新卒0号・西谷崇毅とは何者か
今回のゲストは、newmoの新卒0号として入社した西谷崇毅(takaki)さんです。
普段は沖縄・那覇に住み、沖縄の事業にコミットしています。この日は東京の家からの参加でした。
社内では苗字ではなく「タカキ」で通っているそうです。りっちゃさんからは、いつもどこにいるかわからないイメージがあると言われていました。
最近どこにいるの?って(聞かれて)、大阪、沖縄って言われて、神奈川とかって言われるんですけど、大体当たらないんです。
新卒で入社してからちょうど2年になったタイミングでの収録でした。
コンサル内定からnewmoへ。7月入社になった理由
takakiさんは大学院を3月に卒業した後、元々は戦略コンサルに入社する予定でした。
卒業からコンサル入社までのバッファの間、5月と6月にnewmoでインターンをし、紆余曲折あって7月に入社したそうです。
コンサルの入社月は4月から8〜9月まで、1ヶ月ごとに選べる仕組みだったといいます。第一希望は4月でしたが、考えを変えて一番遅い月を選びました。
いっそのこと微妙なラグがあるんだったら一番最後にしようと思って、一番遅いのを選んだら一番遅い方になったっていう。
結果的に、その空いた期間がnewmoとの出会いにつながったことになります。
M&AからPMIまで駆け抜けた入社後の日々
大学院では都市計画や都市の交通に関する研究室にいたため、元々newmoのモビリティ事業に興味があったといいます。
ただ入社後は、いきなりモビリティの現場ではなく、まずM&Aの業務に携わることになりました。
最初は未来都(みらいと)という、newmoにとってメモリアルなM&Aに関わり、そこから徐々にPMIや現場に入っていきました。
その後は半年ごとにテーマが変わっていきました。次のM&A検討チームに入り、大阪だけでなく沖縄など複数の案件が出てきた中で、一つの案件のリードを担当した時期もあったといいます。
一社目の未来都を見てたとはいえ、大学でそういったビジネスだとかM&Aの勉強をしてきたわけでもなかったので、いきなり「じゃあ次はお願い」って言われて。
M&Aチームの上司のもとで、デューデリジェンスの会議体設定や専門家へのインタビュー、資料の精査などを自ら進めたそうです。
ライドシェアの波と、タクシーチームへの異動
その後、一瞬ライドシェアチームのサポートに入った時期もありました。
ただすぐにPMIへ戻り、三社目となる堺相互タクシーのM&Aのタイミングで、再び大阪へ向かいます。ちょうど入社から1年ほど経った頃でした。
大阪の南側にある中百舌鳥の営業所に3ヶ月ほど現場に入り込み、PMIを推進しました。
その後は東京に戻り、FP&Aチームの増強に合わせて、タクシー側のFP&A担当としても入りました。
現場でPMIをやる「虫の目」から、事業計画やPLを見る引いた視点へ。その往復を繰り返しながら、今の沖縄にたどり着いたといいます。
今は沖縄。新規タクシー事業「ゆいかじ交通」の立ち上げ
newmoが沖縄で事業をやっていることは、まだあまり知られていないかもしれません。開業してから2〜3ヶ月ほどのタイミングでした。
沖縄では「ゆいかじ交通」という名前で事業を展開しています。他エリアがM&Aによるロールアップ戦略なのに対し、沖縄は新規でタクシー会社を設立できる点が特徴です。
営業所の車両は30台ほどからスタートし、かなりのペースで増車しているといいます。乗務員も毎月15〜20名ほど入っているそうです。
takakiさんが沖縄に本格的に携わり始めたのは去年の9月頃、メイン拠点を沖縄に移したのは去年の年末にかけてでした。
当時はゆいかじ交通代表の松本(りょうまつ)さんが一人でやっていたところに合流し、タクシーの許認可の申請を担当しました。
大阪でナレッジ溜まってたからできるでしょみたいな感じになり、(許認可の書類を)一ヶ月で急いで仕上げて提出をして。
去年12月頃からは現地でチームを作り、採用も始めました。りょうまつさんとは一時期シェアハウスもしていたそうです。
ブルーのシエンタと、ゼロから作る面白さ
