リスナーからの質問「カルシウム強化飲料は懐疑的」
この日のテーマは、リスナーからのちょっと踏み込んだ質問でした。ポポポネームのコルトマルテスさんから、次のような相談が届いています。
カルシウム増量の特保飲料や調整牛乳についてお考えを伺いたいです。私は少し懐疑的です。
川上さんは、この視点をとてもいい質問だと受け止めます。結論としては、目的次第ではありだけれど、万能ではないという答えでした。
結論から言うと、目的次第ではあり、でも万能ではないという答えになります。
売り場を見ると、成分無調整牛乳よりも乳飲料や加工乳のほうが多くなっているといいます。牛乳の値段が上がり、より安く買えることで、こうした商品の消費が伸びている面もあると話されています。
牛乳・調整牛乳・強化飲料・特保はどう違う?
まず川上さんは、牛乳、調整牛乳、カルシウム強化飲料、特保はすべて別物だと整理します。
牛乳は、殺菌処理してそのまま詰めたもので、自然な栄養バランスを持っています。成分無調整牛乳生乳から乳脂肪分などを一切調整せず殺菌だけして製品にした牛乳。パッケージに「牛乳」と表記できる。
調整牛乳は成分を調整したもので、ビタミンやカルシウムを追加してあるものもあります。強化飲料は栄養を足して作った機能性重視の商品で、牛乳や乳製品が一部入っているものです。
これ、牛乳、乳製品が一部入っているもの、脱脂粉乳とかが多いかなと思いますけど、ほんのちょっとしか入ってないっていう部分もあったりしますね。
殺菌してそのまま詰めた成分無調整。タンパク質や脂質なども含む自然な栄養バランス。
栄養を後から足した機能性重視の商品。乳成分は一部で、脱脂粉乳などが多い。
カルシウム強化は悪いのか
では、カルシウム強化は悪いのか。川上さんは、悪くはないと答えます。むしろ不足している人には有効だといいます。
牛乳が苦手な人や、食事に偏りがある人には意味がある、という説明です。ただし、ここで一つ注意点が示されます。
むしろ不足している人には有効です。でも、カルシウムだけ取ればOKではないということですね。
牛乳の強みは「セットで吸収されること」
川上さんが本質だと語るのが、牛乳の強みです。牛乳はカルシウムだけでなく、タンパク質、脂質、乳糖、ビタミンが全部セットで吸収される点にあると話します。
特にカルシウムの吸収効率が高く、乳糖やカゼインの影響があるそうです。ここは自然の設計だと表現されました。カゼイン牛乳に含まれる主要なタンパク質。カルシウムなどのミネラルと結びつく性質を持つとされる。
一方で、強化飲料に違和感を持つ感覚も正しい、と川上さんは言います。栄養を後から足しているからこそ、自然か人工かという捉え方もできるからです。ただし、それはダメという意味ではなく、用途が違うだけだと補足します。
消費者はどう選べばいい?
では、消費者はどう選べばよいのか。川上さんの結論は、普段は牛乳を飲み、必要に応じて強化飲料を取るという使い分けでした。
牛乳は食品、強化飲料はサプリという感じで取ってもらったらいいんじゃないかな。
強化飲料は悪くないけれど万能でもない。牛乳は栄養バランスが強み。だから使い分けが正解だ、とまとめられました。何を目的に飲むかがすべてだ、という考え方です。
酪農家の本心と、消費への思い
最後に川上さんは、酪農家としての本心も語ります。アレルギーや体脂肪に関わる機能性食品でも、牛乳を主成分にしたものは牛乳の消費につながるといいます。脱脂粉乳の消費を伸ばす意味でも、そうした商品はありがたいと話します。
ただし、牛乳の代わりとして飲むのは違うのではないか、というのが川上さんの立場です。
本心から言うと、牛乳だけを飲んでもらうのが一番酪農家が嬉しいです。それも地元の牛乳を選んでいただくと嬉しいなと思います。
コメントでは「サプリメントとして見れば安い」「手に取りやすい」という声も届きました。川上さんも、高いサプリメントと比べれば強化飲料は安く、牛乳もコスパがいいと応じています。
配信の背景には、厳しい酪農業界の状況もありました。配合飼料の価格上昇や、牛乳パックの資材不足への懸念も語られ、値上がりしても牛乳を買ってほしいという思いがにじみます。
まとめ
カルシウム強化飲料は悪くはないけれど万能でもなく、栄養がセットで吸収される牛乳とは用途が違う、というのが今回の答えでした。普段は牛乳、足りない分をサプリ感覚で補う使い分けがすすめられています。
- 牛乳・調整牛乳・強化飲料・特保はすべて別物で、目的が違う
- カルシウム強化は不足している人には有効だが、それだけでOKではない
- 牛乳の強みは、複数の栄養がセットで効率よく吸収されること
- 基本は牛乳、必要に応じて強化飲料をサプリ感覚で使い分けるのが正解
- 酪農家の本心は「牛乳だけを、できれば地元の牛乳を飲んでほしい」
