
情報のまなぶば第2話のテーマは「SNSとの向き合い方」。ただし今回は、答えを出しにいく回ではなく、まず“土俵”をそろえる回です。
夏休み前になると、学校では「SNSの使い方に気をつけましょう」という言葉が飛び交います。でも、その「SNS」って、いったいどこからどこまでを指しているのか。実は、利用実態調査を行う会社によっても、どのサービスをSNSに含めるかはバラバラなのだそう。たとえばLINEは、SNSに含める調査もあれば、含めない調査もある。含めるかどうかで、「若者のSNS利用率」の数字そのものが変わってきます。
象徴的だったのが、安藤さんが授業前のアンケートで「使っているSNSはどれ?」という選択肢にLINEを入れなかったときの話。すると何人かの高校生が、「その他」の欄にわざわざLINEと書いてきたそうです。その子たちにとって、LINEはまぎれもなくSNSだった。専門家の間でさえ定義が揃っていないなら、大人と子ども、いや隣の席の人とでさえ、違うものを思い浮かべたまま話している可能性があります。
もうひとつ話題になったのが、大人が想像する「SNS」と、子どもの実際の使い方のズレ。アンケートの聞き方を「アカウントを持っているのはどれ?」「週に1回以上投稿するのはどれ?」に分けてみると、アカウントはたくさん持っているのに、投稿している子はとても少ない。多くは“見る専門”でした。学校の指導は炎上=投稿の心配が中心になりがちですが、実態はその手前にあるのかもしれません。
とはいえ、投稿の怖さが消えるわけでもありません。10年前の炎上の跡が、いまだにネット上に残っている——いわゆるデジタルタトゥーの話も出ました。当時の高校生も、10年経てば20代、30代。やがて自分の子どもが「これお父さん?」「これお母さん?」と、親の黒歴史を見つけてしまうかもしれない。そう考えると、少し背筋が伸びます。
後半は、よくセットで出てくる「フィルターバブル」と「エコーチェンバー」。猫の動画を見たら猫ばかり流れてくる、猫好きをフォローしたら猫の困った話は流れてこない——という身近な例から、なぜそういう仕組みになっているのか(滞在時間と広告というビジネスの背景)まで話しました。おもしろいのは、この2つ、言葉を知らない子どもたちのほうが「そうだよね」と体感していて、親世代のほうが実感が薄いということ。
「危ない」「よくない」と言う前に、まずどういう仕組みなのかを大人も子どもも一緒に知ってみる。今日はそこまでで、ちょうどよさそうです。
次回は「子どものSNS利用規制、どう考える?」。世界ではすでに年齢で線を引いた国もあります。その動きと論点を並べるところから話していきます。
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⏱ チャプター
00:00 オープニング
00:47 「SNSの使い方に気をつけましょう」の“SNS”って何?
02:05 調査する会社によって、SNSの定義が違う
03:43 LINEはSNSに入る?入らない?
04:37 安藤さんの中でのSNSの定義
07:10 同じ世代でも、隣の人とも、ズレている
07:58 アンケートの「その他」にLINEと書いた高校生
10:08 そもそもカタカナ・アルファベットが分かりにくい
11:28 投稿する子より、“見てるだけ”の子のほうが多い
12:50 炎上のイメージと、実際の利用実態のギャップ
14:16 10年前の炎上が、まだ残っている(デジタルタトゥー)
15:20 子どもが親の黒歴史を見つけたら
18:07 フィルターバブルって何?(猫の動画の話)
19:15 エコーチェンバーって何?(猫好きをフォローすると)
20:54 便利でもある。でも、依存の入り口にも
22:50 なぜこの仕組みなのか=滞在時間と広告
24:33 これ、オフラインでも起きていること
25:34 「使い方」を考える前に、「仕組み」を知る
26:04 子どもは体感していて、親世代のほうが実感が薄い
28:55 大人も子どもも一緒に考える/ファミコンとの違い
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安藤未希(メディア情報リテラシー/株式会社インフォハント代表) https://infohunt.co.jp/
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