ゆいかじ交通の車両は、青色一色のブルーのシエンタです。沖縄のタクシー会社はどこもカラフルな中で、青一色は目を引くといいます。
このカラーには裏話がありました。りょうまつさんがいろんなシエンタの車両カラーを見て、これが一番いい色だと選んだのがブルーだったそうです。
(りょうまつさんが)これがいいって、これが一番なんかいい色だって言って選んだのがあのブルーで。むしろそこからコーポレートカラーを決めたっていう話があって。
オフィスもそのカラーをテーマにデザインされているといいます。M&Aで会社を迎えるのとは違う、ゼロから作るからこその一体感が感じられます。
かなりやっぱゼロから作るのと、M&Aしてくるのと、全然やっぱ違うタクシー会社ができるんだなっていうのは(思います)。
車が街を走り始めてから、会社の存在感は大きく変わったといいます。メディア露出も増え、実体のなかった会社が形になっていきました。
車両・乗務員・土地。3つを噛み合わせる難しさ
takakiさんは今、沖縄の2〜3拠点目に向けた不動産の開拓も担当しています。タクシー事業がこれほど不動産に時間を使うことは、あまり知られていないかもしれません。
なぜ不動産が重要なのか。takakiさんはタクシー事業を「3つのアセット」で捉えていると話します。
乗務員
タクシーに乗る人。毎月15〜20名ほど採用している
車両
乗務員が乗る車。かなりのペースで増車している
土地・営業所
車を置く場所と建物。増車と採用に土地の確保が追いつかない
この3つがいい塩梅で右肩上がりになると噛み合いますが、車両や乗務員が増えると土地が足りなくなります。
一方で、不動産や車両リースのコストは固定費です。乗務員が増えないうちに増やしすぎても負担になるため、そのバランスが難しいといいます。
航空写真とにらめっこ。営業所の場所をどう決めるか
不動産探しの基本は、不動産の仲介会社とのネットワークだといいます。ただ、それだけでなく「足で稼ぐ」やり方も併用しています。
航空写真やGoogleマップのストリートビューを見て、使われていなさそうな土地を探すこともあるそうです。
その地図を見て考えないと、そもそもタクシーができそうな土地があるのかないのかとか、車のアクセス性とか立地の観点、需要があるかとかっていうこともあるので。
ある程度エリアを決めたうえで、地域の不動産会社や金融機関など、土地の情報を持つ人とのネットワークで探していくのが王道だといいます。
ただ、沖縄ならではの難しさもあります。土地が限られていることに加え、newmoが「内地から来た会社」という認知があることも壁になります。
地主さんとかが外の企業に貸すのとか、売るのは控えたいっていうケースもあったり。県内企業の中に情報が先回ってしまって、いい土地があってもアクセスできないってこととか、いろんなハードルがあるなと思ってまして。
タクシー会社が形になり、認知が広がるにつれて、少しずつリレーションができてやりやすくなってきた感覚があるそうです。やりとりは電話が中心で、資料送付にはLINEが手っ取り早いという業界慣習も面白がっていました。
新しい仕事が次々降ってくる。やばくならないのか
入社2年でPMI、M&A検討、FP&A、不動産開拓と、タクシー事業立ち上げと経営に関わるほぼ全てを経験しています。新しい球が降ってくるたびに、やばいとは思わないのでしょうか。
新しい未知の業務を投げられて、どうやって取り組んでいるのですか。
やばいなとは毎回なるんですけど、やっぱり徐々に「あれもやばそうだったけどできたな」みたいなのが芯にはつながってる部分があって、ステップアップにはなってると思うんです。
社内に正解がないからこそ、ベストを尽くせばそれが正解になる、という感覚もあると話します。
一方でFP&Aのような業務にはメンターがいたため、まずは食らいつき、真似をしたそうです。
他の人がやってることをとにかくそのままトレースするというか、真似するみたいなところで、できるだけ最短でキャッチアップしつつ、PDCを回すみたいな感じでやってます。
真似の仕方は細かい業務よりスタンス寄りだといいます。その人の話し方や所作から真似し、後ろについていく「カバン持ち」的な入り方をするそうです。
