情報のムラに振り回された1週間
この回の収録日は2026年5月15日。usutakuとハヤカワ五味は、AIニュースの量が日によって激しく変わることをまずぼやきます。
なんかニュースが多すぎる。そのさ、ムラがありすぎる、日によって。
でも楽しんでいきたいですね。前なかったらなかったで、いや、ちょっと(ニュースの)ガキ、情報くださいって言うんで。
ハヤカワ五味はこの1週間、Notion関係が特に忙しかったと話します。Notion系の情報を追いかけたり、突発的に自動化の仕組みを2つほど作ったりしていたそうです。
収録前日の5月14日には、ハヤカワ五味が主催側で入るNotion勉強会が開かれ、usutakuは登壇者ではなく参加者として学びに来ていたと振り返ります。
Geminiは「ソフトから物」へ。GoogleBook登場
1つ目のニュースは、Geminiのハードウェア化です。GoogleがGeminiIntelligenceという新しい概念を打ち出し、これまでソフトウェア上で動くLLMだったGeminiを、ハードウェアへ広げていく思想を示しました。
その象徴が、GeminiIntelligence向けに設計された初のラップトップ「GoogleBook」です。カーナビやAndroidも、Geminiでより強く動くようになる世界観が示されました。
(今まで全然インターネット関係じゃなかった)ただの物が電気や電波が通るようになった、そのIoTに近いものなのかなと思ってます。
usutakuは、あらゆるデバイスに安くAIが乗る時代が来ると予想します。「AIが通ってないのこれ逆に」と言われるような世界観になったら面白いと話しました。
ハヤカワ五味は、体重計やスマートリング、スマートウォッチなどのヘルスケアデバイスが統合されれば話が早いと指摘します。AIが人間より劣ると感じられる原因のひとつは、話の背景=コンテキストが共有できないことだと言います。
2人は、これまでAIを触りたい人にとってMacBookが一強だったと振り返ります。ClaudeCodeもCodexも、まずMacから始まった経緯があるためです。
Chromebookとかね、元々あったけどね。あんま使ってる人見たことなかったな。
その一強状態に、GoogleBookとGeminiIntelligenceの体験次第で変化が起きたら面白い、とusutakuは期待を寄せます。普段AndroidのPixelを使うハヤカワ五味も、体験がまだ統合されている感じはしないと本音を漏らしました。
Notionが「いろんなものとつながった」
2つ目のニュースは、Notionからデベロッパープラットフォームが登場したことです。ハヤカワ五味は、これを一言で「いろんなものとつながるようになった」と要約します。
具体的には、Salesforceなどのツールと連携でき、APIをコールでき、Notion上からClaudeやCodexといったコーディングエージェントを呼び出して一緒に作業できるようになりました。
usutakuは、この一連のニュースを見て「すごいな」と思えるかどうかが、今のAI時代についていけているかの試金石になると話します。
これが全部わかってると、あ、ちゃんと今のこのAI時代ちゃんと楽しくキャッチアップできてるなっていう感覚でしたね。
usutakuはNotionの嬉しい点を3つ挙げます。地の文で整理すると、外部データベースとの同期、Notion上でのAPI呼び出し、そしてClaudeやCodexの呼び出しです。
外部DB同期
SalesforceなどのCRMとNotionのデータベースを簡単に同期でき、二重管理が減る
API呼び出し
Notion上でXや天気などの外部APIを直接叩ける。ZapierやMakeを挟まなくてよくなる
AI呼び出し
Notionのコメント機能から@ClaudeでClaudeやCodexを呼び、作業の文脈がNotion上に残る
usutakuは、これらを踏まえてNotionはやはり組織のためのツールだと語ります。ClaudeCodeは個人のツールで、チームで同期しようとするとGitHubなどが必要になり、非エンジニアには難しいという対比です。
(Notionは)全部それができるっていうのを考えたら、チームでやるんだったらもうNotionしかないやろみたいになる気持ちはめちゃくちゃわかる。
ハヤカワ五味は、Notionが「中立の立場」であることを重要視します。GoogleがGemini以外のLLMを呼びにくいのに対し、Notionはいろんなモデルを呼び出せると言います。
ハヤカワ五味は、人間とAIチームメイトが同じ場所を見て一緒に作業するという考え方が新しいと話します。これまではローカル環境でのマルチエージェントが中心だったと振り返りました。
Notionの難しいポジションと、無視できないコスト
usutakuは、現状のNotionのポジショニングが難しいとも指摘します。多くの人にとってGoogleWorkspaceやMicrosoft環境ですら使いこなせず、Notionはさらに難しく感じられるという見立てです。
一方で、実力の高いごく一部の人はNotionでは飽き足らず、ClaudeCodeなどで作業してしまいます。そのため発信もそちら中心になり、中間層にNotionの良さが伝わりにくいと分析します。
