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ログインページへ現役保育園看護師のチロ先生と高校の同級生たちによる保育の情報ラジオ「ホイクベースラジオ」。
今回は小川哲さんの『君のクイズ』を取り上げます。
賞金1000万円のクイズ大会決勝、生放送、最終問題──司会者が「問題です」と言った瞬間にライバルがボタンを押し、一文字も読まれていないにもかかわらず正解する。なぜ正解できたのか? その謎を主人公が解き明かしていく競技クイズ×ミステリー小説です。
川地さんはこの本を「人が生きるとはどういうことかを描いた小説」と読み解き、ミステリーの核心には触れずに、4つのポイントから保育・仕事・人生に通じる学びを引き出していきます。
ひとつめは「経験のすべてが武器になる」という話。クイズで正解できるときには必ず、過去の経験という裏付けがある。主人公が語る「自分という金網で世界を救い上げる」という比喩から、朝の受け入れで子どもの違和感に気づける保育士の"金網の細かさ"=解像度の話へ。
ふたつめは「目線を持つと世界の見え方が変わる」。クイズプレイヤーが日常の景色をクイズに変換していくように、保育士もまた公園を見て「ここは大丈夫か」と見る目を持っている。バイアスにもなり得るその視点こそが、ものの見方は一つではないと体感する教養なのではないか、という議論に発展します。
みっつめは「答えがわかってから押すのでは遅い」という競技クイズの技術論。プロは情報が出揃う前に、出題者との信頼関係と過去の経験から次の一文字を予測してボタンを押す──これは、子ども同士のいざこざに仲裁に入るべきか見守るべきか、不完全な情報のなかで判断を下し続ける保育の現場と重なります。完全な状況を待っていたら対応が間に合わない。間違えたら学ぶ。動かなければ仕事は成立しない。
よっつめは「ピンポンという肯定」。クイズの正解音は、回答そのものだけでなく回答者の人生を肯定してくれる音でもある。大人になると正解・不正解という分かりやすいフィードバックはほとんどもらえないけれど、卒園式や、昨日までできなかったことが今日できる瞬間は、保育士にとっての"ピンポン"なのではないか。日々の積み重ねが、忘れた頃にコネクティング・ドッツのように繋がってくる──そんな話で締めくくられます。
200ページほどで2時間あれば読み切れるとのこと。映画公開前のいま、ぜひ手に取ってみてください。
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BGM : MusMus
現役保育園看護師
現役の保育園看護師であり、保育の情報ラジオ「ホイクベースラジオ」のパーソナリティ。
チロ先生の高校の同級生。