リスナーからの質問「耳のタグは法律?牧場ごと?」
この日の配信では、リスナーから寄せられた牛の耳のタグに関する質問が取り上げられました。ポポポという配信アプリのミッシーさんから届いた問いです。
牛の耳にタグなどがついているイメージですが、法律などで決められた情報がつけられているのか、それとも各牧場で独自にわかりやすくつけているものでしょうか?
牛の写真を見ると、耳に黄色いタグがついています。川上さんによると、これは「個体識別番号」と呼ばれ、牛一頭ごとに必ずつけないといけないものだと話されています。
この質問は定期的に届くそうで、今回は改めて詳しくまとめて答える形になりました。
今日はちょっとマニアックだけど面白い質問が来ております。
結論は「両方ある」|混ざっている2種類のタグ
川上さんは結論から答えます。耳についているタグは、法律で決まっているものと牧場ごとに決まっているものの2種類が混ざっているとのことです。
結論から言いますと、両方ありますという答えになります。法律で決まっているタグと牧場ごとに決まっているタグ、この二種類が混ざっていますということですね。
見た目は似ていても、この2つは役割が異なります。まずは法律で決まっているタグから説明が進みます。
法律のタグ「個体識別番号」は牛のマイナンバー
法律で決まっているタグは、全国共通の「個体識別番号」です。法律で義務化されており、牛一頭一頭に世界で一つの番号がつきます。
この番号でわかるのは、生まれた牧場、牛が別の牧場へ移動した履歴、そして病気などで処分した際の屠畜の情報です。
これはトレーサビリティ、つまり追跡情報を追えるようにするための番号だと説明されています。
日本でこの管理が厳しくなったきっかけは、BSE問題でした。牛の脳のプリオンによる病気が起きた際に、かなり厳しく管理されるようになったとのことです。
耳標をつけ始めたのは、半世紀にはならないくらい前だと川上さんは話しています。
牧場のタグは「作業のため」|自由につけていい
もう一つは、牧場ごとの管理タグです。こちらは自由につけてよいものだと説明されます。
名前や牧場ごとの管理番号を書いたり、色で分けたり、系統管理に使ったりします。人間が管理しやすくするためのタグです。
たとえばひと目でわかる色をつけて、この子はこの群れの牛だとすぐわかるようにします。生まれた年や誕生日で番号をつけることもあります。
現場はスピードが命ということで、管理しやすくするためということですね。
川上さんは、2種類ある理由をシンプルにまとめます。法律は社会のため、牧場は作業のため。目的が違うのです。
全国共通で義務化。生まれた場所や移動・屠畜の履歴がわかる。社会の安全のためのタグです。
各牧場が自由につける。色や番号で群れや年を見分ける。作業を効率化するためのタグです。
外していいタグ・ダメなタグ|よくある誤解
すべて同じ意味のタグだと思われがちですが、それは誤解だと川上さんは指摘します。
法律のタグは変えてはいけません。外れたら再申請して、同じものをつけ直す必要があります。一方、牧場のタグは自由に変えてよく、群れが変わるたびに付け替えても問題ありません。
見た目は似ているけど役割は全然違いますということです。
現場では一瞬で牛を見分ける必要があります。だからこそ、人が見てわかる情報が重要で、それが牧場タグの役割だと話されています。
川上牧場の管理方法と、お肉のタグの楽しみ方
川上牧場では、個体識別番号のタグしかつけていないそうです。牛ごとの管理はこの番号や、牛群検定の検定番号で行っています。
頭数が少ないため、子牛の時から見ている牛の顔や模様、体の大きさで、大体どの牛かわかると話されています。
ただし100頭、200頭と増えたり、従業員がシフト制で入れ替わったりすると、情報伝達が難しくなります。その場合はタグや首輪で管理することになります。
個体識別番号は、スーパーの少しいいお肉にも書かれています。交雑牛や黒毛和牛のお肉には番号が記載されていることがあります。
その番号をインターネットで検索すると、どこで生まれ、どこで育ち、どこで食肉になったかがわかります。川上牧場で生まれた黒毛和牛が届いているかもしれません。
まとめ
牛の耳の黄色いタグには2種類あります。法律で義務化された全国共通の個体識別番号と、各牧場が作業のために自由につける管理タグです。見た目は似ていても目的と役割はまったく違います。
- 法律のタグ「個体識別番号」は牛一頭ごとの世界に一つの番号で、生まれた場所や移動・屠畜の履歴を追える
- 個体識別番号はBSE問題をきっかけに厳しく管理されるようになった
- 牧場のタグは色や番号で群れや年を見分けるための作業用で、自由に付け替えてよい
- 法律のタグは外れたら再申請が必要だが、牧場のタグは自由に変えられる
- スーパーのお肉の個体識別番号を検索すると、生まれた場所や育った場所がわかる
