結婚の価値観は「フルパッケージ勢」と「スキップ勢」に分かれる?
35歳になったエビヤは、周りの友達がほぼ全員結婚しきったことに気づきます。そこで結婚の価値観について、ある仮説を持つようになりました。恋愛は相手の魅力だけで成立してしまうものですが、結婚となると考慮すべき要素が変わってくるという話です。
恋愛では顔やお金、一緒にいて楽しいといった魅力だけでつながることができます。しかしエビヤいわく、そうしたつながりは別の魅力を持つ人が現れると破綻しやすいものです。一方、結婚は生活力や金銭感覚、家事のスタンス、インテリアへのこだわりなど、日々の生活に関わる価値観のすり合わせが必要になります。
エビヤはここで、結婚にまつわる3つの要素を一句のように読み上げます。「プロポーズ、婚約指輪、結婚式」。この3つをしっかりやる人を「フルパッケージ勢」、飛ばす人を「スキップ勢」と名付けました。
ホテルでのサプライズプロポーズ、婚約指輪(エンゲージリング)、結婚式をすべて実施。エビヤの男友達周りはほぼ全員こちら。
プロポーズ・婚約指輪・結婚式を飛ばす。エビヤ夫婦がこちら。プロポーズはほぼなし、婚約指輪もなし、結婚式もなし。
マイナビウエディングの調査では、2025年に結婚式を「行った・予定している」は59.1%と、エビヤの体感どおり約6割が式を挙げているようです。しかしプロポーズと婚約指輪を経た人は、体感で9割以上が結婚式まで行っているのではないかとエビヤは推測します。
結婚指輪の刻印に電話番号を入れた話
スキップ勢のエビヤ夫婦は、同棲を検討した末に「同棲するくらいなら中古マンションを買ってフルリノベした方が引っ越し代や敷金礼金が浮く」と考えました。ペアローンを組むには籍を入れるのがスムーズなため、「籍を入れてマンションを買わないか」というのが実質的なプロポーズだったといいます。
付き合う時点でもう結婚する前提です、という話もしていました。今この瞬間に婚姻届を出しに行こうとなれたら出せる、というくらいの確信があった上で付き合ったんです。
婚約指輪もなし。エビヤは「必要なものにはお金をかけられるが、婚約指輪はいつ使うのか」という実益重視の発想を語ります。毎日使うマンションやインテリアと違い、婚約指輪の使用回数は生涯で数回程度。その分をリノベに回そうという合意になったそうです。
結婚指輪はエルメスで購入。当時プラチナで20万円前後と、ブランド力を考えれば納得できる価格だったといいます。問題はその刻印でした。「見えない裏側に何を入れるのか」と疑問に思っていたエビヤに、奥さんが「落とした時に証明になるから」と提案。そこでエビヤは究極の合理案を思いつきます。
拾った人が指輪の内側の番号を見れば必ず連絡してくれるだろう、という発想です。さらにお互いの番号を互い違いに入れることで、片方が落とした時にもう片方に連絡が来る仕組みにしました。エルメスの店員も面白がってくれ、ハイフンが刻印できるか確認した上で実現したそうです。
結婚式のスタンスに価値観が出るという仮説
エビヤ夫婦は結婚式もスキップしました。ただし2人が強調するのは、「女性が式を望んだら喜んで提供する」という前提です。あくまで奥さんが「恥ずかしいからしたくない」と最初から言っていたため、スキップに至ったといいます。
こういう時は女性の意見を100%尊重して、我々男性は意見をする権利すらない。それが正解だと理解した上で話しています。
エビヤは結婚式の費用感を「単位時間あたりの出費でいうと一番高い」と表現します。約3時間で200〜300万円、1分あたり約1.6万円という計算です。それでも人の結婚式は最高だと語りつつ、自分たちには「毎日使うものではない」という発想から式を挙げなかったといいます。
ここでウイが自身の経験を語ります。20代から人の結婚式に通い、交通費と祝儀で約120万円を使ってきたそうです。そして印象的な観察を披露します。
ウイはさらに、「新郎がやけに目立つ式をする夫婦」は高確率で後々問題が起きていると指摘します。モラハラや浮気など、新郎主役の派手な式には後から問題が出やすい傾向を感じているといいます。名古屋では特にそうした式が多かったとも語りました。
ただし2人は「結婚式をしない人がうまくいく」という単純な話ではないと念を押します。あくまで「式をやる・やらない」の価値観が夫婦間で一致していることが重要だという仮説です。すり合わせがされないまま不満が放置されると、溝が大きくなりやすいというのが結論でした。
2人が好きなエンタメの傾向とは?
主人公または善人側の人間が、敵対する相手(悪人)と関わるうちに人間的に惹かれてしまう展開が好きです。皆さんは自分の好きなエンタメに傾向・共通点はありますか?
