新入社員への「AI禁止令」はなぜ話題になった?
今回の速報回で最初に取り上げられたのは、ある会社が4月入社の新人エンジニアに対して、業務でAIを使うことを一旦禁止したというニュースです。このニュースの切り抜きがSNSで拡散され、賛否を呼んでいるとしぶちょーさんは紹介します。
禁止の理由は、新入社員がAIに作業を丸投げしてしまい、制作過程を理解しないまま自分で修正できない状態に陥ったことだといいます。上司が「なぜこう書いたのか」と聞いても、「AIがそうしたから」としか答えられないやりとりが生まれていたそうです。
これ(このコード)こうなってるけど、なんでこうやって書いたの?って言うと、いやあのAIがこうしたんで、みたいなやりとりしかできない。
SNSでは「時代錯誤だ」という意見と「わかる」という意見が分かれています。かねりんさんが「一見時代錯誤に見えるが、一理あるのか」と尋ねると、しぶちょーさんは即答しました。
一見して時代錯誤じゃねえのって思うけども、一理あんの?
いや、もう百理ぐらいあるんじゃない?
しぶちょーさんによれば、この禁止令は「使い方を教える」というより「そもそもプログラミングを勉強してほしい」という趣旨です。業務で使う言語の意味くらいは理解しておかないと、素人のバイブコーダー ── AIに雰囲気で指示を出し、コードの中身を理解しないままプログラムを作る人を指す言葉。「バイブコーディング」は2025年に広まった表現ですと変わらなくなってしまう、とかねりんさんも受け止めています。
新卒1年目の知識について、しぶちょーさんは「基本的には何もわからない」と話します。大学の研究やロボコンの経験がある人はいても、実務の知識とは別物なので、本来はOJTで働きながら学んでいくものです。そこにAIが答えを出してくれる環境が加わると、身にならない人が出てくるのではないかという予想が、実社会で現実になっているといいます。
「作ってから逆引きで学ぶ」はAI時代の学び方?
しぶちょーさんは、基礎をしっかりやるべきだという考えに7割ほど賛成しつつ、残りの部分ではこれまでのやり方をガラッと変える学び方があってもいいのではないかと提案します。
しぶちょーさんの見立てでは、AIはあくまで補佐です。ただ、AIは莫大な量の成果物を出せるので、出てきたものに対して「これはどういう意味なのか」と後から調べていくスキルのほうが大事になるのではないか、と話します。
もう作っちゃったものに対して後追いで意味を追っていきながら、キャッチアップしていくみたいなね、技術を。
逆引きの辞書みたいなもんや。
しぶちょーさんは、禁止するよりも「作ってから、後で説明できるようにキャッチアップしていく」ほうが合理的だと考えています。ただし入社初日にいきなりやれと言われてもできないので、学び方を体系立ててルール化する必要があるといいます。
具体的には、いきなり大きな仕組みを作ろうとせず、作るものの枠を先に決め、一部の機能だけをAIと一緒に作り、できたものを後から追っていく形です。かねりんさんが「メソッドを確立して広めないといけない」と応じると、しぶちょーさんも同意しました。
従来の学び方と、しぶちょーさんが提案する逆引きの学び方は、次のように対比できます。
AIを使わずに言語の意味や基礎を学び、理解したうえでアウトプットを出す。禁止令の考え方に近い
枠を決めてAIと一部の機能を作り、できたものの意味を後から調べて説明できるようにする
手打ちでコードを書くエンジニアはもともといない?
