サーフスタイルとSupremeキャンプキャップの憧れ
冒頭はガクトさんが今日の装いを紹介する「Today、なに着る?」コーナーから始まります。テーマはサーフスタイルです。
被っているのはSupreme1994年にニューヨークでスケートカルチャーから生まれたブランド。赤地に白文字のボックスロゴが象徴的なアイコンとして知られています。のキャンプキャップ、いわゆる昔ジェットキャップと呼ばれていた形のものです。
ガクトさんは長らくこの形に憧れを持ちつつも、自分には似合わないと感じていたと話します。坊主の人やメッセンジャーが被るイメージが強かったそうです。
俺たちさ、ちょっとさ、頭でかいたんじゃない?これさ、頭ちっちゃくて、坊主の人とか先生がひょいと被ってるイメージない?
きっかけは映画館で見たスパイダーマンの予告でした。ニューヨーク発のSupremeとスパイダーマンのコラボに惹かれ、Supremeの店舗へ向かいます。
お目当てのHanesコラボの肌着は売り切れていましたが、リストックされていた棚で別の一品に出会います。それがオーバーダイ加工されたウッドランドカモのキャンプキャップでした。
俺ずっとこれに憧れがあったけど、もう赤いボックスなんてちょっとさ、高校生とかじゃないんだから、ちょっとビビっちゃうじゃん。だからもう赤ボは本当に行けないと思ってたんだけど、あれ、これなら赤ボいけんちゃうね。
赤いボックスロゴが燻んでいるおかげで、大人でも自然に被れる「使い込まれた空気感」が出ていると話します。
ゴローズの平打ちと陸サーファースタイル
帽子に加えてもう一つの軸となるのが、最近着け始めたというゴローズ高橋吾郎氏が立ち上げたシルバーアクセサリーブランド。フェザーや平打ちブレスなどネイティブアメリカン文化に根差したデザインで知られ、入手難度の高さでも有名です。の平打ちバングルです。
ガクトさんは「平打ちが入り口」と話し、ようやく憧れの一本を手に入れたと話します。これまで定位置だったクロムハーツのヘアゴムを外すかどうかで、かなり躊躇したそうです。
これはね、ほんと憧れアイテムで。ようやく買えたんですよ。ようやくパスポートを手に入れたような、そういう気持ちですけど。
平打ちを着けたことで全体が一気にサーファーっぽくなったと感じ、今日のスタイルが「陸サーファー」として組み上がっていきます。
下は加工済みのカーハートのダブルニーパンツです。元色はハミルトンブラウンで、デッドから加工に出し、九十年代的に履き込まれたカリフォルニアフェードへと変えてあります。
エルメスのアブミ革ベルトという聖杯
そして最大のサプライズが腰元のベルトです。ガクトさんが取り出したのは、エルメスのアブミ革ベルトでした。
アブミ革とは元々は馬具馬に乗るための鞍やアブミなどの道具。エルメスは19世紀のパリで馬具工房として創業したブランドで、現在も馬具製造のDNAが多くの製品に受け継がれています。として使われていた革を、ベルトに転用しているアイテムです。
数年前、敬愛するヒロシさんがブログで紹介して以来、日本中のエルメスから一気に在庫が消えた伝説の品でもあります。
そのベルト何でしょうか?
