リスナーの一通から始まった「LLM Wiki」とは?
今回のおちつきAIラジオのテーマは「おちつきAI Wikiを作ろう」です。AIの世界でいま話題になっている「LLM Wiki」という概念を、番組自身に取り入れてみたという回です。
LLM Wikiはごく最近出てきた言葉で、AIエンジニアのしぶちょーさんも最初は知らなかったといいます。きっかけは、番組の目安箱に「LLM WikiとRAGは何が違うの?」という質問が届いたことでした。
LLMウィキってなんぞ?と思って調べたら、なんかいろいろ出てきてですね、それを読んでいく感じ、結構面白いなと思ったから。
しぶちょーさんは調べた内容をもとに、番組の過去回を検索できる自作ツール「おちつきAI RAG」にWiki機能を追加しました。「作ろう」というタイトルですが、実際にはすでに作り終えていて、番組の有料コミュニティでも先に公開されています。
かねりんさんは「リスナーもWikiを使ってみようかな、となる話なのか」と尋ねます。しぶちょーさんは、最終的にはそういう話になると答えたうえで、まずは完成したおちつきAI Wikiを見てもらうことから始めました。
収録時点では、おちつきAI Wikiはおちつきの番組ツールのトップページからの導線がまだなく、URLを知っている人だけが見られる状態でした。配信までには告知や入り口を整える予定だと話されています。
番組で話した単語がすべてWikiに?ナレッジグラフの正体
おちつきAI Wikiを開いたかねりんさんは、まず単語の多さに驚きます。載っているのは、これまでのおちつきAIラジオの中で出てきた単語で、それぞれに「番組でどう語られたか」がまとめられています。
じゃああの単語だけ覚えてるけどなんだっけ?って検索したら、これ(Wiki)めっちゃわかりやすいじゃん。
たとえば「AIグラス」や「Gatebox」を引くと、しぶちょーさんがどの回でどう話していたかが書かれています。現時点では外部のリサーチは加えておらず、あくまで二人が語った内容だけで構成されている点が特徴です。
トップページの「グラフで全体像」というボタンを押すと、無数の球と線が広がる画面が出てきます。かねりんさんが「ウニウニだ」「宇宙だ」と表現したこの画面は、いわゆるナレッジグラフ ── 概念や物事を「点(ノード)」、それらの関係を「線(エッジ)」として表したデータ構造。知識同士のつながりを機械でも人間でも扱いやすくするために使われますです。
おちつきAI Wikiのナレッジグラフでは、ひとつひとつの球が概念です。ある概念の説明文の中に別の単語が出てくるとリンクが張られ、つながりが多い概念ほど球が大きく表示されます。
概念ページ
番組で話した単語ごとにWikiのページを作る
説明文
各ページの説明の中に、ほかの単語が登場する
リンク
登場した単語同士が線でつながる
球の大きさ
つながりが多い概念ほど球が大きくなる
グラフの中心付近には、番組でよく話題にする言葉ほど大きな球として並びます。一方で、まだルールを決めずに作ったため表記は揺れていて、「かねりん」が「金輪」と漢字で書かれていたり、「しぶちょー」が「支部長」になっていたりするそうです。
RAGのチャンクからWikiを作った裏側と、今後の連携
かねりんさんは、おちつきAI WikiのデータがRSSで配信した音声から来ているのかと尋ねます。自分のローカルには、話者分離をきっちりかけた文字起こしデータがあり、それを渡せば精度が上がるのではないかという提案です。
しぶちょーさんによると、提案どおりにすれば精度は上がるものの、おちつきAI RAGの作りを大きく改修する必要があるといいます。現在の仕組みはボタンひとつで全工程が動くように作られているためです。
おちつきAI RAGでは、RSS経由で上がった音声を自動で取得し、文字起こししたうえで、一定の秒数ごとにチャンク ── 文章を検索しやすい長さに区切った一つひとつのかたまり。RAGではこの単位でデータを登録・検索しますへ分けて検索できるようにしています。そのチャンクのデータを全部持ってきてWiki化したのが、今回のおちつきAI Wikiです。
RSSで配信
番組の音声がRSS経由で公開される
自動文字起こし
おちつきAI RAGが音声を取得して文字起こしする
チャンク分け
文字起こしを一定の秒数ごとに区切って検索用に登録する
Wiki化
そのチャンクのデータをまとめてWikiを生成する
しぶちょーさんは開発環境をReplit ── ブラウザ上でコードを書き、そのままアプリを動かして公開までできる開発サービス。AIによるコード生成機能も備えていますで完結させているため、文字起こしを手作業で登録するのは面倒だと話します。かねりんさんがGoogleドライブに文字起こしを置いておけば、それを読みに行く仕組みなら作れそうだという方向で、二人は連携を考え始めました。
運用方法、こんな感じがいいっていうのがあったら、それを教えてもらって、我が部下に命じます。
かねりんさんの言う「部下」とは、30個ほどの窓で並行して動かしているClaude Codeのことです。かねりんさんがClaude Codeを使いこなすようになったことで、二人のデータを連携させる道が見えてきた、という流れになっています。
なぜ「番組専用」のWikiにしたのか?時系列で育つ知識