かねりんさんが「逆引きで学んだ人は、一から手打ちでコードを書けないかもしれない」と指摘すると、しぶちょーさんは、昔からいるエンジニアも手打ちでは書けないと思うと返します。
ネット上のコードをコピペして持ってきて、動く動かないってやって、動かねえなと思ったらエラーを読みながら直していくみたいな。
しぶちょーさんによれば、1行ずつフルスクラッチで書く人は、生成AIの登場前からほとんどいません。部品をレゴのように持ってきてくっつけ、接合部分だけを頑張って直すのが基本のやり方だといいます。
そのため、生成AIだけが基礎的な理解を奪っているわけではない、というのがしぶちょーさんの見方です。AIを理由に禁止するなら、同じ理屈でコピペ禁止やインターネット検索禁止にもなってしまうと話します。
しぶちょーさんは、昔の自己啓発本で「インターネットを禁止して、本で調べる癖をつけましょう」という主張を見たことがあると振り返ります。新しいツールが出るたびに、まず禁止しようと言う人は必ずいるというわけです。
インターネットの登場
「ネット検索は禁止して、本で調べよう」という主張が出る
コピペ文化の定着
コードを部品として持ってきて組み合わせる開発が当たり前になる
生成AIの登場
「新人にAIは禁止」という方針が出て、賛否を呼ぶ
かねりんさんも、子どもの頃にホームページビルダー ── コードを書かずに、画面上でパーツを配置してWebページを作れるソフトウェア。2000年前後に個人サイト作りで広く使われましたでサイトを作り、後からコードを見て「この部分がこれなのか」と逆流で学んだ経験を語ります。しぶちょーさんは、今回の話はそのAI版で、しかも爆速で高度なことができるようになったと応じました。
一方でしぶちょーさんは、禁止する理由自体はわかると強調します。「日本のJTCはこれだから」「AIを禁止して生産性が落ちる」と過剰に騒ぐのはよくない、という立場です。
守破離って言うじゃん。もう守る最初は。
しぶちょーさんは、武道の守破離のように、企業の中でやるならまず型を守るところから始まるのは自然だと話します。そのうえで、AIを積極的に使う企業から新しい学び方が出てきて定着するとよい、という期待で話題を締めました。
AIツールを3つ以上並行すると脳が疲れる?
続いてしぶちょーさんが関連話題として紹介したのは、AIツールを3つ以上並行して使うと脳の疲労を引き起こし、生産性が低下する可能性がある、というBusiness Insiderの記事です。しぶちょーさんは元の論文は読んでいないため、噂レベルの話として聞いてほしいと前置きしています。
思い当たりすぎない、僕ら。
しぶちょーさん自身、エージェントが動いていないと不安になるといいます。話している裏でもAIに仕事をさせないと生産性が下がる、という強迫観念があるそうです。
今こっちでディープリサーチかけてて、Replitがこのコード書いてくれてて、Claude Codeがこれやってくれてるみたいなさ。
それぞれのツールから「終わりました」と通知が来るたびに次の指示を考えるため、人間側がマルチタスクになり、タスクの切り替えに大きな負荷がかかるといいます。記事にも「頭の中が散らかったように感じる」「肉体的な疲れではなく、考えが押し込まれているような感じ」という趣旨の体験が書かれていると紹介されました。
かねりんさんが「部下に指示を出す上司と何が違うのか」と尋ねると、しぶちょーさんは違いはスピードだと答えます。人間の部下なら1〜2日かかる調査レポートが、ディープリサーチなら10〜20分で返ってくるので、次のアクションを決める頻度が一気に上がるというわけです。
部下に調査を頼むと1〜2日かかり、次の指示までに時間がある
複数のAIが10〜20分で結果を返し、次の指示を考える作業が絶え間なく続く
しぶちょーさんは、生産性の高いアウトプットは出ても「人間が楽になっていない」のが悲しいと話します。通常のクリエイティブな業務の脇で1つのAIを走らせるくらいならよく、3つ以上が危ない、という受け止めです。
それでも複数使ってしまうのは、サブスクリプションのせいだといいます。Claude系は5時間で利用枠がリセットされるため、枠ギリギリまで使わないと損をしている気がするとしぶちょーさんは明かし、かねりんさんもManasの年間契約やClaudeの再契約をしたと笑います。
補助脳やコールドスリープはどこまでSFか?
