Midjourneyが出した「ながらCT」構想とは何か
今週の1つ目のトピックは、画像生成サービスとして知られるMidjourneyが、CTスキャンのデバイスを発表したというニュースです。ハヤカワさんは「Midjourney、CT、医療行くんや」と、意外な展開に驚きを見せています。
usutakuさんによれば、MidjourneyはMidjourney ── テキストから画像や動画を生成するAIサービス。ChatGPTより先に公開されたことで知られるで、今回発表されたのは「Ultrasonic CT」と呼ばれるものです。60秒でスキャンでき、MRIより安く早くできる点が特徴だといいます。
usutakuさんは、このデバイスがトンネルのような装置に入る必要がなく、音と水だけでスキャンできる点に注目します。プールに入っている間にスキャンできるような、気軽さが実現しうるといいます。
一番の医療の問題って、やばくなる前に来てほしいのに人が来ないってところにあると思うので、それを解決できるといいですよね。
usutakuさんは、Midjourneyが自社でスパ施設のような場を用意すれば、来場者が遊んでいる間に健康診断ができ、Midjourney側も大量のデータを集められると考えられると話します。また、MRI ── 強い磁力を使う画像診断装置。タトゥーに含まれる金属などが問題になる場合があるを受けられない人にも選択肢になりうると指摘しました。
ハヤカワさんは閉所恐怖があり、密閉された空間が苦手だといいます。今回のMidjourneyのデバイスが、こうした検査のハードルを下げるものになればと期待を寄せました。
女性のマンモグラフィとかって結構ちょっと課題になってた。なんであんな痛い思いしなきゃいけないねんみたいな。
ハヤカワさんは、生成AIの黎明期に名前を聞いたサービスが、今は別ジャンルで存在感を出している例としてMidjourneyやHugging Faceを挙げます。Midjourneyは医療、Hugging Faceはオープンソースのロボットといった具合に、それぞれ新しいアプローチをしていることへの期待を語りました。
usutakuさんは、Midjourneyが外部から資金を入れていない点に触れ、資金を入れていないから自由にやりたいことをやれるのが強みだと話します。ちなみにこのイベントはサンフランシスコで開催され、usutakuさんはフラッと行こうとしたものの人数制限で入れなかったそうです。
SpaceXが9.6兆円でCursorを買収、その狙いは
2つ目のトピックは、最近上場したSpaceXが、AIエディターのCursorを9.6兆円で買収したというニュースです。ハヤカワさんは、他の資金調達方法では難しい規模のディールだとして「上場する意義があるな」と評価しました。
usutakuさんによれば、Cursorを創業したのはMITの人たちで、年齢は25歳だといいます。西海岸ではファウンダーとしては年上に入る年齢だそうで、VCが21歳から25歳に投資する傾向もあると聞いたと話しました。
この25歳でCursor作ったチーム4人いるんですけど、一人当たり大体4000億ぐらい手元に今回のディールで入ったというふうに聞いてますね。
ハヤカワさんは、起業家に大きなお金が入ると、それが次の起業家への投資に回る点に価値があると指摘します。イーロン・マスク氏のように自分で次の事業をやるパターンもあれば、次世代に投資するパターンもあり、こうしたエコシステムができていることを評価しました。
一方でハヤカワさんは、国内では起業家の高齢化が進み、上場やM&Aを前提とした大きなビジネスを目指す20代前半の起業を聞かないことを寂しく感じると話します。usutakuさんは、上場や売却への憧れ自体が減っているのではないかと応じました。
usutakuさんは、来年からのスタートアップ税制の変更にも触れます。20億円で会社を売った場合に2.5億円ほど税負担が変わるといい、お金持ちが目立つほど叩かれる空気があるのではと語りました。
昔みたいな、こう、ぶち上げるぞじゃなくて。これってなんか悲しいことだなっていう風に僕は思いますね。
話は「今の若い人は誰に憧れているのか」という雑談にも広がります。大谷翔平選手やキャバ嬢が挙がるなか、ハヤカワさんは自身がものづくり寄りの人間だとして、新しい価値創造をする人が増えてほしいと述べました。
後半、usutakuさんがSpaceXによるCursor買収の背景を解説します。SpaceXはGrokを持つxAIを擁し、Colossus ── xAIが持つとされる大量のGPUを備えたAIインフラ。大規模なモデル学習などに使われるという巨大なAIインフラを保有している点が大きいといいます。
usutakuさんによれば、Grokは強力なモデルだが、開発者が実際にコードを書く場面では使われていませんでした。そこでAIエディターのCursorを買収することで、優秀なエンジニアと大量の開発データを取り込み、Grokの学習にも活かせると説明します。
