なぜ私はFACTBOOKを推すようになったのか
私はもともと『一億人の英文法』からこの世界に入りました。出た順としても『一億人』が先で、2011年ですね。
『ハートで感じる英文法』をきっかけに大西メソッドにハマって、文法を一通り体系的にまとめた『一億人』を叩き込んだ。そうやって自分の英語感みたいなものが育っていったんです。
だから当時は「一億人に戻ります」という話をよくしていました。
でも、使いやすさや調べやすさ、戻りやすさを考えると、今は圧倒的にFACTBOOKなんですね。
FACTBOOKが最初に出たのは2017年で、改訂はこれで3回目です。後から出て磨かれている分、当然こちらの方が優れていると私は思っています。
目次の順番だけで、こんなに違う
2冊の特徴の差は、私なりに分析すると目次にはっきり出ます。
FACTBOOKはいわゆる学校英語の順番です。文型があって、時制があって、という流れ。
ところが『一億人』は、文型のような基本は最初にあるものの、時制が一番最後の方なんですよ。それだけでもう全然違う。
大西先生は、この『一億人』の順序こそ英語の捉え方として適切だと考えていらっしゃるんだと思います。
ただ、学校で英語を習ってきた人にとっては新鮮な一方で、受け止めにくい部分もあるんですね。
たとえば『一億人』には「不定詞」という独立した項目の立て方が学校流とは違いますし、動名詞や現在分詞、分詞構文をまとめて「-ing」として紹介したりします。
私たちは動名詞と分詞を別々に習ってきたので、同じ章で扱われるとちょっと捉えにくい。
だからFACTBOOKは、学校で学んできた英語をいい感じに捉え直す本。『一億人』は大西先生の英語の見方が全面に出た本、という整理です。
戻り先はFACTBOOK、深掘りしたいときだけ一億人
戻り先としてどちらがいいかと考えると、FACTBOOKの方があっさりしていて、説明ができるだけ少なくなっています。
逆に『一億人』はくどいくらいしっかり説明してくれる。なぜこのルールになっているのか、ネイティブの視点だとどうなのか、というところまで細かく語ってくれるんです。
だから、もし2冊使うなら、基本はFACTBOOKでいいと私は思います。FACTBOOKで学んだことをもっと拡大したい、虫眼鏡で覗きたいというときが『一億人』なんですね。
FACTBOOKでしっかり学び終えたら、あとは英語の世界に出ていく。戻り先としてFACTBOOKを参照しておく、というのが私のおすすめです。
そのうえで、さらに深い理解が欲しいときに『一億人』を持ってくるといい。これが私の中でのまとめです。
例文も、FACTBOOKはシンプルで、『一億人』はちょっと癖がある感じ。その深さやエグみみたいなものを味わいたい人は『一億人』を使うといいと思います。
それとFACTBOOKは、QRコードから大西先生の講義動画が見られるのもいいんですよ。
文面ももちろん面白いんですけど、実際に話している様子を見ると「そういうことか」とストンとわかることが多い。悩んでいたことがひとまとめにできる、みたいな感覚です。
FACTBOOKを勧める人が、もっと増えてほしい
以前どこかのイベントでお会いした方に「FACTBOOKを勧めてる人っていなくないですか」と言われたことがあります。これは確かにそうなんです。
英語の動画を撮っている人やYouTuberは、みんな「『一億人』はすごい、優れている」と言う。検索するとその結果ばかり出てきます。
そこに「実はFACTBOOKの方がとっつきやすいですよ」と言っている人はほとんどいない。いたら逆に私は知り合いになりたいくらいです。
それだけ『一億人』が目立ちすぎているんですね。タイトルに「一億人」とつけるのも、なかなか挑戦的じゃないですか。
正直に言うと、私自身は大西メソッドをズブズブに読んできた人間なので、『一億人』の方が面白いと感じます。FACTBOOKだと物足りない気すらする。
でも、世間一般に大西メソッドを届けるとなったら、やっぱりFACTBOOKなんですよ。いろんな点でこちらの方がいいと思っています。
だから、FACTBOOKで英語の学習が進んだという方は、ぜひそれを広めてほしいんです。この本に出会うことで変わる人は絶対にいると思うので。
最近の私は、大西メソッドで「読解」まで踏み込んでいる
最近私がやっているのは、大西メソッドで英文をどう読むか、という話です。
FACTBOOKもThird Editionになって読解のコラムが入りましたし、『ラジオ英会話』の今年のものを聞いていても、解釈にいちいち踏み込むんですよね。
たとえばto不定詞について、目的だ副詞的用法だといろいろあるけれど、結局はtoで後ろを追いかけているだけで、結果として「〜のために」といった解釈が生まれているだけだ、という話をされている。
会話ができるだけで終わりではなくて、その見方を使えば読解や解釈までちゃんとできるよ、というメッセージだと私は受け取っています。
なので私も、大西先生ならこう読むな、自分ならこう解説するな、ということを紹介するようにしています。
まとめ
大西メソッドが好きすぎる私にとっては『一億人の英文法』の方が面白い。でも、多くの人に勧めるなら戻り先はFACTBOOKだ、というのが今の私の結論です。どちらか一冊を選ぶ人にも、2冊を行き来する人にも、この整理が届けば嬉しいです。
- 学校英語の流れに沿ったFACTBOOKは、戻り先として使いやすく調べやすい
- 大西先生独自の見方が全面に出た『一億人の英文法』は、深掘り用として使うのがおすすめ
- FACTBOOKは説明があっさり、『一億人』はくどいくらい丁寧、という説明量の違いがある
- 『一億人』が目立ちがちな今こそ、FACTBOOKの良さをもっと発信してほしい
