いろはは全部ロザンの菅さんに教わった
デビュー当時、つまりもう一年目ですよね。
いろんなところで話していますが、いろはは全部ロザンの菅さんに教えてもらいました。
あれやこれや教えていただいて、僕の血の9割はロザンの菅さんだと思っているくらいです。
菅ちゃんには人生で一番怒られました。自分のことを人生で一番怒ったのは菅ちゃんで間違いないんです。
優しかったけど、やっぱり一番怖かった。
高校を卒業して、兵庫県川西の偏差値の低い高校から出てきて、よくわからないまま吉本に入ったものだから、もう勝たれへんねんですよ。
詰め方も怖くて、怒られている時は「そらそうだよなぁ」と思いながら聞いていましたね。
ツッコミは後藤さんの真似をしていた
ただ、僕はキングコングのツッコミなんですね。菅さんはボケの方なんです。
だからツッコミは、実は菅さんではなくて、フットボールアワーの後藤さんの真似をしていました。
後藤さんの出番の時は絶対に舞台袖に見に行って、単独ライブも必ず見に行っていました。
「見学させてもらっていいですか」とお願いして、とにかく後藤さんを徹底マークしていたんです。「ああ、そうやって突っ込むんか」と。
もともとフットボールアワーさんのファンでもありましたしね。
ネタがめちゃくちゃ面白い。今は漫才のイメージが強いと思うんですけど、元々はずっとコントのコンビだったんですよ。
ABCお笑いコンクールで漫才をやった時に「あ、フットさんが漫才やってはる」と思うくらい、コントの人たちだったんです。
なんで後藤さんのツッコミを学ぶのか
今でこそ後藤さんは「たとえツッコミ」で知られる、ツッコミの人じゃないですか。
でも元々はボケ出身で。僕が真似しようとしていた頃は、ツッコミに転身して一年目くらいだったんですね。
エレキグラムの後藤さんとドレスの岩尾さんがそれぞれ解散して組んだのがフットボールアワーで、僕はその一年目か二年目を見ていたんです。
だから舞台袖でずっと後藤さんの動きを見ていると、他の先輩から「後藤さんって別にツッコミの人じゃないのに、なんで後藤のツッコミ学ぶん?」って聞かれたのを、めっちゃ覚えています。
要するに「後藤はおもろいけど、ツッコミがうまい人ちゃうやんか」ということですよね。
でも、なんだかかっこよかったんですよ、後藤さんが。
東京に出てきてからの後藤さんは、みんなのおもちゃになっていくような感じじゃないですか。あの頃は誰でも喋れないくらい怖くて、ピリピリしていました。
見た目も立ち回りも、全部ちょっと色っぽかったんですよね。
長財布とか、たぶん後藤さんの影響ですよ。着ている服から財布まで真似したくらいですから。
右も左もわからないんだから、真似から入るしかないでしょ。立ち回りを全部真似しているうちに、お洋服まで真似していた感じです。
舞台袖から見た3メートルの距離
今でこそブロードウェイだ何だと、いろんなところでエンタメを作っています。
でも、あの一年目に舞台袖から見ていた先輩たちの背中の方が、はるかに遠いんですね。
ロザンさん、フットボールアワーさん、チュートリアルさん、ブラックマヨネーズさん。もう全然追っつかないんです。
僕らは幸か不幸かデビューが早くて、NSCのうちにはもう舞台に立っていました。
でも、まだ腹から声も出せないくらいのレベルで、舞台に出たら緊張するし。
そんな人間からすると、舞台袖で堂々としていて、どっかんどっかん受けている先輩たちを見て、「どうやったらあんな人たちになれるのかな」とすごく思っていました。
舞台袖からセンターマイクまで、小さい劇場だったので、いうて3メートルくらいの話ですよ。
でもあの3メートルが、今見ているどのエンタメよりもはるかに遠かったんです。
憧れたなぁ、なんか。しかも先輩に話しかけてもらえた時は嬉しかった。
僕はポンって出てきたから、いろんな先輩に「あいつなんやねん」と思われていたんです。でも今名前を挙げた先輩方は、そういうことが一切なかったですね。
フットボールアワー、ブラックマヨネーズ、キングコングで「ブラコングアワー」というイベントをやったのを覚えています。
単独では客席を埋められる人気がなかったから、3組合同でBASEよしもとの220席くらいを頑張って埋めたんです。すごく嬉しかったな。
ミーティングでみんなネタを持ってくるんですけど、自分だけレベルが低くて、足を引っ張っているなと思いながらやっていました。恥ずかしかったですけどね。すごくいい思い出です。
まとめ
右も左もわからない時は、結局、真似から入るしかなかったんだと思います。菅さんに叱られ、後藤さんの立ち回りを盗み見て、少しずつ形になっていった。あの舞台袖からの3メートルを、今もどこかで追いかけているのかもしれません。
- いろはは全部ロザンの菅さんに教わり、人生で一番怒られたのも菅さん
- ツッコミはフットボールアワーの後藤さんを、服や財布まで含めて徹底的に真似していた
- 右も左もわからない一年目は、真似から入るしかなかった
- 舞台袖からセンターマイクまでの3メートルが、今のどのエンタメよりも遠く憧れだった



