定時前に話しかけてくる上司、どうかわす?
最初のお便りは、ラジオネーム「カレーライフ」さんからの相談。残業ゼロをモットーに仕事を組み立てているが、定時前になると五十代の上司が察知して声をかけてくる。どう交わせばいいか、という内容です。
定時前に席を離れたり、在宅日にはメッセージで連絡してほしいと伝えたりしているのに、上司が追いかけてくる。多分オフラインで話したいだけだと思うが、向き合い方・交わし方を教えてほしい。
田中氏がまず提案したのは、「話す時間そのものをずらす」という対処法。コミュニケーション自体をカットしようとすると関係性が犠牲になるので、「朝一にしませんか?」と提案して時間帯を移してしまうのが現実的だ、と。
次に田中氏が披露したのが、自身のツイートで700〜800万インプレッションを叩き出したという伝説のテクニック「ジャケットプレイ」と「ダミージャケット」です。
ジャケットを椅子にかけたまま、スマホとお財布だけ持って、さもコンビニに行くような感じでふーっと出ていく。これを「ジャケットプレイ」と名付けたんですよ。
さらに応用編として、別のジャケットを社内のどこかに隠しておき、そちらを着て帰る「ダミージャケット」も紹介されました。冬場でも寒さに耐えずに済む、というわけです。
けんすう氏が提案したのは、「先に自分から話しかける」という逆転の発想。「四時十分ぐらいに話すと、さすがにもう話したなってなる」というわけです。怒られそうな案件も先に自分から行った方がいい、という応用も効きます。
さらに「先に自分が怒っておく」というテクニックも紹介されました。上司がチームの非を怒りそうなとき、先に自分が「ありえないっすよね」と怒っておくと、上司はそれを上回って怒りにくくなる、という閾値コントロールです。
AIで日々を記録する技術
次のお便りは、法介さんから。日々の記録をどうしているか、Notionにまとめてもツールを使いこなせず、入力自体が億劫になってしまう、という相談です。
田中氏は、iPhoneデフォルトのJournalAppleがiOS 17から提供している純正の日記アプリ。写真や位置情報をもとに日記を書きやすくする設計になっている。で日記を始めたものの、後輩から教わったChatGPTのプロジェクト機能を活用した記録法を紹介。5分ほど音声でその日のことを喋り、文章として構成してもらうことで、後から検索したり、月次でまとめてもらったりできる、と語ります。
一方けんすう氏は、さらに踏み込んだ「自動監視カメラ」方式を披露しました。
Claude Codeでプログラミングしてもらって、パソコンの画面を1分に1回スクショ撮る。それをOCRにかけてテキスト化して、1日の終わりにAIに要約させてます。
マニアックすぎる。信頼できる監視カメラを自分に装着してる感じですね。
この方法の利点は、ヘルスケアデータなど散らばりがちな情報も、PCのどこかに表示しておくだけで自動的に記録できる点。「表示するだけで記録される」のがポイントです。
ChatGPTに5分ほど音声で語る。約2000字の文章に構成してくれる。後から検索や月次まとめも可能。「話しながら考える」思考の筋トレにもなる。
PC画面を1分に1回スクショ→OCR→AIで1日を要約。表示しておくだけで散らばったデータも自動で蓄積される全自動方式。
けんすう氏はさらに、「ずっと記録し続けようとしない」ことの大切さを強調しました。会社でやっているポッドキャスト分析の例として、キングコングの西野亮廣お笑い芸人キングコングのメンバーで、絵本『えんとつ町のプペル』の作者。オンラインサロン運営やクラウドファンディングで知られる実業家でもある。氏は「人間は信用が大事」といった原理の上に、クラウドファンディングという手法、その上にプペルという具体プロジェクトがあり、常にその軸で話している──といったように、一度パターンが見えれば、それ以上記録し続ける必要はない、というわけです。
そして音声入力には副次効果もある、と田中氏。頭の中で整理しないと口から言葉が出ないタイプの人にとっては、「話しながら同時に考える」訓練になる、というのです。文章っぽく喋ったほうが文字起こしの精度も上がるため、結果的に頭の整理が得意になる、とけんすう氏も同意しました。
複利で効くオーラルケア
3つめのお便りは、健康習慣のライフハック。けんすう氏が「口は意識しないと複利で取り返しのつかないことになる」と語り、オーラルケア談義が始まります。
けんすう氏のイチオシはジェットウォッシャー。タンクに水を入れてボタンを押すと、勢いよく水流が出て歯間の汚れを落とし、歯茎を鍛えるアイテムです。
歯茎が鍛えられるのと、隙間の細かいゴミが取れる。歯茎から血が出なくなるんで、その意味でもいいです。朝昼晩やってます、気持ちよすぎて。
パナソニックのモデルが4種類あるなかで、けんすう氏のおすすめは「上から2番目」。最上位機はタンクが大きすぎて家族3人向け、持ち運び型は水量が少なすぎて一回で終わらない、という理由です。価格は1万円台とのこと。
もうひとつ紹介されたのが、寝る前の乳酸菌タブレットと歯科専売のマウスウォッシュの組み合わせ。口の中の悪い菌を抑え、良い菌を足す合わせ技です。田中氏は「洗口剤は余計な菌も殺してしまう」という15年前の情報で先入観を持っていたと告白しつつも、最新の研究なら良さそうだ、と関心を示しました。
