中小企業の社長の歩き方──「必死」を笑う世界を次世代に渡してはいけない
西野さんの朝礼にて、西野亮廣お笑いコンビ・キングコングのメンバー。絵本作家・映画プロデューサーとしても活動し、オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」を運営。さんが、映画の舞台挨拶ツアーで全国を回る中で浴びせられる「必死じゃん」「惨め」という声に対して、中小企業の社長が足で稼ぐことの正当性と、挑戦者の必死さが揶揄されてはいけない理由を語りました。その内容をまとめます。
タビオコラボソックスのお知らせ
冒頭では、映画『えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』のムビチケを子供たちに贈ってくれた奈良の竹綱先生への感謝が伝えられました。
続いて紹介されたのが、タビオ靴下専門ブランド「靴下屋」を展開する日本のメーカー。イオンモールなど全国のショッピングモールに店舗を構える。とのコラボソックスです。ルビッチのワンポイント刺繍が入ったデザインで、子供用・お父さん用・お母さん用と複数のカラーパターンが展開されているとのこと。西野さんは実際に店頭で現物を見て「異常に可愛い」と絶賛し、大人の男性がデニムとスニーカーに合わせて履いている写真もかなりイケていると力説していました。
どんだけ僕が喋ってもこれ音声だから伝わらないと思うので一回見てください
商品の詳細はチムニータウン公式サイトで確認できます。
舞台挨拶ツアーという"どぶ板営業"
現在、西野さんは映画『えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜西野亮廣原作の絵本『えんとつ町のプペル』を原作とする映画シリーズの第2作。2026年春公開。』を届けるために全国の映画館を回る舞台挨拶ツアーの真っ最中です。
そのスケジュールは過酷そのもの。前日の兵庫県で5ステージ、この日の大阪で8ステージ(30分×8回=約4時間の一人喋り)、翌日は京都で4〜5ステージ。3日間で合計18ステージという体力勝負の日々が続いています。
さらに愛知(ミッドランドスクエアシネマ、TOHOシネマズ赤池、109シネマズ名古屋)への遠征も控えており、スケジュールの空きを見つけては池袋ヒューマックスシネマズでの鑑賞イベントを自ら企画するなど、まさに「足で稼ぐ」日々を送っています。
「必死じゃん」に対する中小企業の現実
こうした草の根運動を続けていると、毎日のように「必死じゃん」「惨め(笑)」「作品に自信がないんですか? みっともない」という声が山のように飛んでくるそうです。西野さんは、これまで「言い訳と捉えられるのが嫌で」はっきり言ってこなかったといいます。しかし、自分が黙ることで同じような"暴力"に遭う人が出てくると考え、今回あえて真正面から話すことにしたとのことです。
映画ランキングのトップ10に入る作品の監督やプロデューサーが表立ってどぶ板営業をしていない以上、比較されれば必死に見えるのは確かだと西野さんも認めます。ただ、その比較の前提がそもそも違うのだと強調しました。
社員数百〜数千人規模
潤沢な広告宣伝費
組織的なプロモーション体制
社員14〜15名の小さなベンチャー
広告宣伝費は大手と比較にならない
社長自らが足で稼ぐしかない
同じ棚に商品が並んでいるから「同じ条件で戦っている」と見えてしまうけれど、一つの作品にかけられる広告宣伝費はまったく違う。その構造的な差を理解してほしいというのが、西野さんの主張でした。
同じ棚に商品棚に並んでるからちょっと紛ってしまうかもしれないんですが、一つの作品にかけられる広告宣伝費が全然違ったりするんですね
社長が足で稼ぐしかない理由
西野さんが強調したのは、「まだまだ小さい会社は、まず社長が足で稼ぐしかない」というシンプルな現実です。
潤沢な資金と信用に支えられて大きな広告を打ち、港区でワインを傾けながら戦略を語れたらかっこいい。それができていないのは自分の力不足でしかない——と自覚した上で、それでも中小企業の社長には「必死」以外の選択肢がないのだと語りました。
小さな会社を選んでくれたスタッフがいて、そのスタッフには家族がいる。仲間と一緒に作った作品・商品・サービスがある。社長であり製作総指揮である自分には、それらを守り抜く義務がある。しかし大手のようなリソースはない。だったら「地べたを這いずり回ってでも、ボロを着てでも、泥水をすすってでも必死につなぐしかない」——これが西野さんの結論です。
自分のことはどうでもいい、ブランド品も高級車も興味がないと断言した上で、スタッフやその家族、そしてチムニータウン西野亮廣が代表を務めるエンタメ企業。「子供たちの未来」を守ることをミッションの一つに掲げている。が掲げる「子供たちの未来」を守るために"ゴミ人間"をやっているのだと語りました。
挑戦者の「必死」を守る代理戦争
ここまでは中小企業や個人事業主の気持ちの「代弁」でしたが、ここからは「すべての挑戦者」に向けた話に広がります。
西野さんが問いかけたのは、「自分が作った作品や商品の呼び込みに声を枯らす姿が"必死じゃん"とバカにされてしまう世界を、次の世代に渡していいのか?」ということです。
パン屋さんがパンを一生懸命売るなんて当たり前の話じゃないですか。お父さんとかお母さんが熱で苦しむ我が子を抱いて病院に駆け込むなんて当たり前の話じゃないですか。その必死が揶揄されていいわけがない
パン屋がパンを一生懸命売ること、焼肉屋が集客に声を枯らすこと、親が病気の子供を抱えて夜中に病院へ駆け込むこと——どれも「当たり前」の行為であり、その必死さが揶揄されていいわけがないと力を込めました。
だからこそこれは「僕個人のケンカ」ではなく、これから挑戦する人、挑戦することが億劫になりかけている人、今なお挑戦のただ中で周囲の声に押し潰されそうになっている人の背中を押すための「代理戦争」なのだと位置づけました。
そして「絶対に負けちゃダメだよね」という一言で、この日の本題を締めくくりました。
まとめ
この回で西野さんが伝えたかったのは、中小企業やベンチャーの社長が泥臭く足で稼ぐ姿は「みっともない」のではなく、リソースの差からくる必然的な戦い方だということです。大手と同じ棚に並んでいるからといって、同じ条件で戦っているわけではない。その構造を理解した上で、「必死であること」を笑う文化を次の世代に渡してはいけないと語りました。
パン屋がパンを売り、親が子供を病院に連れていくのと同じように、自分が作ったものを懸命に届けようとすることは「当たり前」のこと。その当たり前が揶揄される世界を変えるために、自分は絶対に負けない——それが西野さんの決意であり、すべての挑戦者への応援メッセージでした。
- チムニータウンは社員14〜15名の小さなベンチャー。大手とは広告宣伝費もリソースも桁違いに異なる
- 中小企業の社長には「必死以外の選択肢」がない。足で稼ぐのは力不足ではなく、構造的な必然
- スタッフ・その家族・子供たちの未来を守るために、社長は地べたを這いずり回ってでも届ける義務がある
- 「必死であること」が揶揄される世界を次世代に渡してはいけない。これはすべての挑戦者のための代理戦争
- パン屋がパンを売る、親が子供を病院に連れていく——その当たり前の「必死」を笑わせてはいけない
