「ぼく戦」の戦略論!影のプロデューサーが語る番組の裏側と成長のリアル
ぼくらの戦略論の番外編として、普段は裏方に徹しているプロデューサーの岡島さんが初登場。長谷川さん・高宮さんとともに、番組の好調な滑り出し、実は全ボツになった幻の第1回、ポッドキャストを伸ばすコツ、そして今後の展望までをゆるく語り合いました。その内容をまとめます。
影のプロデューサー・岡島さんの正体
今回は初の雑談回ということで、番組のプロデューサーを務める岡島さんがついに表舞台に登場しました。岡島さんは、長谷川さんが以前経営していたモメンタムホース長谷川リョーさんが代表を務めていたコンテンツ制作会社。ライター・編集者のマネジメントやコンテンツプロデュースを手がけていた。で一緒に働いていた間柄。さらに高宮さんとも、けんすうさん古川健介氏。連続起業家で、マンガサービス「アル」の代表。インターネットコミュニティ運営の先駆者としても知られる。が運営する「アル」を通じて接点があったそうです。
岡島さんこんな感じなんですけど、普段は業界用語しか話さないですからね
どういう受け止め方をすればいいんですか(笑)
こうした人間関係の縁が重なって、「ぼくらの戦略論」のプロデュースを担当することになったとのこと。普段はポッドキャストのプロデュース事業を手がける「コウ」岡島さんが運営するポッドキャストプロデュース会社。番組の企画・制作・運営を支援している。という会社を運営しています。
予想外の好スタートと「期待値調整」の真相
番組開始前、岡島さんから「1年ぐらい無風だと思ってください」と期待値を下げられていたという高宮さん。「砂漠に水をまくゲームか」と後ろ向きな気分でスタートしたそうです。
ところが蓋を開けてみると、状況は想定外の好調ぶり。Apple PodcastAppleが提供するポッドキャスト配信・視聴プラットフォーム。ジャンル別チャートやキュレーション機能があり、新番組の発見に強い。のランキングでは起業カテゴリで3〜5位を行き来し、新番組のトップにも継続的に掲載。まだ10回程度、2ヶ月超しか配信していない段階での数字としてはかなり良いとのことです。
岡島さん全然期待値調整じゃん。敏腕プロデューサーは違うな
リスナーからの反応も二分されていて興味深いものでした。長谷川さんの友人層は「朝の通勤時間に聴いている」という実用的な声が多い一方、高宮さんの周囲のスタートアップ界隈からは「思想や考え方として面白い」という哲学的なフィードバックが多かったそうです。
「朝の通勤で聴いてる」
→ 実用・学びの軸
「思想として面白い」
→ 知的好奇心の軸
岡島さんによれば、ビジネス系ポッドキャストで大事にしていることは2つ。「学びになるだけでも足りない」し「面白いだけでも微妙」。その両方を兼ね備えることがリスナーの継続視聴につながるという考え方です。
全ボツになった幻の第1回
裏話として明かされたのが、実は第1回の収録が全ボツになっていたという事実です。初期のエピソードで高宮さんが「長谷川さんが硬い」と話していたのを覚えているリスナーもいるかもしれませんが、まさに最初の収録では長谷川さんの肩に力が入りすぎて「真面目すぎる」という判断に。
岡島さんは「もっと二人の掛け合い、楽しい会話感を出そう」という方向性を伝えたそうです。そもそも長谷川さんと高宮さんは友達同士というわけではなく、高宮さんが「もはやタメ語でいきますか」と提案しても長谷川さんが「さすがにちょっと……」と躊躇するぐらいの距離感だったとのこと。
マジで苦い顔した3人で帰りましたからね。帰りの電車で僕もリョーさんもずっとへこみ続けてて
この英断があったからこそ、現在のリラックスした掛け合いが生まれたと言えそうです。長谷川さん自身も「回を重ねるごとにバイブスをつかんでいる」と振り返っていました。
ポッドキャストを伸ばす「相方選び」の法則
岡島さんがポッドキャストの立ち上げで最も大事だと語ったのが「いい相方を見つけること」。ゲストを毎回呼ぶ形式は、話し慣れていない人が来ると空気作りが難しく、よほどホスト側にリスナーがついていないと成立しにくいとのことです。
では「いい相方」の定義とは何か。この番組のケースでは、以下の要素が噛み合っていると分析されていました。
高宮さんは「『ぼくらの』という枕言葉がそこにいい感じでかかっている」と指摘。スタートアップのプロが語る戦略ではなく、異なるバックグラウンドの二人が「ぼくらなりに」戦略を語るという構図が、番組の独自性になっているようです。
AppleとSpotify、プラットフォーム攻略の裏側
初速の作り方について、岡島さんはAppleとSpotifyの違いを解説してくれました。
ジャンル別チャートが細かく存在し、新番組の露出機会が多い。キュレーター(内部の編集担当者)が手動でピックアップする仕組みもある
市場規模はポッドキャスト全体の約35%と大きいが、総合チャートとレコメンドが中心。一定の流入を獲得した番組がさらに回る構造で、新規の発見が難しい
