高校時代のトルコ旅と、今も続く物価高
番組本編を終えたあと、片山さんが「もっと雑談したくて」と鷹鳥屋さんを引き止め、延長戦が始まりました。
いや、本当になんかもっと雑談したくて、実は。
雑談タイム、全然。はい、喜んで。
片山さんが中東で行ったことのある国として挙げたのが、トルコとエジプトの2か国です。どちらも高校生のときに訪れています。
片山さんはスイスの高校に通っており、学校のトリップとして行きやすかったといいます。トルコには「イメージはないけど良さそうだから」という軽いノリで参加しました。
最初に訪れたのはイスタンブールでした。かつてのコンスタンティノープルであり、教科書で見たモザイク画やハギアソフィアを目の当たりにして、文化の違いに感動したと振り返ります。
これがあの、(イスタンブールが)教科書に出てくるコンスタンティノープルかと思いながら。
片山さんがトルコを訪れたのは約30年前。今のトルコがどうなっているのか、最近も現地に行くという鷹鳥屋さんに尋ねます。鷹鳥屋さんの答えは、まず物価高でした。
鷹鳥屋さんによると、トルコリラは値動きが激しく、トルコ人自身が自国通貨を避けてユーロやドルで支払おうとするほどだといいます。
トルコ人がユーロかドルで払ってって、「お前、自国通貨なんだと思っとんの?」みたいな会話をするぐらい。
片山さんが訪れた頃も物価は高く、友人同士で「30万トルコリラ貸してくれ」といったやり取りをしていたそうです。それが日本円で3000円ほどだったといいます。
食料自給率が支える暮らしと、荒れる政治
物価高が続くトルコですが、鷹鳥屋さんは友人の話として、生活自体は成り立っていると語ります。理由は自給率の高さです。
鷹鳥屋さんによると、トルコは小麦などの食料自給率が100%を超えており、衣類などの軽工業も盛んなため、衣食に困ることは少ないといいます。
(トルコは)食料自給率が100%超えてるんですよ。だから食べることはできるんですよね。
一方で住居費は値上がりし、トルコリラが落ちると外国製品が手に入りにくくなるといった苦労もあると鷹鳥屋さんは補足します。
暮らしは前向きに頑張っている印象だとしつつ、鷹鳥屋さんは「政治が荒れている」と話します。エルドアン大統領の在任がかなり長いことにも触れました。
何を食べても美味しいトルコと、片山さんの残念な思い出
物価や政治の話から、話題は食に移ります。鷹鳥屋さんはトルコについて「何を食べても美味しい」と語ります。
ところが片山さんは、料理にあまり良い思い出がないと打ち明けます。学校のツアーで訪れたため、料理も選べなかったといいます。
トルコでハズレを引く方が珍しいですね。
三つ星から四つ星のホテルで食事をしていたにもかかわらず、片山さんが一番美味しいと感じたのは中華だったといいます。朝食は毎朝「伝統的なサラダ」ばかりだったと記憶しています。
鷹鳥屋さんは、次に行く機会があればぜひ試してほしい料理としてコクレッチを挙げます。羊のホルモンを使った屋台料理です。
(コクレッチは)全部腸を綺麗にしたやつをぐるぐる巻きにして、ケバブみたいに炙り焼きにしたのを切って、スパイスと一緒に刻んで食べる。
鷹鳥屋さんは、羊の腸を使う料理は日本ではなかなか手に入らないとしつつ、中東に行くたびに探して食べていると語ります。
トルコとエジプト、旅行のハードルの違い
近年は物価高と円安で海外旅行がしにくい中、トルコやエジプトなら比較的行きやすいという話を、片山さんは旅行代理店の友人から聞いたといいます。
鷹鳥屋さんは、それは双方の通貨が弱くなっている結果だと説明します。そのうえで、2か国の旅行のしやすさには差があると指摘しました。
エジプトはちょっと、あの、旅行中級者以上じゃないと何かタフさが求められる場所なので。
