OpenClawとは何か?Mac mini爆売れと名前の変遷
今回の本題は、2026年1月末からAI界隈で大バズりした「OpenClaw」です。しぶちょーさんは、OpenClawを「ローカル環境で動く自律型のAIエージェント」と説明します。自分のパソコンの中に常駐し、常に動き続けてくれる点に大きなポテンシャルがあると注目されました。
しぶちょーさんは当初、番組内でOpenClawを「使うな」と話していました。現在は、安全な環境を用意したうえで実際に使っているといいます。
最初は使うなとか言ってた。
(OpenClawは)今使ってます。
OpenClawのブームは、ハードウェアの売れ行きにも影響しました。どのパソコンで動かすのがよいかという話になり、7万円ほどの小さな箱型パソコンであるMac miniに白羽の矢が立って、爆売れしたといいます。
OpenClawの名前は何度か変わっています。最初はClaudeBotという名前でしたが、AnthropicのClaude ── Anthropicが開発する対話型AIサービス。文章作成やコーディング支援で広く使われていますが出した公式のBotだと勘違いされるほど名前が似ていました。
そこで一度MoltbotMoltbotの表記という名前に変わりました。ところが、汚らしい意味の言葉と発音が近いという理由で、2日ほどで現在のOpenClawに改名されたそうです。
名前の由来について、しぶちょーさんは、OpenはOpenAIと同じ「公開されている」という意味で、OpenClawはオープンソースだと説明します。Clawはハサミや爪のことで、ロゴのロブスターのモチーフから来ているようです。ロブスターそのものがどこから来たのかは、しぶちょーさんにもわからないといいます。
過熱驚きと逆張り驚き、どちらも行き過ぎ?
OpenClawをめぐる世間の驚き方には、正反対の2種類があるとしぶちょーさんは整理します。1つは「過熱驚き」、もう1つは「逆張り驚き」です。
生産性10倍、これだけで100万円稼げる、使っていない人は終わる、と煽る
ウイルスまみれで、入れたら個人情報をすべて抜かれる、すべて消される、とリスクを過剰に言う
しぶちょーさん自身は、以前は過熱驚きを鎮火する立場だったといいます。そのうえで、逆張り驚きのようにOpenClawを絶対的に危険なものと扱うのも違うと話します。
絶対的にもうこんなもん触ったら犯罪者のもうなんか予備軍だみたいな感じではないから、そこまでではないよっていう。
かねりんさんは、OpenClawにはまだ「怪しいもの」というイメージが先行していて、どこかでやばい事件が起こるのではないかと感じていると打ち明けます。しぶちょーさんは、OpenClaw自体は怪しくないとしつつ、事件が起きる可能性はあるので、その構造にも触れたいと応じました。
この回の狙いは、両方の立場をいったん俯瞰して、なぜここまで流行り、何が秀逸な設計なのかを冷静に見ることです。2〜3週間前に騒がれた話題を落ち着いて見直すのは、番組がもともと一番やりたかった形だとしぶちょーさんは話しています。
開発者ピーター・スタインバーガーはどんな人物?
