手先だけで縄を捌くと何が起きるのか
緊縛教室を運営するたかせ秦之助さんは、この配信で緊縛の技術を解説しています。緊縛は表現やコミュニケーションの手段であり、この配信はアダルトな内容を含まない汎用的な技術解説だと冒頭で断っています。
今回のテーマは、縛り手が身体を大きく動かして縄を引くことです。受け手さんに縄を掛けていくと、余った縄を捌いていく、払っていく動きが何度も入ります。
たかせさんが初心者を見ていて気づくのは、身体が硬直し、手先だけで縄を捌こうとする動きです。手をやたらと往復させて、少しずつ縄を引き抜いていく様子がよく見られるといいます。
それだと、そういう操作をして、やっぱもたついてる感じも出るし、実際あの時間も余計にかかるし、
そんなことをしてる間に縄もちょっとずつ緩んでるしみたいなことが起こりますと。
手先だけの縄捌きには、見た目のもたつき、余計な時間、縄の緩みという3つの問題が重なることになります。
身体の硬直
手首から先だけで縄を処理しようとする
細かな往復
手を何度も行き来させ、少しずつ縄を抜く
もたつきと時間
動きがもたつき、時間も余計にかかる
縄の緩み
捌いている間に縄が少しずつ緩む
縄は「肘が進む方向」についてくる
そこでたかせさんは、縄を運んで掛けたあと、余った縄尻側の縄を捌くときには、なるべく身体を大きく動かしたほうがいいと勧めます。縛り方や局面によって話は変わるものの、受け手さんが普通に座っている状態で縄を掛けることが多い初心者には、特に当てはまるといいます。
たかせさんが教室でよく伝えているのは、縄は肘を意識して抜くということです。
縄尻側の縄を払うとき、縄は肘の動きについてきます。そのため、手首から先だけで処理しようとせず、肘を使うことが大切だと話されています。
肘を使うと、必然的に肩甲骨も使うイメージになります。たかせさんによれば、肘を引くと肩ごと動くような形になるといいます。
片足を引くだけで、縄はほぼ一動作で抜ける
たかせさんは肘と肩甲骨に加えて、受け手さんを支えていない限りは足も使ってほしいと話します。
たとえば受け手さんの後ろにポジションを取り、座りの状態で縄を掛けた場面です。縄を引くときに片足を後ろへ下げると、縛り手の身体がより大きく開きます。
その開いた距離で大体縄は抜ききれるんですね。
身体を開いた距離で抜ききれないケースも若干あるものの、多くの場合は一動作で縄をほぼ抜ききれるといいます。一度で抜けなくても、もう一方の手を使えば抜けるくらいの距離は稼げるはずだと、たかせさんは説明します。
身体が動かず手先だけで、手を何度も往復させて少しずつ縄を抜く
肘・肩甲骨を使い片足を引いて身体を開き、ほぼ一動作で縄を抜ききる
身体を開くと、なぜ受け手さんの全体が見えるのか
たかせさんは、身体を動かさずに縄を捌く状態の問題を、動作の効率だけでなく視点の問題としても捉えています。身体が硬直していると、視点も受け手さんの間近から離れず、近視眼的になってしまうといいます。
一方で身体を開いて大きく動くと、縛り手の目線は物理的に受け手さんから遠ざかります。その結果、受け手さんの全体の状態を把握できるようになります。
近くにいるとね、受け手さんの体のパーツしか目に入ってこないですけど。ちょっとね、ほんと半歩分でも体を引いてあげると、受け手さんが全体が見えて、
受け手さんの全体が見えれば、入ってくる情報量も変わります。たかせさんは、その情報から受け手さんの状態を把握し直せると話します。
縄が斜めにかかっていたり崩れていたりする粗も、近くで見ていると気づきにくいものです。一歩引くことで、それがよく見えるようになるといいます。
受け手さんの体のパーツしか目に入らず、縄の斜めや崩れに気づきにくい
受け手さん全体が見え、状態の把握や縄の粗に気づきやすくなる
縄を引く動作の中に「俯瞰」を差し込む
たかせさんは、この見方をいわゆる俯瞰的に見ることだと表現します。そして物理的に俯瞰するには、当然受け手さんから身体を離す必要があると話します。
その体を離す動きっていうのは、その縄をね、こう捌いていく縄尻側、縄尻を捌いていく動作の中で、それもできるというか、
つまり、縄尻を大きく捌く動きそのものが、流れの中で俯瞰する瞬間を作ることにつながります。縄を抜くための動作と、全体を確認するための距離が、同じ一連の動きの中で両立するわけです。
たかせさんがまとめとして挙げるのは、縛り手が前傾姿勢になり、目線を相手に近づけて小さく作業するよりも、身体を大きく使って縄も大きく捌くことです。それを意識するだけで、緊縛の捌きはかなり安定し、余裕も生まれるといいます。
視野を広く取ると、それだけでね、見てくるもの全然変わってきますので、その辺意識して縄を捌いてもらうといいんじゃないかなというふうに思います。
近くばかりを見ていると、全体としてバランスが崩れているかどうかに気づきにくいものです。たかせさんは、視野を広く取る意識を持って縄を捌くことを勧めて、今回の解説を締めくくっています。
まとめ
今回のたかせ秦之助さんの解説は、縄尻を手先ではなく身体全体で捌くことが、動作の効率と縛り手の視野の両方を改善するという内容でした。片足を引いて身体を開く動きは、縄を一動作で抜くためのものであり、同時に受け手さんを俯瞰するための距離にもなります。
- 手先だけで縄を捌くと、もたつき・時間のロス・縄の緩みが起きやすい
- 縄は肘が進む方向についてくるため、肘を使い、肩甲骨ごと動かす
- 受け手さんを支えていなければ片足を引き、身体を開いてほぼ一動作で縄を抜ききる
- 半歩でも身体を引くと受け手さん全体が見え、縄の斜めや崩れに気づきやすくなる
- 縄を大きく捌く動作の流れの中で、俯瞰的に見る瞬間を差し込める

