オーディションは、ど素人さんとの対談から生まれた?
厚利少売ラジオは、薄利多売から抜け出すための考え方を、すがけんさんと川原卓巳さんが語るビジネス対談番組です。この回は「厚利少売プロデュースオーディション」の最終審査で、ゲスト審査員としてど素人ホテル再建計画さんが招かれました。
川原さんによると、このオーディション企画自体が、以前のど素人ホテル再建計画さんとの対談をきっかけに生まれたといいます。対話の中で「プロセスが面白い」「変化量を表現したい」と感じたことが、オーディションという形につながりました。
考えてなかったな。でもやっぱ対話して、あ、やっぱプロセスが面白いよね、変化量を表現したいよねっていうところから着想して、オーディションっていう形になったと。
オーディションは段階的に進められてきました。審査の流れは次のとおりです。
ど素人ホテル再建計画さんは、名前について聞かれると「ずっと」この名前で行くと答えました。すがけんさんから「ど素人じゃないことはバレている」とツッコまれても、「ホテル経営ど素人なんで」と返しています。
即興コンサルは「数」が生んだ神業なのか
ど素人ホテル再建計画さんは、最近『令和の虎』の虎になったほか、ピッチの審査員も年に何回か務めているといいます。インフルエンサー版のリアルバリューにも出演し、審査をする機会は多いそうです。
川原さんが印象に残っているのは、ど素人ホテル再建計画さんがその場で相手のアカウントを見て即興でアドバイスを出す場面です。立ち会ったときに「この人ガチモンだわ」と感じたと振り返っています。
あれのやってる数だったら間違いなく日本で一番やってると思うんで、そのコンサルしてる会社も多いですし、スクールも(受講生が)いて。
すがけんさんが「一言二言聞いて、アカウントを見て言えるのは数ですか」と尋ねると、ど素人ホテル再建計画さんは「大前提数ですね」と答えました。すがけんさんはこれを「神業」と評しています。
川原さんは、以前の回で即興アドバイスを受けたすがけんさんを、廃れた商店街に送り込んで実践してほしいと冗談交じりに話します。すがけんさんは、それをやらないとど素人ホテル再建計画さんに認めてもらえない気がして、会うたびに気まずいと笑いました。
何を基準に審査する?変化量と「再現性」
川原さんは改めて、ど素人ホテル再建計画さんを、沖縄の赤字ホテルをSNSだけで再建し、ショート動画で日本トップクラスの結果を出した人物として紹介しました。現在はショート動画での勝ち方を教えるスクールやコンサルも手がけています。
ど素人ホテル再建計画さんは、審査の基準をどこに置くべきかを質問しました。番組ごとに評価軸が違うことを、自身の審査経験から具体的に挙げています。
| 場 | 主な評価軸 | 補足 |
|---|---|---|
| リアルバリュー | 時価総額 | 投資家が儲かるかどうか |
| 令和の虎 | パッションや社会的意義も評価 | ど素人さんの指摘 |
| 一般的なビジネスピッチ | 実現可能性 | ど素人さんの指摘 |
| 厚利少売ラジオ | 変化量(売上・利益)とリスナーへの再現性 | 川原さんの回答 |
厚利少売ラジオの基準について、川原さんは「変化量」、つまり売上・利益をどれだけ伸ばせそうかだと答えました。加えて、リスナーが自分にも応用できる学びになるかどうか、特殊すぎないかも重要だといいます。
めちゃくちゃ勝てそうな人を選んじゃうと、もう結局その人だからできるじゃんね。どうしてもなりがちじゃないですか。
やっぱりラジオのリスナーさんがその成長ストーリーを見て、私もできる、僕もできるって思ってもらえそうな人っていうのは結構重要かもしれないですね。
二次選考の動画についても議論が及びました。ど素人ホテル再建計画さんは、審査員2人に刺さればいい動画と、全国の人が見たくなる動画では作りが変わると指摘します。すがけんさんは、多くの動画は「番組の企画でやっている」前提で作られていて、初見の人が面白いと思える作りにはなっていなかったと見ています。
「地獄のような空気」は優しさの裏返し?
