京都・三条のアジアンキッチンロータスと「遠近感」
番組冒頭は、ドビ森さんがおすすめするお店の紹介から始まります。京都・京阪三条駅の付近にある「アジアンキッチンロータス」です。
食べログの分類上はタイ料理ですが、ベトナムやインドネシアなど、幅広いアジア料理を出すお店だと説明されています。
ドビ森さんが特に推すのが、「ほぼ週替わり定食」。インスタで毎週メニューが更新され、見るたびに驚くようなメニューが並ぶそうです。
毎回「何これ?」みたいな。創造力もすごいし、なんか組み合わせもすごいし。とにかくここの料理屋さん、めっちゃ美味しくて。
ドビ森さんはこのお店の魅力を「遠近感」という言葉で表現します。異国料理は現地に寄せるほど日本人の口から離れていく、その距離感の調整が絶妙だというのです。
現地に寄せれば寄せるほど、日本のストレートからどんどん外れてくるわけですよ。そこの遠近感なんですよ。
食べたことはないのに美味しい、という絶妙なバランス。ドビ森さんはこの調整力を高く評価しています。
まずくてもいいから俺はこの料理を作るんだって料理人もいるけど、ここの料理人の方はそこの調整力、遠近感が非常に上手くて。
前回訪れたときに食べた「ほぼ週替わり」は、バンコクシュリンプヌードルだったとのこと。汁なし麺に毛沢東スパイスとエビ、パクチーが乗った一品です。
今日のテーマ「丼か、定食か」
おすすめ紹介が終わり、こまさんが今回のテーマを切り出します。それは「丼か、定食か」という、かなりざっくりした問いでした。
街の大衆食堂で席に着いてメニューを見たとき、丼にするか定食にするか。あなたはどっち?
最初の題材はカツ。メニューに「カツ丼」と「カツとじ定食」が並んでいたら、どちらを選ぶかという話です。
カツとじ定食とは、カツ丼の具をご飯に乗せず、卵でとじて別皿にしたもの。場所によっては「カツ煮定食」とも呼ばれます。
ドビ森さんは、京都・四条烏丸あたりの「楓」という定食屋で、これを「カツのお別れ定食」という名前で見かけたと話します。
ほなもう、カツ丼きてんやん。カツのこんにちは丼じゃないんやね。
この名前から、こまさんはあることに気づきます。メインはあくまでカツ丼であって、とじ定食はその二番手扱いなのではないか、ということです。
カツ丼か、カツとじ定食か
二人はまず、丼と定食それぞれの良さを整理していきます。ドビ森さんが挙げるのは、ご飯の食感です。
丼やと、こう持ってガツガツガツといきたい時ですよね。ご飯にタレも染み込んでるんで、滑りがいいんすよ。
一方でドビ森さんは、ご飯を硬めに食べたい派。カツを取ってご飯にバウンドさせ、口の中で合わせる自由度から、定食に軍配を上げます。
定食の方が自由度が高いかなと思っちゃいますね。
こまさんもカツ丼は大好きだと前置きしつつ、カツとじならではの魅力を語ります。カツとじの方が汁が多く味が濃いぶん、白飯で一度休められるというのです。
俺なんか、それを食べて、皿の白飯で一回休めるっていう、この無限感。
カツ丼はご飯の上で一つの料理として完成するよう、味の案配が調整されている。だからこそ、あえて分けたカツとじの方が濃く感じるのだろう、と二人は分析します。
食感の違いも整理されます。カツ丼はサクサクがキープされる一方、カツとじは汁に浸かって衣がグズグズになる。この違いを二人は次のように語ります。
ご飯にタレが染みて滑りがいい。衣のサクサクがキープされ、味の案配は一皿で完成するよう調整されている。
汁が多めで味が濃く感じられる。衣は汁を吸ってグズグズに。白飯で一度休めるぶん自由度が高い。
さらにドビ森さんは、卵でとじずにタレと卵の上からカツを乗せる「後のせカツ丼」の存在も紹介。三層になった、より衣がサクサクな別種のカツ丼です。
天ぷらそば・うどんの「衣問題」
衣がグズグズなら何でもいいのかというと、そうでもない、とこまさんは話を広げます。例に挙がるのが天ぷらそばです。
天ぷらそばのサクサク問題は、二人にとっても長年の悩みどころのようです。
天ぷらそば、むずいですね。僕、いまだに正解わかってないかもしれないです、あれ。
サクサクのまま食べたいなら、いっそ天ざるでいい。二人は、うどんやそばの天ぷらは浸す前提の料理だと整理します。
サクサクのまま食いたいんやったら、もうそれは天ぷらうどんやそばじゃなくてよくね?ってなりません?
