初のオンライン収録で始まる感想会
今回は雑食部屋で初めてのオンライン収録として始まりました。話題は前回に続くちいかわ特集のパート3です。
これまでのおさらいとして、パート1は「ちいかわの衣食住と討伐の秘密」、パート2は「長野先生と業の深さ」というテーマで話されてきました。
これまでは映画未鑑賞だった酒井さんが、今回は映画を見た状態で参加します。ちいかわファン歴数年の島田さんは、すでに2回鑑賞したそうです。
いやもう本当ついにこの日が来たかということですね。
酒井さんはお守り代わりに、ユニクロで買ったシーサーとくりまんじゅうのグッズを手にして臨んだと話します。
いや、本当にちいかわ自分は詳しくないので、これでお守りに。
島田さんの推しは古本屋さん。モブ時代から足をぷらぷらさせて本を売る、のんびりした生活ぶりが好きな理由だといいます。
くりまんじゅう先輩と「なんとかなれ」
酒井さんがまず気になったのは、くりまんじゅう先輩の顔まわりでした。
本当にやっぱここのこのバニーラインがすごい際立つ。だいぶ筋肉がこう強めかなと思って。
島田さんは、ギザギザした歯の印象から、動物のラーテルを連想したと話します。
続いて話題になったのが、ハチワレたちが攻撃するときに口にする「なんとかなれ」というかけ声です。酒井さんはここに世界観が凝縮されていると感じたと語ります。
本当に「なんとかなれ」と思って、半分ぐらい何も考えずにいろいろやってるだろうなと思って。
報酬100倍という怪しい誘いに乗る導入自体が、すでにギリギリの一発逆転だと2人は指摘します。同じ攻撃を繰り返す様子から、学習しない危うさもあると笑いながら話されました。
一方で島田さんは、ハチワレがこれまでもピンチを「なんとかなる」で乗り越えてきた歴史があると補足します。楽観の裏に賭けの要素があるからこそ好きだと酒井さんはまとめます。
誰も責任を取らない島という構図
酒井さんが強く引っかかったのは、島の住民たちがミッションを外部のちいかわたちに任せる構図でした。
その外部の人たちが突然来て、結構重要なミッションを任されて、それを成功するっていう、外の力を借りてるわけじゃない。
失敗すれば外部のせいにでき、成功すれば依頼した自分たちの手柄にもできる。とどめの一撃すらセイレーンに委ねる展開に、責任の所在の曖昧さを感じたと語ります。
もう責任を取らないというか。
島田さんも外部からの介入という点は気になっていたと応じます。セイレーンが相手の匂いを嗅いで「観光客か」と確認する描写から、島には内と外を区別する感覚があると指摘します。
酒井さんは、明確なリーダーや村長が島に見当たらない点にも触れます。島を救ったのも外部のちいかわたちと、種族の違うしまじろうだけでした。
この責任の分散を、酒井さんは日本的な無責任社会になぞらえます。10の責任を10人で分けるから誰が背負っているのかわからない、という見立てです。
神話の型と「よそ者」が変える物語
外から来た者が問題を解決して去っていく構図は、神話の類型にも通じると島田さんは話します。
外から来た人に倒させて解決していくっていうのって、神話とかの類型でもそういう感じ結構あるのかなと思って。
話はセイレーンの起源へと広がります。セイレーンはギリシャ神話に登場し、ホメロスの『オデュッセイア』で確認できる範囲では最も古く描かれていると島田さんは説明します。
クイズとして出されたセイレーンの姿の問題では、酒井さんは人魚型を答えます。島田さんは、映画でも描かれた通り、もとは鳥だったと明かします。
もともと鳥なんよ。だからこういう姿をしてましたっていう。
人魚型のイメージが広まったのは中世から近世にかけての絵画の影響だといいます。
島田さんは、古い体制を変えるのに必要なものとして語られる「若者・馬鹿者・よそ者」という言葉も引き合いに出します。閉じた島という舞台が、内と外の対比を際立たせているとも話されました。
さらに、ちいかわたちの住むメインランドには鎧さんがいるのに、島には鎧さんがいない点も比較されます。その代わりに近い存在としているのがしまじろうではないか、という見方が示されました。
利き手から探る、待ち伏せ疑惑の真相
島田さんが最も気になったのは、うさぎの一羽の利き手でした。背景には、あるファンの考察があります。
夜の場面でちいかわと再会するシーンについて、実は一羽と双葉が待ち伏せしていたのではないか、という説がネット上にあったといいます。
本当に結構殺意マシマシでやる気だった場合は、武器をちょっと利き手に持ってないとおかしいかなと思いまして。
島田さんはこの真偽を確かめるため、2回目の鑑賞で利き手に着目したと語ります。検証の流れは次の通りです。
検証を進めるほど、最初に左手で撃っていたという印象すら怪しくなってしまったと島田さんは苦笑します。
だいぶある意味だいぶ歪んだ鑑賞の仕方ではある。
確かに。もっと純粋に楽しんでほしい。
酒井さんは、傷の付き方から利き手を推理する法医学の話題にも触れ、その着眼点を刑事のようだと評しました。
火薬とカレー、そして歌に隠れた拍子
残り時間わずかとなり、島田さんはまだ話したい点があると次々に挙げていきます。
1つは、キャンプファイヤーで花火を打ち上げていたことから、火薬の製造技術があるなら戦いに使えたのではないか、という説です。
カレーじゃなくてよかったんじゃないかっていうことね。
そして酒井さんが忘れずに促したのが、歌に隠された拍子の話でした。
島田さんによると、島民の歌は4拍子、セイレーンの歌は3拍子ではないかといいます。この拍子の違いが、歌の不気味さに影響しているのではないかと語られました。
その理由として、人魚が1人食べられてコーラスが欠けている点が挙げられます。もともと4だったものが3になった、という見方です。
話し足りない様子を残しつつ、続きは次回以降に持ち越すことで収録は締めくくられました。
まとめ
映画『ちいかわ』を題材に、キャラクターの細部から物語の構造まで、2人ならではの視点で語られた感想会でした。純粋な楽しみ方から少し外れた考察も、作品の奥行きを感じさせます。
- くりまんじゅう先輩の造形や「なんとかなれ」に、ちいかわの世界観が凝縮されていると語られた
- 島の住民が外部のちいかわたちに危険を委ねる構図から、責任の所在の曖昧さが指摘された
- 外から来た者が問題を解決して去る展開は、神話の類型にも通じると考察された
- 一羽の利き手を手がかりに、待ち伏せ疑惑の真相を検証する考察が披露された
- 島民は4拍子、セイレーンは3拍子という歌の拍子の違いが、不気味さにつながると語られた
