リスナーからの質問「一番大変なことは何ですか?」
この日の配信では、リスナーから届いた質問に答えていきます。ポポポという配信アプリの、ポポポネームゴロさんからの質問です。
このお仕事で一番大変なことは何ですか?
川上さんは元々、農家出身ではありません。サラリーマン家庭で育ち、きっかけがあって酪農家になったと話しています。
だからこそ、酪農を始めたい人がインターネットで調べたときの印象が気になると言います。
昔はですね、本当にきついとか汚いとか、給料安いとか、ネガティブな投稿ばっかりだったんです。酪農ってやったら第二ワードにそういうきついとかやばいとか、そういうのばっかりで。
きつい、汚い、給料が安いという現実はある。それでも、それ以上に素晴らしいところがいっぱいあると考えています。
そのイメージを変えたくてノートでの発信を始めた、と話されています。今回はその川上さん個人が思う大変なことを、順番に挙げていきます。
休みの取りにくさと、牛中心の生活リズム
まず挙げられたのは、休みが取りにくいことです。牛は毎日ミルクを出します。
年末年始もお盆も、台風の日も大雪の日も、そしてゴールデンウィークも搾乳があります。人間の都合で今日は休みます、とはなかなか言えません。
ここが酪農の一番わかりやすい大変さだと話されています。ただし、大きい牧場では交代制で休む仕組みや酪農ヘルパー酪農家に代わって搾乳や餌やりなどの作業を行う制度・人材。休みが取りにくい酪農で、休養や外出を可能にする役割を担うも充実してきていると言います。
次に生活リズムです。朝早く起きて搾乳をし、餌をやり、掃除して、また夕方に搾乳。生活の中心が完全に牛になります。
友人との予定も家族の行事も、まず牛の世話をどうするかから考えていく。慣れる部分もありますが、やはり大変だと話されています。
命を預かる責任と、体力的なきつさ
三つ目は、命を預かる責任です。牛が病気になることも、子牛がうまく育たないことも、出産でトラブルが起きることもあります。
昨日まで元気だった牛が急に調子を崩すこともあり、その度に判断が求められます。見逃したら命に関わる。この責任の重さは大きいと言います。
四つ目は体力的なきつさです。餌を運び、堆肥を扱い、機械を直し、暑い牛舎で作業し、寒い朝に水仕事をする。
酪農は綺麗な仕事だけではありません。特に夏の暑さは、人間にも牛にもかなりきついと話されています。
夏は本当に仕事してないなと思いますけど。でも空調服とか、冷感のシャツみたいなのも出てますから、これも昔よりは全然良くなってきてるかなというところですけどね。
お金のプレッシャーと、自然に振り回される仕事
五つ目はお金のプレッシャーです。飼料代、燃料代、電気代、機械代、建物の修理代が、すべて値上がりしています。
でも牛乳の価格は自分で自由に決められるわけではありません。コストは上がるのに、収入は思ったように上がらない。経営者としては重いプレッシャーだと言います。
子供3人を大学にまでちゃんとしっかり出せるだろうかっていう、トランプさんの発言一つでですね、餌代とか燃料代とかいきなり上がったりとかするともう青ざめちゃいますよね。
六つ目は、天気と自然に振り回されることです。暑さ、寒さ、雨、台風、雪。天気によって牛の体調も、作業の進み方も変わります。
堆肥の配達も飼料の管理も天気に左右される。自然相手なので、計画通りにいかないことが当たり前だと話されています。
業界全体に広がる人手不足
七つ目は人手不足です。酪農は専門性が必要な仕事で、誰でもすぐにできるわけではありません。
搾乳、牛の観察、機械操作、衛生管理と、覚えることがたくさんあります。だから人を雇うのも、育てるのも難しいと言います。
この問題は牧場の中だけにとどまりません。牛乳を運ぶタンクローリーの運転手、餌を運ぶ運転手、人工授精師、獣医、酪農ヘルパー、搾乳機の担当者。
酪農に関わる仕事の多くで人手が足りず、業界全体が人手不足の状況になっていると話されています。
最後に残る、本当につらいこと
ここまで、休みのなさ、朝の早さ、体力、命の責任、お金、天気、人手不足と挙げてきました。どれも本当に大変です。
でも、川上さんが一番つらいと思うのは、実はそこではないと言います。
これはコロナ禍のときに、特に強く感じたことだそうです。飲食店や学校給食が止まり、一生懸命作った牛乳が飲まれなくなりました。
廃棄になってしまうかもしれない、というニュースも出て、自分の仕事は何なんだろうと打ちひしがれたと振り返ります。
牛乳は、ただ商品として出てくるものではありません。毎日牛の体調を見て、餌を考え、暑さ寒さに対応し、搾乳と衛生管理をする。その積み重ねの先にあります。
牛が悪いわけでもないし、農家が手を抜いたわけでもありません。ちゃんと作ったものが届かない、選ばれない、これはかなりしんどいです。
発信を続ける理由と、飲んでくれる人への感謝
川上さんがオンラインでの発信を始めたのも、このコロナ禍がきっかけでした。三密を避けようと言われる中で、牛舎の中からできることを試行錯誤したと言います。
酪農業界の中にいると、牛乳が飲まれない、牛の価格が高いといったネガティブなニュースばかりが目に入ってきます。
だからこそ、SNSを通じて飲んでくれる人の声が届くことが力になると話されています。
いつも飲んでますよっていう声を聞くだけで、今日からもう本当に美味しい牛乳を作ろうかなという意識に変わるので、本当にいいね一つだけでもありがたいです。
まとめ
酪農には大変なことがたくさんあります。それでも川上さんにとって最後に残る一番つらいことは、一生懸命作った牛乳が飲まれないことでした。だからこそ、今日牛乳を手に取ってくれる人の存在がありがたいと語られています。
- 休みの取りにくさや牛中心の生活リズムは、酪農の分かりやすい大変さ
- 命を預かる責任、体力仕事、経営のプレッシャー、天気、人手不足がのしかかる
- 川上さんが一番つらいと感じるのは、作った牛乳が飲まれ・選ばれないこと
- コロナ禍で牛乳が余った経験が、オンライン発信を始めるきっかけになった
- 飲んでくれる人の声が、次も美味しい牛乳を作ろうという力になる
