138件の応募を読んだ二人の「複雑な心境」とは?
厚利少売ラジオのこの回は、川原さんの「重大発表がございます」という一言で始まります。厚利少売プロデュースオーディションの一次選考通過者が10名決まり、この回でその10名が発表されます。
発表を前に、すがけんさんは「複雑な心境」だと漏らします。川原さんは応募内容を全部プリントアウトして読んだといい、二人ともかなりの量の言葉に目を通していました。
僕、最初は10人もいるのかなと思ったんですよ。
(選びたい人が)10人もなんかいるのかしらと。どうせ一行なんでしょ、みんなみたいな。
すがけんさんは当初、ノリで一行だけ書いた応募ばかりなのではないかと心配していました。ところが実際には、想像以上の数の応募が、想像以上に熱い内容で届いたといいます。
すがけんさんは応募を読みながら、こんな仕事があるのか、こんな場所で頑張っている人がいるのか、この孤独な人を何とかしないと、とさまざまなことを考えたそうです。選んであげたい人が10人どころではなく、二人で揉めるほどだったと振り返っています。
選びたくなる人が10人もいるのか。一行だけのノリの応募ばかりではないか
想像以上の数と熱量。選んであげたい人が10人どころではなく、嬉しい悲鳴
すがけんさんが「選べなかった」応募の共通点
川原さんは発表の前に、138件のエントリーを見て気づいたことと選考基準を話そうと切り出します。すがけんさんは運営から評価軸をもらってはいたものの、厚利少売的な自分の頭で考えた基準があったと明かします。
すがけんさんがまず挙げたのは、言葉が短い応募は選びにくかったという点です。短い言葉からはどこまでいっても想像しかできず、思い込みが外れたら、選ばれなかった他の人に申し訳ないと考えたからです。
僕らがね、どこまで慮っても想像にしかなんないから、そこ(想像)が外れちゃったら、全然違うことになっちゃうなと。
2つ目は、いろんなところで学んでいるとアピールした応募です。すがけんさんは、頑張っている意図で書いたのだろうと理解しつつ、自分が教えても「あの時と違う」と思われたら本当にやってくれるのか、と感じたといいます。
3つ目は、ラジオを聞いていなさそうな応募です。すがけんさんによれば、問題は応募者が成功するかではなく、その人が成功するために二人が教えられるかどうかでした。
少なくとも僕はやっぱり変な人だから。そのラジオを聞いて僕をわかってくれてない(と難しい)。
すがけんさんは自分を「普通の車ではない」とたとえます。ハンドルの形もアクセルとブレーキの位置も違うので、他で学んだサイドミラーの動かし方を持ち込まれても通用しない、という話です。
| 応募の特徴 | すがけんさんが感じたこと | 理由 |
|---|---|---|
| 言葉が短い | 想像でしか判断できない | 思い込みが外れると他の応募者に申し訳ない |
| 他での学びをアピール | 教えた通りにやってくれるか不安 | 「あの時と違う」と思われる懸念 |
| ラジオを聞いていなさそう | 相性がわからない | 変わった自分の特徴を知っていないとうまくいかない |
そのうえで、すがけんさんは事業を頑張っている様子だけでなく、ラジオへの愛が書かれていることを重視しました。事業の内容からは手伝えそうかはわかっても、二人の話を聞いてくれるかはわからないからです。
二人の選考はどう噛み合ったのか?
選考は、すがけんさんと川原さんがそれぞれ10人ずつ選び、合わせた最大20人から議論して10人に絞る方式でした。すがけんさんはこの仕組みを、リスナーにも知っておいてほしいと話します。
すがけんさんは応募を読みながら「これはタクミさんが好きそうだ」と感じる人があえてチェックしませんでした。川原さんが選ぶだろうと予想した人は、案の定、川原さんが選んできたそうです。
なんかそこちょっと何だろう、気持ちよさであり、気持ち悪さを感じましたよね。
すがけんさんは、お互いが相手の選びそうな人を正確に予想できたことを、二人のラジオがうまくいく理由とも重ねています。
一方で川原さんは、応募フォームのメッセージ欄に「二人が楽しそうに話しているのがいい」と書いた人がかなり多かったことに触れます。すがけんさんは「そんなことよりやりなさいよ」と笑いながらも、そこに前進を見ています。
人によって一行だったかもしれないけど、それは情熱のない一行じゃなくて、やっぱ言語化が拙い方の一行だった可能性もあるわけじゃないですか。
すがけんさんにとって、聞くだけだった人が一行でも書けたことは大きな一歩です。次は二行書けた、この話を聞いてもっと良くなった、という変化につながるのではないかと話しています。
「オムライスが得意です」はなぜ響かないのか?