川原さんは、審査から漏れた人の中にも「マスタークラス」というグループで同じ期間に厚利少売を目指す人たちがいると説明しました。だからこそ、彼らやリスナーのためにも本気の厳しいフィードバックをしてほしいと依頼しています。
ど素人ホテル再建計画さんは「別にぶち切れたりはしない」と話し、すがけんさんも、ど素人ホテル再建計画さんは根が優しく、淡々と伝えるタイプだと評します。すがけんさんは、怒りより淡々としたフィードバックのほうが後で役に立つと考えています。
怒ってるのって後で文字起こししてもなんか怒られてるだけだから、何の役にも立たないから。
情報量少ないじゃないですか、怒ってるって。実は。エンタメとしてはマックスだけど。
川原さんは、対面するすがけんさんとど素人ホテル再建計画さんが似ていると指摘します。2人とも愛が深すぎて、本気になると淡々と理詰めになるタイプだといいます。
すがけんさんは、3人中1人しか受からない以上、残りの2人にとってはアドバイスを持ち帰ることが得になると話しました。SNSをやりたい人の総数に比べ、ど素人ホテル再建計画さんから直接アドバイスをもらえる機会は少なく、貴重な場だと強調しています。
733万人に届く声の持ち主、守屋麻友美さん登場
1人目のファイナリストは、エントリーナンバー5番の守屋麻友美さんです。電車の車内アナウンスを22年間担当し、毎日約733万人に声を届けているフリーMC・ナレーターです。
守屋さんはブライダルMC、講師、司会も務め、4月からは個人レッスンと企業研修も始めました。単価は3万〜10万円で、3年で年収1000万円を目標にしています。課題として挙げたのは、選ばれ続ける個人のブランディングの確立です。
守屋さんは冒頭、この日のために用意した特別な車内アナウンスを披露しました。
本日も厚利少売ラジオをお聞きいただきまして、誠にありがとうございます。次はど素人ホテル再建計画前です。
お出口は右側です。
すがけんさんが目標の理由を尋ねると、守屋さんは、電話対応など声を使う仕事の人に向けた企業研修の企画書を作成中だと説明しました。また、独自のメソッドを考案し、現在2人のモニターに実践しているといいます。
「才能がない」は教える側の武器になるか
ど素人ホテル再建計画さんは、SNSの話の前に、守屋さんがこの仕事に就けた理由が才能なのか、勉強と練習なのかを確かめました。守屋さんの答えは「間違いなく勉強して経験を積んで」です。
さらに理由を尋ねられた守屋さんは、小学1年生のときの経験を語りました。国語の本を読む場面で声がまったく聞こえず、居残りで練習しても改善しなかったといいます。
それでも練習しても改善しなかったから、私の声ってもう届かないんだって思って。もうそれから高校ぐらいまで授業中手も挙げたことがない。
守屋さんが声に魅力を感じたのは、「大丈夫」「ありがとうね」という優しい一言に元気をもらった経験からだといいます。アナウンスの学校に編入し、学校に来た求人に、練習したこともない電車アナウンスのデモテープを送ったところ、合格しました。
ど素人ホテル再建計画さんは、この経歴を、才能がある人がそのままプロになるケースと対比しました。才能がないところからたどり着いた体験は、人に教えるときの裏付けになるという見方です。
元々才能があって、なんか大谷翔平みたいな人がプロ野球になったっていうか、その野球を教えるのがうまいかどうかわかんないけど、才能がないところからいけたっていうのは、人に教える時のその体験ではあるっていうことですね。
川原さんは、近藤麻理恵さんも元々片付けが苦手だったところから、誰でもできるメソッドに磨き上げて世界に広げたと重ねました。ただし今の説明では「思いがあればいける」という結論になってしまうので、「ここなんです」と言える再現性まで磨くと強いと助言しています。
「説明は下手」の指摘と、世界一優しいメソッド
守屋さんが、発信を始めたものの何がいいかわかっていないと打ち明けると、ど素人ホテル再建計画さんははっきりと指摘しました。
声はやっぱいいけど、説明は下手だなっていう印象はあります。
ど素人ホテル再建計画さんは、教える側に回るなら端的でわかりやすい説明が必要で、そこに伸びる余地があると続けました。そのうえで、どんなスクール生を獲得し、その人がどうなるのがゴールなのかを尋ねています。
守屋さんのメソッドは、本人いわく「世界一優しいメソッド」です。声を相手に向けるものだけでなく、頭の中の声や体の声として捉え、自分が何を心地よく感じるのかを見える化するところから始めるといいます。
守屋さんは、自分を認められるようになると相手にも自然に感謝でき、声の表情や人間関係が変わると語りました。最終的には、コンビニなどで心地よく「ありがとうございました」と言える「極上のありがとうが言える人」を増やし、世界平和につなげたいというミッションを掲げています。
ど素人ホテル再建計画さんが「参加するのは世界平和を求める人か」と問うと、守屋さんは「自分をまず好きになりたい人、自分のことが分かりたい人」だと答えました。
講座より「永遠に話せる才能」を売るべき?