確かに今喋ってて、これ五味さんやと思ったんだけど、そんなやつあんまいないんですよね、これ多分。
ハヤカワ五味は、フェアネスのためにNotionのデメリットを2つ挙げます。1つ目は、機能が多すぎて人間が把握しきれないことです。
私が直近までNotionアンチだったのはもう完全ここっすね。その人間が把握できる機能数を超えてる。
ただしハヤカワ五味は、AIにとっては機能が多くても問題なく、むしろAIと一緒に書くほうがいいと考え直したと言います。自分がシラフで書くと散らかるため、AIと一緒に書くくらいがいいという実感です。
2つ目のデメリットはコストです。Notionは間に企業が入る「小売店」のような構造のため、GoogleやOpenAIの本家を直接使うより割高になると説明します。
私の手元の環境で動かしてるやつとかを本格的に本気で毎月動かしたら多分月5000円くらいかかるはず。
新しく登場したNotionのカスタムAIエージェントは、ベータ期間が終わり有料化されます。usutakuの会社で最もAIを使う社員は、無料期間に1人で月4万円分ほど使っていたと明かしました。
GoogleWorkspaceやMicrosoft、ChatGPTに課金した上でNotionAIも課金すると、組織としてはかなり高くつく、と2人は口をそろえます。ハヤカワ五味は、2000人規模だと月額がふくらむと去年から感じていたそうです。
ハヤカワ五味は、AIサービスは年額契約がしづらいとも指摘します。CodexかClaudeCodeか、GeminiかChatGPTか、どれがいいかまだわからないため、まとまった契約で割引を取りにくいという印象です。
「まずNotionAIを使ってほしい」という結論
コストの話を踏まえつつ、usutakuは多くの人への現実的な提案をします。無料とビジネスプランの間の、月1600円ほどのプランを使っている人へのアドバイスです。
変に他のClaudeCodeとかに手出すぐらいだったら、まずNotionAI使ってほしいと思います。これはマジですね。
ハヤカワ五味は、個人利用、特に家族や友達との共同利用にNotionは向いていると付け加えます。買い物リストや子どもの学校イベントのまとめなど、相性がいい場面がありそうだと言います。
ただしusutakuは、家族利用が普及しない理由として「パッとメモするまでが長い」ことを挙げます。サードパーティーアプリを使いたくないという自身のスタンスもあり、NotionAI単独のモバイルアプリが整えば嬉しいと語ります。
(お子さんに)Notion使いましょうって言って、パッとメモした時どうすればいいんですか、あ、それはSlackにチャンネル作って書き込むとカスタムAIエージェントでタスクDBに振り分けますよって言っても、何を言ってんだこいつはってなる。
2人は、Notionが本当にもったいないポジションにいると結論づけます。ニッチな人はClaudeCodeを使い、初心者は使えないという、微妙な位置取りです。
usutakuは、自分の意見が日々変わることについても釘を刺します。信念が一貫していないのではなく、環境が変わりすぎているのだと説明します。
Codexがスマホ対応。24時間PCで「AIに働いてもらう」
3つ目のニュースは、Codexがスマホアプリに対応したことです。ハヤカワ五味は、この2週間ほどClaude系が「うーん」という調子で、Codexに乗り換える人が増えている印象だと話します。
一昨日の夜くらいにマジでガチ喧嘩しましたね。お前はなんでさ、リサーチして確認しに行ったのに、私が言ってないデバイスの型番の実装してんだよみたいな感じで。
usutakuは、5月に入ってからClaude全体が弱くなった=ナーフされた印象があり、「Codexでええやん」という流れになっていると補足します。
今回のCodexのアップデートは、ChatGPTのモバイルアプリ上にCodexが加わり、PC側のCodexと連携して動かせるようになった点です。家などに置いた24時間稼働のPCへ、スマホからアクセスして動かせます。
ハヤカワ五味は、24時間稼働用にMacminiを購入した経験を語ります。Notionイベントで登壇した松兄さんが、PCを半開きにしてエージェントを動かしたまま会場に入ってきた様子に共感したそうです。
ただしusutakuは、ノートPCを閉じたまま起動させ続けるのは通気性の点で良くないと注意します。ハヤカワ五味も、閉じたゲーミングPCでサーバーを動かしてディスプレイが焼けた経験を明かしました。
資本収益率と時給の差。AIが広げる格差への危機感
usutakuは、常時稼働環境の話から経済の話へ広げます。経済学で有名な「RがGより大きい」という不等式を、最近強く実感していると語ります。
usutakuは具体例を挙げます。1億円を株に投じて20%増えることはあっても、時給1000円で働く人の時給が同じように20%上がることはない、という対比です。
半導体銘柄の株とか不動産がめちゃくちゃ上がってるのに対して、じゃあ最低時給とか時給って伸びてないじゃないですか。
usutakuは、これがAIにも当てはまると言います。高いPCやメモリを買えない一方で、それを本気で使って稼ぐ人がいる。この差は今後さらに広がると危機感を示します。