鷹鳥屋さんによると、ツアーではガイドが同行者を守ってくれるものの、フリーで行くとエジプトでは「カモがネギを背負ってきた」と見られてしまうといいます。エジプトはツアーが無難だと勧めます。
一方、トルコはそのまま歩いても問題ないと鷹鳥屋さんは話します。片山さんが約30年前に感じた「怖さ」とは対照的です。
堀の深い顔への偏見と、実際の人柄
片山さんは、30年前にトルコのホテルを出た際に怖さを感じた理由を、偏見だと前置きしつつ語ります。電柱がなく暗いこと、そして人々の堀の深い顔立ちでした。
暗い中で堀の深い人がいると、なんか怖く見える。
これに対し鷹鳥屋さん自身も堀の深い顔立ちであることが話題になり、笑いが起きます。ただ鷹鳥屋さんは、実際のトルコの人々の印象は違うと語ります。
もうみんな、気のいい人たちがやっぱ多い。
鷹鳥屋さんは、ヒゲでガタイの大きい堀の深い人がぬっと近づいてくると自分でも身構えることがあるものの、話しかけてみると意外と優しいと語ります。ヨーグルトをよく食べるからか体格が良い、とも付け加えました。
ターキッシュデライトと、現地でこそ美味しいもの
食の話に戻り、片山さんはトルコのお菓子としてターキッシュデライトを挙げます。鷹鳥屋さんも好きだと応じ、最近はバクラバも日本で見かけるようになったと語ります。
片山さんの中東の思い出として、お土産屋でよく出されたアップルティーの話も出ます。鷹鳥屋さんはこれをエルマチャイと呼び、リンゴを乾かして刻んだものを紅茶と合わせた甘い飲み物だと説明します。
ただ片山さんは、お土産で買って家で飲んだら現地の味と違ったと残念がります。鷹鳥屋さんは入れ方や分量の問題かもしれないとしつつ、現地ならではの理由にも触れました。
日本で食べると「あれ、こんな味だっけ?」って時がやっぱあるんですよね。現地のフードでちょっと味覚変わるかもな、と。
現地のものは現地で味わってこそ、という点で2人の実感が重なります。
言えない国境近くの仕事と、エジプトの厳しさ
話題はエジプトに移ります。鷹鳥屋さんは、カイロなどの中心部ではなく、国境付近まで仕事で行ったことがあると明かします。
ちょっと言えないところの国境の方で仕事をさせていただいて。ちょっと危なかったというか、その後封鎖されちゃったんですけどね。
鷹鳥屋さんによると、その国境付近では自爆テロがあり、20人以上が巻き込まれるトラブルが起きたといいます。タイミングの悪い時期に仕事があり、大変だったと振り返ります。そのため、カイロなど主要都市には実は行ったことがないそうです。
片山さんもエジプトで怖い経験をしたといいます。ホテルから離れると廃墟のような壊れた建物が並び、「北斗の拳の世界」のようだったと語ります。
鷹鳥屋さんは、エジプトが軍事政権であることに触れ、そうでなければまとまらないお国柄だと説明します。一度文民政治が生まれたものの、すぐに覆ったといいます。
強いものが正義っていうのが、やっぱ中東、やっぱ強い信仰があるので。
ハリウッドや漫画が描く「なんちゃって中東」
日本人が抱く中東のイメージは、ハリウッド映画や漫画からのものが多い、と片山さんは指摘します。話は映画や作品の描写へと広がります。
鷹鳥屋さんは映画『300』を例に、ダレイオスが鼻ピアスをしている描写に皆でツッコミを入れたと語ります。アメリカ側から見た中東観が全開だといいます。
その中で鷹鳥屋さんが一番しっくりきたと挙げたのが、実写版『アラジン』です。ランプの精がウィル・スミスだった点に触れつつ、導入部分の英語がアラビア語訛りだったことを評価します。
最初の導入部分の英語がみんなアラビア語訛りなんですよ。だから西洋の人が見たら、あの瞬間、中東に引き込まれると思うんですよ。
鷹鳥屋さんは、映像や衣装もトルコ、モロッコ、アルジェリア、シリアなど各地が混ざっていて面白いと語ります。