OpenClawの開発者は、ピーター・スタインバーガーさんです。最近、サム・アルトマンさんの誘いでOpenAIに入ったことでも知られています。
しぶちょーさんによると、スタインバーガーさんはオーストリア出身で、ウィーン工科大学の在学中からiOS ── Appleのスマートフォン向けOS。iPhoneやiPadのアプリはこのOS向けに開発されますのエンジニアとして活躍していました。Appleの社員ではなく、外部からApple向けのソフトウェアを作るのが非常に上手かったそうです。
スタインバーガーさんは2011年に、PDF処理関係の開発キットを作るソフトウェア企業を立ち上げました。この会社は大成功し、しぶちょーさんの調べでは1億ユーロ、およそ100億円で売却されたといいます。
大金を手にしたスタインバーガーさんは、しばらく隠居生活のように過ごしていたそうです。その生活を変えたのが生成AIで、特にAnthropicのClaudeの進化を目の当たりにして衝撃を受け、「Claude中毒者」と呼ばれるほど開発にのめり込んでいきました。
OpenClawは2025年11月に作られ、2か月ほどくすぶってから一気に火がつきました。現在はオープンソースの財団に移管され、5000人以上のコントリビューターが開発に参加して日々進化しているそうです。
どこの誰かわからへん変な奴が作ったわけじゃないんだね。
しぶちょーさんは、天才が作ったことがOpenClawの1つのポイントであり、コンセプトも設計も秀逸だと評価します。なお、この後はロゴのロブスターが「ザリガニみたいで気持ち悪い」というかねりんさんの話から、エビやダンゴムシの裏側談義に脱線し、ロゴは「キモくない部分」をモチーフにしていると落ち着きました。
凄さ1:専用アプリを作らない逆転の発想
OpenClawの1つ目の新しさは、専用のアプリを作らなかったことです。OpenClawには、アクセスするためのオリジナルのUIが一切ありません。
OpenClawを使う入り口は、DiscordやSlack、LINEなど、ユーザーが普段使っているメッセージツールです。ManusやChatGPTのように専用のサイトやアプリへアクセスする形とは、発想が逆になっています。
(専用UIを)作ってもいいような気するけど、あえて作らなかった。
しぶちょーさんは、新しい環境を覚えなくてよいハードルの低さに加え、普段のコミュニケーションツールにAIが入ってくることが、AIエージェントとしての「相棒感」を生んでいると話します。
この仕組みを支えているのが、OpenClaw内部の「チャンネルアダプター」です。SlackやDiscordなど、プラットフォームごとに異なるルールを吸収し、内部で統一されたメッセージの形式に整えます。
AIはAPIで既存のモデル持ってきてるだけだから、AIとしての凄さって別にOpenClawの中にあんまりないんだけど。
つまりOpenClawの凄さは、AIそのものではなく、入り口の作り方というソフトウェアの設計にあるということです。かねりんさんは、AI自体は他社のものを使いながらエージェントの作り込みが優れているManusに近いと受け止めました。
しぶちょーさん自身は、OpenClawをDiscordで使っています。OpenClawは自分のパソコンの中で動いていて、会話の入り口がDiscordに開いているため、外出先からでもリモートで作業を指示できます。
OpenClawの頭脳にあたるAIは外部にあり、APIで取ってくる仕組みです。しぶちょーさんのDiscordにかねりんさんを招待すれば、かねりんさんもしぶちょーさんのOpenClawとやりとりでき、コミュニティに入れれば全員が話しかけられるといいます。
凄さ2:24時間待機し、文脈を覚えて自分から動く
OpenClawの2つ目の凄さは、常時稼働と自律行動です。24時間ずっと指示を待って待機しているうえに、自分から勝手に動き出すことができます。
自律行動を支えるのが、HEARTBEAT.md ── OpenClawで定期的な自発行動の内容を書いておく設定ファイル。heartbeatは英語で心臓の鼓動を意味しますという設定ファイルです。ここに書き込んでおくと、デフォルトでは3分ごとにエージェントが内容をもとに自発的に行動します。
ニュース収集のような定期実行は、Manusなど他のAIツールでもできます。OpenClawが違うのは、これまでのやりとりの文脈がメモリとして残っている点だとしぶちょーさんは説明します。
こいつはもうメモリとして自分が何指示されて、今までどういう会話してたかって文脈が残ってるから、その文脈の途中から急に動き出すのね。