歯ブラシでは、けんすう氏は「真ん中が尖った山形タイプ」を使用。田中氏はNewsPicks経済ニュースアプリ「NewsPicks」が制作する番組の総称。スタートアップが投資家にピッチを行う番組も人気企画のひとつ。の番組でプレゼンされた「奇跡の歯ブラシ」を見て、普通の歯ブラシとの汚れの落ち具合の差に驚いて以来、ずっと使い続けているとのこと。プレゼンターは「デンタル業界は大手メーカーが推奨する歯ブラシしか浸透しない仕組みになっている」と語っていたそうです。
けんすう氏は月1回、田中氏は3ヶ月に1回のペースで歯科検診とクリーニングに通っているとも。堀江貴文実業家。若い頃に歯科医院で徹底した口腔ケアの教育を受けたエピソードを各所で語っており、歯の予防への意識の高さで知られる。氏が若い頃に歯医者で徹底教育を受けた話や、日本人のオーラルケアリテラシーが海外に比べて低いという話題にも広がりました。
1秒を削る「動線」最適化のテクニック
後半は「細かすぎるライフハック」回。一回分のテーマにならない小ネタを次々に披露していくセッションです。
ファミペイの意外な使い勝手
けんすう氏が最近導入して気に入っているのがファミペイ。一般的なコード決済と違い、ファミペイは会計前に読み込んでおくスタイルで、レジでは「ファミペイ払いで」と言うだけ。レシートが出る時間を待たずに済む上、Vポイントカードと連携させればポイント付与も同時にこなせる、と話します。
ただし田中氏は、コンビニ自体から意図的に距離を取っている派。「余計なものを買いがちだから」「習慣化したい人は誘惑を作るものに近づかないのが原則」だと語ります。
都内は走った方が早い
続いて移動の話。田中氏は「港区・千代田区・中央区・渋谷区は走った方が車より早い」と断言します。きっかけは、浅草から青山一丁目まで友人たちと「銀座線 vs 走り」で勝負した経験。改札の上り下りと電車の待ち時間を考えると、走った組がたった3分差で着いたそうです。
タクシーなんかもう地獄なんで、4キロ5キロ行くのに2000円3000円する。なるべく足で行く。
産業革命前の人の意見みたいな(笑)。でも六本木から渋谷とか、二四六が詰まる時間帯は走った方が早いですね。
「めんどくさいこと=歩数を稼げた」とポジティブに捉えれば、運動も兼ねられて一石二鳥、というのが両者の共通認識でした。
順番を最適化する微テクニック集
ここから両者の「秒を削る」テクニックが次々と飛び出します。
| シーン | テクニック |
|---|---|
| エレベーター | 「閉」ボタンを先に押してから階を押す |
| 会計時 | 20m手前からスマホを電子マネーモードに用意 |
| コーヒーマシン | ボタンを押してからコップを取りに行く(豆をひく数秒を活用) |
| お風呂 | 沸かすボタンを押してから蓋を閉める |
| カップ麺のお湯 | ケトルと鍋を同時に動かして2口で沸かす |
| 朝食+着替え | 食べ物を口に入れてもぐもぐしながら着替える |
| オフィスの扉 | カードをかざす扉より、遠回りでも止まらない動線を選ぶ |
とりわけ田中氏のコーヒーマシン使いは、「ボタンを押した後、豆をひいている数秒の間にコップを取りに行く」というギリギリの勝負。コップを切らしていた日の「ジャーって流れ続ける」絶望は語り草だそうです。
けんすう氏は、カップ麺のお湯500mlを沸かすとき、先に100mlだけコップに入れて加熱しはじめ、まだ温まる前に追加で水を足すことで沸騰時間を短縮するテクを披露。田中氏もケトルと鍋を同時稼働させる「動力2台体制」で対抗します。
まとめ
今回の番外編は、リスナーのお便りに答えるパートと、二人の「細かすぎる」タイムアタックパートで構成された雑談回でした。共通していたのは、「自分の意志ややる気に頼らず、仕組みや順番で解決する」という姿勢です。
上司との関係も「先に話す」「先に怒る」で構造を変える。記録も「期間を区切ってAIに自分のコピーを作らせる」で完了させる。オーラルケアも「ジェットウォッシャー+乳酸菌+月1検診」を仕組み化する。そして1秒を削るテクニックは、数秒の積み重ねが1万回で約3日分になる──というふうに、すべて意志ではなく設計でラクをする発想でした。
「怠惰だからこそ、仕組みで削る」。番外編らしい肩の力を抜いた回ながら、限界突破コンビの思考のクセがよく見える内容でした。
- 定時前に話しかけてくる上司は、時間帯ごとずらすか、自分から先に話しかけて「もう話した」状態を作るのが効く
- 「ジャケットプレイ」「ダミージャケット」は田中氏の伝説のテクニック。怒り役を先に引き受けてチームを守る応用もある
- AI記録は「音声入力日記」と「PC画面の自動スクショ」の2方式。期間を区切って自分の傾向を掴めば終わってよい
- オーラルケアの軸はジェットウォッシャー(パナソニックは上から2番目推奨)+乳酸菌+月1検診
- 港区・千代田区・中央区・渋谷区はタクシーより走った方が早い時間帯がある
- エレベーター・コーヒーマシン・お湯沸かしなど、順番を最適化すれば数秒削れる。1万回で約3日分になる計算
