サーティワンが数字を前面に出さなくなった理由
番組の本題は、多くの人が「31」と呼ぶアイスクリーム店の話から始まります。
岡村さんによれば、この店の正式名称はバスキンロビンス。バスキンさんとロビンズさんという2人によるアイスクリーム店が由来だと説明されます。
もともとは「31」が前面に出て、バスキンロビンスは副次的に添えられる形だったといいます。
しかし途中から「31」を前面に出さず、ロゴを合体させる方向に変わっていったと岡村さんは指摘します。
もともと31が元々目立ってて、バスキンロビンスがやってるとこですよみたいな、副次的に書いてる感じやってんけど。途中から31をあんまり前面に出さないようになってった。
「31」の由来は、31日間毎日違うアイスを食べられるという意味。リーダーさんは、小学2年生でその意味を習ったと語り、場が盛り上がります。
数字だけの商標が登録しにくいワケ
岡村さんは、「31」があまり前面に出されない理由を推測として語ります。それは「識別力がないのではないか」という点でした。
数字が価格や品質・性質を表すものと認識されると登録できず、数字をカタカナ表記しただけのものも「極めて簡単かつありふれた商標」として扱われるといいます。
話題はセブンイレブンにも及びます。岡村さんは、「711」の羅列だと厳しいが、「セブンイレブン」と単語になると審査基準上いけるのではないかと説明します。
審査基準の例では、カタカナで「トゥエルブ」と書いたものはダメでも、「ファイブテン」のように書いた場合は特徴があると認められるといいます。
これ多分セブンイレブンに完全に迎合するような基準になってるんじゃないかと、今思ってしまった。
カタカナ「サーティワン」の拒絶と反論
実際に「サーティワン」のカタカナ商標は、比較的最近になって拒絶されていたと岡村さんは紹介します。2020年出願のもので、カタカナ単体での出願は初めてに近いといいます。
拒絶理由は、極めて簡単かつありふれた数字をカタカナにしただけ、というものでした。しかし反論を重ね、最終的には登録に至ったと説明されます。
興味深いのは、その登録理由です。有名であることも主張されたものの、最終的にはロゴの見た目が特徴的だという点が理由になったといいます。
結局そこ(有名であること)を理由にして登録せずに、このロゴが見た目特徴的やということを言ってるんですね。差が斜めになってたり。
岡村さんの見立てでは、数字のような極めてありふれた表示は型番や品番と扱われやすく、ロゴ化されにくいぶん、多少緩めに判断される面があるといいます。
加えて、書かれてはいないものの、有名さも多少考慮されたのではないかと推測します。ただし有名と認めるには証拠の量が足りなかった可能性があるとも話されています。
inゼリーに見る「アルファベット2文字」の例外
後半は、同じく「極めて簡単かつありふれた」商標の話として、inゼリーが取り上げられます。
リーダーさんが「ウィダーインゼリー」と反応すると、岡村さんは、もともとはウィダーだった商品名が「in」に変わっていることを説明します。
ウィダーはJWOコープというアメリカの会社のブランド名で、そのライセンスが終わったといいます。一方「in」は森永製菓が打ち出してきた表示のため、inゼリーになったと解説されます。
岡村さんは、「in」がアルファベット2文字のため拒絶されやすいと説明します。BRやABのような文字の羅列は登録しにくい一方、ロゴ化すればいける場合があるといいます。
ここで例外が語られます。1つは「有名だ」という主張。もう1つは、「in」のように既成語になっている場合です。
inとかこういう既成語になってる場合は、無機質な型番とかとは違うっていうことを言われてて。ifとかasとかweとかも通ってますよみたいな主張をして、これは通ってまして。
つまり、意味のない文字の羅列や無機質な管理記号ではなく、商品名として機能する既成語であることが、登録を後押ししたと考えられます。
BRやABのような、意味のない無機質な文字の羅列。型番や管理記号と受け取られやすい。
inやif、asのような既成語。あるいはロゴ化して特徴を出したもの。
商標を「あえて登録しにくくする」という選択
岡村さんは、こうした知識を実務的なアドバイスにつなげます。
使えればよいが登録にはお金をかけたくない、という人もいます。そうした場合、あえて英字2文字や数字など、登録しにくい言葉を選ぶという手もあると話されます。
英語二文字とか、数字とかにして、ちょっと登録しにくい言葉を選んでみるっていうのも一つ手ではあるかなと思いますね。
ただし、その場合は真似され放題になるデメリットもあると岡村さんは付け加えます。
関連して、リーダーさんが「X」を話題に出すと、岡村さんは、XJAPANはXJAPANとして有名だが、X単体は厳しそうだと語ります。実際にTwitterの「X」の出願は拒絶が続いているといいます。
親子で挑んだトライアスロン
フリートークでは、リーダーさんのトライアスロン体験談が語られます。毎朝走り、自転車も復活させたというリーダーさん。近くの大磯ロングビーチで初心者向けの大会に、5歳の娘と一緒に出場したといいます。
キッズの部で娘さんは水泳を1人で泳ぎ切り、最下位ながら注目を集めます。ところが、応援していた大きなおじさんが苦手だったようで、事件が起きます。
前の方に立って大きいおじさんが手を振ってるのを途中で気づいて、じっと睨んで、いやや!って反対向かって走り出したの。
リーダーさんは娘さんを抱きかかえておじさんエリアを越え、なんとかゴール。メダルをもらい、テレビカメラにも対応したといいます。リーダーさん自身も一般の部で100人中16位という好成績でした。
ほほえましい話に続いたのは、少し切ない出来事でした。雨宿り中に、運営側らしき60歳ほどの男性が声をかけてきたのです。
僕も実は40年前に娘と出たんですと。その時も娘が嫌って言ってたのを思い出して見てしまってました、と。
その男性は、それ以来娘が運動を嫌いになった、と続けたといいます。リーダーさんは、親の趣味に子どもを付き合わせすぎることへの、静かな戒めのように受け止めた様子でした。
まとめ
数字やアルファベット2文字は、身近な商標に見えて「識別力がない」として登録の壁にぶつかりやすいことが、サーティワンとinゼリーの事例から見えてきます。
- 数字やその読みをカタカナにしただけの商標は、極めて簡単かつありふれたものとして登録しにくい。
- サーティワンのカタカナ商標は、ロゴの見た目の特徴を理由に登録に至った。
- アルファベット2文字は原則登録しにくいが、inのような既成語なら例外として通る余地がある。
- あえて登録しにくい言葉を選ぶことは、費用を抑えたい人にとって一つの手だが、真似されやすいデメリットもある。
