📝 エピソード概要
本エピソードは、為末大氏が提唱する「FIND(Financial Independence, New Discovery)」を切り口に、人生やキャリアにおける転機を戦略的に乗り越える方法を議論します。
単なる経済的自立(FIRE)で終わらず、特にアラフィフ世代に訪れる「ミッドライフクライシス」を、人生の「再調整(キャリブレーション)」の機会として捉え直します。企業戦略におけるビジョンの概念を個人戦略に応用し、いかにして自分の核となるビジョンを再構築し、生き生きと「最後の1周」を回るかについて深く掘り下げています。
🎯 主要なトピック
- FIREからFINDへ:人生戦略の再定義: 為末大氏の提唱する「FIND(Financial Independence, New Discovery)」を紹介。大人になるにつれて変化する人付き合いの基準に対応するため、単なる金銭的自立だけでなく、好奇心を満たす新しい発見(D)が重要であると論じられました。
- アラフィフ世代のミッドライフクライシス: 成功を収めたネットベンチャー創業世代などが直面する「最後の1周をどうするか」という危機を議論。これは、達成度合いに関わらず誰もがライフステージで経験する「第3または第4思春期」として定義されました。
- 全てを捨てる決断と自己再発見: ほぼ日CFOからイエール社長に転身した篠田真貴子氏の事例を紹介。登り坂で背負った荷物を一度全て捨て、立ち止まることで、初めて新しい地平と本当にやりたかったことを見つけることができると示されました。
- ビジョンの再構築とリカブリレーション: 人生戦略におけるビジョン(定性目標、定量目標、美学)のバランスを見直す「リバランス」の必要性を提唱。「ニューディスカバリー」は、過去の好きなものを掘り起こす「リディスカバリー(再発見)」であり、人生の「リカブリレーション(再最適化)」であると結論付けられました。
💡 キーポイント
- 人生の転機(ミッドライフクライシスやバーンアウト)は、がむしゃらに駆け上がった後に必ず訪れる、立ち止まって自己を見つめ直すためのタイミングである。
- 企業戦略におけるビジョン(定性的な目的、社会的要請、得意なこと)のベンツ図は、個人の人生戦略においても当てはまるため、社会的な要請に偏ったバランスをリセットする必要がある。
- 為末氏のようなアスリートは、肉体の限界が早いため、一般人よりも早く強制的にキャリアの転機(思春期)を迎える先行者であり、その戦略は参考になる。
- 人生を豊かにするには、仕事や家族と同様に、生涯かけて没頭できる「ライフワーク(ライフビジョン)」を持ち、定期的にその方向性を「キャリブレート(最適化調整)」することが重要である。