しぶちょーさんは当初、番組に出てきた単語の「正しい定義」がわかるWikiを作ろうとしていました。しかし、それでは普通の単語帳になってしまい、おちつきAIラジオのWikiにはならないと考え直したといいます。
番組の中でどういう風に語られたかっていうところをちゃんとWikiとして取得する番組用のWikiにしようと思って、こういう風に作りましたと。
かねりんさんは「言い逃れできないね」と笑います。しぶちょーさんがさらに強調したのは、LLM Wikiでは、語り直しや新しい情報が加わるたびに、該当するノードにつながって情報が更新されていくという点でした。
たとえばDeepSeekが新しいモデルを出したり、何か問題を起こしたりしたとき、番組で二人が語った感想は、Wikiを更新すると「DeepSeek」の項目に追加されます。しぶちょーさんは、これを「概念がそこでまた育つ」と表現しています。
一方、しぶちょーさんによるとRAGは時系列という概念を持ち合わせていません。過去にDeepSeekの話が出てきた箇所があれば、それを全部引っ張ってきてしまうといいます。
時系列の概念を持たず、関連する過去の箇所をまとめて引っ張ってくる。最新優先の指示はできるが、過去とのつながりは得意ではない
新しい情報が入ると、該当する項目に追加・更新され、概念ごとに内容が育っていく
かねりんさんは、この先Wikiでは「詐欺」や「うんこ」のような番組の口癖がどんどん大きな球になるのではと冗談を飛ばします。実際に検索すると「うんこ」はまだ抽出されていませんでしたが、「詐欺」や「詐欺広告」は出てきました。
なんかスタンスも見えてくるだろうね。こういう特定の物事に対してはこういうスタンスなんだ、この二人はみたいな。
しぶちょーさんは、LLM Wikiの仕組みでポッドキャストの番組Wikiを作った例はおそらく他にないと話します。ファクトチェックはまだ流していないので不正確な記述もあり得るとしたうえで、「こういう雰囲気でできる」とイメージしてもらうのが今回の主題だと位置づけました。
LLM Wikiを提唱したアンドレイ・カーパシーとは?
ここからは「お勉強タイム」として、LLM Wikiとはそもそも何かの解説に入ります。提唱したのは、アンドレイ・カーパシーという人物です。
しぶちょーさんによると、カーパシーはバイブコーディング ── 細かいコードを自分で書かず、AIに自然な言葉で意図を伝えながら雰囲気(vibe)でプログラムを作っていくスタイル。カーパシーが2025年に使い始めて広まりましたという言葉を生み出した人で、OpenAIの創業メンバーの一人です。その後はテスラの人工知能ディレクターを務めるなど、AI分野で有名な人物だと紹介されています。
しぶちょーさんは、カーパシーが2024年にOpenAIを辞め、現在はAnthropicの研究チームにいると説明しました。ライバル企業を渡り歩いていることに、かねりんさんは「ありなのそれ」と驚いています。
おちつきAI Wikiで「アンドレイ・カーパシー」を引いてみると、項目は出てきませんでした。文字起こしの精度の問題で、名前がうまく文字化されていない可能性があると二人は見ています。
カーパシーは、LLM Wikiの考え方を書いた文書をGitHubで公開しています。プログラムは含まれず、考え方だけが書かれたもので、それを使って多くの人が自分なりのLLM Wikiを作っている状況です。
この落ち着きAIWikiもアンドレ・カーパシーのその出したそのソウルみたいなね、このなんか経典みたいなやつを使って作ったので。
かねりんさんが「LLMのWikiって何? おちつきAIラジオはLLMじゃないじゃん」と聞くと、しぶちょーさんは「LLMを使って作ったWiki」という意味だと答えました。そして、LLM Wikiの中心にあるアイデアは、RAGに対抗するものだと続けます。
そもそもRAGとは?カンペのように引く検索の仕組み
RAGとは何だったかを、まずかねりんさんが自分の言葉で説明します。LLMが持っていない、自分たちの会社の事情や個人データなどを入れておく「外部記憶装置」だという答えに、しぶちょーさんは「正解です」と返しました。
おちつきAI Wikiで「RAG」を引くと、RAG ── Retrieval-Augmented Generationの略で「検索拡張生成」と訳されます。生成AIの外側に置いた資料を検索し、その内容を参照して回答を作らせる仕組みですは「生成AIの外部に知識を蓄えて、それを参照して答えさせる仕組み」とあり、番組では「カンペのようなもの」として語られたと書かれていました。かねりんさんは概要欄などで「LAG」と書きがちだと、しぶちょーさんから指摘も受けています。
しぶちょーさんの説明では、RAGはまず元の情報を一定の長さで区切ってチャンクに分けます。おちつきAI RAGの場合は、90秒分の文字起こしを1チャンクにしています。
チャンクの前後は少し重ね合わせ(オーバーラップ)て、文脈が途切れないようにします。そのうえで各チャンクを「大体こういうことが語られている」という意味の領域に登録しておきます。
ここで重要になるのが検索の方式です。昔からある文字検索は完全一致なので、「かねりんの好きな食べ物は?」と検索すると、その文字列が書いてある箇所しか見つかりません。
