前向きなショーを見て、自分もこういうものを作りたいと思った
昨日、『ブープ・ザ・ミュージカル』の日本公演を見てきました。
これは去年、僕がニューヨークで舞台をやっていた期間に見た中で、一番好きだったショーなんです。
ポップでキャッチーで前向きで、絵に描いたようなブロードウェイミュージカルでした。ストーリーもこねくり回していなくて、ちょうどいい。ずっとニヤニヤしちゃう感じなんですよね。
日本公演の途中では地震があって、一度公演が中断したんです。それでもキャストの皆さん、スタッフの皆さんが全部ひっくり返して、すごく盛り上げてくださいました。
やっぱりああいう、行こうっていう前向きなやつが好きなんです。自分も今後こういうものを作っていきたいなと、改めて感じました。
AIと向き合って見えてきた「アンカー」という考え方
ここ数年、僕はAIと真正面から向き合ってきました。
先日、ショートショートフィルムフェスティバル&アジアの会場で、全編AIで制作した映像作品『ちむにぃタウン』をお披露目させていただきました。
目的はAIで映画を作ることそのものじゃないんです。頭ごなしに否定するのでも、無条件に称賛するのでもなく、まず向き合ってみる。その過程で、人間にしか担えない仕事とは何かを探ることがテーマでした。
技術は必ず進化します。見ないふりをしても変化は止まらない。であるなら、最前線に足を運んで自分で手を動かした方がいいと考えたんです。
その中で僕が提唱しているのが『アンカー』という概念です。AIで生成できないもの、たとえば土地や時間、プロセスや思い出のことですね。
このアンカーを絡めていないコンテンツは、ここから急速に価値を失っていく。逆にアンカー自体の価値は上がっていくと考えています。
「一緒に作る」に価値がある。でもクオリティも欲しい
その昔、クラウドファンディングのリターンで「エッフェル塔の個展の設営に参加できる券」を出したとき、お金を払わせた上で働かせているという批判をされました。
でも今となっては、作ること自体が一つのコンテンツになっているのは、さすがにご理解いただけると思います。
これもアンカーで説明できるんです。あの券の価値はプロセスと思い出なんですね。
AIは、設営が出来上がっていくプロセスをゼロ距離で体験させてくれない。一緒に登って設営して、仲間になって、パリの街で飲んだ思い出を作り出してもくれない。
「一緒にイベントを作る」というのは、僕の中で熱いコンテンツの一つです。
一方で、こういう現実もあります。素人の方だけで作ったコンテンツには誰も興味がない。やっぱり一定のクオリティは欲しいんです。
その点、10年近く安定して回り続けているのが『西野亮廣講演会』なんですね。ほとんどの場合、一般の方が主催権を購入して企画運営しているんです。
集客と設営を頑張って本番さえ始まれば、あとは僕がマイク一本で1時間半喋るので、そこのクオリティは約束されている。この創造の余白とクオリティのバランスが良くて、10年以上続いているんだと思います。
映画上映を民営化する。上映権を7万8000円に
これを受けて、次に僕が仕掛けようと思っているのが映画イベントの民営化です。
要するに、業界関係者でもない僕たちで映画イベントを企画運営できるようにしましょう、というものです。
厳密に言うと、誰でも映画の上映に手を挙げられること自体は前々からあったんです。ただ、どうやればいいのか、どこに頼めばいいのか、いくらかかるのかがブラックボックスすぎて、ほぼ誰も手を挙げてこなかった。
そして実際、映画を有料イベントとして上映できる権利の取得は、決して安くなかったんです。
そこで今回、上映権を3分の1くらいに抑えることにしました。映画『えんとつ町のプペル』の権利を吉本興業から買い取らせていただいて、7万8000円で誰でも上映イベントを開催できるようにしたんです。有料無料は問いません。
主催者さんの負担を減らすために、チムニータウンの公式グッズを卸価格で提供する手筈も整えました。7掛けくらいで仕入れて当日販売できるので、そこで利益も作っていただけます。
講演会のようにバズりはしないけれど、じわじわ続いていく状態に持っていけたら最高だなと思っています。
まとめ
前向きな作品に元気をもらった話から、AIと向き合って見えた「アンカー」の話、そして映画上映の民営化まで。全部、自分の手で何かを作る人が増えたらいいなという願いで、僕の中ではひとつにつながっています。まずは覗いてみてもらえたら嬉しいです。
- AIで生成できない土地・時間・プロセス・思い出を「アンカー」と呼び、その価値は上がっていくと考えている
- 「一緒に作る」コンテンツは熱いが、一定のクオリティも必要。その両立の好例が10年続く西野亮廣講演会
- 映画『えんとつ町のプペル』の上映権を7万8000円にし、誰でも上映イベントを開催できる「映画上映の民営化」に挑む
- 主催者の負担軽減のため、公式グッズの卸価格提供も用意した