脳の疲労への解決策として、しぶちょーさんは、AIに指示を出すための補助的な脳を後付けする未来を妄想します。指示を言葉で出すのは無駄なので、脳から直接電気信号で補助脳に送り、そこから他のAIエージェントに指示を出す、というイメージです。
かねりんさんがイーロン・マスクのニューラリンク ── イーロン・マスクが共同創業した企業で、脳にチップを埋め込み、コンピューターと直接やりとりする技術を開発しています。臨床試験も行われていますを挙げると、しぶちょーさんは「治験に参加したい」と前のめりです。
チップでも何でも埋め込んでほしいもん、脳に。
かねりんさんは脳へのチップは怖いとしつつ、自分はコールドスリープをやりたいと話し、1000年後に目覚めて未来を見たいといいます。しぶちょーさんは、富豪がコールドスリープできる施設があるという話を聞いたとしながらも、「月の権利書ぐらいの話」だと思っていたと返しました。
冷凍する年齢の話にも広がり、若いうちに眠るべきだというかねりんさんに対し、しぶちょーさんは1000年後なら若返りもあるかもしれないので、年を取ってから入るほうが期待値が高いと主張します。かねりんさんが「50歳ぐらいがちょうどいい」と折衷案を出し、雑談は盛り上がりました。
AIツールに踊らされていない?
脳疲労の話の締めとして、しぶちょーさんはSNSで「Claude Codeで生産性向上」という声が多いのに、向上した結果として何を作ったのかが見えないと話します。
目的は使うことじゃねえから。
「何を作ったか見せてください」と言うのはいやらしいので嫌われる、と笑いつつも、しぶちょーさんは「あまりツールに踊らされないほうがいい」とまとめました。
話はかねりんさんのSNS断ちにも及びます。しぶちょーさんは、かねりんさんがSNSでAIニュースに驚かされていないため、リスナーの驚きを代弁しきれていない時がある、と冗談まじりに指摘しました。
リスナーの代弁が微妙にできてない時あるっていう。
しぶちょーさんは、SNSから距離を置けているのは人間として一番理想的な状態だとも認めています。かねりんさんは「ちょっとXを見ようかな」と応じました。
無料の「バイブコーディング検定」とは何か
次のニュースは、一般社団法人日本AIスキル認定協会が、日本初をうたう「バイブコーディング検定」の提供を3月18日に始めたというものです。受験料は無料です。
かねりんさんは、以前の番組のAI資格回で話した「まず運営団体を調べる」というポイントを持ち出します。しぶちょーさんが調べた結果は、率直なものでした。
よくわかんない団体です。
よくわかんなかったです。別に悪いとは言ってない。
しぶちょーさんによれば、この協会はAIスキル検定、AIエージェント活用検定、生成AI導入実務者検定、バイブコーディング検定など無料の検定を複数出しており、4月、5月にも新しい検定が始まる予定です。合格すると合格を示すPDFがもらえるそうです。
しぶちょーさんは、ぱっと見た印象として法人向けの研修を売りたい雰囲気を感じるとしつつ、問題の質は受けていないのでわからないといいます。無料なので、力試しをしたい人は受けてもいいかもしれない、という温度感です。
新しいAI資格の信頼性はどう見極める?
しぶちょーさんがこの話で伝えたかったのは、特定の協会の良し悪しではなく、今後も増えるAI系の検定をどうチェックするかです。紹介された手順は具体的でした。
かねりんさんが理事の顔写真を見て「AIっぽい」と言うと、しぶちょーさんも「全てがAIっぽく見えちゃう」と苦笑します。そのうえでかねりんさんは、どんな資格が出てきても、まずはG検定を取るのがよいという結論は変わらないと確認しました。
しぶちょーさんも、信頼できるのは昔からやっている団体だと同意します。G検定 ── 日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AI・ディープラーニングの基礎知識を問う検定。ジェネラリスト向けの位置づけですと生成AIパスポートの2つを挙げつつ、生成AIパスポートは簡単なので、G検定を受けるのがおすすめだと話しました。番組ではG検定の集団受験も控えています。
Anthropic公式のClaude認定試験は誰向け?