RAGではベクトル検索 ── 文章を数値の並び(ベクトル)に変換し、意味が近いもの同士を探す検索方法。言葉が一致しなくても、内容が近い文章を見つけられますを使い、質問の意味に近い領域にあるチャンクを探しに行きます。「かねりんの好きな食べ物」ならこの辺だよね、と見当をつけ、該当するチャンクを読んで答えるという仕組みです。
完全一致で探す。「かねりんの好きな食べ物は?」という文字が書かれた箇所しか見つからない
チャンクを意味の領域に登録し、質問の意味に近いチャンクを探して、その中身を参照して答える
膨大な情報を毎回すべて読んで答えを探すと、時間もかかり、トークンも大量に消費します。Claude Codeの利用上限によく当たっているかねりんさんは、このトークン消費の怖さを身に染みてわかると話しています。
全文検索してたら全部読み、LLMが全部読みに行かなきゃいけないから。
チャンクで区切る理由も、長い範囲だと多くの話題が混ざって、どこに登録すればいいかわからなくなるためです。90秒ごとなら、脱線の多いおちつきAIラジオでも、大体ひとつの話題に収まって登録しやすいといいます。
90秒の根拠は?RAGが「オワコン」と言われる理由
おちつきAI RAGのチャンクを90秒にした根拠について、しぶちょーさんは「LLMに聞きました」と答えます。ナレッジ系の番組と雑談系の番組では設計を変えたほうがいいと相談しながら、ひとまず90秒に決めたそうです。
チャンクの長さやオーバーラップは人が決めるパラメータで、精度が悪ければ調整を重ねていくのがRAGの作り込みです。おちつきAIラジオはナレッジ系の設定にしていますが、雑談系は短めがよいというClaudeの助言が正しいかは、前例がないのでわからないと話しています。
実際その、あの、ポッドキャスト番組文字起こししてRAG作ってる人なんていないから、それが正しいのかどうか知らん。
かねりんさんは、今後はポッドキャストに限らず、発信者やメディアがRAGやWikiを作るのが当たり前になるのかと尋ねます。しぶちょーさんは「いい質問」と受け、RAGは定期的に「オワコン」と言われるものの、実際にはそうではないと前置きしました。
RAGが見直される理由の1つは、AIに一度に入れられる情報量(コンテキスト)が大幅に増えたことです。2024年ごろに比べて格段に多く入るようになり、RAGを構築するコストを考えれば、全部入れてしまったほうがよいのでは、という議論が出てきました。
ただし、LLMにはLost in the middle ── 長い文章を入力すると、冒頭と末尾の情報はよく使われる一方、中ほどの情報が見落とされやすいという言語モデルの傾向を指す言葉という特性があり、完璧に検索できるわけではありません。そのため、正確さではRAGが優れているという見方も残っていると、しぶちょーさんは整理しています。
毎回ゼロから答えるのは「もったいない」?RAGの限界とLLM Wiki
しぶちょーさんによると、カーパシーが問題にしているのはコンテキスト量の話ではありません。RAGは質問されるたびにチャンクを検索して読み、LLMがゼロから答えを生成する、ということを繰り返しているという点です。
かねりんさんはこれを「何回も同じ質問に答えて、毎回同じことを再発明している」と言い換えます。RAGではデータ自体は変わらず、蓄積は起きません。
かねりんさんが「質問が多いところは強化するとか」と言うと、しぶちょーさんも、意外なところがつながった部分は残しておくべきだと応じます。RAGでは、こうした知識の横のつながりはあまり出てこないといいます。
しぶちょーさんは、NotebookLMやChatGPTにファイルをアップロードして読ませる仕組みも、基本的にはRAGと同じように動くと説明しました。それに対してLLM Wikiは、LLMが永続的にWikiを育てていき、質問があれば育ち、新しい情報が入ればまた育つという考え方です。
質問のたびにチャンクを検索し、ゼロから答えを生成する。データは変わらず、知識は蓄積されない
質問や新しい情報のたびにWikiが更新され、知識とつながりが複利的に蓄積していく
本来は、RAGのシステムを捨ててWikiから検索させるのがカーパシーの考え方だそうです。ただ、しぶちょーさんは、LLM Wikiもまだ概念であり、RAGを超える検索になるかは別の話なので、いきなり移行するのは危険だと判断しました。
現在のおちつきAI Wikiは、RAGのためにファクトとして生成したデータを使ってWikiを作るという分離した形です。今後はRAGの検索の中にWikiをうまく組み込み、検索されたことにも二人が話したことにもWikiが育つ形にしていくことが大事だと話しています。
かねりんさんは、使われるほど育つなら、変な学習をさせる攻撃を受けるのではと心配します。しぶちょーさんによると、どんな質問でもつなげるわけではなく、内容や古いデータとの矛盾をLLMが判断し、正しく修正していくことが重要だといいます。
人間がWikiをメンテナンスしようとすると、項目の追加に合わせて関連ページを更新し、矛盾を手で直す必要があります。本家Wikipediaのように有志が書いては直す作業を、LLMが自分の持つ知識で代わりに担ってくれる、というのがこの概念の核心です。
LLM Wikiは何層でできている?生ソース・Wiki層・スキーマ
