間違いを指摘したくなったら「経ずして実らず」
娘の宿題を見ていると、小学5年生にもなると内容がだんだん難しくなってきます。理科も社会も算数も複雑になってきて、私もかろうじてついていける、という感じです。
丸付けをしていると、当然間違っている部分がありますよね。ここはこうだよ、って言うのは簡単なんです。
でも、外野が間違いを指摘するのってめちゃくちゃ簡単だなって思うんですよね。
私自身、小学生の頃に親から勉強を教わった記憶なんて1秒もないんですけど、塾で「間違ってるよ」と言われる気持ちはよくわかります。間違いを指摘されて嬉しくなることはないんですよ。悔しいし、自分が否定されているような感覚になる。
娘が小さいうちは「こう考えるといいんだよ」と言っていたんですけど、思春期に入ってくると、それがいくら正しくても反発したくなるじゃないですか。
だから最近は、あまり注意しないようにしています。淡々と丸付けをして、バツだよとだけ言って、あとは聞いてきたら教える。それくらいの距離感で引いています。
私が間違いを指摘したくなったら、いつも「経ずして見ざる」という言葉を思い浮かべるようにしているんです。
経験しないと自分の力にならない、実らない、という意味ですね。逆に、自分で経験して「ここをこう直せばいいんだ」と気づけたら、それはちゃんと実力になっていく。
だから娘に対しても、大学で指導するときも、できるだけ自分で気づかせることに注力しています。自分で気づいたら、あとは勝手に吸収していく。そこは子どもって本当に強いんですよね。
4か月続いている自分を、まず褒めていい
ここからラジオ英会話の話に入りますが、8月のWeek3が終わりました。4月から始めて、いまも継続している人はどれくらいいるんでしょうか。
4月のモチベーション通りに続かない人は多いんじゃないかと思います。でも、それはしょうがないんですよね。
4月と今では環境も違いますし、4か月経てば身の回りのことも変わっている。英語との向き合い方も変わっていると思うんです。
だから、そこは責めすぎないでいい。むしろ4か月続いている人は、シンプルにすごいと褒めてあげることが大事だと思います。
なかなかできるようにならない、という悩みもあると思うんですけど、それもさっきの「経ずして見ざる」で、経験していく中で気づいていくものなんですよね。
英語をパッと使わなきゃいけない場面で、あ、実力ついてるな、と違う角度で実感する。そういうときが来るので、焦らず、責めすぎず行くのがいいんじゃないかなと思います。
マイナス系の言葉は、1つだけでも確実に出るものを
Week3の便利フレーズを振り返って、私が一番「即座に出せなきゃいけない」と感じたのは「お気の毒に」でした。
「残念だね」「大変だね」と相手に同調したい場面ですよね。ポジティブなときはグッドとかグレートで、なんとかいけちゃうんですよ。
でも「お気の毒に」という感情になったときの英語って、あまり持ち合わせていない人が多いんじゃないでしょうか。私もそうなんです。
大変だったんだな、という衝撃が強すぎて、かえって言葉が出てこなかったりする。それだと相手に伝わらないですよね。
だからこそ、"I'm really sorry" でも "That's too bad" でも、どれか1つだけでもスムーズに出てくる状態を作っておくのがとても大事だと思いました。特にマイナス系の言葉は、1つだけでも確実にすぐ出るものを持っておいた方がいいんですよね。
日本語で考えてみて、自分が普段よく使うのはどれかな、と考えてみるのもいいと思います。日本語でも使わないものは、英語でもなかなか使わないので、そこはグラデーションをつけて勉強していいと私は思っています。
「ちくちくノート」と、繰り返し出てくる表現に気づく面白さ
Week3をやっていて改めて思ったんですけど、今年のラジオ英会話は、学校で習わない言い回しや聞き慣れないものが結構出てきているんですよね。
今までのラジオ英会話を知っている人には難しく感じるし、今年始めた人にはレベルが高く感じると思います。
私は「ちくちくノート」というものをつけています。これはラジオ英会話の講師である大西泰斗先生が、自分が言えない言葉を見つけたらまとめている、とどこかでおっしゃっていたものなんです。
ノート自体は昔から持っていたんですけど、今年からこまめにやるようになりました。恥ずかしながら、まだ5月号までしか行っていないんですけどね。
