栄光からの転落、なぜ株価は半減したのか
番組冒頭、二人はパランティアがどん底から劇的な決算を叩き出した経緯を切り出します。
皆さんこんにちは。米国株投資の耳よりの話へようこそ。今日のテーマなんですけども、株価復活なるか?パランティアテクノロジーズの2026年第2四半期決算速報ということでお送りします。
はい、パランティアですね。いや、この数ヶ月の彼らの動きはもう本当に劇的というか。
一時はAIの勝ち組って持てはやされて、でもそこから株価が半年に大暴落して、さらにあの伝説の投資家に空売りまで仕掛けられるっていう。
ええ、まさにどん底からのスタートでした。でも、今回の直近の決算で、ちょっと信じられないような、ものすごい数字を叩き出したんです。
えーと、2025年の11月に最高値の200ドル超えを記録したじゃないですか。そこから2026年中盤にかけてじわじわ下がって、一時は100ドル前後まで落ち込みましたよね。これ、なんでこんなことになっちゃったんですか?
まあ、最大の理由はバリュエーション、つまり企業価値の評価が高すぎたことですね。ピーク時のパランティアって、予想PER、株価収益率が159倍を超えていたんです。
150倍って、あの、ちょっと異常ですよね。
ええ、投資家が今後年間は一切のミスなく完璧に成長し続けるという前提で株を買っている状態でしたから。
なるほど。例えるなら、ロケットが燃料を急激に燃やしすぎて、もう大気圏に再突入せざるを得なくなったような状態ですよね。
まさにその例えの通りです。それに加えて、2026年に入ると市場全体のムードが変わったんですね。AIってすごいという夢を語るフェーズから、実際に投資対効果、ROIはどうなんだと精査する段階に入ったんです。
ああ、なるほど。で、そこにメガクラウド、AWSとかGoogle Cloudとかが出てきて、競合として怖くなってきたと。
ええ。LLMとかエージェントAIが進化する中で、パランティアの優位性が崩れるんじゃないかっていう懸念も広がりましたし、あと株式報酬による希薄化への警戒なんかもありましたね。
これって実際の業績が悪かったから落ちたんでしょうか?それとも単に株の世界の期待値が高すぎたっていうだけの話だったんですか?
結論から言うと、後者ですね。期待値のコントロールに失敗したというのが大きいです。
伝説の投資家マイケル・バーリの空売り
弱り目に祟り目のタイミングで、映画のモデルにもなった投資家が空売りを仕掛けた経緯が語られます。
で、そんな弱り目に祟り目みたいなタイミングで登場したのが、あのマイケル・バーリーですよね。
ええ。映画マネーショートのモデルにもなった伝説の投資家ですね。彼が2025年秋のAIバブルのピークにパランティアを空売りしたんです。
NVIDIAと並んででしたよね。五百万株分のプットオプションを持ってたとか。
そうです。結果はご存知の通り、バーリー氏の完勝でしたね。株価が半減して、彼は見事に利益を出しました。
いや、プロ中のプロに目をつけられちゃったわけですね。しかもその後、彼どうしたんでしたっけ?
なんと2025年末にヘッジファンド自体を閉鎖してしまったんです。荒稼ぎした後にファンドを畳んで、今は有料ニュースレターを発信する個人インフルエンサーに転身しています。
なんかすごい華麗な転身ですね。でも、パランティアからすれば踏んだり蹴ったりというか、AIバブル崩壊の象徴みたいにされちゃって。
そうなんですよ。どん底まで期待値が下がって、市場からは半分見放されたような状態でした。
完璧な圧勝決算、利益率55%の衝撃
続いて、悲観論をひっくり返した2026年第2四半期の決算内容へと話が移ります。
ところがですよね、今回発表された2026年第2四半期決算、これがもうこれまでの悲観論をひっくり返すような内容になったと。ずばりどんな決算だったんですか?
一言で言えば完璧な圧勝決算ですね。主要な全指標で市場予想を圧倒しました。
おお、完璧な圧勝。具体的にどのくらいの数字だったんですか?
まず売上高ですが、十九億三千五百万ドルでした。これ、前年同期比で九十三パーセント増です。市場予想の十八億一千万ドルを大きく突破しています。
九十三パーセント増、ほぼ倍じゃないですか。
ええ。さらにすごいのが利益率です。EPS、一株当たり利益が零点四一ドルで予想を上回ったのはもちろん、GAAPベースの純利益は十億六千二百万ドルで、利益率がなんと五十五パーセントでした。
え?利益率五十五パーセントですか?いや、ちょっと待ってください。ソフトウェア企業が売り上げをほぼ倍増させるような急成長をしているのに、半分以上利益を残すなんてことあるんですか?