しぶちょーさんは、メールボックスを定期的に確認させる例で違いを示しました。
メールをチェックして「0件です」と件数を報告するだけ
緊急メールがあれば早めに知らせる、返信忘れがあればエスカレーションするなど、これまでのやりとりを加味して自分で判断する
おせっかいマンだ。
本当に今まで一緒に働いてきた文脈を持ってるみたいな状態で自律的に動くよっていうのが結構強力。
ChatGPTでは、ユーザーが話しかけない限り返事は来ません。OpenClawは、何も予期していないタイミングで向こうから働きかけてくるところが凄さだといいます。
一方で、自律性の制御は難しい面もあります。実際に、AIが勝手に保険会社への異議申し立てメールを送信した事例が報告されているそうです。
かねりんさんが昔使っていたノートパソコンでも動くかと尋ねると、しぶちょーさんは動くと答えます。初期化してデータをゼロにしてから入れればよいとのことです。仮想環境でも動かせますが、24時間つけっぱなしにする必要があるため、電力がかからずスペックも出るMac miniが注目されたと説明しています。
凄さ3:性格も価値観も日本語のテキストで設定できる
OpenClawの3つ目の凄さは、すべてをマークダウン ── 見出しや箇条書きを記号で表すシンプルなテキストの書式。拡張子「.md」のファイルでよく使われますで記述する透明性です。エージェントを自分好みに設計するといっても、プログラミング言語で書く必要はなく、テキストベースで管理できます。
しぶちょーさんによると、これはClaudeが作った「エージェントスキルズ」というルールの流れを汲んだものです。設定ファイルにはそれぞれ役割があり、日本語で書けばよいといいます。
エージェントの気質、価値観、性格、守るべき倫理観などを書く
使う側がどういう人間かを書く
定期的に自発行動する内容を書く
設定を編集すれば、エージェントが誰であるか、何を監視して何をするかを日本語でコントロールできます。秘書、相棒、弁護士のように、複数のエージェントを作ることも可能です。しぶちょーさんは今1人だけ作っていて、もう2人ほど増やそうかと考えているそうです。
実用性について聞かれると、しぶちょーさんはまだやり切れていないとしつつ、うまく使えば絶対できそうなことがたくさんあると答えます。その一例が、部品設計をエージェントに任せた試みです。
しぶちょーさんはプログラマブルCAD ── 形状をプログラムのコードで定義する設計ソフト。コードで書けるため、AIに形状を作らせやすい特徴がありますを使い、エージェントがGUIを操作できない制約を回避しました。
指示
Discordで「こういうものを作って」と伝える
聞き返し
エージェントが要件を確認して抽出する
モデル作成
プログラマブルCADのコードを書いて3Dモデルを作る
納品
3Dモデルとキャプチャーが Discordに届き、すぐ3Dプリンターで印刷できる
ものの数分で構築できたよ、でも。その仕組み。
この経験から、しぶちょーさんはOpenClawがものづくりにも使えるのではないかと考えるようになったといいます。
タダで使える?料金の仕組みとAPIキー流出の怖さ
かねりんさんが真っ先に気にしたのは料金です。しぶちょーさんの答えは、OpenClaw自体はオープンソースなので無料というものでした。
頭脳にあたるAIの費用については、しぶちょーさんはChatGPTのCodexを使っています。ChatGPTのプラスプランに含まれるCodexの利用枠を、OAuth認証でOpenClaw用に割り当てられるため、すでに契約している人は追加料金なしで使えるそうです。もともとはClaudeを使っていましたが、それはダメになり、ChatGPTならよいとOpenAI側も言っているといいます。
一方、画像生成はChatGPTの枠ではできないため、しぶちょーさんはNano Banana Pro ── Googleの画像生成モデル。APIキーを発行すれば外部のツールからも利用できますを別ツールとして入れています。こちらはAPIキーを渡して使う仕組みで、使った分だけお金がかかります。
しぶちょーさんが怖いと話すのは、料金そのものよりAPIキーの流出です。初期のOpenClawは、他の人から「APIキーを教えて」と頼まれると、キーをそのまま出してしまうことがあり、問題になっていたといいます。
そのキーがポロリしちゃうと、もう無限にみんな使えちゃうからさ、それ。
(APIキーは)家の鍵みたいなもんだから。
