OpenRouterがStripeに買収。決済とインフラを押さえる動き
1つ目のニュースは、OpenRouterがStripeに買収されたことです。ハヤカワ五味さんは「いい感じにLLMをアサインしてくれるツール」という理解を示しつつ、使ったことはないと率直に話します。
usutakuさんはこれを補足します。OpenRouterは「いい感じにやってくれる」というより、1つのAPIキーでいろんなモデルを使えるようにするサービスだと説明しました。
OpenRouterの場合は、これさえポイって渡してあげれば、それでもう自由に勝手にやってくれるんですよね。一個の鍵だけでできちゃうので、サービスを提供する側としては楽っていう。
これを決済サービスのStripeが買収した点が面白いとusutakuさんは言います。複数のAIツールをユーザーに使わせるプロダクトを作る人にとって、課金をStripeに一本化して見せやすくなるからです。
ハヤカワ五味さんは、StripeがエージェントによるAI決済にも力を入れていると指摘します。アメリカ環境では、毎回仮想のカード番号を発行してエージェントが代わりに決済するツールがすでに出ているそうです。
usutakuさんは、Stripeにはインフラを押さえるという思想があるため、サービスプロバイダーであるOpenRouterを取り込むのは自然に見えると解釈しました。
モデルは自分で選ぶべきか、AIに任せるべきか
話題はモデル選択のあり方に移ります。usutakuさんは、ユーザーにモデル選択をさせるのは、タクシーの運転手に「どのルートで行きますか」と聞かれるようなものだと例えます。
一部の人は「このルートで行きたいんです」ってなったとしても、実際は「もう何でもいいから一番おすすめの位置を教えてくれよ」っていうのが適切だと思うんで。
一方でusutakuさん自身は、選ぶことに慣れてしまったため「深く考えてくれよ」という思いから選びたい派だと明かします。ハヤカワ五味さんは逆に、最近は「よしなにやってくれ」と思う場面が増えていると話しました。
その理由として、1つの会話の中でも、深く考えてほしい問いと、サクッと答えてほしい問いが混ざるからだと言います。特にワーク系ツールを使っていると、その傾向が強いようです。
さらにハヤカワ五味さんは、GrokBotのような体験が一般的なコミュニケーションに近いと感じたと語ります。AIはセッションごとに会話が独立し、記憶が切れますが、人間の仕事では会話は人格に属していて記憶がつながっている、という違いに触れました。
ChatGPT for Teens登場。「すぐ答えを出さない」は大人にも
次のニュースは、ChatGPT for Teensの登場です。usutakuさんによると、13歳から17歳向けの機能で、AIがすぐに宿題の答えを出すのではなく、本人が自分で考えながら学べるようサポートするのが特徴です。
僕がティーンだったら、いや、ちょっと教えてくれるの使いたいなと思っちゃいますけどね。
2人は、ティーンズ向けの携帯があっても普通の方を使いたくなるのが本音だと笑いつつ、この「すぐ答えを出さない」姿勢はむしろ大人にも必要かもしれないと話します。
usutakuさんは、カタカナを使わずにカタカナの言葉を説明して当てさせるゲームを例に、答えがすぐ出ないからこそ考える楽しさがあると語りました。
AIに任せて感じる「滑ってる感じ」と仕事の手触り
ここから、AIに任せることで感じる仕事の実感が話題になります。ハヤカワ五味さんは、仕事が滑っているような、手触り感が薄れる感覚があると打ち明けました。
そこそこいいものをそれなりに出せちゃうんですよね。どっちかっていうと、確認作業とかに時間がかかるなっていう印象があって。
usutakuさんも、生成AIで作った資料でそのまま登壇したら気持ちが乗らなかった経験を挙げます。自分で文章を打ち込んだときの方が、いい登壇ができる感覚があるそうです。
関連して、AI関連は変化が速く、事前に資料を作ってもすぐ古くなるという話に発展します。ハヤカワ五味さんは、社内勉強会の資料をスタート3時間前に慌てて作ることが多いと言います。
資料提出を1カ月前に求められたら「1カ月前の話はできない」と断るというusutakuさんの話や、修正が前提だから初回は過去の資料をそのまま送るというライフハックも共有されました。
今が旬のツールを、勉強会でどんどん教えよう
イベント主催者へのアドバイスとして、個別ツールの勉強会は流行ってから2週間ほどのタイミングで開くべきだという話になります。ハヤカワ五味さんはGPT Workの勉強会でそれを実感したと言います。
usutakuさんは集客の数字で裏付けます。Claude Codeの講座は、4月には1万2000人ほど集まったのに、7月にやったときは2日で3000人程度だったそうです。
わずか数カ月で参加者が数倍変わることから、「今が旬」のものをやる大切さが強調されました。
さらに2人は、教えたい人こそ勉強会を開くべきだと語ります。ハヤカワ五味さんは、教えを求められていないのに教えたがる人が発信で終わりがちな点に不満を示し、まずは無料で情報を公開することを勧めました。
その延長で、usutakuさんは海外のGetSetUpというサービスを紹介します。高齢の講師が高齢の人のために教えるプラットフォームで、生涯学び続けたい人と教えたい人をつなぐ仕組みに社会的意義を感じたと話しました。
自分を操り、行動力を発揮する仕組みづくり
ショート動画づくりの大変さから、行動力の話へと展開します。usutakuさんは、音声が入っていなかったYouTube動画を撮り直したり、勉強会に人を集めるために気乗りしないコール動画を撮ったりした経験を明かしました。
もうそれはね、やらないといけないわけですよ。なぜなら勉強会を開く時に人が来てほしいので。
ハヤカワ五味さんは、行動力は最初からある人ばかりではないと考えています。自分は放っておくと行動できないため、行動力が発揮される環境を意識してつくっていると語りました。
