発達障害の3タイプとASDの位置づけ
番組冒頭、酒井が「発達障害にはどんなタイプがあるのか」と切り出します。
島田先生は、大きく3つに分けて語られることが多いと説明します。
自閉スペクトラム症。情緒的なコミュニケーションの障害などが特徴とされる
多動や不注意が特徴。3タイプの中では比較的知られている
いわゆる学習障害と呼ばれるもの
この回では、まずこのうちのASDに焦点を当てて話が進みます。
ASDとADHDの概要
島田先生は、ASDの特徴として情緒的なコミュニケーションの障害を挙げます。会話のキャッチボールがうまくできない、空気を読むのが苦手といった点です。
情緒的なコミュニケーションの障害と言われたりして、うまく会話のキャッチボールができないとか。空気を読むのが苦手というか。
一方、比較的イメージしやすいADHDについても触れます。
一つは「多動」といって、椅子に座ってられないというか、落ち着いて授業を聞けないとか。あとは「不注意」があって、忘れ物をよくしてしまう。
酒井は、この2つは特徴がイメージしやすいと応じ、話をASDへ戻します。
アスペルガーはどこへ?スペクトラムという考え方
酒井が、かつて呼ばれていた「アスペルガー」との関係をどう整理すればよいか尋ねます。
島田先生によると、以前は「広汎性発達障害」という言い方があり、その下位分類としてアスペルガー症候群や自閉症が分けられていました。
しかし今は、それらを別のカテゴリーとしてではなく、程度のグラデーションとして捉えるようになっていると説明します。
日常や仕事に現れるASDの特徴
酒井が、会話以外に顕著な特徴はあるかと尋ねます。
島田先生は、同じ動作を繰り返す「常同運動」や、予定が変わるのが苦手なこと、興味関心が限られること、感覚の過敏さや鈍さなどを挙げます。
常同運動について酒井が具体例を尋ねると、手を不思議な感じでヒラヒラさせるような動きが含まれると答えます。多くの場合、本人はそれほど意識的ではないといいます。
日常生活や仕事のシーンでは、イレギュラーな予定が苦手な点が現れると話します。
予定通りにいってる時はいいけど、予想外のことが起こるとパニックになってしまうというか。イライラしたり落ち着かないとか。
また、曖昧な指示を出されたときに、その意図をうまく汲めないことがあるといいます。
診断方法と合併しやすい疾患
診断方法について、島田先生は問診がメインだと説明します。生活状況を聞いたり、本人の様子を見たりして判断していきます。
あわせて、心理検査でその人の特性を掴んでいくこともあると話します。
酒井が合併症の多さを尋ねると、島田先生はADHDとの合併が多いと答えます。データによっては数十パーセントほど重なるという話もあるといいます。
さらに、元々ASDがあり、そこから二次的にうつ病や適応障害などの症状が出て受診し、そこで判明する人もいると話します。
元々ASDがあって、そこからうつ病とか適応障害、そういう症状が出てきて受診されて、そこからわかってくる方もいらっしゃる。
大人の場合、その背景に実はASDがあったというパターンも少なくないといいます。
治療と、周囲ができる工夫
治療について、島田先生はASDそのものに特異的に効く薬が現在あるわけではないと説明します。
そのため、生活上の工夫やコミュニケーションの取り方の工夫といった非薬物療法が主体になるといいます。
ただし、二次的に起きる不眠やイライラ、うつっぽさなどに対しては、他の薬を使うことはあり得ると補足します。
酒井が、職場や学校で周囲がどう接すればよいかを尋ねます。島田先生はまず、明確に簡潔に伝えることを挙げます。
さらに、感覚過敏があることを意識し、音や香りなど負担になる状況を避けられるよう工夫することも大切だといいます。
予定については、全体を先に伝えて見通しが立つようにすると安心につながると話します。予定を視覚化するのも一つの工夫です。
向いている場面と受診先
酒井が、ASDやアスペルガーを持つ人に社会的に成功している人が多いのではないかと問いかけ、イーロン・マスクの例に触れます。
島田先生は特定の人物名までは挙げませんでしたが、特性として研究職などに向いている面があると言われていると話します。
黙々と一人でこう深掘りしていくとか、そういうのに向いていたりするんじゃないかと言われていたり。
最後に、ASDかもしれないと思ったときの受診先について、島田先生は発達障害の診療を謳っているクリニックが一番スムーズだと答えます。
もちろん精神科やメンタルヘルスを掲げるクリニックでも診てもらえますが、発達障害を得意としているところだと、よりスムーズだといいます。
次回は、より該当する人が多いとされるADHDについて話す予定です。
まとめ
ASDは、本人にとっての「生きづらさ」と、周囲にとっての「わかりにくさ」の両側から語られる特性です。今回は精神科医の島田先生と酒井が、その特徴・診断・治療、そして周囲ができる工夫を基礎から整理しました。
- 発達障害は大きくASD・ADHD・LD(学習障害)の3つに分けて語られることが多い
- ASDはかつてアスペルガー症候群などと分けられていたが、今は程度のグラデーション(スペクトラム)として捉えられる
- 会話のキャッチボールの苦手さ、予定変更への弱さ、感覚の過敏・鈍麻、興味の限局などが特徴とされる
- ASDそのものに特異的な薬はなく、生活やコミュニケーションの工夫が治療の主体。二次的な症状には薬を使うこともある
- 周囲は「明確・簡潔に伝える」「予定を先に視覚化して共有する」「感覚過敏に配慮する」ことが助けになる
