続きます。イギリス発祥のクロテッドクリームがなかなか流行らない、という声が寄せられました。
川上さんは自身を「牛と酪農と牛乳は話せるが、加工品はあまり喋れない」と語り、おいしいものがあれば教えてほしいと呼びかけました。
酪農家ならではの家庭料理を問われると、意外にも答えはシンプルでした。
うちはそんなに家で牛乳を使った料理、何作るかと言ってもグラタン、シチューぐらいですよ。あとはホットケーキ。日常の皆さんと変わらないです。
川上さん自身は牛乳をそのまま、あるいはプロテインで割って飲むことが多く、料理に多用するわけではないそうです。
「ここで働いてよかった」と感じる瞬間
最後は、第三者継承をテーマにしたnote記事へのコメントです。
継ぎたいと思える場所になっているかという視点、すごく響きました。川上さんの牧場で働く人が「ここで良かった」と感じる瞬間ってどんな時ですか?
川上さんはまず、求人と現場のギャップが定着を妨げていると指摘します。
「初心者OK」「アットホーム」と書かれていても、実際は人手が足りず教える余裕もない現場では、人はすぐに辞めてしまうと話します。
求人票を書いてるのが酪農家さんじゃなくて、聞き取りした求人サイトの担当者が代理で書いてたりするので、求人広告と現場のずれがよくあるんですよね。
そのうえで、「ここで良かったと思われたい」という気持ちはないと語ります。
外から酪農業界に入った川上さん自身が「こうしてもらえたら嬉しかった」と思うことを、そのままやっているだけだといいます。
緩めのスタンスが今の若い世代に合っているかもしれない、と振り返りつつ、最後に挙げたアドバイスはコミュニケーションでした。
休憩時間によく話したり、本当にくだらない話でも雑談するというのが一番めちゃめちゃ大事だなと思います。アドバイスできるのはそれぐらいですかね。
まとめ
牛の模様という小さな豆知識から始まったコメント返しは、老牛ホームや求人のあり方といった、酪農の現実に踏み込む話へと広がりました。川上さんの答えに共通するのは、目先の見栄えや理想論よりも、持続性と根本的な環境を大事にする姿勢だと感じられます。
- ホルスタインは模様が変わってもDNA検査で血統が確認できるが、黒毛和牛の登録では白い部分が問題になることがある
- 牛のストレスも人のストレスも、音楽は一時的な緩和にすぎず、根本は環境を整えることにあると語られた
- 老牛ホームは資金が尽きた時のリスクがあり、持続性が成り立つなら良いという立場が示された
- 求人広告と現場のずれが定着を妨げるため、経営に余裕のある牧場でないと人は続きにくい
- 働き手の定着に効くのは特別な仕掛けではなく、くだらない雑談も含めた日々のコミュニケーション
