なぜ今、粉ミルクの話なのか
この日の配信は、リスナーから来た質問に答える回です。
背景には、牛乳を飲む人が減っているという現状があります。
消費が減るとバターに回したり、バターを作るときに出る脱脂粉乳が増えたりして、長期保存できる形に変えていくのだと川上さんは話します。
そのなかで出てきたのが、脱脂粉乳、スキムミルク、バターミルクパウダーなどの違いは何か、という質問でした。
質問「スキムミルク=脱脂粉乳でいい?」
今回の質問は、前日に続いてコルトマルティスさんから寄せられたものです。
スキムミルクは脱脂粉乳と捉えていいですよね。それ以外にバターミルクパウダー、全粉乳がありました。分かりにくいですね。牛乳の代替は全粉乳に決めました。国内で安全性が高めで作っているところが少ないですね。
牛乳や乳製品の裏の表示を見ると、意外といろいろな乳原料が入っているものです。
川上さんは、少しマニアックだけれど重要な質問だとして、この違いを整理して答えていきます。
全部「牛乳」から、違いは脂肪の扱い
川上さんがまず示した結論は、これらはすべて牛乳からできている、というものです。
この一点さえ押さえれば、種類ごとの違いは一気にシンプルに見えてきます。
以下、それぞれの製品を順番に見ていきます。
脂肪をほぼ抜いた状態。低脂肪でタンパク質・カルシウムが多く、さっぱりとした味わい。
脂肪をそのまま残したもの。牛乳に近くコクがあり、保存性が高い。粉の牛乳と言えるほど牛乳に近い。
スキムミルクは脂肪をほぼ抜いたもので、いわゆる脱脂粉乳です。
川上さんは「学校給食で使われるやつ」という説明について、日本の給食では牛乳が使われているため、これは海外や昔の情報だろうと補足しています。
一方の全粉乳は脂肪をそのまま残しているので、牛乳に一番近い商品だと話します。
バターミルクパウダーと全粉乳の使いどころ
続いてバターミルクパウダーです。
これはバターを作った残りからできるもので、独特の風味があり、お菓子や加工用に使われることが多いと川上さんは説明します。
水に溶かして飲むというより、用途がそもそも違うということです。
では、全粉乳は牛乳の代わりになるのでしょうか。
川上さんの答えは「かなり近いけれど、完全に同じではない」というものです。
加工時に熱が入るため香りや風味が少し変わるものの、栄養的にはかなり近く、保存用や非常用としては優秀だと話します。
安全性は心配しなくて大丈夫
質問にあった「国内で安全性が高いところが少ないのでは」という点にも、川上さんは丁寧に答えます。
理由として、日本の食品衛生基準はとても厳しく、輸入品もしっかり検査されているため、安全性が低いということはないと説明します。
昔、脱脂粉乳による食中毒の大きなニュースがあり、その印象に引っ張られている面があるのではないかとも話します。
日本と海外では乳脂肪の量や製造工程が違い、風味や味に差が出ることはあります。
ただそれは、皆さんが楽しむものとして食べてもらえたら嬉しい、というのが川上さんの考えです。
大事なのは「目的で選ぶ」こと
最後に川上さんは、それぞれの使い分けをまとめます。
栄養重視。低脂肪でタンパク質・カルシウムをとりたいときに。
牛乳の代替として使える。保存用や非常用に優秀。
加工用。料理やお菓子作りに向く。
一番大事なのは、なんとなく同じでしょうと考えるのではなく、目的で選ぶことだと川上さんは強調します。
使い分けて食べることで、食が豊かになるという話です。
牛乳がどれだけ多くの製品に変わっているかを知る手がかりとして、川上さんは「ミルクツリー」で検索することをすすめています。
原料の牛乳から枝葉が分かれて、さまざまな商品になっていく様子がイラストで見られるそうです。
まとめ
スキム、全粉乳、バターミルクパウダーは、どれも元は牛乳で、違いは脂肪の扱いだけ。川上さんは、安全性を心配しすぎず、目的に合わせて選ぶことが食を豊かにすると話していました。
- スキム・全粉乳・バターミルクパウダーはすべて牛乳が原料で、違いは脂肪の扱い方
- スキムミルクは脂肪をほぼ抜いた低脂肪タイプ、全粉乳は脂肪を残し牛乳に最も近い
- バターミルクパウダーはバターの残りから作られ、加工やお菓子作り向き
- 日本の衛生基準は厳しく、輸入品も検査されるため安全性は基本的に問題ない
- 製品は「なんとなく同じ」ではなく、目的で選ぶことが大切
