『えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』公開10日で22万人突破──"コンテンツになる"という戦い方
西野さんの朝礼にて、西野亮廣さんが映画『えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』の公開10日間の動向を数字とともに振り返り、「初動の苦戦」から「口コミの粘り」、そして自分自身が"コンテンツ"になっている現状をどう受け入れるかを語りました。その内容をまとめます。
モフ人気の爆発と"作れないキャラクター"
映画『えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』に登場するキャラクター「モフ映画『えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』に登場するキャラクター。めぐみちゃんが演じたことで話題に。ぬいぐるみなどグッズ展開も行われている。」の人気が凄まじいことになっているそうです。原宿の交差点にある複合施設「原カド原宿の交差点に位置する複合施設。ポップアップイベントなどが開催される。」3階で開催中の「モフぎゅうぎゅう展」(4月22日まで)では、特大ぬいぐるみが完売。かなりの数を用意していたにもかかわらず、すべて売り切れたとのことです。
西野さんはこの現象に「わかんないもんだな」と率直な感想を漏らしています。絵本作家として16〜17年活動してきた中で、プペルやルビッチよりもモフが最も人気のあるキャラクターになっているというのです。
人気キャラクターって作れないんですよね。もうそれは神様が作るみたいな話で
いい脚本は努力で作れる感覚があるけれど、キャラクター人気だけは制作側がコントロールできない──。そう語る西野さんの言葉には、エンタメに長く関わってきた人ならではの実感がにじんでいます。
スタッフとの打ち合わせでも「次に何を作るか」という話題でモフ一択の流れだったとのこと。モフのスピンオフ作品や絵本の制作が今後進む可能性もあるようです。
なお、会場の特大ぬいぐるみは完売しましたが、オンラインストアでは購入可能です(配送は6月上旬予定)。在庫がなくなり次第終了とのことなので、気になる方はお早めに。
制作サイドの発信が面白い
Voicyでは多くのパーソナリティが映画の感想や戦略を語ってくれていて、西野さんは移動中にすべて聴いているそうです。その中でも特に注目しているのが、ガス役の吉原ミツオさん映画『えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』でガス役を演じた演出家・俳優。Voicyでキャラクター掘り下げの配信を行っている。のVoicyと、ヒロタ監督映画『えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』の監督。Xで制作意図を投稿し、ファンの間で話題に。のXでの発信です。
ヒロタ監督は「あそこにはこういう意図がありまして」と制作の意図をXに投稿しており、西野さん自身も「え、それ初耳ですわ」と驚くような内容があったとのこと。一方のミツオさんは演出家・俳優の視点からキャラクターを掘り下げる配信をしており、これが非常に面白いと西野さんは絶賛しています。ミツオさんのVoicy放送はこちらから聴くことができます。
公開10日間で起きたこと
映画の「今」を包み隠さず共有したいと語る西野さんが、公開から10日間の流れを時系列で整理してくれました。
特に印象的だったのは、「アンチしようと思って見に行ったら作品が良くて、ちょっと今回はいいじゃないかという声が回り始めた」というエピソードです。ネガティブな動機で劇場に足を運んだ人の評価が変わるというのは、作品の力を示す一つの証拠かもしれません。
数字で見る「粘り」──22%減の意味
公開10日間の観客動員数は22万5,853人。「ニュースでは大爆死って聞いたけど、そうでもないの?」と感じる方もいるかもしれません。この数字の意味を、マーケターの三好愛子さんマーケター。Xにて映画の興行データを分析し、公開2週目の下落率に着目した投稿で話題に。のX投稿を引用しながら解説しています。
つまり、公開2週目の土日で前週比22%減に留めたプペルは、平均的な下落率(30〜40%減)を大きく上回る"粘り"を見せていることになります。
三好さんは「初動だけで終わらせない、右肩下がりにさせない力こそが西野亮廣さんの真骨頂」とも評しています。西野さん自身は「前作と比べると立ち上がりはかなり落ち込んだけど、そこから落ちるかと思いきや結構粘ってる。さあ、ここからどうなるでしょうか」とフラットに状況を整理しています。
なお、同日公開の他作品が「大ヒット公開中」と打ち出している中で、西野さんは「大きく見せたくない。いい結果も悪い結果も加工せずに共有したい」と語っていました。
"コンテンツになる"という稀有な状況
昨日、NEWSPICKS経済ニュースを中心としたメディアプラットフォーム。専門家のコメントや独自番組で知られる。から声がかかり、「どうなるプペル」という趣旨の緊急特番に生出演した西野さん。通常であれば「爆死」と言われた作品の制作者は表舞台に出てこないものですが、「メディアのおもちゃになるなら、今が一番面白いタイミングだ」と即答でオファーを受けたそうです。
そこで感じたのが、今日の話の核心──「今の自分がめちゃくちゃコンテンツになっている」ということでした。
具体例として挙げられたのが、チムニータウン西野亮廣が代表を務めるエンタメ企業。絵本・映画・舞台など幅広い作品を手がけている。がブロードウェイのミュージカル『キャッツ』リメイク版アンドリュー・ロイド・ウェバー原作の世界的ミュージカル。チムニータウンが共同プロデューサーとして参画し、ミュージカル作品がミュージカル作品に出資した初のケースとしてフォーブスで報じられた。の共同プロデューサーとして参画している件です。フォーブスでニュースになったにもかかわらず、日本ではまったく話題にならなかったとのこと。
ブロードウェイ共同プロデュース → フォーブスで報道されたが日本では話題にならず
映画の苦戦と粘り → ファンもアンチも乱打戦、議論のお題になっている
「でかいことをすればコンテンツになれるわけではない」と西野さんは指摘します。コンテンツになるには、皆が議論に参加できる"ちょうどいいライン"が大事で、今回のプペルの戦いはそこにすっぽりハマっているのだと。当然、痛みを伴う椅子ではあるけれど、狙って座れる椅子ではないからこそ、真正面から受け入れると宣言していました。
まとめ
映画『えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』は、公開初日の苦戦から始まりながらも、2週目の下落率22%という数字に示されるように、口コミの力で着実に粘りを見せています。モフという予想外のキャラクター人気、制作サイドからの積極的な発信、そしてファンもアンチも巻き込んだ議論──これらすべてが作品を取り巻く"現象"を形成しています。
西野さんが今回繰り返し語っていたのは、「数字を大きく見せるのではなく、加工せずに共有する」という姿勢でした。そしてその中で見つけた"自分自身がコンテンツになっている"という気づきは、クリエイターとしての新しいフェーズを示しているのかもしれません。舞台挨拶ツアーは全国で続行中。ここからの動きに注目です。
- モフが西野さんの活動史上もっとも人気のキャラクターに。特大ぬいぐるみは会場完売、オンライン販売は継続中
- ヒロタ監督(X)・吉原ミツオさん(Voicy)など、制作サイドの"中の人"発信が作品の深い楽しみ方を提供している
- 公開10日間で観客動員22万5,853人。2週目土日の下落率は22%で、平均(30〜40%減)を大きく上回る粘り
- 「でかいことをすればコンテンツになれるわけではない。皆が議論に参加できるちょうどいいラインが大事」
- 痛みを伴う椅子だが、狙って座れるものではない──"自分がコンテンツになる"ことを真正面から受け入れる覚悟
