月曜の朝が憂鬱すぎる人へ。けんすう&田中渓が試した「曜日のメリハリ設計」とは
けんすうさんと田中渓さんがMCを務める「限界突破ライフハック」。今回は「月曜の朝が憂鬱で布団から出られない」というリスナーの相談に対し、二人が実際に試してきた突破法を語り合います。起きる時間の固定、楽しみの罠、半休の4分割、そしてワークアズライフという考え方まで。その内容をまとめます。
月曜が重い人からの相談
毎週月曜日の朝がとにかく憂鬱です。日曜の夜から「明日月曜か」と思い、目覚ましを5回止めて家を出るギリギリまで布団にいてしまいます。仕事が嫌いなわけではないのに、月曜だけなぜか体が重い。金曜は同じ仕事なのに元気です。限界突破する方法はありますか?
この相談に対して二人が最初に挙げたのが、よく言われる「週休3日」案です。水曜日も休みにすれば、すべての日が休前日か休日に接することになる。けんすうさんは「結構正しいんじゃないか」と話します。不動産屋不動産業界では水曜定休が多い。物件契約の「水」を嫌う商慣習や、土日に客対応するための振替などが理由とされる。のように水曜定休にしている業界もあります。
水曜日も休みだと、全部の日が休前日と接してるので、それがいいんじゃないかっていうのは結構正しいんじゃないかと思っていて。
月曜は「アイドリングの日」と割り切る
田中さんが個人で実践しているのは、月曜の朝一に定例ミーティングを置かない設計です。前職では今週の進捗を確認する定例が月曜朝にあり、それが辛かったため、チーム全体での定例を水曜朝に移動させました。さらに個人レベルでも、月曜は人と会う予定をなるべく入れないようにしているといいます。
月曜日はなるべく、まだアイドリングしてる日なんで。人と会うのは火曜日以降みたいにコントロールしてますね。
月曜を「アイドリングの日」と捉え、自分でコントロールできる範囲で動かす。これが二人に共通する基本姿勢です。けんすうさんも新卒時代は月曜だけ会社を出て喫茶店で仕事をしていたそうで、「月曜って、みんなが特別に嫌な日だから、特別に嫌なことを押し付け合いになる」と田中さん。だからこそ、月曜の自分のスケジュールは自分で守る必要があります。
起きる時間を固定し、楽しみの罠を仕込む
田中さんは「寝る時間・起きる時間を固定する派」だと話します。週末と平日に大きな崖を作ると、月曜が辛くなる。けんすうさんもこれに同意し、土日に起きる時間をずらすと時差ボケ体内時計が外部のリズムからずれることで、眠気・倦怠感・集中力低下などが起こる現象。海外旅行だけでなく、週末の生活リズムの乱れでも起こる「ソーシャル・ジェットラグ」が知られている。状態になり、それが体の重さの正体かもしれないと指摘します。
寝だめは数々の識者たちが「あんま基本できないよ」って言ってるんで、固定にしてどっかで帳尻を合わせる、平日の中でならして帳尻合わせていかないと、すごい特別感が月曜日出ちゃうんで。
起きる時間を固定したうえで、もうひとつのコツが「楽しみの罠」を月曜に仕込むこと。田中さんは週末に見たかったポッドキャストやYouTubeをあえて月曜まで取っておき、それを朝のルーティンで楽しむために起きるそうです。さらに月曜の昼には毎週、一番好きなチョコレートを食べる習慣も。
けんすうさんも、月曜は「ジャンプ」が発売されるので早起きの動機になっていると話します。日曜の夜は控えめに食べて、月曜朝に豪華なものを食べるという知人の例も紹介されました。
週末にあえて見ない・聞かないでおいたポッドキャストやYouTubeを、月曜朝のルーティンで消化する。
豪華な朝食、好きなチョコレート、長めのランチで好物を食べるなど、月曜だけのご褒美にする。
毎週月曜に新しいコンテンツが出るもの。早起きすると読める、というシンプルな動機づけになる。
仕事は「やりかけ」で残しておく
田中さんが「これは僕の中でハック」と語るのが、助走をつける働き方です。金曜の午後に、月曜にやらなければいけない仕事を少しだけ手をつけておく。月曜は「レジューム」から始められるので、ゼロから立ち上げるよりも気持ちのノリが全然違うといいます。
金曜の午後
月曜にやる仕事に少しだけ手をつける。途中まで進めた状態で週末に入る。
週末
やりかけの状態が頭の片隅に残り、「直したいな」という気持ちも少し湧いてくる。
月曜
ゼロイチではなく「レジューム」で始められる。立ち上がりの負荷が低い。
この発想は今ならAIにも応用できると田中さんは指摘します。月曜にやることをAIに下書きさせておけば、「どうせ直さなきゃいけない」とわかっているので、直したい衝動から仕事に入れる。けんすうさんも「人はゼロイチは難しいけれど、人のを直すのは簡単」と同意します。
週休2日が諸悪の根源?休みを4ブロックに分ける