具体的には、準備期間を作らず衝動的に始めてしまう方法です。始めてしまえば収拾をつけざるを得ず、やってみると大したことがない場合も多いといいます。
usutakuさんも、1人だと逃げてしまうため他人と約束する方法を挙げます。友達と一緒に早寝早起きの予定を入れたり、経営者仲間と「新規事業を考えて成果を出してから話す会」を設けた話を共有しました。
Gemini 3.7の使用感。とにかく速く、検索もするように
3つ目のニュースはGemini 3.7の登場です。Flashが先行して出ており、Proは結局出ないまま3.7になったといいます。usutakuさんは率直に好印象を語りました。
3.7ね、いいですよ。ちなみに。結構好きです、僕は。
ハヤカワ五味さんは、モデル比較のなかでGemini 3.7の速度が突出していると指摘します。他モデルの2〜3倍ほど速いという印象です。
usutakuさんが挙げた大きな改善点は、検索をちゃんとするようになったことです。以前は最新モデルを尋ねても古い情報で答えていたのが、3.7では一瞬でウェブ検索してくれるようになったといいます。
ウェブ検索せずに、それとなく喋ってくの結構うざいからやめてほしい。
2人は、Geminiは公式のアナウンスなくじわじわ改善される傾向があると話します。Claudeが出た直後をピークに感じるのとは対照的で、久々に使うと良くなっていることが多いそうです。ハヤカワ五味さんは、以前ブチギレていたGemini Sparkを改めて触ってみたいと語りました。
速いAIに慣れ直す。遅さに慣れきった感覚
話題はAIの速度に及びます。usutakuさんは、CerebrasというLLMを高速で動かす仕組みを自作サービスに組み込んだところ、プロンプトを打つ前に回答が来るほど速かったと話します。
usutakuさんは、この爆速さを売りにしたネイティブアプリを2時間ほどで作ったものの、無料版のChatGPTを試したら同じくらい速く、実は自分たちが遅さに慣れていただけだったと気づいたと明かします。
うちらがちょっとこの遅いのに慣れすぎてるだけだし。
一方でusutakuさんは、遅さにも別の魅力があると言います。長い処理を投げると、その間は思考を止められ、結果を待つワクワクもある。すぐ返ってくると物足りなくなるほど、長考に投げる癖がついてしまったと語りました。
Manusが独立。8月25日までにデータのエクスポートを
ニュースの最後はManusの独立です。Metaへの合流が取り沙汰されたものの、結局独立することになったといいます。これに伴い、データの所有権が変わり、そのままでは引き継げなくなります。
usutakuさんは、ユーザーがやるべきことを具体的に説明しました。8月25日までにManusにログインしてデータをエクスポートし、25日以降に改めてインポートする作業が必要になります。
その詫び施策として、Manusは8月25日まで完全無料で使い放題になっているそうです。2人はこれを機に触ってみることを勧めつつ、Manusでサイトなどをホスティングしている人は特に注意してほしいと呼びかけました。
AIに秘書業務を任せる。GPT Workの実感とAtoAの未来
雑談コーナーでは、AIボイスレコーダーのMoriが良かったというusutakuさんの話に続き、ハヤカワ五味さんが秘書業務のAI化を語ります。
以前は月10万円ほどで外部の秘書に依頼していたインフルエンサー業務を、今年の春頃からGPT Workに任せているそうです。今では自分より、そして上級な秘書よりも良いと感じるまでになったといいます。
具体例として、PR投稿のハッシュタグ表記の食い違いを挙げます。メールと添付ドキュメントで表記が違っても、人間なら見落としがちなところをAIが見つけ、どちらが正しいか確認する下書きまで作ってくれるそうです。
私より厳しかったですね。
記事の赤入れでも、自分がこれでいいと思った記事に対し、GPT Workが「自意識過剰に捉えられる可能性があるので弱めた方がいい」といった指摘を返してきたといいます。
ここから話は、人間を介さずAI同士でやり取りするAtoAの世界観へと広がります。ハッシュタグの食い違いも、人間が挟まるから起きるのであって、相手のドキュメントを直接AI同士で参照し合えば防げる、という発想です。
喋るとか人前に立つとかやるけど、それ以外はもうAtoAで全部終わらしてほしい。
2人は、この発想を仕事だけでなく出会いの場面にも当てはめて盛り上がります。usutakuさんは、価値観が合わないことは前段階でAI同士が判断してくれた方がいいと語り、ハヤカワ五味さんはAIクローン同士で恋愛をシミュレーションさせる論文をディストピア的だと面白がりました。
現状はAtoAではなく、相手が人間である以上はAgent to Humanになるとハヤカワ五味さんは指摘します。自分側は秘書業務をほぼエージェント化しているため、クライアント側もエージェント化してくれないかと願っていると話しました。
まとめ
今回は、OpenRouterのStripe買収やGemini 3.7、Manusの独立といったニュースを入り口に、AIに仕事を任せることで生まれる実感の変化まで話が及びました。モデル選択やスピード、そして人間を介さないAtoAの働き方について、2人の率直な感覚が語られた回です。
- OpenRouterのStripe買収は、決済とインフラを押さえる動きとして自然に見えると解釈された
- Gemini 3.7は速度が突出し、検索もするようになったと高く評価されている
- AIに任せることで「手触り感」が薄れる一方、確認作業や自分の実感の持ち方が課題になっている
- Manusは独立に伴い、8月25日までのデータのエクスポートが必要になる
- 秘書業務をGPT Workに任せる実感から、人間を介さないAtoAの働き方への期待が語られた