普通はないですよね。
ですよね。だって普通成長のために営業とか開発に莫大なお金を突っ込むから、利益率が下がるか、良くて頓登なはずですよね。
そこが今回の決算の最大のバグと言える部分なんです。この利益率を実現できたのは、アメリカの商業部門、つまりUSコマーシャルの爆発的な成長があったからなんです。
ああ、なるほど。その商業部門、どれくらい伸びたんですか?
売上が七億六千四百万ドルで、前年同期比で百四十九パーセント増です。
百四十九パーセント増。いやー、でもこれってあの、元々の民間企業の顧客数が少なかったから、ちょっと増えただけでパーセンテージが跳ね上がったみたいな、そういう数字のマジックじゃないんですか?
確かにパランティアは軍や政府向けのビジネスから始まりましたから、そう思われがちなんですが、今回は違います。七億六千四百万ドルという絶対額の大きさを見てください。大企業を中心に契約が急増しているんです。
なるほど。すでに大きな金額なのに、さらに猛スピードで増えてるんですね。政府部門はどうだったんですか。
そちらも堅調で、八億九千万ドル、前年同期比で九十パーセント増です。さらに、SaaS企業の優良基準である四十パーセントルール、Rule of Fortyというスコアがあるんですが。
売上成長率と営業利益率を足した数値ですよね。四十パーセントを超えれば優秀という。
はい。そのスコアがなんと今回百五十五パーセントという異次元の数値を記録したんです。
百五十五パーセント?あの、それって百点満点のテストで百五十五点を叩き出したような、もう完全にバグった数字ですよね。
ええ、本当にありえない水準です。この全方位での市場予想粉砕を受けて、株価も激しく反応しました。時間外取引で一時七パーセントから十二パーセントも急騰して、一気に百四十ドル台を回復しました。空売りを仕掛けていた人たちの買い戻し、ショートカバーも巻き込んだ形ですね。
大台突破の見通しとガイダンス引き上げ
決算の数字を受けて、投資家が最も気にする今後の見通し、ガイダンスへと話題が進みます。
素晴らしい結果が出たのはわかりましたが、投資家って常に未来を見るじゃないですか。だから、これが今回だけのまぐれなのか、それとも未来も続くのかが重要だと思うんですけど。今後の見通し、つまりガイダンスはどうだったんですか。
まず、第三四半期の売上高予想ですが、二十一億六千万ドルから二十一億六千四百万ドルと、ついに二十億ドルの大台を突破するペースを見込んでいます。
おお、二十億ドル超え。
そして、二千二十六年通期の売上高ガイダンスですが、八十一億五千万ドルから八十一億五千八百万ドルへと引き上げました。これは前年比で約八十二パーセント増になります。
ちょっと待ってください。それって前に発表してた予想からどれくらい上がったんですか?いや、普通そんなに一気に上げられないですよね。
さらに、通期の米国民間売上高も三十四億二千四百万ドル以上、前年比百三十四パーセント超の成長を見込んでいて、しかも二千二十六年の全四半期でGAAPベースの黒字化定着を宣言しました。
いやー、ものすごい自信ですね。
ソブリンAIという次の起爆剤
自信の裏にあるのが、カープCEOが語る「AI主権」というキーワードです。二人はその意味を掘り下げます。
この自信の裏には、アレックス・カープCEOの強烈なメッセージがあります。彼は今回の決算で、ソブリンAI、AI主権への需要が爆発的に解き開かれたと語っているんです。
AI主権、AIソブリンですか。響きはすごくかっこいいんですが、これって普通の企業にとって具体的にどういう意味を持つんでしょうか?自分たちだけのデジタルな独立国家を作るみたいな感覚ですか。
まさにそれに近いですね。今って多くの企業がAIを動かすためにメガクラウドに依存してトークンを消費しながら使っている状態じゃないですか。
はいはい。他社のインフラを借りている状態ですね。
カープCEOはAIをただ動かすだけでなく、実際の経済的価値に変換できる唯一の存在が自分たちであると主張しているんです。自社のデータとモデルを他社に依存せず自社内で管理する。それがAI主権です。
AIのOSを目指す4つの戦略
続いて、AI主権をビジネスの現場で実現するための具体的な4つの戦略が語られます。
でもそのAI主権とか経済的価値への変換を、パランティアは具体的にどうやってビジネスの現場で実現して覇権を握ろうとしてるんですか。
そこが今後のパランティアの四つの戦略になります。彼らの目標はAIの実験、いわゆるPOCの時代を終わらせて、企業の基幹システム、AIのOSになることです。
基幹OSですか。その四つの戦略ってどういうものなんですか。
一つ目はAIPブートキャンプによるPOC殺しです。企業がAIを導入する時って、普通は半年とかかけて実証実験をしますよね。でもパランティアは数日間の体験ワークショップに顧客を呼んで、実際のデータを使ってその場でAIエージェントを構築しちゃうんです。
えーと、半年かかってた営業サイクルを数日に圧縮しちゃうってことですか。
そうなんです。自律的に動くAIを即座に導入させる。これが彼らの強みです。
それはすごい。じゃあ二つ目は?