川原さんはオーディションやキャスティングで人を見る機会が多く、すがけんさんもビジネスピッチの審査員を務めることがあります。川原さんは、選びやすい人とそうでない人の差は、相手がどんな観点で選ぶかを理解しようとしたかにあったと指摘します。
すがけんさんはこれを料理にたとえて説明します。オムライスを作るのが得意な人がいても、相手が今ラーメンを食べたいと思っていたら、オムライスを出されても響きません。
やっぱり基本的に厚利少売って相手の変化量の話だから。
すがけんさんは、選ぶ側の二人にどこまで思いを馳せたかが応募の内容に如実に表れたと話します。川原さんも、オーディションに限らずビジネスや商売はすべて相手がある話で、選ばれるにはそこを押さえる必要があると続けました。
「オムライスが得意なのでオムライスを出させてください」と、自分の好き・得意を起点に伝える
相手が今ラーメンを求めているなら、そこに思いを馳せて伝える。厚利少売は相手の変化量の話
川原さんは、選ばれなかった人もここを改善できれば、お客さんに選ばれる場面でも生かせるはずだと前置きし、通過者の発表に移ります。
離島の文具店から宮城の工事屋まで、最初の通過者たち
1人目は、エントリーナンバー10番の石坂徹さんです。沖縄の離島・久米島で文具店を経営しています。すがけんさんは思わず「絶対ダメそうじゃん」と口にしますが、それでも二人はいいと思ったといいます。
川原さんによれば、久米島は人口7000人で、毎年100人ずつ減少し、観光客は年間8万人です。文具という商材で厚利少売が難しいこと、年間の赤字があることも応募に書かれていました。
厳しい状況だからこそ、変化を提供できれば石坂さん本人にも島の人にもよく、多くの人の見通しになるかもしれない、というのが選出理由です。すがけんさんも、地方の過疎地域で似た状況の人にとってのヒントになると話しています。
だから石坂さん(の挑戦は)、僕らの腕の見せ所でもある。
2人目は、エントリーナンバー19番の佐藤光弘さんです。すがけんさんの出身地である宮城県で働く工事屋さんで、ビジネスの目標が丁寧かつ明確に書かれていました。
川原さんは、佐藤さんがすでに「価値と体験設計が十分に一致していない」と自分で書いていた点に注目します。あと一歩の変化で結果が変わりそうだという見立てに、すがけんさんは「やんなさいよ」と応じています。
料理代行、団子屋、パフェ。食べ物が続いたのはわざとか?
3人目は、エントリーナンバー32番の上野京子さんです。「お台所研究室福」として、家庭を訪問するお料理代行をしています。すがけんさんは、周りにやっている人がいないので面白かったと話します。
川原さんは、お料理代行は労働集約型のモデルになりやすいからこそ、そこでどう厚利少売を実現するかがリスナーの見通しになると考えて選んだと説明しました。
4人目は、エントリーナンバー47番の岩間貴志さんです。宮城県のお団子屋さんで、すがけんさんは冗談めかして「宮城枠ですよ、僕の」と言い、川原さんは「学閥みたいな」と返します。
すがけんさんは結局、宮城よりも甘いものが理由だと認めます。岩間さんはこだわった材料を使い、兄弟3人で店を営んでいて、川原さんは二次選考でどんなストーリーが出てくるか楽しみだと話しています。
5人目は、エントリーナンバー107番の松井日向子さんです。おそらく最年少の通過者で、完全予約制の体験型パフェイベントを手がけています。ここで川原さんは、文具以外は全部食べ物の並びになっていると気づき、「わざとじゃないんです」と恥ずかしがりました。
松井さんは徳島県神山町にある神山まるごと高専の在校生です。すがけんさん自身も高専出身で、スイーツよりもむしろそちらに興味を持ったといいます。
そういう人たち(若い高専生)が今後どう活躍してもらうかに、厚利少売って絶対インストールしておいてほしいなっていう気持ちで。
川原さんの「若い時から厚利少売をやると絶対変わる」という言葉に、すがけんさんは、それ以外の人はみな「もっと早く知りたかった」と言っているのだから、と同意しています。
毎日733万人が聞く声と、知る人ぞ知るワイナリー
6人目は、エントリーナンバー5番の守屋真由美さんです。詳細は二次選考で本人から話してほしいとしつつ、川原さんは「毎日約733万人が聞いているあの声の人」だと紹介します。
すがけんさんは、こうした仕事は一つのパートで活躍しても、なかなか厚利少売にはならないと指摘します。
川原さんも、まさに価値の言語化の問題で、どんな変化量を提供できるかによって全く変わると応じています。
7人目は、エントリーナンバー22番の福島雄三さんです。埼玉県川越市で武蔵ワイナリーを営んでいます。川原さんはもともとこのワイナリーのファンで、年末年始にも飲んでいたほどだといいます。
川原さんによれば、こだわったナチュラルワインを作っていながら、まだ世の中に知られていません。価値が見出されていないからこそ厚利少売をやってほしい、というのが選出理由で、川原さんは「僕が好き枠」とも話しています。福島さんは人からの紹介でオーディションを知ったそうで、二人は紹介が生まれていることを喜んでいました。
爪切り専門家は「片付けの仕事」と同じくらい変なのか?
