📝 エピソード概要
今回のエピソードでは、株式会社MIMIGURIの小田裕和さんをゲストに迎え、「人々の創造性が高まる場のデザイン」をテーマに探求します。個人の能力としての創造性ではなく、環境との相互作用によって引き出される「場」の力に着目し、デザインの視点から考察を深めます。中動態や身体性といったキーワードを通じて、私たちが無意識に受けている環境の影響や、創造性が「やってくる」ための状況づくりについて語られています。
🎯 主要なトピック
- 急遽のゲスト登壇と小田さんの紹介: インフルエンザで欠席となった安斎勇樹さんの代打として、デザインストラテジストの小田(ダン)さんが急遽登場し、自身の経歴と研究テーマを紹介しました。
- 大企業における創造性の停滞: 優秀な個人が組織に入ると創造性を発揮できなくなる現状を指摘し、原因は「個人の能力」ではなく「場の設定」にあるという問題意識を共有しました。
- 中動態的な創造性の捉え方: 意志の力で生み出すのではなく、環境に影響を受けて自然と「やってくる」創造性のあり方を、國分功一郎氏の「中動態」の概念を交えて議論しました。
- 豊島美術館にみる「場」の影響力: 靴を脱ぐ、寝転ぶといった身体的な変化が、いかに人の振る舞いや創造的な感性を引き出すかについて、具体的な空間体験を元に考察しました。
- 能力の所在と環境とのインタラクション: 認知科学の視点から、能力は個人に備わったものではなく、環境との相互作用の中で立ち上がるものであるという「能力の虚構性」について触れました。
- 意識の向け方と情報変容: Zoomを「ラジオ」と捉え直すことで場が変わる体験や、散歩の視点を変えることで入ってくる情報が激変する事例から、意識の向け方の重要性を説きました。
💡 キーポイント
- 創造性は「発揮されてしまうもの」: 人に創造性がないのではなく、環境がそれを阻害しているケースが多い。適切な場をデザインすれば、創造性は自ずと溢れ出す。
- 能力は環境とのセットで考える: 「論理的思考」や「語学力」さえも、置かれた場や状況によって変動する、環境依存的なものである。
- インスピレーションの源泉としての身体: アウトプットを急ぐ前に、環境に対してどのように意識を向け、身体を置くかという「入力の姿勢」が創造性の質を左右する。
- 概念によるフィルタリング: 人間は視覚情報のわずか数パーセントしか活用しておらず、既成概念で世界を捉えがちである。場のデザインは、この認知の枠組みを揺さぶる力を持つ。