まずウイが自身の傾向を語ります。守備範囲は非常に広いものの、特に惹かれるのはノンフィクションやドキュメンタリー。「事実は小説より奇なり」という瞬間にグッとくるといいます。フィクションではヒューマンドラマが好みで、「おじさんヒューマンドラマ・ノンフィクションベース」が役満だと表現します。
恋愛より友情の方が好きです。結婚相談所の所長をやっていて、リアルな恋愛に触れているから、フィクションの恋愛には少し斜に構えてしまうんですよね。
一方エビヤは「脚本・構成のしっかりしたもの」が好みだと語ります。空気感を楽しむようなカンヌ映画祭系の作品は苦手で、面白い理由がきちんと設計されている作品に惹かれるといいます。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を「本当に綺麗な脚本」と評価します。
ウイが「熱量は高いけど脚本は合ってなさそう」と例に挙げた『RRR』についても、エビヤは即座に反論します。ドラマ3シーズン分を1本に詰め込んだような構成で、対比・反復・回収が緻密に作られているからこそ盛り上がれるのだと解説しました。
『マッドマックス』についても、行って帰ってくる物語の構成、説明ゼリフのないアクションによる人物描写など、構造がしっかりしているから面白いと分析します。エビヤいわく「自分が好きと言う作品はすべて構造から解説できる」とのことでした。
ストックホルム症候群的作品ベスト3
お便りにあった「加害者と過ごすうちに被害者が惹かれる展開」に応え、ウイがベスト3を紹介します。
第3位『流浪の月』は、2020年に本屋大賞を受賞した凪良ゆうの小説です。松坂桃李・広瀬すず・横浜流星の出演、李相日監督で映画化もされました。誘拐事件の加害者と被害者が15年後に再会し、被害者だった女性が彼氏も仕事も捨てて加害者の隣に住むという物語です。ウイいわく、原作ではストックホルム症候群について明確な答えが出ているのに対し、映画は観客に委ねる描き方をしている点が上手だといいます。
第2位『バッファロー'66』は、ミュージシャンでもあるヴィンセント・ギャロが脚本・監督・主演を務めた映画。刑務所を出た男ビリーが、両親に嘘をつくためにダンス教室でレイラ(クリスティーナ・リッチ)を拉致し、妻役として実家に連れて行きます。傲慢な一面を持つビリーがレイラにはおどおどする姿や、ギャロのスタイリッシュな仕草が当時の若者に衝撃を与えたといいます。ウイは、お笑い芸人の永野がYouTubeで熱く語る動画を見て、改めて好きになったと語りました。
第1位『暗いところで待ち合わせ』は、ホラー作家・乙一の小説です。駅のホームの殺人現場から逃げた男・アキヒロが、視覚障害者の女性・ミチルの家に潜伏する物語。目が見えないことを利用して息を潜めますが、ミチルに気づかれ、やがてピンチのアキヒロが思わず彼女を助けてしまいます。ミチルが「ありがとう」と口にしたことをきっかけに、2人は普通に暮らし始めるのです。
加害者と被害者の感情が一緒に過ごすうちに変化していく様子の描写がものすごく上手なんです。普段ホラーを書いているとは思えないぐらいの心情の揺れです。
ウイはこの3作品を、お便りの窓より通路側さんに向けたおすすめとして紹介しました。いずれも「加害者側と被害者側の感情の変化」というテーマを核に持つ作品です。
まとめ
今回は結婚の価値観仮説とエンタメ談義という、雑談番組らしい振れ幅のある回でした。結婚をめぐる「フルパッケージ勢」と「スキップ勢」の話は、どちらが正しいかではなく、夫婦間で価値観が一致しているかが大切だという結論に落ち着きました。2人は「式を挙げなかった女性の理由をぜひお便りで聞きたい」と募集しています。エンタメの傾向では、ウイの「ノンフィクション・ヒューマンドラマ」志向と、エビヤの「構成・脚本重視」志向という対照的な好みが浮き彫りになりました。
- 結婚には「プロポーズ・婚約指輪・結婚式」を全部やるフルパッケージ勢と、飛ばすスキップ勢がいる
- 大切なのはどちらかではなく、夫婦間で価値観が一致していること
- エビヤ夫婦は実益重視で結婚指輪の刻印にお互いの電話番号を入れた
- ウイは「式を挙げない人は離婚しない」「新郎が目立つ式は問題が起きやすい」と観察
- ウイはノンフィクション・ヒューマンドラマ好き、エビヤは脚本・構成重視の傾向
- ストックホルム症候群的作品ベスト3は『暗いところで待ち合わせ』『バッファロー'66』『流浪の月』
