4時間のコースを6時間かけて登る
登ったのは7月の17日と18日、海の日を含む3連休のうちの2日間です。
ルートは吉田口という、比較的初心者向けのメジャーなところ。5合目までバスで行って、そこから登り始めました。
5合目自体が標高2000メートルを超えているので、いきなり登り始めると体がついていかないんですよね。なので30分ほど体を慣らしてからスタートしました。
登山にはだいたいの目安時間があるんですが、結果から言うと5合目から山小屋まで4時間の予定が、6時間かかりました。
意図的にゆっくり歩いたわけじゃなくて、もう実力的にそれ以上出なかったんです。
体力に自信がある人は、その日のうちに一気に山頂まで行って降りてくる「弾丸」で登れちゃう。でも僕の体力ではそれは無理なんですよね。
実は2018年に一度その予定で登ったんですが、本8合目、標高3300メートルぐらいのところで、ここから降りないと帰りのバスに乗れないというペースだと分かって、その時はそこで引き返しました。
だから今回は最初から山小屋泊を選んだんです。
景色よりつらかった高山病と、眠れない仮眠
一緒に登ったのはいつもの3人で、専門学校時代のクラスメイトです。僕が一浪しているので2人は1歳ほど下ですが、この年になるともうほぼためですね。
5合目から6合目は、最近どう?何してんの?みたいな雑談をしながらハイキング気分で歩けました。ただ後半登りがきつくなると、そこから僕が黙り始めるという。
6合目から7合目はずっと九十九折。7合目から8合目は岩場地帯で、自分の体より大きい岩もあるようなところなんです。
岩と岩の段差を、持ち上げた足に力を込めて体を引き上げる。ここで体力をいっぱい使ってしまいました。
山小屋があるのは標高3200メートル。着いた頃には、軽い高山病にかかっていたんだと思います。
耐えられないほどじゃないけど、ずっと気になる頭痛がしていて。バファリンを持ってこなかったのを、本当に後悔しました。
夜6時にカレーを食べて、そのまま仮眠。ご来光の時間から逆算すると7時間半は寝られる計算だったんですが、友達が「俺らのペースだとその時間だと間に合わねえ」と正確なアドバイスをくれて、結局0時には出ることになりました。
ところがいざ横になると、頭を斜面の下り坂の方に向けて寝ている感じで、なんだか気持ち悪くて眠れないんです。
酸素も薄いので、寝ると呼吸が浅くなってよりきつくなる。30分寝ては目が覚めるのを何度も繰り返して、延べで3時間ぐらい眠れたかどうか、という感じでした。
渋滞に助けられて、山頂へ
夜中に外に出ると、8合目から山頂に向けて、みんなのヘッドライトで参道が見えるくらいの渋滞気味でした。
でも僕にとっては、この渋滞がありがたいんです。渋滞ってつまりスピードが出ないということで、自分にはメリットしかないんですよ。
結局2時間ぐらいのコースに3時間ちょっとかけて、4時ちょっと前に山頂に着きました。ご来光まで30分ほど待つ感じですね。
山頂は風が強くて、気温は8度ぐらいでもとても寒かった。友達が奢ってくれた400円のあったかいココアで、なんとか耐え忍びました。下だと120円ぐらいのやつなんですけどね。
太陽が出た瞬間は雲の中でしたが、そこから少し雲が流れて、ちょろっと太陽が見える瞬間があって、何枚か写真が撮れたのが良かったなと。
せっかく時間に余裕があったので、山頂からさらに一番高い剣ヶ峰まで、お鉢回りで30分ほどかけて回ってきました。
最後の剣ヶ峰への登りがすごく急で、体も疲れているのに本当にきつかったです。それでも一番高いところのモニュメントで写真を撮れて、よかったよかったと。
下山で力尽きて、馬に乗る
下りは砂走りと呼ばれる、足が砂に少し埋まるようなルートを、つづらを繰り返しながらひたすら降りていきます。
6合目まで降りてきたところで、ここは若干登りもあって、これがもうきつすぎたんです。
そこに、富士山の商売として馬に乗れるサービスがありまして。5合目まで残り50分ぐらいのところを、1万8000円で乗りませんか、と。
最初は5000円ぐらいかなと思っていたら全然そんな値段じゃなくて、山小屋一泊より高い1万8000円。なかなかな商売ですが、自分の体力がなさすぎるのが悪いよねって。
乗馬クラブに行ってもお金はかかるし、このタイミングで馬に乗れるありがたみはプライスレスだろう、と自分に言い訳を積み重ねて乗せてもらいました。
6合目から5合目はまだ森林限界より下で、大きい木のある森の中なんです。それを馬の背中から自然を眺めながら進むのは、なかなか面白い体験でした。
ただ下り坂は、馬の足元が見えなくてちょっと怖かったですね。でも馬は毎日この道を通っているので、慣れたもんなんだろうなと任せていました。
そんな感じで最後の最後に楽をさせてもらって、5合目まで降りてきました。お土産を買って、近くの温泉で汗を流して帰りました。
景色の写真もいっぱい撮れたし、雷鳥も見えたし、良かったなと。ただ体力がなさすぎるので、もう一回行きたいとはあんまり思わなかったですね。
それでも、一度富士山に登ってみたいという思いがあったので、今回登れて本当に良かったです。
今年はコロナが明けて、初めて寄席で落語を見たり、レッド東京タワーでVRを体験したりと、初めての経験が多い年でした。富士山に登ったことが何かの役に立つかは分かりませんが、なかなかスペシャルな体験だったなと思います。
まとめ
体力に自信のない僕が、山小屋泊と最後は馬まで頼って、なんとか富士山の頂上に立てた二日間でした。つらかったけれど、一度登ってみたいという思いは叶えられました。
- 4時間のコースを6時間かけるほど体力ギリギリだったので、山小屋泊を選んだ
- 山小屋では軽い高山病と眠れなさに苦しみ、仮眠は延べ3時間ほどだった
- 渋滞に助けられて山頂に立ち、剣ヶ峰まで回ってご来光の写真も撮れた
- 下山で力尽きて、山小屋一泊より高い1万8000円の馬に乗って5合目まで降りた