8人目は、エントリーナンバー26番の森田浩子さんです。爪切りが好きすぎて専門家になった人で、二人は口をそろえて「変だよ」と言います。
すがけんさんは、もう一人だけこういう変な人を知っていると話します。片付けが好きすぎて起業した人、つまりこんまりさんと、そのプロデューサーである川原さんのことです。
まあNETFLIXも含めて成立させたから、なんか変じゃなくなっちゃってるだけでさ。
川原さんも、21歳のころ同い年の近藤麻理恵さんに初めて会い、片付けの仕事をしていると聞いて「大丈夫か?」と思ったと振り返ります。すがけんさんは、爪切り専門家を聞いて「無理無理」と感じる今の反応は、20年前の片付けと同じだと話しました。
始めた当初は「大丈夫か?」と思われた仕事。Netflixなどを経て市民権を得て、今は世界一有名とまで言われる
今は「好きはいいけど無理でしょ」と思われるかもしれない。すがけんさんは成立しないわけではないと考える
川原さんは、森田さんのエントリーフォームほど「爪」という文字を一度に見たことはないと笑い、「ド変態枠」で選んだと締めくくりました。
AI時代に危機感を持つ弁護士と、着物生地のスーツ
9人目は、エントリーナンバー40番の北川貴博さんです。弁護士で、AI時代に弁護士の価値が相対的になくなっていくと自分で理解していることが選出理由でした。
川原さんは、コンサルタント、金融、弁護士といった高給の仕事が、AIの発展によって危ぶまれている最先端だと話します。すがけんさんも、頭がいいだけの人から必要とされなくなっていくと応じます。
頭いい人たちからいらなくなってっちゃうからね。頭いいだけだったら。
川原さんは、大変かどうかを分けているのは職業ではなく、厚利少売ができているかどうかだと整理します。すがけんさんは、10代も20代も勉強に費やしてやっと弁護士になった人がこうした時代に直面する以上、軽やかに厚利少売をやり続けるしかないと話しました。
川原さんは、厚利少売を基礎教養にしてほしいとまで語っています。すがけんさんも、30年同じものを持ち続けることはもう無理だと付け加えました。
最後の10人目は、エントリーナンバー77番の福井佐江さんです。すがけんさんは「なんて縁起のいいナンバー」と喜びます。福井さんはカーテン生地や日本の着物生地を使ったオーダーメイドスーツを仕立てています。
すがけんさんは、着物のオーダースーツにはインバウンド、海外進出、国内需要という複数の観点があると指摘します。川原さんも、着物にまつわる相談をラジオ本編で受けたことがあったとして、その活路にもなりうると考えて選んだと話しました。
10人の発表を終えた川原さんは、選ばれなかった人の応募もすべて読み、そこに書かれた課題を今後のラジオで扱っていくと伝えます。そのうえで通過者には、変化していく様子そのものが学びになるので責任重大だと、お祝いとプレッシャーを同時に伝えました。
二次選考はショート動画。一発勝負はなぜダメなのか?
