記録的大ヒットと、映画館を埋めた観客層
番組冒頭、ひうらさとるさんは映画「ちいかわ 人魚島の秘密」を取り上げました。
この作品は7月24日の公開からわずか10日間で興行収入44億円を突破。全国447館で上映が始まり、公開初日だけで興行収入9.9億、週末動員ランキングでは初登場1位を獲得した記録的な大ヒットとなっています。
ひうらさんは前日に渋谷の映画館へ足を運びました。開始10分前に着いたものの、館内は半分ほど埋まり、長い行列ができていたといいます。
観客層について、ひうらさんは印象的だったと話します。小さな子ども連れの母親もいたものの、8割ほどは20代の男女だったそうです。
あとは我々みたいにネットの噂を聞いた中年、まあ私は老年ですけども、そんな構成でした。
ネットで話題になった「小さな悲鳴」の理由
なぜこれほど話題になっているのか。ひうらさんは、公開初日から広がった感想に理由があると指摘します。
「どういうラストなんだ」「映画館で小さい悲鳴が起こった」「子供に見せていい映画なのか」といった声が上がっていたそうです。
映画やドラマ好きのひうらさんは、フォローしている映画好きの人たちがこぞって反応しているのを見て、強く気になっていたといいます。
一人では見に行きづらいと感じていたところ、同じく気になっていた友達がいたため、鑑賞に至ったと明かしました。
実際に見た感想として、確かにラストは小さな悲鳴が起こると納得したうえで、それ以上に全体のクオリティを高く評価しています。
作品の概要と、映画化された「セイレーン編」
ひうらさんはここで作品の概要を紹介します。
ちいかわは連載開始以降、急速に人気を拡大しました。多数のグッズやコラボ展開で日本中に浸透し、日本キャラクター大賞グランプリを4度受賞しています。
2022年に放送を開始したショートアニメは、YouTubeの見逃し総再生回数が5億回を突破。今や世界中から愛される存在になっているといいます。
制作は、ハイクオリティなアニメーションで定評のあるサイピク。長野さんの完全監修のもと、壮大な音楽と迫力の映像で描かれています。
物語は、姫の特訓や勉強で疲れていたちいかわとハチワレのもとに、うさぎが「特別な島への招待チラシ」を持ってくるところから始まります。
「簡単な討伐で100倍の報酬」「限定島ラーメンや限定スイーツ」といった夢のような好条件が並ぶチラシ。怪しんでいたラッコも限定スイーツに乗り気になり、ちいかわたちは気分転換を兼ねて島へ向かいます。
島では歓迎を受けますが、夜に見つけた洞窟で、伝説の生物セイレーンと人魚に出会います。仲間の人魚が島民に食べられたとして、犯人探しのため島民がさらわれているというのです。
可愛いキャラたちが映す「現代の縮図」
ひうらさんがこの作品でとくに注目したのは、ちいかわたちが置かれている状況です。
彼らは労働をし、資格を取るために勉強をしています。草むしりやレモンのシール貼りといった単純労働もあれば、こなすたびに強くなる「討伐」もあります。
資格という夢を与える搾取、単純労働、そして討伐という正義の名の元に一発逆転するかもしれない。
そして、それこそ命を落とすかもしれない。まさに怪獣の世界。
多くの人はちいかわを、可愛くてシニカルなギャグが加わったキャラクターとしてイメージしています。ひうらさん自身もそうだったといいます。
しかしこの作品には、映画だけにとどまらない現代の縮図が世界観として組み込まれていると、ひうらさんは読み解きます。
気分転換に島へ行かなければならないほど、キャラクターたちは過酷な状況に置かれている。その構造自体が、現代社会を映しているというわけです。
ラストへの伏線と、鑑賞をすすめる理由
作品には個性豊かなキャラクターが登場します。優しく努力家のちいかわ、写真と料理が好きなハチワレ、機転が利くうさぎ、可愛くぶることに執念を燃やすモモンガ、討伐ランキング1位のラッコなど、あるあると思えるキャラクターが揃うといいます。
物語の「セイレーン編」では、大きな敵が現れます。初めは怖がったちいかわたちが、いい人たちだと懐柔されるシーンもありますが、ラストを知ると、その場面がシュールに見えてくるとひうらさんは話します。
ひうらさんが指摘するのは、キャラクターによって言葉を話す者と擬音しか発しない者がいるという構造です。ちいかわやうさぎは擬音しか声を出しません。
主人公のちいかわは真実を知る役目を担いますが、ハチワレはいつも前向きで、うまく真実をすり抜けていきます。
ハチワレがこれでいいんだよねっていうセリフを言うシーンが本当に怖いんですよ。
話はよくできており、ちいかわを可愛いと思っている人も満足できるとひうらさんは評します。可愛く面白く、大人の鑑賞にも耐える映像だといいます。
一方で、子どもと一緒に見ることについては慎重です。ラスト以外にも怖いシーンがあり、注意が必要だと話します。本来は未就学児が見られないような区分になったとも触れています。
後日、プレミアム放送でネタバレを交えて改めて語る予定だと締めくくりました。
まとめ
映画「ちいかわ 人魚島の秘密」は、可愛いキャラクターの裏に現代社会の縮図を描いた作品として、ひうらさとるさんが高く評価したレビュー回でした。話題のラストだけでなく、映像と物語のクオリティの高さが、大人の鑑賞にも耐える理由として語られています。
- 公開10日間で興行収入44億円を突破した記録的ヒット作
- 搾取や単純労働、討伐など、可愛さの裏に現代の縮図が描かれている
- ラストは小さな悲鳴が起こると納得しつつ、全体のクオリティを高く評価
- 大人の鑑賞に耐える一方、怖いシーンがあり子どもと見るには注意が必要
- ネタバレを交えた解説は後日プレミアム放送で予定
