大荒れの天気と、日曜恒例コメント返しのはじまり
この日は1月11日の日曜日。出雲市は最高気温3度、雪のち曇りという大荒れの天気で、風速10メートルほどの強い風が吹いていました。
配信中もカーテンが揺れる音が響くほどで、川上さんは「地震より風が強い」とこぼす場面もありました。
風が強い、地震より風が強い。今日はすごいな。
日曜日は毎週恒例のコメント返し回。1週間で各SNSや音声配信に届いた質問やコメントに、ゆったり答えていく時間です。
島根県東部の地震を心配する声への返信
この週は島根県東部で大きな地震があり、複数のリスナーから心配の声が届いていました。
なかでも印象的だったのが、福島で東日本大震災を経験した元酪農家のミルヒーさんからの連絡です。当時からXでつながっていて、その頃の情報が川上さん自身の経験になっているといいます。
何かあった時に、こうやって相談できる酪農家さんがいるっていうのはかなり心強いので、これからまた地震が来た時には、ぜひ相談させていただきたいなと思っております。
「好きを仕事にする」ことへの考え方
Xでは、研修生とのやりとりを書いたnoteの記事が引用リツイートで紹介されました。飼育員マルオカさんは「好きを仕事にしたい人は読んで欲しい。大事なのは知った上で選ぶこと」とコメントしています。
酪農業界では、学生や若い従業員が「牛が好きだから、給料が少なくても、時間労働が多くても大丈夫」と話すことがよくあるといいます。
ただ川上さんは、その気持ちはわかりつつも、続かなくなってしまうケースが多いと指摘します。恋人や家族、子供ができると、環境が変わってくるからです。
ヴィーガンからの声と、通報という対応
この週は「酪農家を敵視するヴィーガンについてどう思うか」という質問に答えた配信にも、コメントが集まりました。
YouTubeのメイプルさんは、川上さん自身が「ヴィーガンの考えを否定しているわけではない」と話していることに触れつつ、自身の体験を寄せています。
以前真っ白いホルスタインが生まれた時、嬉しくて写真をXに載せたら、「お母さん牛とすぐ離れ離れにされてかわいそう」などヴィーガンの方からコメントが書かれたので、それ以来Xは趣味がメインです。
川上さんは、Xでは基本的に返信をせず、いいねを返す程度だといいます。よくわからないコメントが来たときは、そっと通報しているそうです。
この回にも匿名で「虐待してるからだろう」というコメントが届きましたが、配信を聞いた様子もなく、内容もわからなかったため通報したと話します。
虐待について川上さんは、一部の場所ではあるかもしれないとしたうえで、次のように補足しました。
出産動画に寄せられた、酪農家と視聴者からのコメント
この週いちばん反響が大きかったのが、1月3日に投稿した子牛の出産動画です。TikTokは約3000回、YouTubeは約2000回、Instagramは投稿時点で2万7000回ほど再生されていました。
今回の子牛は逆子で、本来なら頭から出てくるところが後ろ足から出てくる状態でした。川上さんはその難しさを、コメントに答えながら具体的に説明しています。
酪農家のタチュシキノシタさんからは「骨盤出てから急ぐあたりとてもわかる(笑)」というコメントが。川上さんは、なぜ急ぐ必要があるのかを解説します。
逆子はへその緒が頭より先に切れてしまうため、その瞬間に自発呼吸が始まります。しかし頭はまだお腹の中にあり、羊水を吸い込んでしまう危険があるのです。
へその緒が切れたらすぐ、吸い込まないようにパパッと出すっていうのを感じ取っていただけたらありがたいですね。
今回のお母さん牛はベテランの5産目で、頸管も開いていたため出せたといいます。これが初産だと本当に大変なのだそうです。
TikTokのカンシンさんからは「一人でやってるなんてすごい。何人かでやるのかと思っていました」というコメントも。川上さんは、専用の道具を使えば一人でも対応できると答えています。
ブラジルで酪農をする友人からは、ポルトガル語で「おめでとう、プロの十年生」とお祝いのコメントが届きました。川上さんは18歳から酪農を学び始め、就農して16年目ほどになるといいます。
決定的瞬間か、それとも日常か
「決定的瞬間、よくぞ頑張りました」というコメントに対して、川上さんは酪農家ならではの感覚を語ります。
川上牧場では搾乳牛が40頭から50頭ほどいて、週に一回のペースで子牛が生まれます。だから酪農家目線では、出産はそれほど珍しいものではないのだそうです。
酪農家目線からしてみると、あんまり決定的瞬間ではないっていう感じなんですけど、まあ日常ですね。
一方で、消費者からするとなかなか見られない場面です。だからこそ多くの人が動画を見てくれたのだろうと、川上さんは受け止めています。
久しぶりに、1年ぶりほどで牛の出産を動画に上げたところ、これほどの反響があったといいます。お正月だったことも関係しているのかもしれない、と本人も理由ははっきりわからない様子でした。
SNS運用の変化と、この回のしめくくり
配信の終盤、ライブに「川上さん、最近ポストの長さで笑わせに来てます」というコメントが届きました。
川上さんによると、これはXのアルゴリズムに合わせた投稿をAIに分析してもらいながらやっているとのこと。自分の意思というより、見てくれる人を増やすための工夫なのだそうです。
あまり僕の意思はないですけど、でも見てくれる方増えてますからね。
今回の出産動画をきっかけに、音声配信やnoteから酪農のことを知ってもらい、継続的に牛乳を飲んで応援してほしい、という思いで川上さんは配信を締めくくりました。
まとめ
子牛の出産動画がSNSで反響を呼んだ週のコメント返し回。逆子の出産の実際や、ヴィーガンからの声への向き合い方、そして酪農家と消費者の感覚の違いが、コメントへの返信を通して見えてくる回でした。
- 1月3日投稿の子牛の出産動画がInstagramで約2万7000回など、各SNSで大きく再生された
- 今回の子牛は逆子で、へその緒が切れると羊水を吸い込む危険があるため、素早く出す必要がある
- 搾乳牛が40〜50頭いる牧場では週に一回ほど出産があり、酪農家目線では出産は「日常」
- ヴィーガンからの厳しいコメントには、返信せずそっと通報するなど、無理に対立しない対応をとっている
- 「好きを仕事にする」なら、環境要因も知った上で選ぶことが大切だと研修生に伝えている