かねりんさんが「これをみんなどう活用するのか」と尋ねると、しぶちょーさんは、LLM Wikiはかねりんさんにこそ合うのではと切り出します。かねりんさんは自分のあらゆるデータをClaude Codeに入れて管理しているので、そこにもう一層Wikiを挟んだほうがいいのでは、という提案です。
カーパシーは、LLM Wikiを個人の改善や自分のナレッジ管理にも使えるとしています。そのアーキテクチャは非常にシンプルで、3つの層でできていると説明されました。
いちばん下にあるのは「生のソース」で、すでに集めているデータはそのままでかまいません。かねりんさんの例えでは「食材をそのまま置いておく」状態です。
その上にあるのが、生のソースをWikiとして再構築した「Wiki層」です。さらにその上に、Wikiをどう作り、どう進化させるかというLLM向けのルールであるスキーマ ── データの構造や作り方を定めた決まりごと。LLM Wikiでは、Wikiをどう構成し更新するかをLLMに指示するルール文書を指しますが置かれます。
スキーマは自分で設計しますが、カーパシーが作った文書をClaude Codeなどに読ませて「こういうことをやりたい」と伝えれば、作ってくれるといいます。おちつきAI Wikiも、この階層構造に沿って作られています。
でもClaudeさ、すぐ忘れるから、そういうの(カーパシーの概念)。
しぶちょーさんが途中でカーパシーの概念を説明したところ、Claudeは次第に方向性がそれていったそうです。そこで、その文書自体をいちばん上に置き、常に読むように指示したところ、ずれなくなったといいます。
情報の流れとしては、生のソースを追加して「Wikiを更新して」と頼むと、LLMがスキーマを読み、どのページを更新し、どの新しい概念を追加し、どこをつなげるかを判断してWikiを書き換えます。かねりんさんは「スキーマのルールに従ってLLMが動いてWikiを更新する」とまとめました。
生のソースを追加
新しいデータを入れて「Wikiを更新して」と頼む
スキーマを読む
LLMがルールを確認し、何が追加されたかを判断する
Wikiを更新
関連ページの更新、新しい概念の追加、つながりの追加を行う
Wikiで検索
使う人はLLMを通してWikiをたどって調べる
これまでLLMは、かねりんさんの生のソースを毎回すべて読みに行っていました。Wiki層があれば、目次にあたるインデックスから概念とつながりをたどって検索するため、意外なつながりや横の発展が得られるといいます。
Wikiの実体は、階層構造になったMarkdown ── 見出しや箇条書きを簡単な記号で書けるテキストの書式。普通のテキストファイルなので、人間もAIも読みやすいのが特徴ですのファイルがつながっているだけの、普通のテキストです。かねりんさんは「トークン消費を抑えられるノウハウじゃん」と興奮しますが、しぶちょーさんは、Wikiが大きくなれば更新にもトークンを使うと補足しました。
知識を「つなげる」力と、Obsidianとの関係
個人のナレッジのほかにも、集めた論文をWikiにしている人が多いそうです。論文同士の横のつながりが見えることで、新しい発見につながるといいます。
かねりんさんは、しぶちょーさんが以前「AI時代は、集めた情報の横のつながりを作るのが大事」と話していたことを思い出し、LLM Wikiはその答えの一つだと受け止めました。当時話題に出たObsidianとの関係を尋ねると、意外な答えが返ってきます。
このLLMWiki、ビューワーとしてObsidianを推奨されてんのよ。
Obsidian ── 手元のパソコンで動くMarkdownベースのノートアプリ。ノート同士をリンクでつなぎ、そのつながりをグラフとして表示できますもMarkdownでできていて、つながりをグラフビューで見られるためです。もともとAIの玄人たちは、Obsidianで自分でつながりを作り、それをLLMに読ませて活用していたといいます。
ただ、Obsidianは使いこなすのが難しいツールでした。LLM Wikiは、その「つながりを作る」作業をLLMに任せ、Obsidianは見るためのソフトとして使う形になるので、かねりんさんは「めちゃめちゃハードルが下がっている」と評価しています。
しぶちょーさんは、実際におちつきAI Wikiを構築してみて普通に面白かったと話します。「自分はこういうことを言っていた」「ここがつながった」という発見があったそうです。
何のために作るのかというかねりんさんの問いに対して、しぶちょーさんは、AIが参照しやすいデータ形式であることに加え、RAGと違ってつながりを自分の目で見られることを挙げました。人間にも読めて、AIのためのテキストにもなるという点が、LLM Wikiの良さだとされています。
どのくらいの範囲でWikiを分けるべきかについて、しぶちょーさんは「個人のWiki」「ポッドキャストのリサーチWiki」くらいの粒度がいいと答えます。全部まとめても意外なつながりは見つかるものの、軸が違いすぎるとつながらないこともあり、特定の分野に集中したいならその分野だけで作るほうがよいという考えです。
かねりんさんがすぐに使えると感じたのは、自分の個人データや進行中のプロジェクトを入れた「かねりんWiki」と、Notionに溜まる一方で見返していないリサーチのWiki化でした。しぶちょーさんも、自分の活動を一度この形でまとめ直してみようと思ったと話しています。