川原さんは、ど素人ホテル再建計画さんがショート動画からポッドキャストへ広げているように、今後はインフルエンサーやビジネスをする人が声で信頼を築く流れになると見ています。そうした人の声を変える需要は大きいかもしれないと話しました。
ど素人ホテル再建計画さんは、講座で収益を得る方向より、キャラクターを立てて守屋さんの声そのものを売る方向もあるのではと指摘しました。
面談の最後、川原さんは守屋さんの話し方そのものに才能を見出します。1つの話題で延々と話し続けられることを、TikTokライブ向きの強みとして捉えました。
今日朝ごはん何食べた?って言って1時間喋れるタイプだと思うんですよ。
普通はうざいんですけど、ここまですごいと、なんかもう才能に感じるんで。
聞き心地いい声だから聞いてるかってやり続けられるんだよね。暴力性がないもんね、確かに。
ど素人ホテル再建計画さんは「投げ銭で1000万いく」と冗談交じりに話し、退室後も「キャラ濃すぎでしょ」「絶対スクールじゃない」と、タレント的な方向が合っているという見方で川原さんと一致しました。
月商40万円、満席の料理代行は何を売っている?
2人目のファイナリストは、エントリーナンバー32番、兵庫県から参加した料理代行サービス「お台所研究室FUK」の上野京子さんです。料金は1時間2500円で3時間から、交通費別。月曜から日曜まで予約が埋まっている状態です。
上野さんはシングルマザーで、離婚後に料理代行を始め、1ヶ月60件をこなした時期もあるといいます。目標は年収1000万円で、課題は単価の安さ、固定客でスケジュールが埋まること、プライベートな時間がないことです。
ど素人ホテル再建計画さんは、まずサービスの中身を確認しました。上野さんによると、多くは利用者が食材を買い出しておき、難しい場合は予算を聞いて上野さんが買い出しをします。ど素人ホテル再建計画さんは「出張シェフ」に近いと整理しました。
顧客は大手企業勤めの共働き世帯、医師、経営者が中心です。以前は20代後半の一人暮らしの利用者もいて、その動機は料理そのものとは少し違うところにありました。
外食に疲れて、ちょっと家にトントントントンってこうまな板で切ってくれる音が聞こえるだけで安心感があるとか、あとはもうちょっと人と会話ができるとか。
ど素人ホテル再建計画さんは、このサービスは料理のおいしさで勝負しているわけではなく、上野さんという人そのものが商品になっていると分析しました。だからこそ、顔を出してキャラクターを見せたほうがいいと助言しています。
上野さんの顧客は22〜23人で、エリアは大阪と兵庫。月商は40万円ほどで、食材費は顧客負担のため、ほぼそのまま利益になります。ただし本人は今がキャパシティの上限で、一番欲しいのは時間だと話しました。
週1客にいくら払ってもらえる?すがけんさんの単価計算
すがけんさんは、利用頻度を詳しく確認しました。上野さんによると、調理済みの料理は3〜4日分にし、残りは焼くだけのものや冷凍キットにして置いてくることが多いそうです。一番多い利用は週1回です。
すがけんさんは、年収1000万円に向けた単価を逆算しました。現在の週1回7500円から、どこまで上げる必要があるかを数字で示しています。
現状
週1回の訪問で7500円
前提
月20日働き、1日2組を担当すると想定
必要な日額
1日4万円、つまり1組2万円
顧客側の負担
月4回で月8万円を払える人が必要
これに対して上野さんは、物価高の話も出る中で、今の顧客にそこまでお願いするのは「厳しいと思います」と答えました。すがけんさんは、7500円を1万円にすることはできても、2万円は難しそうだと受け止めています。
稼働率100%は安すぎるサイン
上野さんは時間を作るために単価を上げたいと考えています。ただ、ノウハウを人に教えて代わりを増やす方法は、講座で技術を伝える自信がないためまだ考えていないといいます。
現在、上野さんは3件の依頼を待ってもらっている状態です。ど素人ホテル再建計画さんは、断っている依頼があるなら単価を上げるべきだと即答しました。すがけんさんは、上げた価格でもいいという人を選び続ければいいと補足します。
一方で、上野さんの本当の課題は待っている人が3人しかいないことだ、という見方も示されました。高くても上野さんにお願いしたい人をSNSでどう増やすかが鍵になります。
ど素人ホテル再建計画さんは、ホテル経営の経験から、常に満席の状態は効率が悪いと指摘しました。稼働率100%は安すぎるという意味だといいます。