「ぼくらの戦略論」の場合、二人がこれまでの仕事で築いたフォロワーの一部が初期リスナーとなり、その数字がSpotifyのアルゴリズムに評価されてレコメンドが回り始めた、というのが岡島さんの分析です。特に視聴維持率の高さが好循環を生んでいるとのこと。
長谷川さんは、プラットフォーム側が人力でキュレーションしている可能性に触れ、「タイトルとカバーアートぐらいしかこっちがいじれるポイントはない」からこそ、アートワークにこだわったことが効いているのではないかと指摘。Apple Podcastの企業ジャンルで新番組トップに継続掲載されているのは、おそらくキュレーターの目に留まった結果だろうと岡島さんも頷いていました。
高宮さんは「ビジネスジャンルはマーケットが大きい割にまだ看板番組が少ない。ブルーオーシャンでチャンスだ」とまとめました。
セオリーを超えたところに戦略がある
話はポーカーの話題から、番組のコアテーマである「戦略論」の本質へと展開しました。長谷川さんがWSOP(World Series of Poker)ラスベガスで毎年開催されるポーカーの世界大会。世界最大規模のポーカートーナメントで、数千人〜数万人が参加する。で1500位に入り1万ドルを獲得したという近況から、高宮さんが興味深い整理をしていきます。
高宮さんによれば、ポーカーにはナッシュ均衡ゲーム理論の概念で、すべてのプレイヤーが最適戦略をとっている状態。誰も一方的に戦略を変えても得をしない均衡点のこと。やゲーム理論に基づく「確立されたセオリー」がすでに存在します。しかし、全員が同じセオリーに従えば結果は収束してしまう。だからこそ、どこかでセオリーを超えなければならない。その「超える」ための判断こそが、まさに「ぼくらの戦略論」が扱いたいテーマだというわけです。
長谷川さんもこれに応じて、ポーカーのプロ同士の高次元な駆け引きを紹介。相手の癖(テルポーカー用語で、プレイヤーの無意識の仕草や行動パターンのこと。手の強さや心理状態が読み取れる場合がある。)を読む戦いでは、「テルを読まれることを読む」というリバーステルテルを逆手に取る高度な駆け引き。わざと偽のテルを出して相手を欺いたり、テルを読まれていることを前提にプレイを変えたりすること。のメタゲームが展開されるそうです。
この話をなぞらえて岡島さんは「長谷川さんが大阪に行くとか、パルプンテ感を出すのがむしろプラスでは」と提案。予測不能な要素こそが番組の面白さになるという見立てです。
今後の展望とリスナーへのお願い
番組の課題について聞かれると、高宮さんは「継続」を挙げました。現時点でマネタイズができているわけではなく、長谷川さんの大阪移住でリモート収録になる可能性もあります。
長谷川さんからは率直に「僕以外の二人はメリットがあるけど、自分は何に向かっているのか」という本音も。岡島さんは事業としてのプロデュース実績、高宮さんは起業家へのアクセスやエンゲージメント向上というメリットがある中で、長谷川さんのインセンティブ設計が今後の課題かもしれません。
それでも高宮さんは「悪ノリ半分、ペイフォワード「恩送り」の意味。受けた恩を直接返すのではなく、別の誰かに渡していくという考え方。見返りを求めず価値を提供すること。半分ぐらいでいいんじゃないか」とスタンスを語りました。ビジネスとしてガチガチにやるよりも、楽しさとリスナーへの貢献を両立させる方向性です。
今後の具体的な構想としては、5000フォロワー到達時の記念イベントや、近刊の『起業の戦略論 スタートアップ成功の40のセオリー』の発売に合わせた企画なども話題に上がっていました。
岡島さんからリスナーへのお願いとしては、視聴率や完聴率は高い一方でコメント・フィードバックが少ないとのこと。テーマのリクエストやイベントへの要望など、リアクションがあるとより番組をブラッシュアップできるそうです。
まとめ
初の雑談回は、番組の舞台裏がたっぷり聞ける貴重なエピソードでした。全ボツになった第1回の英断、「異業界×深い関係値」の相方選び、AppleとSpotifyそれぞれの攻略法など、ポッドキャスト運営のリアルな知見が散りばめられていました。そして「セオリーを超えるところにこそ戦略がある」という話は、番組のテーマそのものを象徴する議論だったと思います。長谷川さんが無事マイクを購入し、番組が続いていくことを願いつつ、今後の展開にも注目です。
- 番組はApple Podcastの起業カテゴリ3〜5位と好調。開始2ヶ月超で新番組トップにも掲載
- 実は第1回収録は全ボツに。「楽しい会話感」を優先する判断が現在の番組の雰囲気を作った
- ポッドキャストの成功には「いい相方」が重要。異業界×深い関係値×キャラの違いが鍵
- Appleはチャート+キュレーション、Spotifyはアルゴリズム中心と攻略法が異なる
- 「セオリーを超えるところの戦略論」が番組の核テーマ。確立された定石の先にこそ真の戦略がある
- リスナーからのフィードバックが番組改善の鍵。お便りフォームやハッシュタグでの感想を募集中