検定つながりで紹介されたのが、AnthropicによるClaudeの認定試験「Claude Certified Architect, Foundations」のローンチです。AzureやAWSが出している認定試験と同じような位置づけだとしぶちょーさんは説明します。
出題範囲には、エージェント設定ファイルのclaude.md、MCP ── Model Context Protocolの略。AIが外部のツールやデータにつながるための共通規格で、Anthropicが提唱しましたサーバーの設計、マルチエージェントの設計などが含まれ、かなりエンジニア向けの内容だといいます。
試験はカメラで監視されながら受けるカンニング防止つきで、現時点ではAnthropicのパートナー登録をしている企業でないと受けられないそうです。しぶちょーさんは、今後一般にも展開されていくのではないかと見ています。
しぶちょーさんは、以前Azureの試験を自宅で受けようとした失敗談も語ります。試験用ソフトとの相性が合わず、手元まで映す広い画角のカメラが必要だと知らないまま慌てているうちに、受験できなかったそうです。
顔だけ映っててもさ、手になんか教科書とか持ってたらダメじゃん。
返金はされたものの、とても困ったといいます。面倒な場合はテストセンターで受けられる試験もある、という補足もありました。
無料のAnthropic Academyはなぜおすすめ?
認定試験に付随して、しぶちょーさんが「これいいよ」と勧めたのが、Anthropicが提供するeラーニング「Anthropic Academy」です。全コース無料で、Claudeの使い方を基本から学べます。
しぶちょーさんによれば、コースは13個ほどあり、修了すると修了証明も出ます。基本はYouTubeの英語動画ですが、日本語字幕をつければ日本人でも見られるそうです。
変にネットで情報を集めるより、まずこれやった方が多分いいんだろうなっていう感じがする。
非エンジニアでも大丈夫かというかねりんさんの質問には、応用編はエンジニアリング寄りになるものの、まず基本から進めればよいと答えています。空いた時間に少しずつ進めるのがおすすめだそうです。
JDLAイベントで松尾教授は何を語った?
続いては、しぶちょーさんが東京で参加したJDLA ── 日本ディープラーニング協会。ディープラーニングを中心としたAIの産業活用や人材育成を進める団体で、G検定やE資格を運営していますのイベント「JDLA CONNECT CDLE ALL HANDS」のレポートです。キャパシティ500人ほどの会場に700人ほどが集まり、ぎゅうぎゅうだったといいます。
しぶちょーさんは20分ほどのワークショップで登壇もしつつ、東京大学の松尾先生の基調講演とパネルディスカッション、フィジカルAIに関するディスカッションを聞いてきました。内容はネットには公開されていないそうです。
しぶちょーさんの総評は「すごく現実的な話だった」というものです。AIセミナーにありがちな「AIがこんな未来を作る」という話ではなく、日本をどうしていくかという堅実な内容だったといいます。
松尾先生によれば、今年は日本のAI活用方針が大きく変わりました。総理大臣が代わり、フィジカルAIという言葉を強く使ってAIを推進すると明言したことで、AI導入に本格的な予算がついたという話です。
ただし、お金を使う以上は、使った分以上の経済成長、具体的にはGDPの成長が求められる、とも語られたそうです。予算を使って成果が出なければ、次の予算もなくなってしまうというわけです。
AIでGDPは何%上がるのか
松尾先生や松尾研究室の試算では、AIをうまく導入できれば、GDP成長率は最大で1.2%ほど上がるといいます。しぶちょーさんは「うーん」と思う数字に見えても、これだけ上がるのはすごいことだそうだと紹介します。
しぶちょーさんが強調したのは、その1.2%に必要な導入の規模です。日本企業の80%が生成AIを導入し、コアを含むメインタスクの50〜60%をAIに代替させ、業務の20%以上を削減して、ようやく届く数字だといいます。
かねりんさんは「無駄なことばかりやっているし、20%ならいけそう」と感じたものの、しぶちょーさんは「5分の1は結構よ」と返します。さらにかねりんさんは、削減した分でまた別の作業を始め、結局生産性が変わらないこともあるのでは、と疑問を投げかけました。
しぶちょーさんによれば、松尾先生もまさにその点を踏まえ、日本の組織や風土を変えなければいけないと強く話していたそうです。
AI導入の壁は年功序列と「逃げ切り世代」?
