猛暑で止まった自動給餌機と、コメント返しのはじまり
この日は7月19日の日曜日。出雲市の最高気温は35度という暑さで、牛たちが餌をほとんど食べない状況が続いていたと話されています。
さらに追い打ちをかけるように、自動給餌機がついに止まってしまったそうです。
メーカーに修理を頼んだものの、パーツ交換で直せるものではないと言われてしまったとのこと。今は手作業で配合飼料を配っていると話されています。
自動給餌機がやってくださった配合飼料を、今は手でやっているところで倒れちゃうよ、このままじゃ。牛より先に。ぜひ皆さん牛乳飲んでください。
この日の配信は日曜恒例のコメント返し。一週間に寄せられたコメントを、じっくり読み上げていく回になっています。
名前で管理する牧場と、桜に込めたブラジル研修生の思い
最初のコメントは、常連リスナーのメープルさんから。子牛の名前が「さくら」になったことに触れ、真冬生まれでも「さくら」という牛がいると寄せられました。
川上牧場では、研修生やリスナーが牛の名前をつけることがあるそうです。この「さくら」も、ブラジルの研修生がつけた名前だと話されています。
正式名称は「セレジーラ」。ブラジルには戦後に渡った日系の人々がいて、桜も多いことから、日本とつなぐ名前になればという思いが込められているそうです。
日本から戦後、開拓民とかで日本人がいっぱい行かれてるんで、日系の何世みたいな方がおられて、向こうにも桜がいっぱいあるそうで。日本をつなぐ名前になればいいなっていう、めちゃめちゃ思いを込めた名前ですね。
番号ではなく名前で牛を管理している牧場がどれくらいあるのか、同業の人にも聞いてみたいと呼びかけています。
環境の変化と牛のストレス。個性への配慮とアニマルウェルフェア
続いてのコメントも、メープルさんから。牛舎を移動したときに、環境の変化を嫌がって鳴き続ける子もいれば、のほほんとしている子もいると寄せられました。
牛にも個性があり、環境への適応能力に差があるのではないかと話されています。
こうしたストレスを和らげる工夫として、同じ月齢で育った牛や仲の良い牛を一緒に移動させる方法があるそうです。
最近の牛舎では、牛が常に仲間を見られる位置に区切りを作ったり、首輪のセンサーで通れる柵を制御したりと、ストレスに配慮した設計もあると紹介されています。
監視カメラとAI。「気づく役」に絞る発想への共感
Xには、川上牧場が導入した監視カメラの配信に対し、ミサキさんから設計面でのコメントが寄せられました。
監視カメラ3台で発情と異常行動だけ拾うのいい設計だと思います。僕も業務ツールを作る時、AIに全部任せず気づく役に絞ると、誤検知への対応コストがぐっと下がる実感があります。
これに対して川上さんは、自分は専門家ではないと率直に打ち明けています。
使っているのはバイブコーディングと呼ばれる方法で、AIに「こうした方がいいのでは」と指示しながら勝手にできあがったもので、行動の意味も分かっていなかったと話されています。
これがもっと酪農業界に広がったらもっとデータが集まって楽できるなって思って作っただけなんで、誰か代わりにやってください。
瓶牛乳がおいしく感じる理由と、消費者への感謝
瓶牛乳に関する投稿には、「不思議と特別冷たくおいしく感じる」というコメントが寄せられました。
これについて、瓶のひんやりした感触や口当たりの広がりから、瓶牛乳の方がおいしく感じられるという科学的な根拠が出ていると話されています。
一方で、瓶牛乳は重く割れやすいため、流通の面では難しさもあるとのこと。見つけたときはぜひ飲んでほしいと呼びかけています。
別のコメントでは、休みなく続く牛舎作業への感謝と、届いた牛乳を子どもが飲んでいるという声も寄せられました。
牛が仔牛で生まれて、大きくなって、出産して乳が取れるまで二年かかりますんで、この二年の間、皆さんが牛乳を飲んでもらえるために頑張っているんです。
その二年の努力の先で「牛乳はいらない」と言われてしまうとどうしようもない、と話されています。一日コップ一杯でいいので飲んでほしい、という思いが伝わってきます。
90万円の黒毛和牛。金額の裏にある6年と血統への挑戦
島根県の子牛市場に初めて子牛を出荷したという投稿には、「これは黒字ですか?」「相場を知らないがそういうものなのですね」といったコメントが寄せられました。
今回の子牛は88万円、税込みで90万円を超える価格で買われたそうです。数字だけを見ると、大きく儲かっているように受け取られるかもしれません。
しかし、この血統を揃えるまでには、めちゃめちゃ大変だったと話されています。増頭のために飼い始めた牛が今6歳ほどで、次が3産目。つまり6年をかけてたどり着いた結果だといいます。
6年かけてできて、子牛が生まれて80万円だったっていうのを考えていただくと、皆さんはどう思われるかってとこですよね。今は餌代も高いですし。
以前は1頭平均40万円ほどだったものが、今はバブルのように高くなっているとのこと。円安で海外の肉が入りにくくなり、逆に和牛の輸出が伸びていることが背景にあると話されています。
血統については、競馬のように脈々と受け継がれ、地域性や歴史もある奥深い世界だと語られています。
黒毛和牛のこの血統っていうのも、競馬とかと一緒で、脈々と受け継がれてきて、伝統を受け継がれて、地域性もあったりして、歴史もあります。すごい深いやつなので、知ってもらうと、もう沼ですね、これ。
今回の子牛は、島根県トップクラスの「秋の富士」に、比較的新しい種雄牛「ハクユリ」、さらに肉質は優秀だが子牛が小さくなりやすい「ノブタダサカエ」を組み合わせた挑戦的な配合だったと解説されています。
秋の富士
島根県でトップクラスの評価を受ける母方の系統
ハクユリ
検定明けで販売開始された新しい種雄牛。大きくなり肉が取れる
ノブタダサカエ
肉質は優秀だが子牛が小さく、市場では評価されにくい種雄牛
高評価での落札
挑戦的な組み合わせが認められ、税込90万円超で取引
家畜市場ではあまり見かけない配合に挑戦した結果が、高い評価につながったことを知ってほしいと話されています。
まとめ
日曜恒例のコメント返しから見えてきたのは、牛乳や黒毛和牛の一頭一頭に、酪農家の長い時間と工夫が積み重なっているという現実でした。90万円という金額も、6年という歳月や餌代の高騰を知ると、まったく違って見えてきます。
- 猛暑で自動給餌機が止まり、手作業で配合飼料を配る厳しい現場が続いている
- 牛には個性があり、環境変化のストレスを和らげる工夫やアニマルウェルフェアへの配慮が進んでいる
- 瓶牛乳は科学的にもおいしく感じられるが、流通面の難しさがある
- 乳が取れるまで二年、繰り返し飲まれることで初めて酪農は成り立つ
- 90万円の子牛は6年の育成と挑戦的な血統設計の末にたどり着いた結果である