Wikiはサービスになる?ジャンルを絞る使い方
かねりんさんは、知識のつながりが見えること自体に価値があるなら、特定のジャンルに絞ったWikiを公開し、みんなで育ててもらうサービスにもなるのではと考えます。しぶちょーさんは面白いかもしれないとしつつ、Wikiの成長には質問よりも元の生データを入れるほうが影響は大きいと話しました。
かねりんさんはさらに、ニュースサイトが単に記事を並べるのではなく、「この事件と過去のこの事件のつながり」が見える形になれば面白いのではと広げます。しぶちょーさんは、つながりは出たほうが絶対にいいとしながらも、そこから何を得て新しいものを生み出すかは、今のところ人間の役目だと話しました。
何を主軸につながってるかって結構重要だと思ってて。
おちつきAI Wikiは「おちつきAIラジオで語ったこと」という軸があります。一方、何でも入っているWikipediaは辞書に近く、つながりを重視したものではないというのがしぶちょーさんの見方です。
また、しぶちょーさんは、つながりを見ても意味を咀嚼できるかは人によるとも指摘します。技術の背景を知っている人なら「ここがつながるのか」と気づけますが、何も知らない人には何も伝わらないこともあるといいます。
かねりんさんは、全地球の全知識のWikiはどこかの国くらいしか作れないとして、ニッチなジャンルに絞るか、手元のデータで作るWikiが現実的だと結論づけました。
カーパシーが挙げる使い道は?日記・リサーチ・読書メモ
しぶちょーさんは、カーパシーがLLM Wikiの活用例として挙げているものを読み上げながら紹介しました。どれも個人やチームといった、範囲を絞った使い方です。
かねりんさんは、日記や読書メモは好きな人が多そうだと反応しました。そして、カーパシーは全世界の知識ではなく自分用に育てていくものを想定しているのだと受け止めます。
しぶちょーさんは、みんなで使う形でもよいが、それはチームやコミュニティ単位だろうと補足しました。二人は、番組のコミュニティでWikiを育てていくのも一つの使い方だと話しています。
しぶちょーさんによると、LLM Wikiが提唱されたのは今年の春ごろ、4月から6月あたりと、かなり最近のことです。カーパシーが発表して「いいね」とAI界隈で話題になっている最先端の話を、リスナーがお便りで持ち込んでくれた形になりました。
自分の原体験はWikiで見つかる?
話はここから、かねりんさん自身の体験へ移ります。かねりんさんは昨年末、自分の人生で何が大事なのかを知るために、原体験を深掘りしていました。
その方法は、自分がどういう考えで何をしてきて、これから何をしたいのかを2日ほどかけて口に出し、全部文字起こししてAIで整理するというものでした。質問してもらいながら、幼少期にどんな体験があったのかを掘っていったといいます。
なんかそういうのもさ、ずーっとライフログ記録してたらさ、すぐにこう、パパッとあれとこれがつながって。
かねりんさんは、ライフログがWikiになっていれば、過去の出来事と「だから今これをやっている」という現在地が線でつながりやすくなるのではと考えます。しぶちょーさんも、めちゃくちゃフィットした活用だと応じました。
かねりんさんが原体験に関心を持ったきっかけは、起業家を支援している人の話でした。資金調達をしても事業をすぐやめてしまう起業家がいる一方で、事業が本人の原体験の深いところとマッチしている人はなかなかやめない、という話です。
だから自分が何者で何をしたいのかっていうのが本当に筋通ってわかってる人って多分少ないから、そこが理解できれば人間強いよねみたいなさ。
小さいころから日記をつけてWikiに溜めていれば、母親に言われた一言がずっと効いていた、といったことまでわかるかもしれない。かねりんさんは、それが人生の道しるべになりそうだと話しました。
過去は「今」のために語り直される?物語思考への違和感
しぶちょーさんは、自己啓発は大好きな一方で、自己分析や原体験はあまり大事にしていないと打ち明けます。以前番組で話した「物語はあまり好きじゃない」という考えと同じで、自己分析も自分に紐づく物語を作る営みだと捉えているからです。
自分が今言いたいことのために過去を語り直してるみたいな視点もあるんだよね、一応。
しぶちょーさんの説明によると、物語思考への批判は次のような考え方です。今やりたいことが答えとしてすでにあり、それにつじつまが合うように過去を再構築して語っている、というものです。
答えが先にある
今の自分がやりたいことが、すでに決まっている
過去を再構築する
その答えにつじつまが合うように、過去の出来事を選んで語る
矛盾を無視する
答えに合わない原体験は、何回語っても無視される
しぶちょーさんは、過去の力を借りること自体は否定していません。過去からのつながりを感じることで、強い意志を持って「自分はこうなんだ」と決められるのは素晴らしいことだといいます。
反対しているのは、そこに絶対的な答えがあると思って過去を探しに行くことです。答えは必ずあるわけではなく、今の自分にもっと自信を持っていいというのが、しぶちょーさんの考えです。
昨日これ見てすげえ感動したから、今日からこれをやるんだで、その人の生き方が変わってもいいと思うのね。
