モーリスの「思考の整理」とは何か
今回のテーマは、モーリスさんがいつも行っている「思考の整理」です。
これは自分が悩んでいることや、進みたい目標、叶えたい未来があるときに、そこへどうたどり着くか、そのために今一番大事なことは何かを明確にする作業だと説明されています。
出会って初めの頃にやっていただいて。すごい整理してくださって、感動した覚えがあるんです。
モーリスさんによれば、この思考の整理が仕事の入り口になっているそうです。やってもらった人が「これはいいものだ」と感じ、必要そうな人を紹介してくれることで仕事につながっているといいます。
今回はその思考の整理が実際に何をやっているのかを、記事を元に紐解いていく回です。
超具体例「心が豊か」から始める
今回は超具体例として、「心が豊かとは何か」という問いを扱います。
モーリスさんは、心が豊かな人に魅力を感じ、幸せそう、人生が楽しそうだと感じることが多いと話します。だからこそ、その状態を深めて言語化したいと考えたそうです。
この問いに対する結論は、最初に共有されました。
心の豊かさっていうのは、経験量で説明できるんじゃないかっていう結論に至りました。
一見当たり前に聞こえる結論ですが、そこに至る過程を紐解いていくのがこの回の中心です。
そうかもしれないっていう感覚を、こう言語化されて腑に落ちると、さらにすっきりするんですよね。
なお、この内容は概要欄のnoteでも公開されています。文章で追いたい人はそちらを参照すると分かりやすいとのことです。
「豊か」とは何か。多いことと定義する
まず「心が豊か」という言葉を、「心」と「豊か」の二つに分けて考えていきます。最初に取り組むのは「豊か」の方です。
豊かとは何でしょうか。
秋山さんは「不足がなくて満たされている状態」「食べ物で言えばお腹がいっぱいな状態」と答えます。
モーリスさんは、言葉はシーンによって使い方が変わると前置きした上で、今回の文脈での定義を示します。
ここでモーリスさんが強調したのは、言葉をどう定義するかが思考の整理では最も重要だという点です。
全ての言葉を中学生の人だったらわかるぐらいまで粒度高くするっていうのが、解像度を上げていくイメージなんです。
「豊か」は元々、農作物がたくさん取れたときに使われた言葉が始まりだといいます。そこからモーリスさんは「豊か=多いこと」と定義しました。
反対語で確認する手法も紹介されます。豊かの反対は乏しい・貧しいで、これは「少ない」。自然豊かは自然が多いこと、人材が豊かは人材が多いこと、と当てはめても違和感がありません。
異論の余地はないですね。
「心」とは何か。目に見えない部分と定義する
続いて「心」の定義に移ります。「豊か=多い」なので、「心が豊か」は「心が多い」と読み替えられますが、それだけでは意味が分かりません。
心って何ですか。
秋山さんは「感情」「心があるから感情が動く」と答え、モーリスさんはこれをいい答えだと受け止めます。
モーリスさんは、心を対比構造から考えると分かりやすいといいます。心と体は対比の関係にあり、体は人を構成する目に見える部分だと定義します。
体が「人を構成する目に見える部分」なら、その反対の心は「人を構成する目に見えない部分」だと定義できます。
その中身は、感情、思考、価値観などが挙げられます。ただし深掘りすると無限に広がるため、今回はこの三つに絞ります。
要素を三つにした理由も語られました。二つだけでは説得力が弱く、他にもありそうな感覚が残るといいます。
3つにすると、だいぶ説得力が増すんですよね。3つとか4つぐらいあると、自分の納得感が増す気がします。
感情・思考・価値観、それぞれの「豊か」
心が「感情・思考・価値観」の三つなら、「心が豊か」は「感情が多い」「思考が多い」「価値観が多い」に分解されます。一つずつ見ていきます。
まず感情が豊かとは、楽しい、嬉しい、愛おしい、悲しい、苦しい、寂しいといった感情をちゃんと感じ、表現できることだと説明されます。ここはすんなり受け止められる部分です。