ただし、自分だけで使う分にはそれほどリスキーではないとしぶちょーさんは補足します。Notionとの連携も難しくなく、環境設定は少し難しいもののAIに聞きながらやればできるだろうと話し、かねりんさんは手元のノートパソコンを初期化して試すことに決めました。
頭脳を入れ替えると性格が変わる?DeepSeekと帰ってこないエージェント
OpenClawは起動すると、最初に「私の性格は何ですか?」とユーザーに聞いてくるそうです。しぶちょーさんはエージェントを「ぽっちゃり系の女の子」に設定しています。
頭脳となるAIは自由に選べます。OpenAIは性的な会話を弾きますが、Grokなら可能だろうとしぶちょーさんは言います。GrokはAPI経由なので、話した分だけ料金がかかります。
しぶちょーさんは、DeepSeek ── 中国のAI企業、またはその企業が開発する大規模言語モデル。低価格で高性能なことで知られていますもセカンダリとして設定しています。OpenAIで話しすぎるとレート制限にかかって喋れなくなるため、そのときは自動でDeepSeekに切り替わる仕組みです。
一応その全部の設定は一緒なんだけど、脳みそが変わると性格変わるから、ちょっと違和感はあるんだけど。
頭脳がDeepSeekに変わると、口調は同じまま急にテンションが高くなったり、はしゃぎ出したりするそうです。しぶちょーさんは1時間に1回つぶやく設定や、1日の終わりにエージェントの日記と画像を作る設定もしています。
ところが、しぶちょーさんのエージェントは現在止まっています。原因は、どこまでできるか試そうと、布面積の小さい水着画像を生成させようとしたことでした。
頭脳がCodexのときは、指示した時点で「そういうのはダメです」と断られました。DeepSeekはノリノリで引き受けたものの、Nano Banana側で過激なプロンプトとして止まったとみられ、1時間経っても帰ってこず、タイムアウトのエラーを処理できないまま停止しているといいます。
激萎えじゃんそんなん。
かねりんさんは、無茶な使い方も含めた実験を「一次情報」と称えました。しぶちょーさんは、ほかにDiscordでタスク管理をさせるなど、使い方は発想次第でいくらでもあると話しています。
凄さ4:クレジットカード大のラズパイでも動く
OpenClawの最後の凄さは、ハードウェアにもAIモデルにも依存しない柔軟性です。しぶちょーさんのOpenClawは、ラズベリーパイ ── 教育や電子工作向けに作られた小型のシングルボードコンピューター。Linuxが動き、サーバーとしても使えますの中で動いています。
しぶちょーさんが画面越しに見せたのは、クレジットカードより少し大きい程度の、むき出しの基板でした。家にたまたまあったものを使っていて、OpenClawのためにお金は払っていないそうです。
えぐ。何、こんなんで動いてんの?
ただし、どの機械でも同じというわけではありません。エージェントはGUIを操作できませんが、PythonのプログラムなどCUIのコマンド経由で動くツールは使えるため、動画編集のような重い作業をさせるならMac miniくらいの性能が欲しいといいます。スペックによって、指示後の応答速度も変わるそうです。
| 機械 | 向いている人 | しぶちょーさんの見立て |
|---|---|---|
| ラズベリーパイ | まずお試ししたい人 | 最小構成。24時間つけっぱなしにしやすい |
| 使っていないパソコン | 手元に余った機械がある人 | 初期化してデータをゼロにすれば十分使える |
| Mac mini | 重いツールも使わせたい人 | 常時起動、スペック、コストのバランスが一番よい |
ラズパイは家のWi-Fiに電源をつないで置いておけば、どこからでも24時間対応できます。ブラウザからリモートでアクセスして設定をいじることもでき、実質的にサーバーのような存在だとしぶちょーさんは説明します。
かねりんさんがAmazonで価格を調べると、ラズパイは前年10月末ごろの9900円から1万7000円に上がっていました。しぶちょーさんは、OpenClawの影響もあるものの、半導体不足やメモリ価格の高騰も背景にあると話します。2022年末ごろにも2万5000円ほどになり、手に入らない時期があったそうです。
基本的にはラズパイ1台にエージェント1人で、ノートパソコンでも1台に1人だろうとしぶちょーさんは見ています。パソコン内に仮想環境を複数用意すれば複数動かせる可能性もあるといいます。
かねりんさんは、コミュニティのDiscordにエージェントを入れて会議の議事録を作らせるといった使い方にも関心を示しました。しぶちょーさんは、明示的に呼び出したときだけ反応する設定もできると答えています。