さらにusutakuさんは、SpaceXが余っているGPUと、その上のComposerやGrok開発版を使い、AI版のAWSを目指せるのではないかという見方を紹介しました。
巨大なAIインフラを保有
xAIがColossusという大量のGPU群を持っている
開発領域が弱点だった
Grokは強いが開発者はコードを書く時に使わなかった
Cursor買収で補完
優秀なエンジニアと大量の開発データを取り込む
AI版AWS構想
余ったGPUにAIを乗せ、インフラとして他社に貸し出す
ハヤカワさんは、AnthropicがSpaceXに計算資源の利用料を払っている報道にも触れ、その金額は年間150億ドルと言われていると補足します。加えて、Cursorは使い勝手が良く、ClaudeCode、Codex、Cursorがそれぞれ存在感を持っていることから、貴重なデータが溜まりそうだと話しました。
Grokが変える言語の壁と、イーロン・マスクへの期待
話題は、SpaceX傘下のxAIが提供するGrokの使い勝手にも及びます。ハヤカワさんは、X上での多言語の交流が明らかに増えていると感じており、以前は翻訳が便利な程度だったのが、今は気づかぬうちに海外の人と交流していると話しました。
バベルの塔、その人類が言語の壁をなくした瞬間みたいな感じしますよね。これすごい。
ハヤカワさんは、日本の食べ物について海外のユーザーとやり取りが生まれるなど、X上で平和な交流が起きている様子を紹介します。usutakuさんも、海外でUberに乗った時に日本旅行の話になる感覚に近いと応じました。
usutakuさんは、自身がイーロン・マスク氏の大ファンだと明かします。起業して資金がない時期を経て、初めてまとまったお金が入ると決まった時、着金より先にテスラを買いに行ったほどだといいます。
ハヤカワさんは、SpaceX関連が他社より斜め上の提案をしてくれる期待感があるとして、SpaceX自体がAI関連で強くなることを大歓迎だと語りました。
待望のGoogle Home新型、Gemini搭載スピーカーは何が変わる
3つ目のトピックは、Google HomeからGemini搭載の新型スピーカーが登場したというニュースです。ハヤカワさんはこれを「待望」だとし、去年末から春に出ると言われながら出ず、突然数日前に発表されたため、すでに予約したと話しました。
ハヤカワさんは、Google I/Oでスマートホームの話が一切出なかったことに疑問を呈します。usutakuさんも、このタイミングで出すならGoogle I/Oで言ってもよかったのではと同意しました。
それこそアレクサと喋っててね、アホすぎてさ、話になんないんだもん、今。
usutakuさんは、新型Google Homeの公式サイトを見て、電気を消して音楽をつけ、玄関ドアを開けるといった複数の処理を一度にできるようになった点を良いと評価します。従来のAlexaは一つずつしか処理できなかったといいます。
ハヤカワさんは、Google Home Premiumに課金すると、リアルタイムで会話できるGemini Liveやカメラ履歴の検索などが使えるらしいと紹介します。別売りのGoogle Home Cameraとの連携が想定されているのではと話しました。
ハヤカワさんは、料理をしながらタスクを追加したり音声入力したりといった使い方に期待を寄せます。スマホの音声入力は起動時にタッチが必要で、常時立ち上げておくのも難しいため、その部分をうまく統合してほしいと述べました。
usutakuさんが、AlexaにもAIが乗ってほしいと話すと、ハヤカワさんは、AmazonがAnthropicに出資していることから、ClaudeベースのAlexaもありうるのではと反応します。ただしClaude主体でデバイスをやるようには思えないとも述べました。
なぜスマートホームは難しいのか
ハヤカワさんは、Google Homeがなかなか出てこなかった理由を、技術ではなく「そもそも売れない」点にあるのではと分析します。スマートホームをやりたいユーザー自体が多くなく、買うデバイスも1、2個にとどまりがちだといいます。
デバイスハイスペックにしたら一個だけでいいとかにもなってくるんで、そうすると結構LTVが低いなという感じがする。
ハヤカワさんは、スピーカーをスマホ並みの価格では取れず、ユーザー数もスマホより少ないと指摘します。スマートホームをやろうとすると付随して複数のデバイスを買う必要があり、意外に難しいと話しました。
usutakuさんは、自身が大学時代にSwitchBotなどを大量に買って家をスマートホーム化していた経験を挙げつつ、そこまでやる人はレアだろうと認めます。実際はセール時に数千円で1個買い、音楽再生程度で終わることが多いといいます。
ハヤカワさんは、Google Homeがかなり安く、メルカリでは2000円ほどで買えていたと振り返ります。今回の新型は、スピーカーとしての仕様に注力しているようにも見えると話しました。