かねりんさんは「4歳のときにサングラスに憧れていたから今かけている」という例えを出します。しぶちょーさんは、同じサングラスでも「人と目を合わせるのが苦手だったから」という逆の文脈でも原体験は見つけられてしまうと答え、いくらでもつじつまは合うと話しました。
かねりんさんはこれを「因果関係の捏造」と言い換えます。しぶちょーさんは、それ自体は悪いことではないものの、絶対的な正解を求めると本質を見失うのではないかと語りました。
しぶちょーさんが、そうした語り直しを最も強く求められる場面として挙げたのが、就職活動の自己分析です。軸が一つしかないなら一社しか受けられないはずなのに、いろいろな業界を受けられるのは、過去の語り方を会社に合わせて調整しているからだといいます。
自己分析は、自信を持って答えられるようにする就職活動対策としては有効です。しかし、本当に自分を見つける営みかと言われれば違うのでは、というのがしぶちょーさんの見方です。
一方で、人に見せたり巻き込んだりするときには、過去とのつながりというストーリーが必要になるとも話します。しぶちょーさんにとって物語はブランディングの手法であり、だからこそ本質的には好きではないという整理です。
原体験が見つからなくてもいい?「今ここ」で燃えている自分
しぶちょーさんは、かねりんさんが原体験を大切にしていることを否定するつもりはないと補足します。これに対してかねりんさんは、自分は原体験を大切にしているわけではないと答えました。
かねりんさんは、ポッドキャストや声の事業に人を巻き込もうとしたとき、「その先に何があるのか」と聞かれて、深く語れるものが浅かったことがあったといいます。そこで、過去を掘れば何かあるのではと考えて探してみたそうです。
別に何か確固たる原体験ねえなとか思ってたの俺。もう途中でやめちゃってね。
しぶちょーさんは、見つからなければ見つからないでいい、今やっていること、行動したこと自体がすでに正解だと返します。かねりんさんも、その時やりたいことがすべてというスタンスで、それがなければ警察を辞めていないと話しました。
ただ、やりたいことがコロコロ変わるからこそ、人からも自分からも「ぶれない軸は何か」を問われるといいます。そうして過去を探しに行ったものの、絶対的なものは見つからなかったという経緯でした。
しぶちょーさんは、子どものころの体験が大人になってからの体験より強く影響するというのも思い込みかもしれないとしつつ、脳科学的には子どものころの影響が強いことは実際にあるらしいと補足します。育った環境や親に言われ続けたことが、常識を作るフェーズにあたるという話です。
かねりんさんは、優等生として生きてきた自分が、ここ数年でそれを壊し始め、反対方向に振れていると語ります。そのうえで、今ここで何かが燃えていて楽しいことだけは確かだと、「我思う故に我あり」に重ねました。
ないっていうか、まあ作り上げてるっていう線もあるのかって。ツールとして使うのかっていうのでちょっと腹落ちしました。
しぶちょーさんは、かねりんさんの判断基準が「今どう感じるか」なら、その「今の思い」だけを点として記録しておけばいいのではと提案します。それがいつか「かねりんWiki」の中でつながって見えるかもしれない、という話につながっていきました。
日記をWiki化するなら紙とデジタルのどちらがいい?
かねりんさんは「日記Wikiをみんな作るべき」と言います。しぶちょーさんも日記の運用は良いと考えていて、自身は紙の10年日記をつけていたものの、最近は紙に書くのをやめたと話しました。
もともとNotionに書いたものを紙の日記に転記していたため、そのプロセスが要るのかと感じたそうです。紙で蓄積していくのはエモいと思っていたものの、データとして二次利用したいという気持ちが勝ったといいます。
かねりんさんは、しぶちょーさんがPodcastで聞いたというけんすうさんの話にも触れています。けんすうさんはパソコンの行動ログを日記として自動で書かせているそうですが、かねりんさんは「それは業務日誌で、心情を吐露するのが日記」と指摘しました。
やっぱそこに出てこないのはやっぱ心情ログだよね。
しぶちょーさんも、心情はアウトプットしようと思わないと出てこないと同意します。その時の気持ちをどこかに蓄積しておくと面白い活用ができる、という点で二人の意見は一致しました。
紙の手帳にこだわる人もいることについて、かねりんさんは、革のカバーや一生使える拡張性といったストーリーに惹かれてしまうのだと分析します。自分も惹かれたことはあるものの、検索もコピーもできず「Ctrl+Fを押させろ」となってしまい、合わなかったそうです。
それでも、構想のスケッチや最初のアウトプットだけは紙がいいとかねりんさんは話します。現実の空間を自由に使って書ける縛られなさが、発想を広げてくれるというのが理由です。
しぶちょーさんは、紙の本のほうが記憶に定着しやすいという研究にも触れつつ、電子書籍ならマーカーを引いた箇所がそのまま自分のWikiに入っていくと話します。「記憶か記録か」のトレードオフで、後から見直す前提なら電子のほうがよいのではという考えです。
書く楽しさやぬくもり、発想の自由さがあり、記憶に定着しやすいという研究もある。一方で検索やコピーができず、AIでデータとして活用できない
Wikiに入れて二次利用でき、後から見直しやつながりの発見に使える。心情を書く習慣をつければ、AI時代の資産になる