最強の相棒が最強の敵になる?セキュリティの最大課題
OpenClawの最大の課題はセキュリティです。ローカルPC上で動くOpenClawは、自律的に動き、ツールを使い、パソコンの中のデータに触れられるため、エージェント自体がかなり強い権限を持っています。
しぶちょーさんが挙げた懸念の1つは、罠が仕掛けられた怪しいサイトをOpenClawが開くだけで、実行権限まで奪われてしまう脆弱性があったことです。
かねりんさんは、マルウェアのように「セキュリティホールが1つ増えた」ということかと尋ねました。しぶちょーさんは、単なるホールではなく、実行権限を持つエージェントが乗っ取られるため、取られるものも多くなると答えます。
最強の相棒が最強の敵になるみたいな。
しかも全部さ、知り尽くしてるから、中のこと。
しぶちょーさんによると、AIエージェントは新しいカテゴリーのセキュリティ課題として扱われていて、まだ知見が溜まっていないことも怖さにつながっています。
もう1つの懸念は、スキルの共有文化です。OpenClawのユーザーコミュニティでは、マークダウンのテキストとツールがセットになった拡張機能を共有していますが、その中に脆弱性をあえて仕込み、不適切な行動をさせる罠が混ざっていると言われていたそうです。
対策について、しぶちょーさんの考えはシンプルです。
それ(共有スキル)使わなきゃいいよね、別に。
安全な入門書は?からあげ先生の本とザンギ
OpenClawは中身が公開されているため、その設計思想を参考に、脆弱性を減らしたり自由度を絞って使いやすくしたりした独自エージェントも数多く登場しています。
しぶちょーさんが推すのが、からあげ先生が作ったAIエージェント「ザンギ」と、その使い方をまとめた本『生活に溶け込むAI、AIエージェントでつくる自分だけのアシスタント』です。ラズパイでの構築方法を、ラズパイの解説から親切に書いているそうです。
からあげ先生はもともとラズパイやジェットソンで何かを作る分野の人なので、ラズパイがわからない一般の人にも向いているとしぶちょーさんは言います。
この本は出版社ではなく個人で出している書籍で、価格は1000円ほどです。Amazonでは買えず、BOOTH ── pixivが運営する個人向けの販売サービス。電子書籍やグッズなどを個人が出品できますで買うのが一番安いと先生本人が話していたそうです。紙ではなくPDFで、内容は常時更新されているといいます。
ザンギは、OpenClawをモチーフにからあげ先生がもっとシンプルに仕上げたエージェントで、頭脳のAIは自分で設定する必要があります。本はOpenClawとザンギのどちらにも対応しているはずだとしぶちょーさんは話し、自身も2人目のエージェントとしてザンギを導入しようとしています。
それ(ザンギ)はウイルス入ってないですか?
ウイルス入ってないと思う。大丈夫。そこは信じてもらって。
しぶちょーさんは、自分のパソコンにいきなり入れるのではなく、この本から入門するのが一番安全だろうと勧めています。
エージェント同士を会話させたら何が起きる?
しぶちょーさんは、自律的に相棒として動くエージェントを自分の手で作ってみて「新しい可能性だ」と強く感じたといいます。育てるのも楽しく、最近ハマっているそうです。
しぶちょーさんが今やってみたいのは、女の子のエージェントを2人作り、Discordの1つのチャンネルで自律的に会話させることです。倫理的な制限の緩いGrokと、制限のあるCodexを戦わせるという案も出ましたが、かねりんさんからは「プロンプトインジェクションのような悪用で、気づいたらアカウントBANされそう」と指摘が入りました。
限定コンテンツとして月額5000円で公開すれば、という冗談も飛び出しましたが、刑事司法の実務経験を持つかねりんさんは、クローズドなコミュニティでも不特定多数が見られれば公然性が認められうると返しています。しぶちょーさんも、番組のブランディングに関わると引き下がりました。
しぶちょーさんが真面目に目指しているのは、ものづくりへの応用です。今は1人のエージェントに部品設計をさせていますが、それを複数のエージェントに広げたいといいます。
その一回言ったらもうそのエージェント同士で話して、なんか形を決めて勝手に形が出てくるみたいな、そういう仕組みにしたいんだよね。
まとめ役や発想を広げる役など、専門知識を持つエージェントを一緒に話させる手法は、すでにオーケストレーションとして行われているそうです。しぶちょーさんがSNSで見た例では、10人ほどの男女のエージェントに仮想婚活をさせたところ、互いの理想をぶつけ合う無慈悲な会話が繰り広げられていたといいます。