話は徐々に大きくなっていきます。土日が連続して休みなのが、そもそも体を重くしているのではないか。けんすうさんは「2日休んじゃうと戻りにくいけど、1日なら戻れる」と指摘し、田中さんも「2日休んだらリハビリが必要だよと。1日までなら人間は戻ってこられるけど、2日サボるとダメだ理論」と笑います。
そこで出てきたのが、土日を4つのブロックに分けるというアイデアです。土曜の午前と午後、日曜の午前と午後。これらを好きなようにアロケートできれば、土曜の午前に働いて月曜の午前を休む、といった分散ができます。
土曜:終日休
日曜:終日休
月曜:終日勤務
→ 月曜の立ち上がりが重い
土曜午前:勤務
土曜午後〜日曜:休み
月曜午前:休み
月曜午後:勤務
→ メリハリが分散される
田中さんはこの発想の前段として、プレミアムフライデー2017年に経済産業省などが提唱した取り組み。月末最終金曜は午後3時に退社することを推奨したが、定着せず実質的に消滅した。を自分の組織で一人運用していることも明かしました。「月末最終金曜の午後はオフ」というルールで、社員の誕生会やフリーフローのお酒も用意しているそうです。さらに「月末最終月曜の午前休」など、月曜に意味を持たせる発想にも応用できると話します。
この4分割案には副次的なメリットもあると二人は盛り上がります。土日に集中する美容室や映画館の混雑緩和、オフィスの稼働率向上、オフィス街の飲食店の土日の閑散問題の解消など。「これは国への提言ですね」と、話は壮大になっていきました。
ワークアズライフで境界を薄くする
では、土日をどう過ごせば月曜が楽になるのか。田中さんが思い出したのは、前職で月曜の午前中をひたすら雑談で過ごしていた部署の話です。みんなが月曜の雑談のために、土日に面白そうなネタを仕入れてくる。それが結果的に学習にもなり、月曜に会社へ行くのが楽しみになっていたといいます。
仕事の中身だって思うから結構億劫になっちゃったんですけど、ちゃんと人間関係を整えておいて、その人たちと会いたいから、土日は会えなかったから寂しいぐらいまでいけるといいですね。
けんすうさんも、生産性を上げる一番大きな要素は「みんなが仲いい」ことだと同意します。メタ社Facebook(現Meta Platforms)。同社では、真面目なキックオフよりチーム全員で遊園地に行くようなアクティビティのほうがパフォーマンスにつながるとして、チームビルディングを重視する文化があると田中さんが紹介している。でも、真面目なキックオフより全員で遊園地に行ったほうがパフォーマンスがいい、という話があるそうです。
こうした考え方を田中さんはワークアズライフWork as Life。ワークライフバランスのように仕事と生活を対立させるのではなく、生活の一部として仕事を溶け込ませる働き方の概念。落合陽一氏らの提唱で知られる。と表現します。プライベートと仕事の境界線をできるだけ薄くしておくと、月曜の心のハードルが大きく変わると話しました。
では、まだ会社の人と仲良くない新卒や若手はどうすればいいか。田中さんの提案は「100個ぐらいの習い事に毎週チャレンジしてみる」というもの。バク転教室、ボルダリング、釣り。続かなくてもネタとして蓄積するし、誰とでも話せるようになる。ラッキーに好きなものに当たれば続けられてコミュニティもできる、というわけです。
けんすうさんも、土日にいろんなラーメン屋を巡っていた知人が、月曜に話すことで職場の楽しみを作っていた例を紹介します。お金も時間もそれほどかからないけれど、蓄積すると価値になる。
まとめ
月曜の朝が憂鬱という悩みに対して、二人が出した処方箋は「曜日のメリハリ設計」でした。朝会や定例を水曜に動かして月曜をアイドリングの日にする。起きる時間を固定し、月曜にだけ楽しめる罠を仕込む。仕事はゼロから立ち上げず、金曜のうちにやりかけにしておく。土日を連続休にせず、半休を4ブロックに分けて分散する。そして週末は仕事の文脈でインプットしたり新しいことに挑戦したりして、月曜の雑談のネタを仕込む。
大事なのは、月曜だけを特別に重い日にしないこと。曜日ごとに役割をつけて、自分なりのリズムを設計することです。「ネタ切りにしない」「TikTokだけで土日を終わらせない」というけんすうさんの言葉が、最後の指針として残りました。
- 月曜は「アイドリングの日」と割り切り、朝会・定例・全社集会は水曜に移す
- 起きる時間を土日も固定し、寝だめではなく平日で帳尻を合わせる
- 月曜限定のご褒美(取り置きコンテンツ、好物の朝食・ランチ、ジャンプ)を仕込む
- 仕事は金曜午後に少し手をつけて「やりかけ」にし、月曜はレジュームから始める
- 2日連続で休むと戻れない。半休を4ブロックに分けて分散する発想を持つ
- ワークアズライフで仕事と生活の境界を薄くし、土日のネタを月曜の雑談につなげる