かねりんさんは、本は読んだ後にアウトプットして初めて血肉になると話し、その出す作業を助けてくれるのがLLMで記憶をつなげる仕組みだとまとめました。二人はこれを「LLM読書術」と呼んでいます。
Claude CodeでWikiを作るには?課金の落とし穴
この区間では、書き起こしの話者表示と内容の対応が一部はっきりしないため、話された内容を中心に整理します。LLM Wikiを作りたい人は、カーパシーがGitHubで公開しているLLM WikiのページにあるMarkdownファイル1つを使えばよいと説明されています。
そのファイルのURLをClaude Code ── Anthropicが提供する、ターミナル上でAIにファイル操作やコード作成を任せられるエージェント型のツールに渡すか、ダウンロードしたファイルを読ませ、「この構成でLLM Wikiを作りたいので協力して」と頼めばいけるといいます。
注意点として語られたのが、おちつきAI Wikiを作ったときに思わぬお金がかかった話です。Claude Codeから「Wikiを自律的に動くようにするので、OpenAIのAPIキー ── 外部のプログラムからAIサービスを呼び出すための鍵。使った分だけ料金が発生するため、渡すと自動的に課金が進むことがありますをください」と言われ、渡したところ、上限に達して50ドルを使ってしまったそうです。
文字起こしの処理やWiki作成をすべてOpenAIのAPIで行っていたのが原因でした。「あなたがやれば無料なのに、なぜやらないのか」と聞くと、Claude Codeは「私が間違っていました」と謝ったといいます。
カーパシーの文書には「自律的に更新する」と書かれているため、Claude Codeはパソコンが動いていない時でも更新できる仕組みを作ろうとして、APIキーを求めてくる可能性があると説明されています。Claude Code自身に作業させれば、利用プランの中で全部やってくれますが、その代わり上限にはよく当たります。
おちつきAI Wikiは、100ドルのプランで4回上限に当たりながら、ようやく約500ページができあがったそうです。最も高い設定で複数のエージェントを走らせ、1回あたり4時間ほど動き続けたといいます。
ただしこれは、毎週2時間×2本ほど話している番組の、約80本分の文字起こしを扱った場合の話です。論文を絞るなど中身を限定すれば、そこまで上限に当たることはなく、一度構築すれば後は少しずつ更新するだけだと話されています。
Wikiの構築は頭を使う作業で、ローカルLLMに向く仕事ではないとも語られました。最初にAPI経由で作ったWikiはQ&A形式のような内容になって質が良くなく、すべてClaudeに作り直させたそうです。
二人は、LLM Wikiは作ってみると衝撃があるものの、伝えにくく、「世の中が変わる」と煽りにくい話題だと笑います。いわゆる「驚き屋」が稼ぎにくいネタだからこそ、実際に手を動かす価値がある、という締めくくりでした。
OpenClawで暮らしにAIを溶け込ませる?リスナーの活用例
エンディングに向けて、しぶちょーさんがリスナーからの長いお便りを読み上げます。エピソード77「自分だけの専属AI秘書を作ろう」の回で、OpenClawの活用例を募集したことへの反応です。
エピソード77、「自分だけの専属AI秘書を作ろう」の回で、「OpenClawの活用例をお待ちしています」ということでしたので、ささやかな事例ですが、私の活用例を紹介させてください。
読み上げの途中で、話はラズベリーパイとSDカードの話に少しそれます。出演者の一人がOpenClawをSDカードにインストールしたところ、新品のSDカード4枚のうち2枚ほどが壊れていたというエピソードでした。
私がOpenClawを始めたのは支部長さんのVoicyで、「ラズパイでOpenClawが動く」と2月頃伺ったのがきっかけでした。ちょうどラズパイが1台あったので、早速OpenClawをインストールしました。チンアナゴをモチーフとしたAI秘書としてニョロゴと名付け、LINEで毎日会話しながら日々の暮らしをサポートしてもらってます。
食事管理。食べたものをLINEで雑に送ってもニョロゴが文脈や過去の経緯を見て整理してくれます。例えばご飯、納豆、鶏胸肉80と入力すると、ご飯はいつも120グラム、納豆は1パック、鶏胸肉の80は80グラムと判断して、カロリーやタンパク質、脂質、炭水化物など計算して記録してくれます。
天才だね。
AppleWatchで取得した睡眠データのスクショをLINEで送ると、睡眠時間、深い睡眠、レム睡眠、睡眠時心拍、呼吸数など読み取って記録してくれます。前夜の飲酒量と合わせて管理してくれるので、飲酒が多い日の睡眠では体が休めてないといった、睡眠の質と生活習慣の関連が把握できます。
LINEで誰々さんからメール返信来たら教えてとお願いすると、30分おきにGmailをチェックして受信するとLINEで教えてくれます。なお、ニョロゴが記録した食事や睡眠のデータはGoogleスプレッドシートにためて、Claude Codeで作成したウェブアプリ、健康ダッシュボードでグラフ化して毎日確認してます。