エルメスのアブミ革ベルトです。今までずっと探していたが見つからず、最近の日本の在庫はベルトに転用できないタイプばかりだったと話します。
ガクトさんは世界中のエルメスのオンラインを定期的に検索する中で、ある日バンコクの公式オンラインに在庫が出ているのを発見します。
即効タイにいる友達に連絡をして、押さえてもらって。金は払うから、いくらでも払うからつってさ。だから俺タイまで行ったからね。微笑みの国。
タイまで自ら飛んで購入したアブミ革は、サイズ135cmの一本。ヒロシさんに倣い、いつかブラックが手に入れば交換することも視野に入れていると話します。
元は馬具用の革を転用したベルト。ベルトループ用パーツが省略され、シンプルな金具と革のみで構成されています。
スタッズや装飾が前提のロックなディテール。今日のスタイルでは「見せ過ぎ」と感じる場面もあり、ガクトさんは引き算の文脈でアブミ革を選びました。
シンプルな構造でありながら革質はエルメスらしく上質で、角はコバ仕上げではなく革巻きにステッチが入っているため丈夫だとも語られます。
クロムハーツの新作KSデニムジャケット
今度は横山さんの装いに話が移ります。羽織っているのは、クロムハーツ1988年にロサンゼルスで創業したシルバーアクセサリーとレザーアパレルのブランド。クロスやダガーをモチーフにしたモチーフが象徴的です。の新作「KSデニムジャケット」です。
KSはクリエイティブディレクターのクリスチャン・スターククロムハーツの創業者リチャード・スタークの息子。近年クロムハーツのデザインの中心を担い、独自のシルエットを打ち出しています。のイニシャルから取られています。少し前に出た太めのデニムパンツの上着バージョンという位置付けです。
形はLevi'sのセカンドとサード/フォースをミックスしたような構造で、フロントのボタン周りはセカンド寄り、ポケットはカーハート的なワークの後付けポケットになっています。
これね、あのほつれる隙がない作りになってて。あのほつれる箇所一箇所もないじゃん。
セルビッチがふんだんに使われ、糸も全て同色で揃えられた一分の隙もない作りです。サイズはLで、横山さんはこのまま糊を塗らずに自然なアタリを出していくと話します。
ガクトさんもブラック版が出る可能性に期待しており、もし出れば購入を検討すると話していました。
クローゼットが爆発する時、横展開を考える
ここから今日のメインテーマに入っていきます。きっかけはロイさんのポッドキャストで語られた「スイカゲーム」と「横展開」という概念です。
スイカゲームとは、自分の中の「スイカ」級のお気に入りアイテム同士が重複した時、片方が役目を終えていく感覚を例えた表現です。
そして横展開とは、自分の手元にあるアイテムを別の人へ受け渡し、その予算で次のアイテムに向かうことを指します。
私、あの、要は、これ爆発何を言ってるかというと、クローゼットの外に、例えば椅子とかの上に畳んだTシャツ積み出したら、これはもう爆発なんですよ。
ガクトさんはニューヨーク帰りで購入物が増え、クローゼットが完全に爆発したと話します。仕事の合間にロイさんのポッドキャストを聴きながら服を出しては畳んでも、一向に収まりません。
横山さんもこのKSデニムジャケットを横展開で得た予算で購入したと明かします。スイカ同士を消してハイスコアを稼いだ結果が、今日の一着だというわけです。
最後のクロムハーツと、年を取った自分が本当に履く靴
話は「最後のクロムハーツ」という思考実験へ進みます。最初に買ったクロムハーツは皆が語りたがる一方、最後に残るクロムハーツについて語る人は少ないという指摘です。
ウォレットチェーンを愛してきた二人ですが、八十歳になっても重いチェーンを腰から下げているかと問われると、答えに詰まります。
すごいおじいさんになってウォレットチェーンつけるかな?つけないよな、多分。
同じことはブーツや時計にも当てはまります。今お気に入りのウェスコのブーツも、現役のスポーツロレックスも、本当に最後まで履き、着け続けるのかは別問題だと話します。
出会いと購入
憧れや勢いで購入し、机の上に箱を置いて毎日眺めながら自分が本当に使うか確かめます。
活躍期
よく着用し、スタイルの軸として機能します。賞味期限と消費期限が両方有効な状態です。
距離が生まれる
体型やトレンドの変化、新しいスイカの登場により、徐々に出番が減ります。
判断と横展開
思い出のあるものは残し、半端な思い入れのものはメルカリなどで横展開し、次のアイテムの予算にします。
オールデンのインディブーツと変わっていく足のサイズ
ニューヨークでガクトさんが新たに購入したのが、コードバンのインディブーツです。きっかけは石川俊介さんのSNS投稿で、モカ縫いの職人がいなくなりつつあるという話を聞いたことでした。
店舗で足を計測してもらうと、自分の知っているサイズより一段大きいサイズを勧められます。これまで履いていたタンカーブーツのサイズはシックスハーフ前後だったため、今では入らない可能性が高いと気付きます。
要は足がさ、でかくなってんすよ。
インディブーツのラストは「トゥルーバランスラスト」と呼ばれ、モディファイドラストよりさらに広い設計です。さらにインチアップしているため、足元の存在感も増し、現在のワイドなパンツに負けません。
インディブーツハリソン・フォードが映画「インディ・ジョーンズ」の撮影時に自分が好きなオールデンを元に作らせたとされるブーツです。タンカーブーツがTの字のモカ縫いなのに対し、こちらはセンターステッチのないUの字状の縫いになっています。は、まさに冒険のためのブーツでもあります。
購入後は二週間、箱を机の上に置いて毎朝眺め、本当に履く靴かどうかを確かめてから、ようやく履くことを決めたと話します。
思い出と実用の狭間にある服たち
昔から大切に持っているアイテムの話になります。横山さんが手放せずにいるのは、ブラックのモールスキンジャケットです。
それ着る?
