📝 エピソード概要
連続起業家である小笠原治氏をゲストに招き、彼独自のキャリア戦略、特に「2番手」としての生存戦略とコミュニティの力について深く掘り下げた対談です。さくらインターネットの共同創業者としての経験や、スタートアップコミュニティのハブとなった「awabar」の運営、そして現在は京都芸術大学で推進するDX戦略を通じて、「何をやるかより、誰とやるか」を軸にしたキャリア形成の重要性が語られます。
本エピソードでは、起業家個人のファイナンス戦略から、大学教育における具体的なAI活用、そして小笠原氏が提唱する「コバンザメ戦略」に至るまで、ユニークで実践的な視点を提供しています。
🎯 主要なトピック
- 起業家の個人ファイナンス戦略: さくらインターネット創業時に持ち株の一部を事業に貢献する執行役員に譲渡した経験から、VC視点での全体最適を考慮した創業者個人の健全な資金戦略の重要性について議論しました。
- 京都芸術大学のDX推進: 大学のDXを推進するにあたり、教育インフラのオンライン化を戦略とし、アジアで1000万人の同窓生を作るという大きな目標を設定。また、学生にAI(LLMとRAG)をバディとして活用させる具体的な教育プログラムを紹介しました。
- コミュニティとエコノミーの関係: スタートアップのホットスポットである「awabar」の例を引き合いに出し、社会は欲望を交換する「エコノミー」と共感を交換する「コミュニティ」がセットで動くことで、イノベーションや大きな経済効果を生むという持論を展開しました。
- 小笠原治の「2番手」戦略: 自身のキャリアを「立ち上げ機の2番手」と定義。強烈なビジョンを持つリーダー(田中氏、亀山氏、理事長など)をサポートすることで、何をやるかよりも「誰とやるか」を重視し、自分の能力を最大限に活かす生存戦略を語りました。
- 「戦いを略す」戦略論: 小笠原氏は、戦略を「戦いを略す」ことと捉え、特に教育業界のようにやるべきことが明確なのに着手されていない領域では、競争を避けられるホワイトスペースがまだ多く存在すると指摘しました。
💡 キーポイント
- 小笠原氏のキャリア軸は、自分が「やりたいこと」ではなく、「この人とやりたい」という人との繋がりが原動力となっている。
- 組織において、自身の役割が終わったと感じた際に潔く身を引くことが重要であり、「自分じゃない空気感」を感じたら立ち去るのが引き際のコツである。
- 「やりたいことがなくていい」というメッセージを学生に伝えており、やりたいことを見つけることを無理強いせず、むしろ「やりたいことがある人を手伝う」というスタンスを推奨している。
- 組織の目標設定には、無理に個人の「やりたいこと」を考えさせず、組織のミッションに紐づくエイム (アウトカム、アウトプット、アクティビティ、インプット) を設定させるフレームワークを採用している。
