📝 エピソード概要
今回は、COTENの深井龍之介さんをゲストに迎え、「贈与的な経済はいかに可能か」をテーマに議論の口火を切りました。関西電力のソーシャルグッドを志向する新規金融事業を例に、短期的な利益追求に偏りがちな市場経済のあり方を問い直します。
贈与行為を単なるシステムではなく文化依存的な現象と捉え、特に日本における贈与的行為が、信頼関係や「世間」といった文化的背景に強く支えられている点を考察しています。この対談は、利潤追求の枠を超えたお金の流れの再設計と、日本社会の持つ独特な贈与的性質について深く掘り下げています。
🎯 主要なトピック
- イスタンブールでの収録計画: 次回年明けのイスタンブールでの収録に向け、トルコ文化に関する書籍や現地の収録環境について雑談が交わされました。
- テーマ設定:贈与的な経済: 関西電力のソーシャルグッドに投資する「CQ BANK」の事例を皮切りに、短期的な交換・決済ではなく、社会に良い影響をもたらす「贈与」を中心に経済を回す可能性がテーマとなりました。
- 贈与の定義と交換行為の境界線: 贈与はリターンが曖昧でも信頼を前提に行う行為と定義され、モースの贈与論や、交換行為(決済)との違いについて議論されました。
- 日本の贈与は文化依存的: 日本社会は交換だけでなく贈与的行為が色濃く残っており、その行為の成立は、信頼関係や同質性の高いハイコンテクストな文化に強く依存していると分析されました。
- 高リスク環境とセーフティネット: 山の相互扶助や軍隊など、命の危険が伴う高リスクな環境では、お互いを守るためのセーフティネットとして贈与モードに切り替わりやすいことが考察されました。
- 日本の贈与文化の特徴: 日本の贈与は「おすそ分け」に代表されるように、パブリック(公共)ではなく、世間や狭いサークル内での貢献を志向する特徴があることが指摘されました。
💡 キーポイント
- 贈与と交換行為は、普遍的な経済システムではなく、その地域・社会の文化や環境によって駆動する「文化依存的な行為」である。
- 贈与的行為は、社会的な信頼関係が高いほど可能となる。日本のようなハイコンテクストでクローズドな文化はその下地を持っている。
- 日本の贈与は、見ず知らずの人への優しさよりも、世間や身近な人たちへの貢献という「世間的」な職業倫理に基づきやすい。
- 短期的な利潤追求が愚かしいとされる現状に対し、深井氏は「この30年間がダメだっただけで、時代は終わりそう」と、日本経済の未来に対して楽観的な見解を示した。
- 議論を進める上で、安易な「日本特殊論」や「日本礼賛」に陥らないよう、文化依存性を慎重に議論していくことが確認された。