ここ数ヶ月の試行錯誤の結果、OpenClawには暮らしの中での受け取りと記録に専念してもらい、見せ方は別のツールにお任せという分担に落ち着きました。Claude CodeやCodexが作る、直す、調べるに強いとすると、OpenClawは受け取る、記録する、思い出させるところに良さがある気がします。
今後は健康管理以外にも様々な業務の効率化に活かせたらいいなと考えています。例えば在庫管理、医療、介護の現場で、きちんと項目を埋めなくても、普段の言葉でメモするだけで文脈を読んで整えて整理してくれるようになれば、人手不足の解消の一助になるかなと。
作る、直す、調べるに強い。健康ダッシュボードのようなウェブアプリを作る役割
受け取る、記録する、思い出させるに良さがある。LINEだけで操作でき、暮らしの中にAIを共存させる役割
LINEが入り口になる?お便りを受けた二人の活用談
お便りへの反応として、LINEを入り口にする使い方が高く評価されました。日常の連絡ツールとしてはDiscordよりLINEを使う機会が多いため、入力の入り口として非常に良いという理由です。
健康管理やライフログに加え、先ほど話した日記も、LINEに雑に打つだけで整理して入れてもらえるのではという話になります。長文のフリック入力が嫌なら、ボイスメモで投げてしまえば気楽だというアイデアも出ました。
OpenClawはパソコンをずっと開いていなくても動くため、自律性の面で強いと話されています。外出先から指示すれば作業してくれたり、向こうから情報を送ってきてくれたりする点が、Claude Codeとは違う使い方だという整理です。
出演者の一人は最近、Gmailの受信内容を見て、タスクらしいものをNotionのタスクに自動で追加する仕組みをOpenClawで作ったそうです。メールの返し忘れを防ぐための工夫だと説明されています。
番組の定番ネタになっている、毎日決まった時間に「ロボ子」の画像を送ってくる仕組みの話にもなりました。Claude Codeが過激な画像生成用のプロンプトを書くことを拒むため、プロンプトはMarkdownファイルを人間が手で直し、Claude Codeにはその中身を見ずにGrokへ渡す「運び屋」をさせているという裏話が明かされています。
語れば語るほど育つWikiと、番組のこれから
番組が最近は2時間近くになっていることを受けて、二人は「語った分だけWikiが育つ」と笑います。実際におちつきAI Wikiを確認すると、Grokの項目は異常なほどの分量で充実していたそうです。
おちつきAI Wikiの項目は、単に時系列で下に追記されていくのではなく、項目ごとにまとめ直されています。ページの下の方には、エピソードごとの語られ方や、その変遷と矛盾も書かれていて、後から回収できるようになっています。
追加もされ、中身も変わり、矛盾があれば直っていくという仕組みについて、二人は「自伝を自分で書く時代」とまで表現しました。からあげ先生のように何度か登場した人物の項目も、漢字の表記揺れはありつつ、しっかり立っていたそうです。
エンディングでは、火曜日の速報回の告知や、SpotifyとAppleでビデオポッドキャストになったこと、InstagramとTikTokでショート動画を出していることが紹介されました。
収録後のアフタートークでは、90分に収めようとしても収まらないことが話題になります。無理に収めていたら後半の話は存在しなかったことになり、それは話したいことではなく無理やり合わせたものになる、という結論に落ち着きました。
それでも、同じ収録からビデオ、ショート、そしてWikiへと展開できるようになり、かける時間の効率は上がっていると話されています。盛り上がるほどショートのネタが増え、Wikiのつながりも増えるので、通常のポッドキャストとは違う成長曲線の布石になっている気がする、という見立てです。
おちつきAI Wikiは、配信時点ではおちつきAI RAGのトップページからログインなしで見られるようにする予定とされています。RAGの回答キャラクター「つきーちゃん」がWikiも参照できるようにする構想はまだ検討中で、しばらくはRAGとWikiを並行させ、実験的に進めていくそうです。
まとめ
今回のおちつきAIラジオは、リスナーの「LLM WikiとRAGは何が違うの?」という質問から始まり、番組の全トークで作った「おちつきAI Wiki」を実例に、知識を毎回ゼロから検索するのではなく、ためてつなげていく考え方を掘り下げました。後半では、そのつながりを自分の過去や日記にどう使うかという話から、原体験に絶対的な答えを求めず「今ここ」の気持ちを信じるという対話にまで広がっています。
- RAGは質問のたびにチャンクを検索してゼロから答えるが、LLM Wikiは質問や新しい情報のたびに知識とつながりが蓄積されていく
- LLM Wikiは「生のソース」「Wiki層」「スキーマ」の3層で構成され、カーパシーのMarkdownファイルをClaude Codeに読ませれば作り始められる
- Wikiは「何を主軸につなげるか」が重要で、個人・リサーチ・読書メモ・チームなど範囲を絞った使い方が想定されている
- 構築時にAPIキーを渡すと思わぬ課金が起きるため、Claude Code自身に作業させ、少ない項目から試すのが安全
- 原体験は語り直される物語でもあり、絶対的な答えを探すより、今の気持ちを記録していくほうがつながりは見えてくるかもしれない