さらに、社内の資料やSlackチャンネルはほぼ全部目を通すといいます。まず量で吸収してから考えるスタンスです。
自分がやったことない領域で、ハイレベルなクオリティで仕事ができる方がたくさんいる中なので、まずは量でしか解決ができないと思ってて。質は後からカバーするっていうイメージでやってます。
戦闘力の高い先輩だらけ。メンタルは折れないのか
newmoでは、社長経験のある人など、いわゆる戦闘力の高い先輩たちと働いています。同期もほぼいない環境で、嫌になったりメンタルが折れたりしないのでしょうか。
自分よりできる人しかいない環境なので、まず折れることは逆になかったです。皆さんここからスタートしてるから、どれだけ追いつけるかみたいな感じなので。
スタート地点が違うと最初から捉えているため、同僚と比較して落ち込むことはなかったといいます。
りっちゃさんからは、業務量が多いのに抱え込んで潰れず、いつも安定して落ち着いて見えると評されていました。
勝手がわからず怒られた、現場のリアル
一方で、追い込まれたのとは違う「悩む」場面は日々あるといいます。進め方がわからないけれど進めなければいけない状況です。
一番最初にそれを強く感じたのは、未来都のPMIに入ったタイミングでした。
現場からは「この業務どうしたらいいのか」という細かい相談が次々に来ます。会社としての大きな絵は語れても、現場が求める一つひとつの答えを、takakiさん自身もまだ持っていませんでした。
社会人としての基本的なコミュニケーションも十分に理解しないまま放り込まれた中で、社外の人にひどく怒られた経験もあったといいます。
社外の方にすごい怒られた経験とかもありますし。もう怒鳴られるレベルで、ちょっとこっち来いみたいな感じになったこともあります。
相談できる相手は限られ、自分で解決すべき領域も多くありました。現場に入ることの大変さを痛感した時期だったといいます。
辞めたいとは思わない。期待値を上げすぎない構え
新卒で入社して「思っていたのと違う」と辞めたくならなかったのか。takakiさんの答えは、そもそも期待値を高く設定していなかった、というものでした。
思ってたのと違うというよりは、どうなるかわかんないって最初から思ってはいたので。「まあこうなったか」っていう、その時々にこっちに倒れたなってのはありましたけど。
入社したのは会社ができて半年ほどのタイミングで、明確な入社後のイメージ自体が存在しませんでした。だからこそ、どうなっても面白がれたといいます。
夢を見て入ったというより、一緒に働く人を基準に選んだ。その姿勢が、変化の激しい環境で折れない構えにつながっているように感じられます。
移動こそが面白い。物理的に動くことの価値
大学の友人には、大手鉄道会社や国交省、官僚、コンサル、金融、スタートアップなどさまざまな進路の人がいるといいます。都市計画を学んだ研究室ならではの顔ぶれです。
そうした友人と比べたとき、自分の経験をどう消化しているのか。takakiさんはまず「これだけ移動するのはいいことだ」と話します。
3ヶ月ほどで担当テーマが変わり続け、沖縄の半年が最長だといいます。ただ本人はジョブローテとは少し違うと捉えていました。前の業務をやりながら次が積み重なり、経験がつながっているからです。
固定ホワイトカラーの業務って別にAIでできることいっぱいあるので、現場に入るとか、地域をまたいで移動して一次情報を取りに行って、それを元に事業が回っていくのを見るっていうのは、自分の中ではいいことだと思って消化してます。
運転しながらChatGPTと会話する"移動ハック"
沖縄は基本的に車移動で、仕事中の運転時間が長くなります。takakiさんはその時間を活用していました。
マップを開きつつ、裏でChatGPTの音声を入れておき、運転しながらAIと会話して仕事の相談をするそうです。今見た物件はどうか、といった話をその場で投げます。
外で面談してきて、「いやなんか見積もり出てきたんだけど、これってどう?」みたいな話とかを、まあチャットでやるみたいな。音声入力だと今結構GPTを使ってやったりしてますね。