まとめるのは、言えない表現はもちろん、瞬時に言えない表現もです。たとえばLesson91の "Let's figure out a better balance together." は、単語は全部知っているのに、まとまりでパッと言えるかというと微妙なんですよね。
だから、全く知らなかった表現も、知っているのに瞬時に言えない組み合わせも、両方チェックしています。
今年はたぶん過去一番ちゃんと復習していて、1日前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前と振り返るようにしているんです。
そうすると、繰り返し出てくる表現があることに気づきます。たとえば「大変だね」の rough は結構頻繁に出てきますし、push oneself もよく出てきますよね。
Lesson91の "You've worked so hard to get here." という言い回しは、Lesson93の英作文コーナーでも出てくるんです。1週間という短いサイクルの中でも、繰り返し触れさせようという狙いが見えるんですよね。
こういう仕掛けに気づけると、「あ、また出た」という感覚が自分の自信になるじゃないですか。今までやってきたことがちゃんと身についているんだな、と。
もちろん、気づけなくても全然いいんです。私は英語を勉強しようと思ってから今年で20年目くらいなので、4月から始めた人と同じだけの気づきを持ち帰れるかというと、そんなことはないんですよ。
始めたばかりの人はいろんなことが新鮮で、これも覚えなきゃと大変だと思うので、焦らず行った方がいい。私や他の人が「こういうことに気づくといいですね」というのをメモしておいて、後でこまめに振り返ると、自分でも気づけるようになります。そういう気づきセンサーを強めてほしいなと思いました。
「言えない」を因数分解して、印象に残った表現
Lesson95のレビュー回は難しかったですね。ビジネス文脈で単語が難しくて、しんどかった人もいると思います。
でも、Lesson94の冒頭で大西先生が、ビジネス文脈は難しいかもしれないけれど、単語を覚えればいい、知ってしまえばできる、という趣旨のことをおっしゃっていて。まさにその通りだと思うんです。
英作文が言えないなと思ったら、なぜ言えないんだろう、と考えてみる。単語の問題なのか、文法の問題なのか、それとも便利フレーズを知らないのか。
この1か月に関しては、便利フレーズが言えるかどうかが肝になります。それが言えていれば、私は全然いいと思いますね。自分が言えないことを因数分解して、どこを鍛えれば言える範囲が増えるのか、いつも見ておくといいと思いました。
今週で私が一番印象に残ったのは、Lesson93の "It's about feeling, not just counting syllables." です。「音節を数えることだけでなく、感じることが大切なんです」という文ですね。
「大切」と思うと、私たちはつい "It's important" が浮かんでしまうんですよね。essential でも vital でも言えるはずなのに、大切イコール important と刷り込まれている。
だからこそ「あることが大切なんだ」と言いたいときに、"It's about ~" が出てくるかどうか。すごく単純なのに、案外使えない人が多いんじゃないかと思います。私も全然出てこないので、バリエーションを増やす意味で覚えておきたいと思いました。
もう1つ、みなさんが素通りしていそうなのが、さっきの "You've worked so hard to get here." です。「ここまで来るのに、めっちゃ頑張ったじゃないか」というやつですね。
「頑張ったじゃないか」「ここまでやってこれて」って、案外言えないのに、言う場面は多いんですよね。しっかりマーカーを引いて音読しておくといいと思います。
まとめ
結局のところ、学習も子育ても、外から間違いを指摘するより、自分で気づいて経験することの方が力になるんだな、といまは考えています。ラジ英も全部を均等にやるより、自分が普段使う表現かどうかという視点で眺めて、メリハリをつけていくのがいいんじゃないでしょうか。
- 間違いを指摘したくなったら「経ずして見ざる」を思い出し、自分で気づく余地を残す
- 4か月続いている自分を、まずシンプルに褒めていい。焦らず責めすぎない
- マイナス系の表現は、1つだけでも確実にすぐ出るものを持っておく
- 「言えない」を単語・文法・便利フレーズに因数分解し、繰り返し出る表現に気づくと自信になる
