9月に入っても続く残暑と、車から届ける今回のテーマ
収録日は9月2日水曜日。散歩と余白の考察屋さんは、9月に入って2日目でも「一気に秋」とはいかず、まだまだ暑いと話します。
静岡のほうは今週かなり雨の予報が出ていて、ここから涼しくなるかと思いきや、またちょっと暑くなるという話も聞いたと言います。いつまで残暑が続くのか、という気分のようです。
今回は散歩ではなくドライブでの収録です。車の中から、今日の本題が語られます。
今日もえー、散歩ではなくドライブですね。車の中から収録しています。
その本題が、お昼にやっているワイドショー番組は「メタ認知」の訓練にとても適しているのではないか、という話です。
ワイドショーがメタ認知のトレーニングになる?
考察屋さんは番組内でよく「メタ認知」という言葉を使います。これは公私ともにとても重要な能力だと度々感じているためだと話します。
この言葉をよく使う背景には、コテンラジオが「メタ認知を広げる」と語っている影響もあると振り返ります。
そのうえで考察屋さんは、昨日お昼にワイドショーを見ていたと切り出します。ワイドショーには、専業主婦の方がリビングでくつろぎながら見る、という昭和・平成的なイメージがあるとも話します。
なんか専業主婦の方とかが、昼間ちょっとリビングでくつろぎながら見てるみたいなイメージとか、なんとなくあるなあみたいに思うんですけど。
そんなワイドショーを見ることが、なぜメタ認知の訓練になると思ったのか。その理由が、昨日見たあるニュースから語られていきます。
赤文字と黄色背景で煽られた「シカ増加」ニュース
昨日のワイドショーで扱われていたのが、ニホンジカがすごく増えていて、その被害で農作物が被害を受けている、という話題でした。
考察屋さんが気になったのは、その見せ方です。ワイドショーは煽りがすごく、赤文字や黄色い背景で「悲惨」「衝撃」といった言葉を添える見出しだったと振り返ります。
この演出について、考察屋さんは以前番組で話した「アテンションエコノミー」を思い出したと言います。
見出しは細かい言い回しはともかく、ニホンジカの増加による農家への負担、といったニュアンスの煽り文句でした。とにかくシカが増え、農家が被害を受けている、とタイトルで伝える内容です。
映像でも農家に取材し、この一帯をシカにやられ「今年の作物どうしたものか」と困る様子が映されていました。さらに専門家として大学の教授などが登場し、ハンターが減っていることなど増加の背景を解説していたと言います。
右肩上がりの棒グラフが与える「増えている」という印象
番組ではデータも示されていました。舞台は長野県で、2016年から2026年にかけてのシカの数の推移が棒グラフで出ていたと言います。
記憶では、2016年時点で15万頭ほどだったのが、どんどん増えて2026年には22万頭ほどになっていた、とのことです。数字の正確さには自信がないと断りつつ、印象を語ります。
本当になんか綺麗な右肩上がりのグラフ、棒グラフだったんですね。
このデータから、2016年から2026年にかけてニホンジカが増えていること自体は、はっきり見て取れたと考察屋さんは認めます。
さらに番組では、シカの影響で土砂崩れ・土砂災害も発生していると字幕でもはっきり伝えていたと言います。根拠の細かい部分までは聞き取れなかったとも付け加えます。
ここまでの情報を並べると、基本的には事実の羅列です。それでも「シカが増えるのはダメじゃん、悪いじゃん」という方向へ誘導するような、情報の見せ方を感じたと話します。
そういう恣意的な情報の方向性というか、情報の見せ方を感じるんですね。
直感と反対のことを考えてみる、という向き合い方
考察屋さんが気をつけたいのは、目の前の情報そのものではなく、それを伝える人やメディアが情報を見せる順番などで、こちらに印象を与えようとしている可能性です。
そこで大事にしたいのが、直感で思うことと反対のことを考えてみるという姿勢です。番組がそう言いたいかは分からないとしつつ、自分は直感的に「シカが増えて被害があるのは良くない」という方向性を感じた、と正直に語ります。
