縄捌きが速くなると何が起きる?
この回で縛師のたかせ秦之助さんが扱うテーマは「縄尻を跳ねさせない」です。冒頭でたかせさんは、この配信は汎用的な緊縛技術の解説であり、アダルトな内容は含まないと断っています。
たかせさんによると、緊縛を学んで縄の扱いに慣れてくると、縄を素早く捌けるようになります。すると今度は、縄尻 ── 縄の端の部分のこと。縄を引き抜く最後の瞬間に勢いがつきやすく、振り回されるように動くことがありますが暴れて、受け手に当たってしまう問題が出てきます。
縄尻が暴れてしまって、その受け手に、跳ねた縄尻がこうバチンと当たったりとかしてしまうと。
たかせさんは、縄尻が顔の周辺に当たる場合は特に危険だと指摘します。目に入ることも当然ありうるからです。
そのため、縄捌きがスムーズで速くなってきた段階で、次は縄尻を跳ねさせないことに意識を向ける必要がある、とたかせさんは話しています。縄尻は、速く捌けば捌くほど暴れやすくなるものだからです。
縄の扱いに慣れる
縄を素早く捌けるようになる
勢いが増す
速く引き抜くほど縄尻が暴れやすくなる
受け手に当たる
跳ねた縄尻がバチンと当たり、顔周りでは目に入る危険もある
縄尻を跳ねさせない2つの方法
縄尻を跳ねさせる原因について、たかせさんは勢いよく引き抜いてしまうことだと説明します。そのうえで、防ぐ方法は大きく2つに集約されるとしています。
1つ目は減速です。縄尻が受け手さんの体に近づいたタイミングで縄を引くスピードを落とし、そっと抜いてあげます。
やっぱり勢いよく引き抜いてしまうから縄尻が跳ねてしまうので、縄尻を抜く時には一度減速して、そっと抜いてあげるということが必要だし。
2つ目は、たかせさんの講習で「送り手」と呼んでいる、空いている側の手を使う方法です。縛楽式では、縄のうち受け手さんに掛かっている側を「掛り側」、掛かっていない縄尻側を「送り側」と呼び分けています。
縛楽式では、送り側の縄を空いている手で持ってコントロールします。縄を素早く引き抜く途中で縄尻が送り手の届く位置に来たら、その縄尻を掴んで押さえつけたまま縄を運べば、縄尻は跳ねません。
縄尻が受け手さんの体に近づいたら引く速度を落とし、勢いをつけずに抜く
送り側の縄を空いた手で持ち、縄尻が届く位置に来たら掴んで縄を運ぶ
縄尻がどこにあるか、読めていますか
減速と送り手、どちらの方法を取るにしても、たかせさんが大事だとするのは、縄尻がどこにあるのかを認識できていることです。
具体的には、残りの縄がどれくらいの長さか、引き抜いている最中に縄尻がどこまで近づいてきているかを読む必要があります。縄尻の位置を読めて初めて、減速も押さえ込みも選べるという関係です。
残りの縄がどれくらいの長さがあって、縄を引き抜いている時に、縄尻がどれくらいの距離まで近づいてきているのかっていうのをちゃんと読まなきゃいけない。
逆に、縄尻を跳ねさせてしまう状態について、たかせさんは縄尻まで意識が行き届いていないことの表れであり、同時に「シンプルに雑」だと言い切ります。
受け手さんの立場からすると、縄尻が暴れて自分にバシバシ当たってくる状態は、かなり雑な扱いを受けている感覚があるのではないか、とたかせさんは話しています。
残りの長さを把握する
残っている縄がどれくらいあるかを知る
縄尻の接近を読む
引き抜く途中で縄尻がどこまで来ているかを追う
対処を選ぶ
直前に減速するか、送り手で押さえ込むかを選ぶ
そもそも慌てて縄を抜く必要はあるのか
縄尻が暴れるほど速く縄を捌く必要があるのかについて、たかせさんは、通常の緊縛では基本的にないと考えています。
受け手さんとのコミュニケーションとして緊縛を行う場面では、慌てて縄を抜かなければならない状況はあまりない、というのがたかせさんの見立てです。ただし、ショーなど舞台の上で緊縛を行う場合は話が変わってくるとも添えています。
例外として挙げられるのが、緊急事態が起きて早く解かなければならない場面です。
(緊急時は)もう縄尻がどんなに暴れようが知ったことじゃないんで、もうさっさと抜きましょうということでいいと思うんですけど。
一方で、異常が起きていない通常の場面なら、慌てずに丁寧に縄を扱えばよい、というのがたかせさんの結論です。
| 場面 | 速さの必要 | 縄尻の扱い |
|---|---|---|
| 受け手さんとのコミュニケーション | 基本的に慌てる必要はない | 丁寧に扱い跳ねさせない |
| ショーなど舞台上 | 話が変わってくる | 書き起こしでは詳細は語られていない |
| 緊急事態 | 早く解く必要がある | 暴れても構わないのでさっさと抜く |
縄尻まで意識下に置くには
縄尻にまで意識を通すことについて、たかせさんは、かなり意識的に取り組まないとなかなかできるようにならないと話します。
なんならこの縄が跳ねて暴れ回ってるのを気づいてない人も、縛り手の中にはいたりするぐらいで。
たかせさんは、縄尻の跳ねに気づかない縛り手は、縄が見えておらず、コントロールできていない状態だと説明します。縄をきちんとコントロールするには、縄尻に至るまで意識下に置くことが必要です。
中でも注意すべきは顔周りです。胸の前で縄を捌くときは、受け手さんの顔に縄尻が飛んでいく可能性が高いポジションになると、たかせさんは指摘しています。
ただし、顔周り以外なら構わないわけではない、ともたかせさんは付け加えます。どこであっても、しっかり丁寧に、慌てずに縄を運んでほしいというのがこの回の締めくくりです。
まとめ
縄捌きが速くなるほど縄尻は暴れやすくなり、受け手さん、特に顔周りに当たる危険が増します。たかせさんは、減速してそっと抜く、送り手で押さえ込むという2つの方法を示し、その前提として縄尻の位置を読む意識と、慌てず丁寧に扱う姿勢が大切だと語っています。
- 縄尻が跳ねるのは勢いよく引き抜くからで、速く捌けるようになった段階で起こりやすい
- 防ぎ方は、縄尻が近づいたら減速してそっと抜くか、送り手で縄尻を掴んで押さえ込むかの2つ
- 残りの縄の長さと縄尻の接近を読めることが、どちらの方法を選ぶにも欠かせない
- 緊急時を除き、通常の緊縛では縄尻が暴れるほど慌てて縄を抜く必要は基本的にない
- 胸の前など顔に近い位置で捌くときは、特に縄尻が飛びやすいので注意が必要