アラビアンナイトそのものが複数の中東エリアの物語を混ぜたものだ、という話にも展開します。鷹鳥屋さんは、シンドバッドが実はアラブ人ではない可能性に言及しました。
シンドバッドってアラブ人と勘違いされてますけど、あれ「シンド地方の風」って意味だから、あいつ多分インド人ですよ。
空想と現実のギャップを、どう埋めるか
作品が作る中東のイメージについて、鷹鳥屋さんは受け手の反応が分かれると語ります。一度でも現地に行った人は現実との調整ができているといいます。
一方で、行ったことがなく空想を抱いたままの人にどう説明すればいいか、鷹鳥屋さんは悩むことが多いと打ち明けます。
一回行った人はもう現実との調整ができてるので話しやすいんですけど、ずっと空想を抱いてる人に、これはどうやって説得すればいいんだろうなって。
片山さんは、これはハリウッド映画が日本を描くときの構図と同じだと指摘します。芸者や忍者、富士山といったイメージです。
芸者、忍者、富士山ですよ。
鷹鳥屋さんは、映画の中で新幹線に暗殺者が出るような描写を挙げ、「忍者はどこにいるんだい?」と聞かれるのと同じだと笑います。
ハリウッド映画や漫画のきらびやかな王様、忍者部隊のような描写。複数の国の要素が混ざっている
芸者・忍者・富士山。新幹線に暗殺者が出るような、実像とずれたイメージ
ミサイル慣れした男の、兆候の読み方
中東の文化をもっと学びたいという片山さんに、鷹鳥屋さんは「本を20冊読むより、一回行った方がインパクトが強い」と語ります。ただ、行くにはまだ怖さもあります。
そこから話は治安の話へ移ります。鷹鳥屋さんは、かつて某国の国境近くで働いていた頃、ミサイルがよく飛んできていたため慣れてしまったと語ります。
それでも直近の1000発以上という規模には驚いたといいます。一方で、空港が通常運行に戻り、6月にはカタール航空も戻ってくると、現地の復旧の速さも評価します。
ここで片山さんが、ミサイルの報道があった際に妻と鷹鳥屋さんの安否を話していたことを思い出します。すると鷹鳥屋さんは、まさにそのタイミングで現地アテンドをしていたと明かしました。
爆撃2日前の帰国と、インテリジェンスの感覚
鷹鳥屋さんは、アメリカとイランの会議がスイスで2月28日に終わると言われていたことに着目していました。それまでは動乱が起きないと読み、そのタイミングで帰国日を設定したといいます。
そして帰国の2日後、爆撃が始まりました。この一言に、収録現場の空気が変わります。
鷹鳥屋さんは、もしこの判断がなければ2週間ほど現地で足止めされていたはずだと振り返ります。依頼した会社と打ち合わせて決めたことだと強調しつつ、成田に着いてそのままラーメン二郎を食べに行ったと笑いを交えて語りました。
さらに鷹鳥屋さんは、判断の裏にあった兆候にも触れます。レバノンのアメリカ大使館で、重要な業務のある人以外の職員が退避するというニュースです。
これは何か起きるなっていう、ちょっと兆候は見てて。
鷹鳥屋さんは、こうした小さなニュースを拾い集め、3月まではいない方がいいと判断していたといいます。結果はビンゴでした。これはインテリジェンスに近い分野だと本人は語ります。
まとめ
旅の記憶から食、作品が描くイメージ、そして爆撃2日前の帰国まで、中東を「行った人」の視点でゆるく深掘りした延長戦でした。笑いと緊張が同居する回です。
- 片山さんの高校時代のトルコ・エジプト旅は、文化の違いへの感動と、料理や治安への戸惑いが同居していた
- トルコは物価高やトルコリラの下落が続くが、高い食料自給率などが暮らしを支えている
- 映画や漫画が描く中東は各地の要素が混ざった「なんちゃって中東」で、日本を描く芸者・忍者の構図と重なる
- 鷹鳥屋さんは米イラン会議の日程や大使館退避のニュースから兆候を読み、爆撃の2日前に帰国した
- 断片的なニュースを拾って動く感覚は、インテリジェンスに近い分野だと語られた