反対を考える具体的な手がかりとして挙げたのが、グラフの期間です。データは2016年から2026年でしたが、では2006年から2026年で見たら数はどうなっているのか、という点が気になると言います。
仮に2006年に大量にいたシカが2016年にかけて減り、そこからV字で増えてきているのだとしたら、期間の切り取り方に意図が見えてくると考察屋さんは説明します。
二千六年から見たら、二千二十六年現在も別に少ないじゃんって見方もできると思うんですけど。
つまり同じデータでも、2016年から2026年という見せ方をすることで「増えている」という印象を与えられる、という指摘です。この問題を本気で調べたわけではないと断りつつ、そうした見方を持てること自体が大事だと話します。
右肩上がりの棒グラフになり「増えている」という印象を与えやすい
仮に以前が多ければ「今も少ない」という逆の見方もできる可能性がある
成田悠輔さんの「投げられた石」という言葉
この話題で考察屋さんが見事だと感じたのが、経済学者の成田悠輔さんの言葉です。人口減少や少子化問題について語られたものだと記憶していると言います。
投げられた石にとって、上に上がっていくことも、下に下っていくことも、何の感想も抱かない、みたいな。
この言葉の意味を、考察屋さんは、数字が増えている・減っているということにいちいち一喜一憂してもしょうがない、と受け取ります。
少子化や人口減少は「すごくやばい」「悲惨だ」という論調で語られがちです。けれど、今までの人口が増えるスピードのほうが異常で、減っていく流れのほうが正常なのかもしれない、と一歩引いた見方をくれる言葉だと話します。
あえてツッコミどころを残すワイドショーの構造
話を戻すと、考察屋さんはワイドショーを否定したいわけではないと強調します。むしろワイドショーは、ある意味わざと議論の余地をたくさん残しているのではないか、と考えます。
その根拠として挙げるのが、コメンテーターの存在です。政治業界の人、その道の専門家、ママさんタレント、お笑い芸人など、いろいろな立場の人が意見を言う構造です。
そうした発言に対して、見ている人が「いやいや違うだろ」とツッコめる余地が、実はたくさん残されていると言います。昨日の自分がまさにそうだった、と振り返ります。
あえてツッコミどころをたくさん残すことで議論の余地を残しているとか、提供しているっていうことが、あるのかなと思ったりします。
そう考えると、ワイドショーは「議題を提出して、みんなでこの問題を考えましょうよ」と言っている、良いメディアとも捉えられる、と考察屋さんは話します。
逆に考える訓練が、メタ認知の力を養う
一方で、番組に出ている情報を、出ている順番のまま受け取ると、印象が一方向に偏ってしまうかもしれない、と考察屋さんは注意します。
だからこそ、「逆に考えるとどうだろう」と考える訓練をすると、メタ認知の力が養えるのではないか、というのが今回の着地点です。
メタ認知的な話が好きで、今日はだいぶ熱を入れて話してしまったと振り返りつつ、ワイドショーはこの番組にとって良いネタの供給源になるかもしれない、とも語ります。
まんまとこうやってワイドショーの術中にはまっているのかもしれませんが。
今日もワイドショーを見られたら見ようと思う、という言葉で締めくくられます。日常の一場面から思考の種を見つける回でした。
まとめ
お昼のワイドショーで見た「シカの増加被害」ニュースを題材に、情報をそのまま受け取るのではなく、見せ方や期間の切り取りを疑い、直感と反対を考えることが、メタ認知の訓練になるのではという回でした。
- 赤文字や右肩上がりのグラフなど、ワイドショーの見せ方には印象を一方向へ導く可能性がある
- 同じデータでも、切り取る期間を変えると「増えている」「今も少ない」と逆の印象になりうる
- 成田悠輔さんの「投げられた石は上がっても下がっても何も感じない」という言葉が、一歩引いた見方を与える
- コメンテーターがツッコミどころを残す構造が、議論の余地を提供しているとも捉えられる
- 「逆に考えるとどうだろう」と問い直す訓練が、メタ認知の力を養うことにつながる