組織や風土とは具体的に何か、とかねりんさんが尋ねると、しぶちょーさんは松尾先生が「えげつないこと」をたくさん言っていたと振り返ります。その1つが年功序列の否定で、もう1つが組織内の逃げ切り姿勢です。
あと5年、あと10年で俺の時代終わるから、何もなんか問題なく過ごせればいいっていう、そういう意思決定層がいて、いっぱい。
かねりんさんは、公務員時代に「何もなく終わりたい」と口癖のように言う人がいたと明かします。しぶちょーさんは、大きな企業にも同じ風潮が強いと話しました。
少子高齢化
40代・50代の社員が多く、責任を負う意思決定層にいる
逃げ切りの思想
あと10〜15年をトラブルなく過ごしたいと考える
変化の回避
生成AIを入れると何かあるかもしれないので、やらなくていいという風土になる
松尾先生は、ビジョンを語るようなふわふわした話も不要だと言い切ったそうです。20〜30年後の理想を描いて逆算するバックキャスティング ── 望ましい未来の姿を先に描き、そこから逆算して今やるべきことを決める計画の考え方。環境政策や経営計画でよく使われますもうまくいかないので、やめましょうと話していたといいます。
しぶちょーさんは、国の施策の会議に出ている人らしい、とても現実的な話だったと受け止めています。
日本の「コツコツ作り込む」強みはAIに通用する?
パネルディスカッションでは、日本の強みについても語られたそうです。しぶちょーさんの説明では、日本のものづくりはオリジナルが強いというより、海外の発想や技術を持ち込み、細部まで磨き込んで勝ってきたといいます。
海外のすごい蓄積した発想とか技術を日本に持ってきて、それを磨き込んで勝ち抜くみたいなパターンで、ものづくりって勝ってきたのずっと。
AIについても、楽観的に見れば基礎モデルは海外に依存しつつ、日本の真面目さでコツコツ積み上げることはできる、と言われているそうです。
ところが、日本のコツコツ感のスピードがAIのスピードに全然ついていけていないため、それでは多分無理だという話も出たといいます。真面目にコツコツやるという日本人的な風土も変えなければ追いつけない、という問題提起です。
海外の技術を持ち込み、壊れにくさや性能を他が追随できないほど作り込んで勝つ
基礎モデルは海外依存。作り込みの余地はあるが、コツコツのスピードがAIの進化に追いつかない
風土を変えるのは国の規制か、成功事例か
風土をどう変えるのかについて、講演では明確な打開策までは示されなかったそうです。1時間ほどの話の中で、しぶちょーさんなりにまとめた内容だといいます。
かねりんさんが国主導で変えるのかと尋ねると、しぶちょーさんは「国主導では変わらないと思う」と答えます。働き方改革でも、国にできるのは残業時間の規制のような数字の規制だけで、企業は付け焼き刃の対策をして終わってしまったからです。
しぶちょーさんが期待するのは、成功事例がどんどん発信されることです。DNAのように、AIを導入して失敗したことや問題があったことまで公に発信する企業が出てくれば、他社が真似しやすくなるといいます。
日本人って右へ倣えだからさ、やっぱそれはもうそういう文化だから。
だってさ、やらないことが責任になるから。あいつらがやってるのに、なんでお前やってないんだって言われるのが嫌だから。
しぶちょーさんは、この「みんなやっているのに、なぜうちはやらないのか」という圧力が、日本では大きな推進力になると見ています。そのため、ある意味で驚かせることは大事で、「あれはやばい」と焦らせる情報を上げることなら、現場の自分たちにもできるのではないかと話しました。
AIの補助金についても触れられ、しぶちょーさんは今後も出るだろうとしつつ、補助金をうまく吸うビジネスマンも多く、本当に必要な人に届かない課題があると語っています。
松尾教授との名刺交換とリスナーとの出会い
JDLAのイベントでしぶちょーさんが達成したことの1つが、松尾先生との初めての名刺交換です。ツーショット写真も撮り、おちつきAIラジオを紹介してきたといいます。
落ち着きAIという音で鼓膜揺らしたけど、脳に届いてはいないかもしれない。
しぶちょーさんがもっと嬉しかったのは、会場におちつきAIラジオのリスナーが多かったことです。「聴いてます」と12人以上に声をかけられ、去年の公開収録に来てくれた人だけでなく、初対面の人もいたそうです。
一方で「長い」とも言われたそうで、かねりんさんも「課題ですね」と応じました。ホームページについては、フロントエンドエンジニアのリスナーから修正点の指摘がDMで届いていたことも紹介されています。
「つきえのおちつきレポート」は何を教えてくれる?