この習慣はプライベートにも及びます。ゴールデンウィークにヨーロッパ旅行へ行った際も、ずっとAIと会話していたそうです。
旅行のアクティビティが変わるなと思って。美術館とか行っても何もわかんないけど、とりあえず送ったら「これはなんとかの絵で」みたいな教えてくれるから、そういうアップデートされてるのはプライベートでも感じてます。
りっちゃさんも中国旅行でAIと会話しながら回った経験を語り、フィールドワークのように街の成り立ちを知る面白さに共感していました。
空き時間に何か回してないと損。学びへの飢え
takakiさんは、空いた時間に裏で何かを回していないと損した気持ちになるといいます。りっちゃさんは「筋トレで筋肉痛じゃないと損した気持ちになるみたい」と例えました。
最近特に感じているのは、自分のあらゆる情報を記録できていないことへのもどかしさだといいます。
自分の過去の、この生まれてからの人生の経験とか考えたこととか、何も残ってないのが、これからの時代はもうそれが資産じゃないですか。それがないなっていうことに今危機感を覚えてます。
蓄積があれば行動の改善にもつながり、未来の予測もしやすくなる。同世代でスタートアップに勤める人とも、最近こうした話になるそうです。
りっちゃさんは、牧歌的だった頃のSNSに残した15年以上前の投稿を見返す例を挙げ、現代ならもっと細かく日記のように残せるはずだと応じていました。takakiさんは、それが資産になるだろうと考えています。
総合力から一点突破へ。これからやりたいこと
2年で濃い経験を積んだtakakiさん。これからnewmoで、あるいはnewmoに限らず何をやっていきたいのでしょうか。
この28歳のtakakiは今後何をやっていくのですか。
何でもやれるし、何でもできますっていうのが結構これまでの自分のセールスポイントだったんですけど、それだけじゃなくて、自分の得意領域で一点突破するみたいなこともやっぱり必要だなと思っていて。
これは、圧倒的な突破力や深い思考を持つ社内の先輩たちを見て感じたことだといいます。自分の強みは何かを、今まさに考えている段階でした。
何でもやれる・何でもできるという総合力がセールスポイント
得意領域を見つけ、そこで一点突破する強みを持ちたい
不動産開拓のような事業開発の経験を応用し、次のテーマに向かえたらいい。今はそう考えていると話しました。りっちゃさんは「一年後に聞いたら全然違うことをやってそう」と笑っていました。
takakiにとって、newmoとはどんな場所か
最後に、AI(Claude)が用意した台本の締めの問いとして「newmoはどんな場所か」を尋ねました。
刺激が絶えない場所ですね。もう自分は人生振り返ってみても、この二年間ほど刺激が強い日々はなかったと思うので。
政治的な環境や事業環境がころころ変わる一方で、目指すゴールは変わらない。個が強いメンバーそれぞれが山の登り方を考え、最短経路をみんなで目指す環境だといいます。
振り返りを通じて、キャッチアップのスピードがAIの恩恵で短縮され、爆速で成長できる環境だとtakakiさんはまとめました。それを面白がれる人が、newmoに向いているのかもしれません。
まとめ
戦略コンサル内定からnewmo新卒0号へ。M&AやPMI、FP&A、沖縄でのタクシー会社立ち上げまで、takakiさんは2年で事業立ち上げのほぼ全てを駆け抜けてきました。期待値を上げすぎず、量で吸収し、移動時間さえAIと会話して活かす。変化の激しい創業期スタートアップで折れずに走り続ける、その構え方が見えてきた回でした。
- 新卒0号として7月入社し、半年〜3ヶ月ごとにM&A、PMI、FP&A、不動産開拓とテーマが変わり続けてきた
- 沖縄「ゆいかじ交通」は準特定地域の解除を背景に、newmoでは珍しく新規設立したタクシー会社
- タクシー事業は乗務員・車両・土地の3つのアセットのバランスが鍵で、不動産開拓が事業成長を左右する
- 期待値を上げすぎず、先輩を真似て量で吸収する姿勢が、戦闘力の高い環境で折れない構えにつながっている
- 運転や移動の合間にChatGPTと会話する"移動ハック"など、AIを日常的に活用して成長速度を上げている