二つ目は脱トークン依存です。彼らはトークンマクシングという言葉を使って、LLMの利用料で課金する他社のモデルを無駄なコストだと痛烈に批判しています。
なるほど、クラウドベンダーの従量課金モデルから顧客を引き剥がす狙いがあるんですね。
そして三つ目がエコシステムジャックです。NVIDIAのようなハードウェアやSAPのような基幹システム、スノーフレイクのようなデータ保管企業とは直接競合しないんです。彼らのインフラの上で動くAIの頭脳、ロジック層として提携して、既存の顧客基盤をごっそり巻き込む戦略です。
なるほど。みんなが俺の作ったAIエンジンの方が速いぞって部品の競争をしている横で、パランティアは、じゃあうちはそのエンジンを載せて自動運転で目的地まで連れて行く車そのものを作りますねと言ってるわけですね。
素晴らしい例えですね。市場を丸ごと持っていこうとしているんです。そして最後の四つ目が、国宝レベルの信頼の商用展開です。
パランティアといえば、軍や政府関連のイメージが強いですが。
ええ、そこで培った絶対に止まらない、漏洩しないというセキュリティを、製造業のサプライチェーンとか金融の不正検知といった商業分野へそのまま横展開しているんです。
それは強いですね。AIを使う上でセキュリティって企業の一番の懸念事項ですから。
そうなんです。割高と言われたバリュエーションの修正期間を終えて、彼らは単なるモデル開発競争から抜け出しました。モデルをビジネス価値に変換する唯一のOSとしての立ち位置を見事に業績で証明した。これが今回の株価復活の鍵ですね。
パランティアは企業の電気や水道になるか
最後に二人は、パランティアが企業の基幹インフラになる未来について、リスナーへの問いかけで締めくくります。
いや、なるほど。パランティアのスマジイ戦略と、その結果としてのバグのような決算数字、完全に腹落ちしました。
今後のテクノロジー業界の勢力図を大きく変えるかもしれませんね。
さて、これまでの議論を踏まえて、リスナーのあなたにちょっと考えてみてほしいんですが、もしパランティアの目論見通り、世界中の大企業が彼らのAIPをビジネスの基幹OSとして使い始めたら、一体どうなるでしょうか?パランティアが企業の意思決定のインフラとして、目に見えないけれど絶対に欠かせない電気や水道のような存在になるかもしれないですよね。
そうなれば、もうパランティアなしでは企業のビジネスが回らなくなる時代が来るかもしれません。
そうなった時、企業の競争力やパワーバランスはどう変わるのか、ぜひあなた自身のビジネスや投資の視点でも、この未来について考えてみてくださいね。
AIが本当の価値を生み出すフェーズに入ったという確かな証拠ですからね。
いや、今日の深掘りもめちゃくちゃ面白かったですね。米国株投資の耳寄りの話では、こんな風に気になる銘柄をどんどん深掘りしていきますので、ぜひYouTubeチャンネルへの登録をよろしくお願いします。
まとめ
パランティアは、割高なバリュエーションとマイケル・バーリの空売りで株価が半減するどん底を経験しました。しかし2026年第2四半期決算では、売上高93%増、利益率55%、Rule of Forty155%という圧倒的な数字を叩き出し、株価は時間外で最大12%急騰しました。その背景には、AI主権を掲げてモデルをビジネス価値に変換するOSを目指す4つの戦略があります。二人は、パランティアが企業の電気や水道のような基幹インフラになる未来を問いかけて締めくくりました。
- 株価半減の原因は業績悪化ではなく、期待値が高すぎたことにあった
- 商業部門の爆発的成長が利益率55%とRule of Forty155%を実現した
- 通期ガイダンスの引き上げと全四半期の黒字化定着で自信を示した
- AIP、脱トークン依存、エコシステムジャック、信頼の商用展開が復活の4戦略
- パランティアはAIのOSとして企業の基幹インフラを狙っている