いまは着られないと答えます。サイズが小さく、当時の自分の体型でなければ袖を通せないアイテムです。
ガクトさんは以前、横山さんに対して「ジジイになれば痩せるからその時に着られるかもしれない」と勧めたこともあったと振り返ります。
ロイさんがその自分のポッドキャストの中で、そのニューヨークに初めて行った時に、まあ最後そのジャックパーセルを買うんですよ。それいまだに捨てられてないみたいな。だからそれはもう思い出じゃん。
問題は、明確な思い出も実用性もない「半端な思い入れ」のアイテムです。デッドだから残してある、いつか着るかも、というだけで保管しているアイテムは、クローゼットの爆発の原因にもなります。
スニーカーの賞味期限と、お別れのイベント構想
最も儚いのがスニーカーです。布や合成素材は加水分解ポリウレタンなどの素材が湿気と反応して劣化していく現象です。スニーカーのソールやナイロンのコーティングが、ある日突然ボロボロと崩れるのはこのためです。によって、いつか必ず朽ちていく宿命を持っています。
アトモス創業者の本でも、加水分解の前にスニーカーを処分し、次の波に乗り換える重要性が説かれていると紹介されます。
ガクトさんは、スニーカーを処分するための「集団葬儀」のようなイベントを構想します。みんなで思い出のアイテムを持ち寄り、エピソードを語り、最後にセカストやブックオフが値を付けて引き取っていくというものです。
とにかく我々お別れをし、どっちかっていうと、ちょっとしていかなきゃいけない。
若いビクティマーがその場でアイテムを引き継ぐ展開も含め、リスナー同士でのリレーが理想として語られます。
一周年コメントとお守りタンクという合言葉
後半は一周年のお祝いコメント紹介です。すこやかさん、キヨさん、SHOGOさん、HSKさん、ペディさん、ゆってぃさん、ブルックさん、グラップラーさん、タローさん、シップさんなど多くのリスナーからのコメントが読み上げられます。
SHOGOさんからは、番組がきっかけで筋トレを始め、今年に入ってから一日も休まずジムに通っているという報告がありました。ラットプルダウンの重量も二十五キロから五十キロまで成長したそうです。
似合わないキャップが似合うようになり、着こなせないジャケットが着こなせるようになる。服に負けない肉体。
マスターキヨさんからは「ガールマス」というワードへの言及がありました。「これは十年着られるから実質タダ」「今日は買わずに済んだから実質タダ」という、ポジティブ会計を表す愛称です。
ペディさんからは「ファッションが趣味」と言うことへの気恥ずかしさが、この番組を通じて解けてきたという声が届きます。番組はおしゃれの押し売りではなく、ビクティムである自分を引き受ける場所だと再確認されます。
私のビジネス芸人的な側面ではなく、このね、なんか趣味の方でちゃんと話聞いてくれるのは本当に一番嬉しい。
そんな中、自分自身を奮い立たせる合言葉として浮上したのが「自分自身タンクトップ」、通称お守りタンクです。タンクトップ一丁でクローゼットと向き合う四十代の象徴です。
まとめ
一周年回はキャンプキャップやアブミ革ベルトの話から始まり、クローゼットが爆発する四十代のリアルにまで踏み込みました。横展開と思い出のせめぎ合いに、自分自身を支えるお守りタンクという合言葉が静かに加わった一回でした。
- Supremeキャンプキャップやアブミ革ベルトのように、長年の憧れを大人の文脈で回収していく購入の流儀が語られました。
- クローゼットの爆発に対しては、メルカリなどでの「横展開」が現実的な解決策として提案されました。
- 思い出のあるアイテムと半端な思い入れのアイテムを区別し、後者は手放していくことが四十代のクローゼット運用のポイントです。
- スニーカーは加水分解という賞味期限を持つため、一定の時期での見直しが必要だと整理されました。
- 番組一周年を機に、お守りタンクという合言葉と、思い出のアイテムを語り合う次回テーマが示されました。