ホテルとかも稼働率8割とか一番利益出るんですよ。要は。稼働率100パーだと安い、安すぎるっていう意味なんですよ。
100パーって実は本当は150パーで50パー捨ててるみたいなもんなんですよね。
ど素人ホテル再建計画さんは、メルカリのスニーカーを例に挙げました。すぐ売れたら「ラッキー」ではなく、安すぎた証拠だという考え方です。
500円で出品してすぐ売れる。喜んでしまうが、本来取れた利益を取りこぼしている
3000円で出品して1週間後に売れる。すぐ売れないほうが利益は大きい
川原さんは、上野さんの状況が近藤麻理恵さんの昔とよく似ていると話しました。近藤さんは2009年当時、1回5時間・時給5000円の片付けレッスンを1日3件こなし、新規は6ヶ月待ち。待てない人から「本にしてくれ」と言われたことが、本作りの始まりだったといいます。
ストリートラーメン方式で「PR感」を消す
ど素人ホテル再建計画さんは、待っている人が3件しかないと、値上げで顧客が半分になる怖さがあるため、まずは信用を取ることが大事だと話しました。そこで紹介したのが、自身が手がける「ストリートラーメン」というアカウントです。
ストリートラーメンは、飲食店にラーメンのレシピを卸している会社のアカウントです。街で女性に声をかけ、その人の家の食材でラーメンを作らせてもらう企画で、フォロワー0の状態から1投稿で300万再生を記録したといいます。
ど素人ホテル再建計画さんによると、この動画は見る人の興味を次々に移していくことで、最後まで見られる構造になっています。
声かけ
ザルを持って「ストリートラーメンやってます」と言う異常な状態で、最初の2秒の離脱を防ぐ
女性
見知らぬ男性の誘いにOKした女性に興味が湧く
家と冷蔵庫
どんな家か、冷蔵庫の中身は何かに興味が移る
シェフの腕
バラバラの食材からどんなラーメンを作るのかに注目する
反応
食べた女性がどんな反応をするかで締める
ど素人ホテル再建計画さんは、この形式ならPR感なく自分がPRしたい2つ、つまりキャラクターと料理の腕を見せられると話しました。上野さんにもそのまま当てはまるといいます。
これ普通だと、私はこんな食材からこんな料理が作れますみたいな動画を出しちゃうんですけど、これって料理に興味ある人しか見れないんで絶対バズらないんですけど。
何を持って街を歩くかという話では、まな板、フライパン、中華鍋、おたまなどの案が飛び交いました。川原さんは「背中に中華鍋背負っててほしい」と笑い、ど素人ホテル再建計画さんは、これで信用とウェイティングリストを取れれば値上げできると締めくくっています。
すがけんさんは、寂しさや人と触れ合いたいという気持ちはSNSと相性がいいと指摘しました。料理のシズル感だけでなく、心が温まる方向でも特徴を出せるといいます。
川原さんは、「イートウィズミー」のように一緒に作る「クックウィズミー」や、集まって料理するコミュニティの可能性も挙げました。すがけんさんは、作り方を教えるプランを上位に置けばアップセルできると提案し、川原さんも子どもに作り方を教えてほしい親の需要に触れています。
優勝発表はYouTubeライブで
前編はここまでで、3人目のファイナリストの面談と、ど素人ホテル再建計画さんを交えた審査後のアフタートークは後編で放送されます。
優勝者の発表は、6月30日火曜日の21時15分から22時まで、川原さんのYouTubeチャンネルでのライブ配信で行われ、ファイナリスト3名も生出演します。ライブ終了後には、先着30名限定のリスナー交流会も初開催されると告知されました。
川原さんは、ハッシュタグ「#勝手に厚利少売オーディション」で、放送を聞いて得た気づきやこれからやることを投稿してほしいと呼びかけました。お便りフォームでは、ビジネスの本気のお悩み相談も引き続き受け付けています。
まとめ
最終審査・前編では、ど素人ホテル再建計画さんが2人のファイナリストに、強みの再現性、価格設定、SNSでの見せ方をそれぞれ具体的に示しました。守屋さんには声と話し続けられるキャラクターを売る道が、上野さんには値上げとPR感のない発信で指名を増やす道が提案されています。
- 厚利少売ラジオの審査基準は、売上・利益の変化量と、リスナーが学べる再現性
- 「才能がない」ところから身につけた経験は、教える側の裏付けになるが、言語化して磨く必要がある
- 稼働率100%や予約の取りこぼしは、価格が安すぎるサイン
- 顧客が払っているのは機能だけでなく、安心感や会話といった感情の価値
- 意外性のある企画で興味をつなげば、PR感なくキャラクターと腕を同時に伝えられる