同じ「衣が汁を吸う」でも、カツとじは別だとこまさんは言います。天ぷらの衣はモソッと取れてしまうのに対し、カツの衣は出汁とよく合うというのです。
『孤独のグルメ』最終回とカツ煮
こまさんがカツとじにこだわる背景には、あるドラマの存在があります。6月に最終回を迎えた『孤独のグルメ』シーズン11です。
こまさんは、子どもが生まれるまでの1カ月半ほどを一人で過ごした時期に、井之頭五郎さんを「飯の相手」にしていたと振り返ります。
誰かが孤独のグルメは30分でちょうどご飯にいいって言ってて、ほんまかなと思ってやったら、マジでちょうどよくて。
その最終回の舞台が東京・葛飾の定食屋で、出てきたのが「カツ煮」。これが実に美味しそうで、こまさんは義理のお母さんに作ってもらったほどだと語ります。
ただし二人は、カツ丼を否定しているわけではないと念を押します。地元の「香南そば」のカツ丼が大好きだとも話しています。
でもね、誤解してほしくないのは、僕らカツ丼も好きなんですよ。
海鮮丼か、刺身定食か
話題は「丼か定食か」の別の題材へと移ります。こまさんが挙げるのは、海鮮丼か刺身定食か。これは「別物」だと二人の意見が一致します。
条件を揃えるため、二人はどちらも白飯、どちらも味噌汁付き、値段も同じ1900円、種類もたくさん乗ったものと設定します。
同じ値段、同じ味噌汁付き。旅先のお店で海鮮丼と刺身定食が並んでいたら、どっちにする?
見栄えなら絶対に海鮮丼、と認めつつも、二人がそろって選んだのは刺身定食でした。決め手は年齢を重ねたことによる好みの変化です。
昔は刺身でご飯を食べるなんてできなかったはず、と二人は口を揃えます。それが今ではモリモリ食べられるようになったというのです。
海鮮丼は一見豪華ですが、種類を増やすためにネタ一つあたりの満足感が足りない、とこまさんは指摘します。刺身定食なら、ご飯も刺身もじっくり�しめると言います。
海鮮丼はやっぱな、出落ちやで、あれ。最初がピークやと思う。
ドビ森さんも、ご飯の温かさで刺身が温まってしまう点や、刺身で白飯を食べる贅沢さを挙げて同意します。
お刺身で白ご飯を食べる贅沢っていうのが、最近すごくわかり始めた。
こまさんは「丼に騙されてはいけない」とも。丼はご飯が多く原価率も安いのではないか、お店としては売りたいメニューでは、という見方も示されます。
見栄えは豪華だが、ネタ一つあたりの満足感が薄れがち。ご飯の温かさで刺身が温まり、最初がピークになりやすい。
刺身とご飯を分けてじっくり楽しめる。刺身に厚みがあり、白飯を食べる贅沢が味わえる。年齢とともに好みが傾く。
天丼だけは丼が勝つ
ここまでカツも海鮮も定食寄りだった二人ですが、こまさんが「丼が勝ったもの」があると切り出します。それが天丼か天ぷら定食か、という題材です。
天丼か天ぷら定食やったら、俺、天丼やわ。
定食全勝ちかと思いきや、天ぷらだけは丼に軍配が上がる。二人はこの結果に自分たちで驚きます。
僕なら定食が全勝ちかと思いきや、丼が勝つパターンも確かに。
同じ「丼か定食か」でも、食材によって答えが変わる。二人は結論を出さず、リスナーからの意見や、新たな「丼か定食か」の例を募集して番組を締めくくります。
まとめ
同じ食材でも、丼にするか定食にするかで体験は大きく変わります。カツと海鮮は定食寄り、天ぷらは丼寄りと、二人の好みは食材ごとに分かれました。答えのない話だからこそ、リスナーそれぞれの「丼か、定食か」も聞いてみたくなる回です。
- 京都・三条の「アジアンキッチンロータス」は、異国料理の「遠近感」が絶妙な週替わり定食が魅力
- カツ丼はサクサク・味の完成度、カツとじ定食は濃いめの味と自由度が持ち味
- うどん・そばの天ぷらは浸す前提の料理で、サクサク重視なら天ざるという整理
- 海鮮丼か刺身定食かでは、年齢とともに刺身で白飯を食べる贅沢さから定食を選ぶように
- 一方で天ぷらだけは天丼に軍配が上がり、食材ごとに答えが変わることが浮き彫りに