usutakuは、S&Pのようなインデックスではなく、GoogleやNVIDIA、ファナックや安川電機といったフィジカルAI銘柄を個別に買っていたと明かします。すべて大きく値上がりし、嬉しさより怖さを感じたと言います。
目の前の経済が成長していないのに、架空の世界のように株が上がっていくのが怖い。この構図に絡めない人=今AIに触れていない人の貧しさが増していく、というのが2人の共通した危機感です。
僕らはその人たちを救おうと思っても、別に僕らがお金を配れるわけじゃないから、使えとしか言うことができない。
usutakuは、ClaudeCodeやCodexが今は安く使えることにも触れます。本来これだけの計算資源が月3000円で使えるはずがなく、ビッグテックが顧客獲得のため安く提供している今のうちに、自分の資本を作ってほしいと訴えます。
GoogleI/Oへ。西海岸マウントと自称No.1名札
最後の話題は、2人がこの週末からサンフランシスコのGoogleI/Oに向かうことです。配信タイミングではすでに現地入りしている予定だと言います。
usutakuは、I/Oの一番の楽しみを冗談めかして語ります。旅行ではなく出張として西海岸に行き、帰国後にネタでマウントを取るのが最高だと言います。
これ西海岸だと当たり前だったんだけどなーって言って、その西海岸出身ネタマウントを取ることができるじゃないですか。これがね、最高。
ハヤカワ五味は、去年のI/Oではうまく交流できなかった反省を語ります。今年はしっかりコミュニケーションを取るため、存在感を出す作戦を用意したと言います。
JapanNo.1AIPodcasterって書いた名札を作りました。
この「JapanNo.1」は自称です。usutakuは「AIってカテゴリだといい」「言ったほうがいい」と後押しし、アメリカではとりあえずNo.1と言っていい、という友達のアドバイスも紹介されました。
ハヤカワ五味は、振るとスマホのシャッターが切れる小さな「魔法ステッキ」も自作したと話します。Enterキー扱いになるため、ClaudeCodeなどの承認にも使えるように作ったそうです。
ClaudeCodeのスマホアプリ版だとほとんど承認が飛ばないですね。あのEnterキーのあまり良さがないです。
2人は、現地からポッドキャストを収録する予定だと話します。usutakuはI/Oの発表を踏まえたGeminiの解説講座もどこかでやる予定だと予告しました。
usutaku雑談。音声入力タイピングゲーム「音読王」
番組の締めは、usutakuの雑談です。テーマは、自作した音声入力のタイピングゲームでした。
usutakuは、タイピングゲームの「寿司打」を10年以上遊ぶファンで、小学校の視聴覚室で始めた記憶があると語ります。ただ、どれだけ頑張ってもタイピングより音声入力のほうが速いと感じていたそうです。
転機は、ElevenLabsの「RealtimeScribeV2」というAPIでした。画面に出た文字を声で読み上げ、機械側で読み取ればタイピングならぬ音声入力ゲームになる、と思いついたと言います。
(画面の文章を)音声だけで入力するウィンドウにすれば音声入力タイピングできるじゃんってことに思いついて作ってみたんですけど、結構楽しくて。
ただ、他の人に試してもらうと「全然わからん」と言われたそうです。usutakuは、普通の人には「速く音声入力する」という前提自体がないことに気づいたと振り返ります。
そこでusutakuは、名前を「オトタイ」から「音読王」に変える案を出します。音読をどれだけ速くできるかという表現なら、コンテキストが伝わりやすいという考えです。
ハヤカワ五味は、寿司打のように達成感として何かもらえるものはないのかと問いかけます。usutakuは「それはないですね」と答えつつ、寿司の要素より速さへのこだわりが本質だと示唆しました。
コミュニティメンバー20人ぐらいに試してもらったんですけど、未だに一応僕が1位なんで。
usutakuによると、ゲームは10級から10段まであり、自身は2級。まだ誰も1級に到達していないそうです。アナウンサーの男友達は聞き取りやすさに特化しているため、逆に速く読めなかったという発見も語られました。
まとめ
この回は、Geminiのハードウェア化からNotion連携、Codexのスマホ対応まで、1週間のAIニュースを実務目線で読み解きつつ、AIが広げる経済格差への危機感やGoogleI/O直前の様子まで、幅広く語られた回でした。
- Geminiはソフトからハードへ広がり、GoogleBook登場でMac一強時代に変化が起きるか注目される
- Notionは外部DB同期・API呼び出し・AI呼び出しで「いろんなものとつながる容器」になり、チームでAIと働く土台になる
- 一方でNotionはコストが高く、機能も多い。usutakuは「まずNotionAIを使ってほしい」と現実的な優先順位を示した
- CodexがスマホやPCと連携し、24時間稼働環境でAIに働いてもらう経験を積むことが重要だと語られた
- R>Gの構図はAIにも当てはまり、安く使える今のうちにAIを活用して自分の資本を作るべきだという危機感が共有された