二次選考では、通過者に1分ほどのショート動画で自分の魅力を伝えてもらう予定です。ゲスト審査員としてドシロホテル再建計画さんが参画し、リスナーによる投票も行われます。
すがけんさんはここでアイデアを出します。概要欄に通過者のアカウントを載せ、ショート動画が出るまでの試行錯誤もみんなで見て応援してほしいというものです。
薄利多売型だと、なんて言うんだろう、応援しないんですよね。要は受かったらなんかしてあげるけど、それまでって競争でしょ?とかってやるんだけど。
すがけんさんの考えでは、一番いい人を選びたいなら、練習なしで出した一本で判断するより、何本も投稿してみんなで切磋琢磨したあとの動画で選ぶほうがいいはずです。
珠玉の一本持ってくるんだけど、違う違う。10本出していいやつ1本の方がいいですよっていう。
すがけんさんは、本番一発勝負ではなく練習を本番にしてしまうことを勧めます。XやInstagramに出すこと自体がもう本番だからです。
落選した人は「#勝手に厚利少売オーディション」で逆襲を
すがけんさんのアイデアを受けて、川原さんは、選ばれなかった人も勝手にオーディションに参加すればいいと提案します。ハッシュタグは「#勝手に厚利少売オーディション」です。
川原さんは、漫画で選ばれなかった側が集まってライバル勢力になる展開にたとえます。すがけんさんは、Appleに戻ったスティーブ・ジョブズが社内で「俺たちは海賊だ」と別チームを立ち上げた話を重ねました。
だって本当にみんなの人生はみんながやんないとできないんだから。落ちたから終わりにしないでよ。
僕らの目が節穴だっていうのを証明してくれるような圧倒的な変化量を作る人がさ、今回の漏れた人から出てくるのはすげえ嬉しいかも。
すがけんさんは、本来はラジオを聞いて変わってほしいのだと念を押します。オーディションは、それだけではなかなか変わらないから数十人を手伝う仕組みにすぎない、という位置づけです。
川原さんの「人生ビジネスなんだから」という言葉を受けて、二人は勝手にオーディションに参加する人たちもウォッチしていくと約束しました。
お金を払う人が主役、人生は自分が主役
発表を終えたすがけんさんは、自分が変わるつもりがあるかどうかで人生は変わると語ります。選ばれた人も選ばれなかった人も、そのつもりで勝手に厚利少売をやってほしいという呼びかけです。
川原さんが「全員本当に人生の主役なんだね」と感想を漏らすと、すがけんさんは商売と人生での主役の違いを話しました。
すがけんさんは、自分の人生がうまくいくように頑張るのは自分しかいないとして、この回をきっかけに「やっちゃってください」と締めくくりました。
5万円のnoteは「ずっと特別期間」?
お知らせのコーナーで、すがけんさんは新しいリスナーに向けて、Amazonで2000円ほどで買える厚利少売の本を紹介します。2000円ぐらいなら友達にもプレゼントして、周りを変えるところから始めてほしいといいます。
本の次のステップとして、すがけんさんは経営者向けに書き直した5万円のnoteを挙げます。高いとしつつ、厚利少売の商品を買ったお客さんの立場を体験できるのが利点だと話します。
すがけんさんは、購入者に損をさせたくないという理由で、月1回ほど無料の勉強会を開いているそうです。その姿を見た購入者からは「私もここまで頑張らなきゃいけないんだ」という声が出るといいます。
川原さんによれば、5万円はnoteで付けられる最高額です。すがけんさんは本当は10万円にしたかったそうで、note上の「特別期間中の値段」という表記は、値上げできない以上ずっと特別期間になると笑っています。
川原さんは、応募者にビジネスを変えたい人が多かったことから、週3回ペースで投稿している「川原卓巳のビジネス戦略ch」を紹介しました。見てもらう、やってもらうを繰り返すペースで使ってほしいといいます。
二人にとって一番嬉しいのは、変わったという報告です。すがけんさんのもとには、収入が何倍になったといったDMが毎日のように届き、今回の応募者の中にもラジオを聞いてすでに単価や売上が上がっている人がいたそうです。最後に川原さんは、単価感や将来の目標数値を書いたお悩み相談と、番組の感想投稿を呼びかけました。
まとめ
厚利少売プロデュースオーディションの一次選考では、138件の応募から、離島の文具店、料理代行、爪切り専門家、弁護士など多様な10名が選ばれました。二人が重視したのは、選ぶ側に思いを馳せ、ラジオを通じて二人を理解しているかどうかであり、選ばれなかった人にも自分で変化を起こしてほしいと繰り返し呼びかけています。
- すがけんさんは、言葉が短い応募、他での学びのアピール、ラジオを聞いていなさそうな応募を選びにくかったと明かした
- 「オムライスが得意です」ではなく、相手が何を求めているかを察することが、オーディションでも商売でも選ばれる条件になる
- 二次選考はショート動画とリスナー投票。一発勝負ではなく、何本も出して練習を本番にすることが勧められた
- 落選した人も「#勝手に厚利少売オーディション」で挑戦でき、本来はラジオを聞いて変わることが一番だとされた
- 商売ではお金を払う人を主役にし、人生では自分が主役として動くことが呼びかけられた

