牧場物語で酪農家になった川上さんへのユニークな質問
今回のお便りは、スプーンのリスナー・ゆがけさんから届いた質問です。
温暖化の影響で牛から排出されるメタンガスが問題視されていますが、牧場物語では削減するためにどのような施策をすればいいでしょうか?教えて川上さん。
川上さんは「なぜ川上牧場ではどうしているか、じゃなかったのか」と笑いつつ、質問を大歓迎しています。
そもそも川上さんは、小学生の頃にお年玉で買ったゲームボーイの最初のソフトが牧場物語だったそう。シリーズを買い続けて、そのまま酪農家になった経緯があります。
牧場物語をやって酪農家になった男、川上牧場ですから。一番最初に買ったゲームソフトが牧場物語だったんですよね。
今回はゲームの設定で考えながら、現実の酪農でも議論されている対策を整理していきます。
そもそも牛はなぜメタンを出すのか
まず前提として、なぜ牛がメタンを出すのかをおさらいします。
牛は反芻動物で、ルーメン牛の第一胃。微生物が草を発酵・分解して消化を助ける、反芻動物特有の大きな胃です。の中で微生物が草を発酵・分解します。その過程で水素が発生し、メタン菌が水素と二酸化炭素からメタンを作るんですね。
つまりメタンは、草をエネルギーに変えるときの副産物。完全にゼロにするのは、牛の消化機能そのものを否定することになってしまいます。
だから現実では「出る量を減らす」「排出効率を下げる」「生産効率を上げる」という方向で考えていくそうです。
飼料の改良と生産効率アップという2つの施策
1つ目の施策は、餌の改良です。
現実でも研究が進んでいるのは、消化率の高い飼料や特定の海藻成分、それにメタン生成を抑える添加剤などです。
川上さんはここで、ゲームなら「メタン削減飼料を研究開発できるイベント」があってもいい、と話します。白衣を着た理系の女の子キャラの恋愛イベントで研究が進む、なんて妄想も。
これ牧場物語をやってる人はめっちゃ笑ってるこれ。やってない人は全く意味がわかんないかもしれないですけど。
2つ目の施策は、牛の生産効率を上げること。
少ない頭数で同じ乳量を出せば、牛乳1kgあたりのメタン排出量は下がります。繁殖効率の改善や健康管理の強化、乳量の安定がそれにあたります。
地味だけれど、現実で最も効果的な方法だそう。ゲームでいえば、ブラッシングと餌やり、晴れた日の放牧で牛の愛情度を上げて「ゴールデンミルク」を目指すイメージですね。
糞尿管理と放牧、バイオガスで炭素を回す施策
3つ目の施策は、糞尿管理とバイオガスです。
メタンはゲップだけでなく糞尿からも出ます。現実ではメタン発酵プラントやバイオガス発電、消化液の再利用などが行われています。
川上さんは、牧場物語をオマージュした「Stardew Valley」を例に挙げ、発電施設や自動収穫のような仕組みを牧場物語に入れればいい、と話しています。
4つ目は、放牧管理の工夫。草地の管理が良ければ土壌に炭素が固定され、CO2の吸収が期待できます。牛は排出するだけでなく、草地を通じて炭素循環にも関わっているんですね。
肥料システムのあるシリーズなら、そこを発展させてJ-クレジット省エネや森林管理などで削減・吸収した温室効果ガスの量を、国が認証してクレジット化する制度。売買することもできます。を発行できたら面白い、というアイデアも出ました。
牛は温暖化の原因そのものではない、という現実の視点
最後に、川上さんは現実的な視点を強調します。
牛は地球温暖化の原因そのものではありません。問題は化石燃料由来のCO2や大規模な土地転換、非効率な生産構造など、もっと複合的なものだと話します。
さらに牛のメタンは短寿命の温室効果ガスで、大気中に残る時間がCO2より短いという特徴があります。CO2はずっと残りますが、メタンは比較的早く消えていくんですね。
ただし、ゼロではない。だからこそ改善の努力は続いている、とまとめます。
ゲームでも現実でも、牛の福祉と環境配慮の両立が鍵になる、というのが川上さんの答えでした。
まとめ
牧場物語で酪農家になった川上さんが、リスナーの「牧場物語でメタンを減らすには?」という質問に、ゲーム設定と現実の対策を重ねて答えた回でした。飼料や健康管理、バイオガス、放牧といった話題を通して、牛の福祉と環境配慮を両立させることの大切さが語られています。
- 牛のメタンは、草をエネルギーに変える反芻の副産物で、完全なゼロは消化機能の否定になる
- 現実の対策は「出る量を減らす」「排出効率を下げる」「生産効率を上げる」の3方向で考える
- 飼料改良、健康管理による生産効率アップ、バイオガス、放牧の炭素固定が主な施策
- 牛は温暖化の原因そのものではなく、メタンはCO2より大気中に残る時間が短い
- 一番大切なのは、牛の健康を守りながら改善すること