最後に、しぶちょーさんが毎回やりたいという新コーナー「つきえのおちつきレポート」が始まりました。番組のツール「おちつきAI RAG」で検索された言葉と目安箱の投稿をもとに、マスコットキャラクターのつきえちゃんが週1回レポートを作る仕組みです。レポートはログインすればリスナーも見られます。
この1週間の実績は、RAGでの検索が32回、目安箱への投稿が9件でした。
検索ではGitHub、Git、Copilot、RAG、NotebookLM、著作権など実務寄りの言葉が多く、目安箱には画像生成、ClaudeとGeminiの使い分け、社内RAGの作り方などの相談が寄せられていたそうです。基本用語の確認や、無料で試せる範囲を知りたいというコスト面の関心も目立ち、最初の一歩のハードルが料金になっている人が多そうだとつきえちゃんは分析しています。
少しエッチな質問も届いていたそうで、しぶちょーさんは「俺じゃない」と否定します。つきえちゃんは「番組の空気に合わせつつ、笑いながら安全に着地する力が試されそう」と2人に助言していました。
レポートには次回トピックの提案もあり、「無料でここまでできるAI入門」「Gemini、Claude、Copilotなどの使い分け」「社内RAGと著作権のどこが危ないか」「GitHub、Git、RAGの用語を深掘りする回」などが挙がりました。
すごいすごい。回るね、これ。
しぶちょーさんは、リスナーがRAGで検索や投稿をするだけで、番組の次の話題づくりにつながると呼びかけます。また、RAGは現在一問一答の作りで、会話を引き継ぐと過去の文章をコンテキストとして毎回送るためAPIの使用量が大きくなることから、その機能を封印していると説明しました。今後はやりとりの回数を制限する形で実装したいそうです。
5月は東京と神戸の2週連続イベントへ
締めのお知らせとして、おちつきAIが2つのイベントに出ることが告知されました。1つはこの回が初出しとなるPODCAST WEEKENDで、もう1つは以前から告知しているPODCAST MIXERです。
PODCAST WEEKENDでは物販だけでなく、その場でビデオポッドキャストを収録する公開収録のような企画もやりたいと話しています。関東の人は東京、関西の人は神戸と、どちらか行きやすいほうに来てほしいと呼びかけました。
番組公式ハッシュタグは「#おちつきAI」で、SpotifyとApple Podcastでの星5レビューも募集しています。公式ホームページのお便りフォームにまだ1通も届いていないため、かねりんさんがフォームが壊れていないか確認することになりました。
まとめ
今回の速報回では、新入社員へのAI禁止令をきっかけに、禁止か自由かではなく「どう学ぶか」を考える視点が示されました。AIツールの使いすぎによる疲労、新しい資格の見極め方、松尾教授が語った日本のAI導入の壁まで、しぶちょーさんは一貫して「ツールに踊らされず、現実を見る」姿勢で話しています。
- 新人へのAI禁止令には理がある一方、しぶちょーさんは「作ってから逆引きで学ぶ」方法を体系化する道を提案している
- AIツールを3つ以上並行すると人間側がマルチタスクになり、生産性は上がっても人が楽になっていない可能性がある
- 新しいAI資格は、運営団体・所在地・理事を調べて確かめ、まずはG検定のような実績ある資格から取るのがおすすめとされた
- 松尾教授の試算では、企業の80%がAIで業務の20%以上を削減してようやくGDP成長率が最大1.2%上がるとされ、年功序列と逃げ切りの風土が壁として語られた
- 風土を変える鍵として、しぶちょーさんは国の規制より、失敗も含めた成功事例の発信を挙げている