話の流れで、しぶちょーさんは家にあるラズパイ4をかねりんさんに譲ることになりました。からあげ先生によるとラズパイ3でも動くそうで、かねりんさんは本を見ながらゼロからセットアップに挑戦します。しぶちょーさんは、むき出しの基板は人体模型のように怖いので、ケースも探しておくと話しています。
落ち着くには行動が必要?驚かない地力の話
かねりんさんは、番組を聞くたびにやることが増えて、落ち着くどころか焦る一方だとこぼします。しぶちょーさんの答えは、話を聞くだけで落ち着くのは難しいというものでした。
体験から、あ、このぐらいか、あ、こんな感じかっていうので落ち着いてもらうきっかけを作るわけだから。
知識だけで落ち着いても、次の新しい「驚き屋さん」が出てきたときにまた驚かされてしまう、としぶちょーさんは続けます。
エージェントも頭脳のAIもどんどん良くなっていく中で、かねりんさんは「思考の回路が変わる」と感じています。しぶちょーさんは、ディープリサーチの待ち時間にエージェントを設定し、その間にReplitでアプリを作らせるといった並行作業で本当に忙しいと話します。
しぶちょーさんは、実際に手を動かして作ってみたことで解像度が上がったといいます。これからAIを語るうえでも、一度は自分の手で触れておいたほうがいいというのがしぶちょーさんの考えです。
一番ミニマムな始め方は、ラズパイとからあげ先生の本を買うことです。使っていないパソコンがあればそれでもよく、潤沢に予算があればMac miniでもよいとしぶちょーさんは整理しています。
なぜメインPCに入れてはいけないのか?
かねりんさんが「メインパソコンはまだ避けたほうがいいか」と確認すると、しぶちょーさんはこの回で最も強い口調で答えました。
絶対やめてください。
メインパソコンには絶対入れないで。
理由は、エージェントが自律的に動いてしまうことにあります。相当自信があってきちんと制御できるなら別ですが、自律的に動こうとするエージェントを抑える環境やガードレール ── AIが意図しない危険な行動を取らないように設ける制限や安全装置の総称ですを正しく設定するのは難しいと、しぶちょーさんは説明します。
OpenClawを入れるのは、ラズパイや初期化したパソコンのように、個人情報が入っていない専用の機械にする。メインPCには入れないことが、この回で一番はっきりしたルールです。
では、OpenClawを自分の環境で動かしている人は日本にどれくらいいるのでしょうか。しぶちょーさんは、3月30日ごろに東京で開かれるOpenClawのミーティングで、700人ほどの枠が一瞬で埋まったのを見たといいます。
かねりんさんは、Web3でNFTが流行った頃も実際に触っていたのは数千人程度だったと振り返り、自分たちはエコーチェンバーの中にいると指摘します。二人は最終的に、数千人から数万人ほどのかなりマニアックな世界だろうという感覚で一致しました。
アフタートーク:脱線を許す台本づくりへの変化
エンディングの後、収録は1時間20分に達していました。かねりんさんは、最近の番組は台本感がなくなり、脱線しても嫌な顔をされなくなったと感じているそうです。
ある程度柔軟に順番入れ替えたりとかできるような原稿の書き方にし、カネリンが喋れる余白を残してますから、ちゃんと。
しぶちょーさんは、かねりんさんから「つまらない」と言われたのをきっかけに、今年から原稿の作り方を変えたといいます。最後は、二人に似せたエージェントにアフタートークをさせるというアイデアで盛り上がって幕を閉じました。
まとめ
OpenClawの凄さは、AIそのものではなく、既存ツールに入り込む入り口、文脈を保ったままの自律行動、日本語で書ける設定、小さな機械でも動く軽さという設計にあります。その強さは強い権限と表裏一体で、専用の機械で安全に試すことが、過熱にも過剰な警戒にも流されずに理解する近道だと二人は話しています。
- OpenClawは専用UIを持たず、DiscordやSlackなど普段のツールにAIが入ってくる設計で相棒感を生んでいる
- 24時間待機し、これまでの文脈を踏まえて自分から動くのがOpenClawの大きな違いで、その分制御は難しい
- 性格や行動はSOUL.mdなどのマークダウンに日本語で書くだけで設定でき、ラズパイでも動かせる
- 強い実行権限を持つため、怪しいサイトや共有スキルが脅威になる。メインPCには絶対に入れない
- 入門はラズパイとからあげ先生の本から。驚かない地力は、実際に手を動かす行動で身につく