一方で、今回はGoogle Home Premiumというサブスク型の料金がある点にも触れます。スタンダードで月1000円、アドバンスで月2000円とかさむため、どこまでスマートホーム化に使いたいかは未知数だとしつつ、ハヤカワさん自身は家の各所に設置したいと語りました。
一つずつしか処理できず、叫ばないと反応しづらい。1個買って終わりになりがち
複数処理を一度に実行でき、Gemini LiveやPremiumのサブスクでAI機能が使える
「姑プロンプト」から見える、家の中のAIの近未来
新型Google Homeの話は、カメラ連携をきっかけに雑談へと広がります。usutakuさんは、自分自身がスマートホーム化して「Human as a Service」になれば、ハヤカワさんの指示でアイスクリームを買いに行くと冗談を飛ばしました。
ハヤカワさんは、Google Homeがカメラを統合し、常にデータを元に考えることを売りにしている点に触れます。カメラが自分で向きを変えられるようになれば、Geminiが家の中を見て回れると想像を広げました。
なんか姑みたいになったらどうしよう。なんであそこにゴミが落ちているのかしら?みたいな。
二人は、もしGoogle Homeのシステムプロンプトをいじれるようになったら、執事風にも姑風にもできるのではと盛り上がります。昼寝に小言を言い、夕飯の準備が遅いと怒るような「姑プロンプト」の配布まで冗談で語られました。
一方でusutakuさんは、命令する対象というより、部屋を録画してまとめて分析してくれる存在として考えると面白いと話します。カメラと連携し、一日のまとめをしてくれる方向こそがGoogle Homeの目指す姿だと二人は捉えていました。
ハヤカワさんは、こうしたユースケースは子どもや高齢の家族がいる家庭では想像しやすい一方、自分とパートナーだけの家では「何を見て何を言われるのか」と少し身構えると話しました。
話はさらに、会話をサポートするAIへと展開します。ハヤカワさんはEven G2 ── 会話サポート機能などを備えたスマートグラス。相手との会話の流れに沿った話題を提案する機能があるの例を挙げ、音声を元に「今この話はやめた方がいい」と助言してくれれば役立つのではと語りました。
西海岸で感じた、大学生が「やっていること」を発信する文化
番組後半は、usutakuさんの西海岸滞在の雑談です。usutakuさんは、シリコンバレーという呼び方より、現地ではベイエリアやサンフランシスコと使い分けると聞いた話や、天気の良さで作る意欲が高まっていることを楽しそうに語りました。
usutakuさんは、現地の起業家からさまざまなツールを教えてもらったといいます。絵日記アプリや、通販サイトを比較して安いプロダクトを出してくれるサービスなどを実際に使ってみたと話しました。
話題は、スタンフォードなど一流大学の学生が「やっていること」を発信する文化に及びます。ハヤカワさんは、ロボット系の発信者をウォッチするなかで、日本ではこうした発信が生まれにくいと感じたと述べました。
日本だと、東大でメカを研究してる女の子がそれを発信するとかないですからね。
ハヤカワさんは、日本では学生の発信がミスコンやミスターコン的なニュアンスに寄りがちだと指摘します。本来は学んでいることややっていることをシェアした方がよいのではと話し、そうした発信がもっと増えてほしいと語りました。
飲みながらAIイベント告知と、Fableへの祈り
番組の締めくくりでは、usutakuさんが西海岸から戻ってすぐに開催されるリアルイベント「飲みながらAI」が告知されました。約180席のチケットが1ヶ月前にほぼ完売したといいます。
最後にハヤカワさんは、提供が中止されたFableの再開を強く願っていると話します。もしFableが出たら、執筆中の本の原稿に対して「チクチク言ってほしい」と、その手厳しさに期待を寄せました。
usutakuさんも、Fableが出たら自分の既存のスキルや動画編集がどれくらいできるのか試してみたいと語ります。二人は来週も新しいニュースがあるかもしれないと結び、番組を締めくくりました。
まとめ
今回のながらAIラジオは、Midjourney、SpaceX、Google Homeという3つのニュースを軸に、AIが医療・産業・家庭のそれぞれに入り込んでいく流れを、身近な生活目線と西海岸からの視点で語る回になりました。
- Midjourneyは60秒でスキャン可能な「Ultrasonic CT」を発表し、実現すれば気軽な健康診断につながると期待された
- SpaceXは9.6兆円でCursorを買収し、開発データと人材の獲得、そしてAI版AWS構想への布石と見られている
- Google HomeのGemini搭載新型スピーカーは複数処理の同時実行が可能になったが、スマートホームは収益化の難しさも抱える
- usutakuさんは西海岸で、大学生が「やっていること」を発信する文化に刺激を受け、国内でも同様の広がりを期待した
- 二人は提供中止されたFableの再開を強く願い、次回以降のニュースへの期待とともに番組を締めくくった





