📝 エピソード概要
本エピソードでは、リソースが限られるスタートアップ経営や、個人のキャリアにおける「ブランディング」の戦略について議論します。ブランディングは短期的な販促ではなく、顧客、採用、IR(投資家向け広報)など全てのステークホルダーに対する長期的な資産であり、事業の核が固まり次第「なるはや」で始めるべきだと主張します。
また、経営者やフリーランスがどのように自身の本質的な価値を明確化し(クリスタライズ)、一貫性を持って発信していくか、その具体的な方法論と戦略的なヒントが提供されています。
🎯 主要なトピック
- ブランディングのタイミングと長期資産としての性質: ブランディングはボディブローのように効く長期的な蓄積であるため、事業の核(カスタマーとバリュー)が固まったら、なるべく早く開始し積み上げるべきである。
- 全ステークホルダーへの効果とマーケティングとの関係: ブランディングは顧客だけでなく、採用候補者や投資家(IR)にも有効であり、ビジョン・ミッション・バリューの発信は従業員向けのブランディングにもなる。マーケティングはより広い概念で、ブランディングはその要素の一つである。
- 一貫性の重要性とメッセージがぶれる危険性: ブランディングのメッセージがぶれるとマイナス効果を生むため、自社が究極的に誰に寄り添うサービスなのかを明確にし(例:食べログとぐるなびの比較)、一貫性を保つことが致命的に重要となる。
- 経営者と個人のブランディング戦略: 経営者は公的な立場で発信内容を意識し、自身の専門分野と価値に集中して発信すべき。無理に作ったフェイクではなく、「Be Yourself」を基本としつつ、デジタルタトゥーに配慮して脇を締めることが求められる。
- 個人の内蔵する価値をクリスタライズする: テクノロジーの進化により個がエンパワーされる時代において、ライターのような「手段」ではなく、個人が持つ「本質的な価値」を凝縮し、分かりやすい形で世に知らしめることがキャリア設計の鍵となる。
💡 キーポイント
- ブランディングは、短期的な売上に直結しなくても、長期的に持続可能な活動を行う上で不可欠な要素であり、コストをかけずとも継続的に発信を続けることが重要である。
- VCとしての高宮氏は、メディアで骨太な「戦略論」を発信することで、スタートアップ界隈における独自の強みと差別化されたブランドを確立した。
- 個人がプロとして価値を出すには、自身を「一人スタートアップ」と捉え、カスタマー(顧客や就職先)に対して何を出すべきかを明確に定義する必要がある。
- 個人の発信において、公的な役割に関係のない内容(例:「ラーメンなう」)はフォロワーのエンゲージメントを下げる要因となりうるため、提供価値との一貫性を意識して情報発信を分離することが有効である。