次に思考が豊かです。思考を使うのは、目の前に問題があって、それを解決しなければならないときだと整理されます。
仕事は基本的に思考を使うものだなと思います。人に伝えたいことで、伝え方次第で相手が怒ってしまうような時にも頭を使いますね。
そこから、思考が豊かとは、問題に対する解決方法をたくさん出せることだと導かれます。
思考が豊かな人というのは、問題に対して解決方法をたくさん持っていたり、解決するアイデアをたくさん出せる人と言えそうです。
そして最後が、一番意味の分かりにくい「価値観が多い」です。ここはモーリスさんも「心して聞いてほしい」と前置きします。
価値観とは「差を見る方法」。砂漠の水で考える
価値観という言葉自体が曖昧すぎるとモーリスさんは指摘します。そこで自分なりの定義を置きます。
価値観は「価値を見る」と書くので、自分がどのように価値を見ているか、つまり価値を見る方法だと定義します。
その前提として、そもそも価値とは何かが問われます。価値とは「差」であり「変化量」だと説明されます。
価値
差・変化量のこと
価値観
価値(差)を見る方法
価値観が豊か
差の見方・視点が多い状態
具体例として出されるのが砂漠の水です。砂漠では水がないと死んでしまうため、水を飲むことで死から生きながらえる状態へ大きく変化します。
この変化量が大きいからこそ、ただの水に一万円でも価値を感じるといいます。一方、日本では水道や無料の水がすぐ手に入るため、同じ水でも価値をほとんど感じません。
価値っていうのは差とか変化量であって、価値観とは差を見る方法、変化量を見る方法と言えるわけですね。
ここでモーリスさんは、砂漠を三時間歩いても景色が変わらず、五十五度の中でようやく水にありついた瞬間を、聞き手にありありとイメージさせます。
もう有り金全部はたきますよね。
同じ水でも、その経験をイメージできる人とできない人では、感じられる価値の見方に雲泥の差が生まれます。こうしていろんな差の見方ができる状態が「価値観が豊か」だと結論づけられます。
価値観が豊かな人っていうのは、いろんな視点から物事を見れる人。
すべては経験につながる。解像度を上げる行為
三つの要素の整理が出そろいます。感情が豊かな人はいろんな感情を感じられる人、思考が豊かな人は問いの解決方法をたくさん持つ人、価値観が豊かな人はいろんな視点から物事を見れる人です。
いくら水を飲んでも百円の価値すら感じにくい
無料の水でも一万円のありがたみを感じながら飲める
では、この三つをどう増やすのか。いろんな感情を味わい、問いと向き合って解決方法を持ち、いろんな違いに触れて視点を得る。それらはすべて経験を積むことで叶うとまとめられます。
こうして言葉を一つずつ定義し、分解していくことこそが、解像度を上げる、思考を整理するという行為だと締めくくられます。
秋山さんは、話の途中で引っかかるのは定義されていない言葉があるからだと振り返ります。
定義をつけていって、連想ゲームみたいに広げていく。最終的に一本芯が通るものが出てきて、全部繋がって結論になる、みたいな流れですかね。
次回は、この具体例で何を考えどうやっているのかを、もう一段抽象的に話すことが予告されています。
まとめ
曖昧な問いも、含まれる言葉を一つずつ中学生でも分かるまで定義し、分解していくことで、最後に一本の結論へつながります。「心が豊か」は経験量で説明できる、という着地はその実演でした。
- 思考の整理とは、悩みや目標に対して今一番大事なことを明確にする作業である
- 曖昧な言葉は、反対語での確認や語源も使いながら自分なりに定義することが出発点になる
- 心は感情・思考・価値観の三つに絞られ、それぞれが「豊か」だと感情が多い・解決方法が多い・視点が多い状態になる
- 価値とは差や変化量であり、経験があるほど同じ物事に多様な価値の見方ができる
- 感情・思考・価値観を増やす鍵はすべて経験にあり、経験が心を豊かにする
