📝 エピソード概要
本エピソードでは、クルミドコーヒーなどを経営する影山知明氏をゲストに迎え、「一人ひとりが大切にされる社会をつくるには?」という根源的な問いについて深掘りします。影山氏の著書『大きなシステムと小さなファンタジー』を切り口に、社会のシステムが個人を「あるべき姿」という枠に閉じ込め、適応できない人々を生み出している現状を問題提起しました。
渡邉氏と荒木氏は、システムへの適応の是非、システムの自己増殖性、そしてシステムの側にある人々の不安など、多角的な視点からこの大きな問いの背景を考察。個人を尊重する社会のあり方について議論の土台を築く初回となっています。
🎯 主要なトピック
- オープニングと荒木氏の新刊紹介: 荒木氏の15冊目の新刊『努力の地図』に触れ、ウェブ公開執筆と書籍執筆の違いや、それぞれのモチベーションについて考察。
- ゲスト影山知明さんの紹介: クルミドコーヒー、胡桃堂喫茶店、街の寮「ぶんじ寮」を運営する影山氏を紹介。三者それぞれの出会いや、影山氏の著作への関心について確認。
- 問い:「一人ひとりが大切にされる社会をつくるには?」: 影山氏が、多くの人が社会の「見えない枠組み」にうまく当てはまれず、十分大切にされていないという問題意識を背景に問いを提示。
- 適応障害と社会の不条理: 社会の前提に個人が合わせる苦しさに言及し、「適応障害」はむしろ社会の側が個人に適用できていない不条理を示す言葉ではないかという影山氏の指摘に共感。
- システムの適応者と不安: システムへの適応に成功した荒木氏の経緯を共有しつつ、枠組みに適合している人であっても、変化によって利用価値を失うことへの不安は常にあるという指摘に同意。
- システムの自己増殖性とその構造: 喫茶店のマニュアルの例から、人が集まると意図せずシステムが作られ、それが固定化・絶対化していくメカニズムについて考察。
- ローマ法に見るシステムとの関わり方: 古代ローマ法が人間が作り変える道具だったように、システムを不確信なものとして扱うことで、人が上位に立つ関係性がある可能性について言及。
- 現代におけるシステムの巨大化: 現代ではシステムが作り手の手を離れて巨大化・絶対化しており、個人の働きかけでは変えられないという感覚が強まっているという懸念を共有。
💡 キーポイント
- 影山氏の考える理想の社会は、システム側(いそげの世界)とファンタジー側(ゆっくりな世界)が互いを必要とし、包括していける未来像である。
- 影山氏の経営する場所には、他の職場で「うまく自分を発揮できず」に悩み迷った末にたどり着くケースが多く、社会の枠組みが個人の多様性を抑圧している実態がある。
- 数値化されたシステムに適応することは、同時に、いつかその数字から落とされるかもしれないという恐怖感と裏腹の関係にある。
- システムや法は、人が主体となって必要に応じて「書き換えることが当然」という柔軟な姿勢(ローマ法の精神)が、システムに支配されない共同体を作る鍵となる。
- 現代社会の課題は、巨大化したシステムが絶対化し、人々が「自分の働きかけによって変えうる」という感覚を失っている点にある。
